GAME RESULT試合結果

第11節 2012/5/12(土)
観衆 10,816人 
天候 屋内、無 気温 19.9度 湿度 49% 
主審:松尾 一 副審:宮島 一代/越智 新次 四審:長谷 拓

J1 第11節

札幌ド

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北海道コンサドーレ札幌

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

FC東京

北海道コンサドーレ札幌 FC東京
得点者 01' 梶山 陽平
74' 近藤 祐介 → 内村 圭宏
85' 高木 純平 → 大島 秀夫
88' 前田 俊介 → 榊 翔太
選手交代 36' 石川 直宏 → 渡邉 千真
85' 谷澤 達也 → 米本 拓司
89' 渡邉 千真 → 重松 健太郎
11 シュート 11
6 CK 6
15 FK 11
75' 河合 竜二
警告 45'+1 太田 宏介
48' ルーカス
退場
北海道コンサドーレ札幌先発
GK 16 李 昊乗
DF 2 日高 拓磨
DF 3 ジェイド ノース
DF 25 櫛引 一紀
DF 6 岩沼 俊介
MF 4 河合 竜二
MF 31 前 貴之
MF 15 古田 寛幸
MF 32 近藤 祐介
MF 7 高木 純平
FW 11 前田 俊介
北海道コンサドーレ札幌控え
GK 30 杉山 哲
DF 29 奈良 竜樹
MF 18 芳賀 博信
MF 8 砂川 誠
FW 13 内村 圭宏
FW 23 大島 秀夫
FW 33 榊 翔太
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 33 椋原 健太
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 18 石川 直宏
MF 10 梶山 陽平
MF 39 谷澤 達也
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 14 中村 北斗
DF 30 チャン ヒョンス
MF 7 米本 拓司
MF 17 河野 広貴
FW 11 渡邉 千真
FW 24 重松 健太郎

【選手・監督コメント】

昨年の借りを返し、上位進出を狙う


リーグ第11節は、アウェイでコンサドーレ札幌と対戦。前節新潟戦は今季リーグ初先発の椋原が右サイドで躍動し、終始主導権を握り、安定した試合運びから2得点を挙げて勝利、連敗をストップした。今節はアウェイでの連戦となるが、約1週間のインターバルがあり、リフレッシュとコンディションを整えた状態で連勝をめざす一戦だ。

 対する札幌は、現在1勝1分8敗で最下位にとどまるものの、5月3日第9節ではC大阪に快勝し、リーグ初勝利をつかんだ。シーズン序盤にボランチの山本、FW内村らが負傷のためチームを離脱し苦しんでいたが、今季移籍加入のFW前田がフィットし、チームとしてのまとまりは増しているようだ。また、持ち前の堅守に加え、無得点で敗れたリーグ戦は2試合のみ。僅差の勝負が明暗を分けているため、決してあなどることはできない。

 東京は、羽生が足を痛めたため出場を回避。石川が先発に復帰した。攻撃に関しては、札幌のDFジェイド ノースやボランチの河合らを中心とした組織的な守備に対してどのように崩していくのかがポイント。落ち着いてボールを動かし、スピード感のある攻撃で押し込む展開に持ち込めればチャンスは作れるはず。ルーカスや谷澤がDFの間を突く動きを繰り返し、石川の突破力も活かして先制点を奪えるかどうかが重要となる。

 昨季の対戦から約5か月を経て、互いにJ1に舞台を移したものの、椋原は「昨季最終節の敗戦の悔しさは忘れていないし、個人的にJ2に置いてきたものがある。それを取り返したい」と。森重は「もちろん無失点での勝利をめざす。ただし18位の札幌を相手に勝たなければというプレッシャーもあるものの、状況によっては最低でも勝ち点1を引き込めるような冷静さは必要。特にここから上位をめざすためには、勝ち点ゼロの試合をしてはいけない」と、ともに気を引き締めて話し、勝利をもくろむ。試合は札幌ドームにて13時04分に東京のキックオフで開始した。

開始早々に梶山のゴールで先制し、そのままリードして前半を折り返す


 開始1分にビッグチャンスがおとずれる。左CKからの石川のキックに合わせ、ニアに長谷川が飛び込む。これは打ち切れなかったが、こぼれからつないで再び左サイドの石川が、長谷川とのワンツーからエリア内に進入。中に送ったラストパスに、ニアの梶山が難しい体勢ながら右足のアウトで合わせる。ボールはファーのネットに吸い込まれ、欲しかった先制点を奪うことに成功した。

 さらに東京は攻撃の手を緩めない。8分、梶山とのワンツーから太田がエリア内に抜け出し、ラストパス。左CKを得るもチャンスにつなげられず。9分には左CKのこぼれから、相手ゴール前で細かいパス回し。ここに椋原も加わり、長谷川の縦パスをルーカスがつなぎ、最後は右エリアの石川がゴールを狙ったが、バーの上に。13分は石川の右クロスから前線に人数をかけてパスを回す。相手DFも引いて守備をする中、中央のスペースを上がった高橋がミドルを狙う。だがブロックに阻まれる。

