GAME RESULT試合結果

第5節 2014/3/29(土)
観衆 14,420人 
天候 晴、弱 気温 20.5度 湿度 47% 
主審:今村 義朗 副審:大川 直也/村上 孝治 四審:山村 将弘

J1 第5節

アイスタ

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清水エスパルス

1-3

試合終了

前半1-1

後半0-2

AWAY

FC東京

清水エスパルス FC東京
05' 長沢 駿
得点者 44' 河野 広貴
57' 森重 真人
82' 米本 拓司
64' 竹内 涼 → 高木 善朗
70' 高木 俊幸 → イ キジェ
81' 吉田 豊 → 石毛 秀樹
選手交代 72' 河野 広貴 → 東 慶悟
75' エドゥー → 平山 相太
85' 武藤 嘉紀 → 渡邉 千真
8 シュート 7
5 CK 5
23 FK 21
56' 竹内 涼
71' イ キジェ
警告 48' エドゥー
50' 森重 真人
90'+2 渡邉 千真
退場
清水エスパルス先発
GK 1 櫛引 政敏
DF 28 吉田 豊
DF 3 平岡 康裕
DF 4 カルフィン ヨン ア ピン
DF 17 河井 陽介
MF 20 竹内 涼
MF 16 六平 光成
MF 10 大前 元紀
MF 11 高木 俊幸
FW 18 ノヴァコヴィッチ
FW 9 長沢 駿
清水エスパルス控え
GK 21 相澤 貴志
DF 2 イ キジェ
DF 19 ヤコヴィッチ
MF 5 村松 大輔
MF 7 本田 拓也
MF 8 石毛 秀樹
FW 23 高木 善朗
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 29 吉本 一謙
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 34 野澤 英之
MF 8 三田 啓貴
FW 14 武藤 嘉紀
FW 11 エドゥー
FW 17 河野 広貴
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 50 松田 陸
MF 4 高橋 秀人
MF 18 石川 直宏
MF 38 東 慶悟
FW 9 渡邉 千真
FW 13 平山 相太

【選手・監督コメント】

メンバー構成を変え、アウェイで勝ち点3をめざす!


前節川崎戦は苦い敗戦を喫した。今季リーグの初勝利もかなわず、チーム状況は苦しいと言わざるを得ない。この流れを変えるためにも、どうしても勝利が求められる一戦だ。選手たちは、川崎戦について「ミスから失点したことが要因だが、先制を許したのちに自分たちから崩れてしまった」と冷静に分析する。マッシモ監督も「チームとしての戦い方や、走ること、球際の厳しさ、ミスをしないこと……など、何かが欠けると勝つのは難しくなる」と振り返り、「だから優先順位を忘れてはいけない」と続ける。それらを修正するためにも、球際の激しさや走ることなど、個々にサッカーの本質に立ち返り、戦う姿勢を表すことが大事になってくる。チームとして上手くいかない時間帯にどう戦うかを課題と捉え、ピッチ内の共通意識を高めて今節に臨む。

東京はCBに吉本を起用。前線と中盤のメンバー構成も変え、野澤をアンカーに。米本と三田がインサイドハーフ。
そして前線はエドゥーと武藤の2トップ。トップ下に河野の布陣で臨む。なお、先発には5名のユース出身者が名を連ねることに。

一方、清水は現在勝ち点4で15位につける。清水も開幕の名古屋戦で勝利した以降は2敗1分けで、本来の力を発揮し切れていないといえるだろう。しかしマッシモ監督は「清水にはアグレッシブさもあるし、個々の能力が高いうえにオーガナイズされている」と印象を話す。今季は、長身のFW長沢をトップに、新加入のFWノヴァコヴィッチをセンターの軸に据え、そこにFW大前や、DF石毛、FW高木俊らのスピードや突破力を活かした攻撃を仕掛けてくる。ここまでは中盤の構成に試行錯誤をしていたようだが、MF六平や竹内らが台頭。同時にMF本田や、負傷を抱えていたDFイ キジェも徐々にコンディションを高めつつあり、彼らが揃えば一気に選手層の厚さを誇ることになる。

これに対して東京は、アウェイで先制を許すと苦しくなるはず。高さとスピードのある清水の攻撃陣に対しては、森重、吉本の連係と役割をはっきりさせつつ、チームとして粘り強く戦うことで失点を防ぎたい。清水の迫力のある攻撃をしのぐとともにチャンスを活かし切り、アウェイながら勝ち点3の奪取をめざす。

