GAME RESULT試合結果

2016/11/09(水)
観衆 6,605人 
天候 晴、 気温 8.2度 湿度 24% 
主審:三上 正一郎 副審:清水 崇之/作本 貴典 四審:

第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会 ラウンド16(4回戦)

味の素スタジアム

FC東京

2-1

試合終了

前半0-1

後半2-0

Honda FC

FC東京 Honda FC
51分: 中島 翔哉
80分:室屋 成
得点者 18分: 久野 純弥
46分(HT):梶山 陽平→小川 諒也
58分:河野 広貴→林 容平
90+2分:中島 翔哉→羽生 直剛
選手交代 76分:古橋 達弥→柴田 潤一郎
78分:久野 純弥→大町 将梧
85分:土屋 貴啓→三浦 誠史
7 シュート 12
7 GK 4
6 CK 5
12 直接FK 16
1 間接FK 7
1 オフサイド 7
0 PK 0
33分:河野 広貴 警告 55分:栗本 広輝
80分:柴田 潤一郎
退場
FC東京先発
GK 47 秋元 陽太
DF 37 橋本 拳人
DF 4 高橋 秀人
DF 29 吉本 一謙
DF 6 室屋 成
MF 10 梶山 陽平
MF 27 田邉 草民
MF 48 水沼 宏太
MF 17 河野 広貴
MF 39 中島 翔哉
FW 9 平山 相太
FC東京控え
GK 31 圍 謙太朗
DF 25 小川 諒也
MF 22 羽生 直剛
MF 32 ユ インス
MF 34 野澤 英之
FW 19 平岡 翼
FW 23 林 容平
Honda FC先発
GK 1 清水谷 侑樹
DF 2 川嶋 正之
DF 3 中川 裕平
DF 5 鈴木 雄也
DF 11 細貝 竜太
MF 8 香川 大樹
MF 16 土屋 貴啓
MF 20 栗本 広輝
MF 22 富田 湧也
FW 18 古橋 達弥
FW 23 久野 純弥
Honda FC控え
GK 27 楠本 祐規
DF 6 須藤 壮史
DF 24 三浦 誠史
MF 10 柴田 潤一郎
FW 9 大町 将梧
FW 15 原田 開
FW 17 宮内 啓汰

【選手・監督コメント】

今季の天皇杯、初戦として臨むラウンド16

天皇杯ラウンド16を迎え、味スタにてHonda FC(JFL)と対戦する。
今季の東京はACLに出場していたため、このラウンド16が大会の初戦に。また、Honda FCは13日(日)にJFL最終節を残すため、今回の対戦は他のカードに先駆けて水曜開催となった。

現在、森重、丸山、ネイサン バーンズがそれぞれ代表の活動のため、不在に。また、前田、東が負傷を抱え、この試合は欠場。そのため、センターバックを高橋と吉本が組み、トップに平山、トップ下に河野を起用し、臨むこととなった。また、ベンチには林、平岡も控える。

対するHonda FCは、静岡県代表として今大会に参加。静岡県予選決勝で藤枝(J3)を破り、本大会では岐阜(J2)、松本(J2)、盛岡(J3)と、4戦にわたってJリーグチームを撃破し、駒を進めてきた。現在、JFL(セカンドステージ)でも首位を走り、そのチーム力をあなどることは決してできない。

篠田監督も「Honda FCは、とても良いチーム。歴史と伝統があり、技術の高い選手も多い。球際や切り替えの面で一瞬でも隙を作ると、やられる可能性がある」と気を引き締めて臨む。かつての東京は『ジャイアントキリング』を起こしたことも、起こされたこともあり、何が起こるかわからない『一発勝負』の恐さを知るチームだ。タイトルへの道を一歩ずつ登っていくためには、油断することなく、隙を作らない戦いで勝ちきり、準々決勝進出をめざしたい。
 