 しかし徐々に相手のカウンターからピンチを招き、流れが札幌に傾く。30分には札幌FW前田を起点につながれ、これを止めることができず。スルーパスから、右エリアに抜け出した札幌MF古田にゴールエリア手前の至近距離から決定的なシュートを許すも、権田の左足のセーブでCKに逃れる。さらに東京にアクシデントが起きる。36分に石川が相手と交錯して左ひざを痛め、急きょ渡邉と交代。ルーカスが左サイドに入ることに。前半はそのまま1点をリードして終了した。

権田のスーパーセーブも飛び出し、相手の反撃を無失点に抑え勝利


 後半開始から再び東京ペース。48分、権田のロングキックを前線の渡邉が落とし、梶山が右前線を突いてクロス。大きな展開から、中央に再び渡邉が身体ごと飛び込んだが、札幌DFに阻まれCKに。さらにこの右CKのこぼれを粘り強く拾って攻め込み、左の太田がゴールと平行の短いクロス。一度相手DFにクリアされるものの、左サイドの森重がこれを拾い、思いっ切りよくミドルを狙ったが、枠外に。

 56分には札幌FW前田がドリブルで中央へ突進。徳永、太田が引き付けられた瞬間に、右エリアにフリーで走り込んだ札幌MF高木にラストパスが渡り決定的なチャンスを作られるも、権田がスーパーセーブが飛び出し、右手1本ではじき出す。64分にもFW前田の巧みなスルーパスから、MF近藤に左ポスト付近にコースを突いた決定的なシュートを打たれるが、権田が片手でセーブしてCKに逃れる…。

 東京は66分に相手DFの裏に出たボールに対して、梶山があきらめずに拾いゴールに向かうもカットされる。68分には左前線でルーカスが起点となり、中央の梶山のパスに合わせて、右サイドから椋原が中に上がり、シュートするも、枠外に。その後は攻撃の枚数を増やしてくる相手に対し、東京も疲れの見えた谷澤、渡邉に代わり米本、さらに今季初出場となる重松を投入。全員が最後まで走り回り、身体を張って1点を守り抜き勝利。連勝を飾った。

 【選手コメント】《梶山》「(ゴールについて)ナオさんからクロスがくる前に、相手DFと駆け引きをしてスペースができた。早い時間帯でもあり、そこで迷わずシュートを打とうとした。ファーに人数がいることはわかっていたので(こぼれてもいいように)ファーに蹴ったら入りました。ここのところ試合の入り方はよく、今日もよかったと思う。ただ、リードしたあと、厳しい時間が長くなった。自分たちの時間をもう少し長くできれば、もっとよい形で試合を進められたと思う。ただ、その中でもみんなで失点をゼロに抑えられた。それは勝利の大きな要因。

 《権田》「本当に勝っただけの試合。もちろん、みんなが最後のところで身体を張ってくれていたからこそ勝てたのだが、自分たちのゲームができたわけではなかった。札幌も簡単にはいかない相手。ただ、僕たちがめざすサッカーを考えれば……ギリギリのところで守り切るサッカーであれば、無失点で満足できるのかもしれないが、僕たちがめざしているのは支配して主導権を握るサッカー。ただし長いシーズンの中で何度か、こういう試合になるのは仕方がないとも思う。でもこういう試合が続けば、いつか崩れてしまう。勝ったからこそ、よい雰囲気の中でみんなで話し合って修正していきたい」

 【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「本当にタフな試合だったと思います。ただ想定外の試合ではなく、想定内の厳しい試合になった。試合は最高の入り方ができましたし、しっかりとゴールも決め切ることができた。そして前半の大部分で私たちが試合をコントロールできたと思っています。しかし、美しい連携やコンビネーションで崩した場面が何回かあったと思いますが、その場面では自分たちのプレーの美しさに見取れて、決め切れなかったのかもしれない。後半の札幌は私たちよりもアグレッシブに最後までやり切るプレーをしていた。1点を奪ってもおかしくないプレーをしていたと思います。

 難しいタフな試合だったのですが、要所要所をしっかり締めることができた。そして今日の試合に関しては運に助けられた部分もあった。ただ、私たちの選手がピッチ内で見せてくれた姿勢に関しては勝利に値するものだったと思います。最後までチームとしてやりきったし、戦う姿勢を見せてくれた選手たちにはよくやったと言いたいと思います。とにかく勝ち点3を獲れたことが非常に大きな意味を持つ試合になったと思います。ドームというなかなか経験できない環境の中で、私たちのファン・サポーター、札幌のサポーターにも多く足を運んでいただいた。双方のサポーターがいい雰囲気や戦いやすい環境を作ってくれたことに感謝したいと思います」

 【札幌・石崎監督の会見要旨】「今日は早い時間帯でCKからのこぼれ球から失点してしまった。注意しなければいけないと話していたボールの処理。ゲーム内容としては、いい攻撃はできていたし決定的なチャンスは作れていたが、ゴールを決めきれない甘さが出た。ただ勝ちたいという気持ちは見せられたしいいサッカーができたと思う。決めるところでしっかりゴールを決めなければ、勝点を拾えない。負けたので残念だが、いいサッカーはできたので今日の反省を活かして次に繋げたいと思います」