風が強くなってきたものの、春の陽気の日本平にて、試合は15時5分に東京のキックオフでスタートした。

先制を許すも前半終了間際に河野が決め1-1で折り返し


試合は立ち上がりの5分、強風の影響からか互いにパスが合わない場面が続いた。そのなかで自陣で米本→野澤のパスがかみ合わず。エリアへのボールを一度は森重がマイボールにしようとしたが、清水FW大前に後ろから猛プレスをかけられて……森重の後ろにこぼれたボールを清水FW長沢に突き刺され、早くも先制を許す。

15分が経過。試合の入り方に苦心し、早い時間帯に先制を許した。それでも下を向かず、立て直しを図ろうとしている。右サイドに流れた武藤がタメを作り、裏に抜け出した河野につなぐ。河野はドリブルで右エリアの高い位置まで切り込み、ファーで待ち構えるエドゥーに決定的なラストパスを送ったが……ボールはマイナスに流れ、合わなかった…。その後は一進一退の展開に。

迎えた24分、米本がファールを受け、右サイドからのFKに。太田が前線に送るが、高いボールは全て跳ね返される。ここから清水の豪快なカウンターを受け、右サイドのFW大前→中央にFW高木にフリーで飛び出されたが……トラップがずれ、そこを太田が粘り強く抑えてフィニッシュには持ち込ませなかった。25分、今度は東京が切り替え早く三田のパスから、武藤が左エリアに飛び出す。角度がなく自身はシュートに持ち込めなかったが、右のエドゥーとの間に三田が割り込むように走り込み、そこにラストパス。三田はシュートを狙ったが、清水DFのブロックに阻まれる…。

30分が経過し互いにミスはあるものの、スピードのある攻撃を仕掛け合う展開に。東京は武藤、河野らが決定的な形を作るが、チャンスを活かすことはできていない。40分には激しいプレーが続き、ピッチの中は荒れ気味に。そのなかで自陣で米本がファールを受けたかに見えたが、プレーオン。東京が一瞬止まった隙を突かれて、清水につながれ、DF吉田が右エリアでフリーに。ここからシュートを打たれたが、権田がセーブ。

同点ゴールが生まれたのは44分。右エリアすぐの武藤が豪快なシュート。これは清水GKの片手のセーブに阻まれたが、こぼれ球に中央エリア手前の河野が詰めてシュート。ボールは相手DFの間と、GKの脇をすり抜けるように右下に転がり込み、ゴール!!早い時間帯に先制を許したが、その後は互いに速い攻撃を仕掛け合い、激しい展開に。清水にもチャンスを作られたが、東京も三田、武藤らを起点に反撃。前半終了間際に河野が決めて試合を振り出しに戻し、後半に勝負をかける。

チーム一丸となってリーグ戦初勝利をもぎとった!


後半に入り49分、中盤でエドゥーが勢い余ってファールを犯し、清水にFKを与える。これを清水がエリアにフィード。ロングボール対して競り合った太田が、ハンドの反則の判定を受け……清水にPKが与えらえた。この判定に抗議をした森重が異議で警告を受け、通算4枚目。次節出場停止に。しかし清水FW大前が左したに蹴ったPKは、権田が渾身のセーブ!!!このビッグセーブで試合は東京ペースに。

迎えた57分、相手陣内やや右寄りで武藤が激しいファールを受け、FKを得る。ここから太田が前線に送ったキックに、森重がどんぴしゃで飛び込み、打点の高いヘッド!ワリと浮いたボールはコースを突いてネットに決まり逆転に成功。2-1とリードする。

60分が経過、後半の決定的なピンチを権田の好プレーでしのぐと、セットプレーのチャンスを森重が活かし、勝ち越しに成功。その後も互いに攻め合う展開が続いていた。64分、清水はボランチの竹内に代えて、右MFに高木善を投入。攻撃陣を厚くして反撃に出てくる。

72分には貴重な同点ゴールを奪った河野に代わって東が入りインサイドハーフに。そして三田がトップ下にポジションを移動。さらに75分には攻守に豊富な運動量で戦ったエドゥーに代わり、平山がピッチに。その後は清水の反撃、激しいプレーの応酬に、流れが途切れることが多く、リズムは掴み切れたとはいえない。だが、集中して清水の攻撃をしのぎ、東京がさらに追加点を狙う。