木枯らし1号が吹いた今日、夜になり、一段と厳しい寒さが感じられる味スタにて、試合は19時4分に東京のキックオフでスタートした。

リズムを掴めず、先制点を許す展開に…

序盤から互いにプレスを掛け合い、ボールの奪い合いが続いた。しかし今日の東京は、奪ったあとに早い攻撃を仕掛けられず、今ひとつテンポが上がらないまま時間は経過。
5分:室屋が攻め上がり、左クロス。
9分:橋本が右サイドからクロスを送ろうとしたが、いずれも相手DFに阻まれる。
12分:中島がドリブルで相手DFをかわしながら、前線に突進。エリア手前でDFを引き付け、左前線にパスを送る。良いタイミングで室屋がオーバーラップし、低いクロスを入れたが、ニアの平山、中央に飛び込んだ河野にはわずかに合わなかった。

15分:徐々にHonda FCに切り替えの早さで上回られ、ピッチを大きく使ってボールを動かされ、揺さぶりをかけられる。
18分:Honda FCセンターバックの鈴木から、ボランチの土屋とつながれ、右サイドバックの細貝に縦パスを入れられる。東京陣内右寄りでMF香川に前を向かれ、DFの裏にスルーパスを送られた。東京はHonda FCのダイレクトパスに対して、まったくプレスをかけられず…。スルーパスに合わせて、右エリアにFW久野に飛び出され、思い切りよく放たれたシュートが左下隅にイン…。今日初のシュートを決められ、先制を許してしまったが、その後慌てずに落ち着いて反撃に臨もうとした。

22分:水沼の左CKに、橋本が飛び込んだが、ヘディングは打ちきれず。
23分:室屋が左サイドから送ったシュート性のクロスがゴールに向かう。相手GKにキャッチされたが、そこに平山が詰め、一度はGKの手からこぼれたが、ラインを割ることはできなかった。

前半途中からは河野と水沼のポジションをチェンジし、Honda FCにリズムを掴みきらせず、東京がボールを保持する時間が増え出したが、前線に運んでも攻めきれず。
41分:中島がドリブルで相手を抜き去り、エリア中央に突破を図ろうとしたが、Honda FCのディフェンスの前にボールを失う。
44分:右の橋本が中に持ち込み、梶山が左に展開。オーバーラップした室屋がカットインして、相手DFの手前からミドルを狙ったが…GK正面に。
45分:Honda FCに、東京陣内中央でのFKを与え、ゴール正面・28~9mの位置からFW古橋に直接狙われたが、秋元がセーブ。

前半の東京のシュートは、室屋が放った2本のみ。一方のHonda FCも2本に留まり、堅い試合展開となったが、そのうちの1本をゴールに結び付けられ、リードを許して前半を終えることとなった。

中島が同点弾! 室屋のプロ初ゴールで逆転に成功、準々決勝へ

後半から梶山に代えて小川を左サイドバックに投入。室屋が右に、橋本がボランチに回る形で、まずは同点を狙った。
48分:後半開始直後にはHonda FCに勢いとスピード感をもって攻め込まれたが、粘り強くしのぐ。
51分:相手陣内左の中島が、小川の攻め上がりを引き出すパスを左前線へ。そこに小川がオーバーラップし、左クロスをエリアに送る。これを水沼が落とし、橋本が右に展開。室屋のクロスは相手に当たってこぼれたが、相手DFと橋本が競り、浮いたボールを田邉がヘディングで左エリア手前の中島に。受けた中島は反転して、左足でシュート。これが相手DFをかすめてコースが変わり、ゴール。ようやく1-1の同点に追いついた。


54分:Honda FCの高いDFの裏を狙い、水沼が長いスルーパスをエリアに。これに合わせて中島が飛び出したが、わずかに届かなかった。
58分:河野に代えて林を投入。平山との2トップにして追加点を狙う展開に。林の投入により、前線でボールが収まるようになったが、徐々にラインが間延びする中でゲームはテンポアップ。Honda FCもスピード感のある攻撃を仕掛けられ、シュートに持ち込まれる場面も続いた。
69分:自陣からのフィードをを林が落としてパスを回し、中島→小川が左エリアまで進入。ゴール前に送った短いクロスに、平山が相手DFの前に出て合わせ、ネットを揺らしたが…これはオフサイドに。

80分:その後も攻守の入れ替わりが激しい展開となったが、DFラインからのパスを受けた林が前を向き、左の水沼→中央の中島へ。中島はさらに中へ回り込み、シュートのタイミングをずらして、右の室屋へ展開。室屋はスピードに乗ってトラップで前に抜け出し、GKと1対1に。Honda FCのDFがスライディングで阻みに来たが、“技アリ”の浮かしたシュートを左ネットに決めて、ゴール!!室屋がプロ初の得点をマークし、勝ち越しに成功した。

86分:それでも諦めないHonda FCは左エリア手前のFKからMF栗本が狙ったシュートが、ポストを直撃…。アディショナルタイムには右クロスを上げられ、エリア手前のMF富田に豪快なボレーを叩きつけられたが、バウンドしたボールは秋元がキャッチ。最後までHondaの反撃に苦しめられながらも、全員で集中してしのぎきり、タイムアップ。
中島、室屋の得点で逆転勝利を掴み、12月の準々決勝へと駒を進めることとなった。

【選手コメント】

《室屋》
「試合前から、このような試合の難しさはわかっていた。前半に先制されたが、それでもチーム全体として慌てることはなかった。ただ、僕たちの選手同士の距離感が悪く、Hondaが良いチームということもあり、押し返すことはできなかった。それでもハーフタイムにもみんなで『絶対に逆転できるから』と話し合い、後半は落ち着いて自分たちのサッカーができたのではないか。(自身のゴールについて)オーバーラップした当初は、決めようとは思っていなかったのだが、中島選手から良いボールが来た。最初のボールタッチでGKと1対1になり、GKの位置も見えていたのでシュートを打とうと決断した。落ち着いて決めることができたと思う」


《中島》
「Hondaは力があり、良いチーム。難しさはあったが、それでも僕自身は圧倒したかった。それができず、力不足も感じたし、もっと成長していかなければいけないと改めて思う。(ゴールについて)シュート自体はラッキーではあったが、チームにとっては大きなゴールだったと思う。準々決勝に向けて少し期間が開くが、この間に個人もチームとしてもレベルアップしたい。対戦相手がどちらになるか、今はわからないが、両チーム共に強く、僕は楽しみにしている。一日一日を真剣に努力して、良いプレーができるように頑張りたい」

【篠田 善之監督の会見要旨】

「次のステージに進むことができ、それはよかったこと。試合内容に関しては、前半に失点を喫すると、やはりどうしても難しいゲームになる。我々はスピード感がなく、停滞する時間が多くなり、相手を崩し切れないまま、失点してしまった。反省しなければならないゲームだった。後半はメンバーを入れ替えながら、小川に高い位置を取らせ、サイドを崩すことを徹底した。だが、精度はまだまだ。クロスのタイミングや追い越すタイミングにも多くのミスがあった。Hondaは本当に良いチームで、彼らのひたむきなプレーや、くらぶの勝利への姿勢は、我々も学ばなければいけないと感じている。私たちが格上だという意識は持っていなかったが、JFLの彼らに苦しめられたことは事実。しっかりと自分たちの反省すべき点と、良かった点もはっきりとさせ、トレーニングを続けていきたい」


【Honda FC・井幡 博康監督の会見要旨】
「前半の30分、後半の30分という60分間を、まずしっかりとプレーすることを練習で落とし込んできた。前半は堅いゲーム運びになったが、シュート1本で1点取ることができた。しかし、後半の立ち上がりにチームの勢いを奪う失点を喫した。結果的には1点差での敗戦だったが、個人的には完敗だったと思う。何もさせてもらえなかった。残り10分、点を取らなければいけないところで、前線に人数をかけることができたが、試合を通して見れば、チームの重心が後ろに下がってしまったという印象もある。良い経験をさせて頂いたので、このゲームを活かして、勝てば優勝というリーグ最終戦に向かいたい」