迎えた82分、相手GKからのキックを吉本が跳ね返し、マイボールにして相手陣内へ。東のパスから、武藤が右前線に抜け出し、中央へグラウンダーのクロス。ゴール前の平山には合わなかったが、ファーから詰めた米本が冷静にコースを突いたシュートを逆サイドのネットに決めて、追加点。これで3-1とする。

後半立ち上がりの清水のPKは権田が好セーブ。ピンチをしのぐと、FKから森重が勝ち越し弾を決めた。その後も集中を切らさずに反撃を抑え、終盤には東、武藤の連係から→米本が清水を突き放す3点目をゲット。チーム一丸となってリーグ戦初勝利をもぎとった!

【選手コメント】
《権田》
「PKをストップしてもまだ同点だった。流れを変えるだけでは意味がないことは、これまでの戦いからもわかっている。大事なことは結果。今日の勝利は、そこから勝ち越してくれたフィールドプレーヤーのお陰。先制を許し、その後も落ち着くことができなかった。リードした清水が引いたこともあり、僕たちはボールを保持してリズムを引き寄せることができたはず。そこでリズムを作れなかったことが反省点。吉本選手が跳ね返して、中盤でセカンドボールを拾って、三田選手や武藤選手が走り回っていた。個人の頑張りが勝利を引き寄せた。でももっと簡単に、チームとして勝利を引き寄せることができたはずだと思う。リーグの初勝利は素直にうれしいし、あとはユース出身の選手が5人、清水も含めれば6人(MF六平=FC東京U-15深川出身)もピッチに立って、それで僕たちが結果を出せたことがすごく良かった。これまでトップに昇格しても外に出てしまった選手も多いが、こうやって結果を出せたのは、以前からユースを大事にして応援してくれた方々のお陰でもあると思っている。その期待に応える一歩になったのではないか」

《吉本》
「反省点はいっぱいあるが、みんなで戦って結果を出せたことが良かったと思う。権田選手とはプロで初めて同じピッチに立った。それは権田選手から言われて初めて気づいた(笑)。今日も苦しかったが、三田選手が『苦しいときこそ、僕たちユースの選手で絶対にやってやりましょう』ということを言っていて、『成長したな』と(笑)。僕は、みんな同じ仲間で、周りに対して『ユースだから』と区別する気持ちはないけれど、もちろん自分自身は『やらなきゃ』と思っていた。とにかく自分ができることを一生懸命に、そして最初から最後までしゃべり続けようとした。全員で話し合って、みんなの矢印を一つにするという雰囲気を作りたかった。早い時間帯に失点をしたけれど、誰が出場しても、こうやって逆転できるチームになっていると思う。すぐにナビスコもあるし、自分も準備を続けたい。ここからが自分の勝負だと思うし、チームとしても流れに乗って勝ち続けていきたい」

【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「相手は非常にオーガナイズされていた良いチームだという印象を持っていたが、その通りだった。自分たちが失点した後、そこから苦しい展開になったが、選手たちの姿勢が素晴らしかったので1-1に追いつき、逆転を成し遂げてくれた。非常に素晴らしい気持ちで選手たちは臨んでくれた。しっかりと相手にプレスをかけ、好きなことをさせずに、自分たちが主導権を握るという形を選手たちが持ち続けたことが非常に良かったと思う。開幕からの3試合では自分たちのミスから試合の流れを渡してしまい、残念な結果に終わってしまっていたので、長い間勝利を待ち望んでいた。選手たちは非常に良いプレーをしてくれておめでとうと言いたいし、この勝利を祝いたいと思う」

【清水・アフシン ゴドビ監督監督の会見要旨】
「選手たちは非常に良い形で試合にエネルギーをもたらしてスタートした思う。うまく戦えていた中で得点できてもおかしくない状況を作っていた。しかし、相手のカウンターを受けて失点をしてしまい、本来であればリードしている状況でハーフタイムを迎えることができたと思う。後半に入り、PKを含め我々にとって非常に重要な時間帯があったが、PKを外してしまい流れが変わってしまった。今日の試合の中で相手の同点ゴールの時間帯、そして我々がPKを外してしまったところ、そこが試合の分岐点だった。選手たちは集中力を欠いてしまった中でスタジアムの雰囲気も変わってしまった。」