GAME RESULT試合結果

第27節 2009/9/26(土)
観衆 21,512人 
天候 晴、弱 気温 26.9度 湿度 48% 
主審:松尾 一 副審:小椋 剛/戸田 東吾 四審:河合 英治

J1 第27節

味スタ

HOME

FC東京

3-2

試合終了

前半0-0

後半3-2

AWAY

ジュビロ磐田

FC東京 ジュビロ磐田
62' 石川 直宏
82' 長友 佑都
89' 赤嶺 真吾
得点者 64' 前田 遼一
70' イ グノ
72' 羽生 直剛 → 赤嶺 真吾
75' 石川 直宏 → 中村 北斗
75' 鈴木 達也 → 椋原 健太
選手交代 45' 西 紀寛 → 松浦 拓弥
78' 成岡 翔 → 犬塚 友輔
85' 村井 慎二 → 船谷 圭祐
20 シュート 10
2 CK 9
17 FK 11
59' ブルーノ クアドロス
警告 19' 駒野 友一
25' イ グノ
49' 松浦 拓弥
66' 成岡 翔
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 25 徳永 悠平
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 6 今野 泰幸
DF 5 長友 佑都
MF 10 梶山 陽平
MF 28 米本 拓司
MF 18 石川 直宏
MF 22 羽生 直剛
FW 13 平山 相太
FW 40 鈴木 達也
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 2 茂庭 照幸
DF 33 椋原 健太
MF 7 浅利 悟
MF 8 藤山 竜仁
MF 14 中村 北斗
FW 24 赤嶺 真吾
ジュビロ磐田先発
GK 31 八田 直樹
DF 5 駒野 友一
DF 6 那須 大亮
DF 3 茶野 隆行
DF 16 金沢 浄
MF 10 成岡 翔
MF 19 岡田 隆
MF 11 西 紀寛
MF 14 村井 慎二
FW 18 前田 遼一
FW 33 イ グノ
ジュビロ磐田控え
GK 21 吉原 慎也
DF 2 鈴木 秀人
DF 15 加賀 健一
MF 17 犬塚 友輔
MF 24 松浦 拓弥
MF 28 船谷 圭祐
FW 22 カレン ロバート

【選手・監督コメント】

日々成長する姿を見せ、ホームでの勝利をめざす


 リーグ第27節は前節に続くホームゲーム、味スタでジュビロ磐田を迎え撃つ。G大阪戦では、前半は主導権を握りながらチャンスに決めきれず、後半は相手に流れをつかまれ、スコアレスドローに終わった。だが城福監督は「京都戦での課題は改善していた。次はG大阪戦で出た課題を解消し、必ず勝利につなげたい」と話し、右肩上がりで成長しながら勝利をめざす一戦になる。

 対する磐田は現在、勝ち点35で11位。第23節からは3連敗を喫したが、前節京都に快勝。また今節、東京に勝てば、勝ち点が上回って順位が入れ替わるだけに、勝って勢いに乗りたいところだろう。特にその攻撃力は脅威で、これまでの総得点は40。中でも、得点ランキングトップを走るFW前田とFWイ グノの2選手で23得点を挙げている。FW前田はボールを引き出す動きもポストプレーも巧みである上、クロスに合わせたヘディングからのゴールも得意。FWイ グノにはスピードと強さがあり、彼らのコンビネーションで得点することもできる。

 そのため、まずは彼らを自由にプレーさせないことが勝利の条件になる。連動した守備で、ボール保持者へのチャレンジとカバーを徹底したいところだ。一方で磐田の総失点46はリーグワースト(柏とタイ)。万一、決めきれない場面が続いたとしても、我慢して自分たちのサッカーを続け、磐田との我慢比べに負けずゴールを奪いたい。

 東京は、石川が右足を痛めて別メニューでの練習が続いていたが、懸命な調整を行い、先発に。また出場停止があけた平山と、鈴木が2トップを組む布陣で臨むこととなった。磐田はGK川口が負傷のためチームを離脱。GK八田が今季初のスタメンに。よく晴れ、蒸し暑さも残る味スタ。試合は16時4分に東京のキックオフでスタートした。

慎重な展開の中、互いにチャンスを活かせず…


 立ち上がりはともに相手にリズムを与えないようにプレスを掛け合い、慎重な展開となった。14分、磐田・ボランチの岡田が左からアーリークロス。権田がFWイ グノと競り合いながらパンチングしたが、ボールは枠内に浮き、FW前田にヘディングを許す。シュートは勢いがなく、右に外れたが、これが両チーム合わせて最初のシュートであった。

 しかし16分には、東京が連係からチャンスをつくる。米本が左前線の鈴木に展開し、鈴木は高い位置まで進み、再び中央でフリーの米本に。そこから送ったエリア中央へのスルーパスに合わせ、左から長友が走って合わせてシュート! しかしゴールエリア手前からのシュートはGKのセーブに阻まれてしまった。17分には、羽生の右クロスを、中央の石川がスルー。すぐ後ろの平山がシュートを放つが、DFにブロックされる。

 時間の経過とともに東京がボールを支配したが、磐田の戻りも早く、なかなか守備を崩し切ることはできなかった。磐田もFWイ グノの力強いプレーを中心に、局面を打開しようとしてきたが、これに対しては集中して守り切る。44分には、相手陣内で平山が磐田ボールをカットし、右の石川、左から鈴木が併走し速攻を仕掛けたが、石川の突破は磐田DFに抑えらる。続いて鈴木が左サイドを駆け上がり、エリアに入ったところでゴールを狙ったが、GKのセーブに阻まれ、スコアレスで後半へと折り返した。

勝ち越しを許すも、長友、赤嶺のゴールで劇的な勝利!


 後半、最初にビッグチャンスをつかんだのは磐田だった。54分、左MF村井が左サイドで起点をつくり、エリア内でフリーになったFW前田にボールがこぼれる。東京DFの隙を突かれた形でFW前田に決定的なシュートを放たれたが、バーに当たって下に跳ね返り……ピンチを免れた。直後の55分には、今度は東京が決定的な場面をつくる。相手陣内で平山がプレスをかけて磐田ボールを奪い、エリアに進入してDFを引き付け中央でフリーの石川へ。石川は右足を振り抜いたが……バーを大きく外れてしまった。

 ともにチャンスを逃した中で迎えた62分、梶山→石川が右の羽生に展開。羽生がエリアへ送ったパスに梶山が走り込み、中央の平山から石川へ。石川はゴールにボールを流し込み、連係のとれたパスワークから待望の先制点を奪う! だが直後の64分、磐田に左CKを与えるとDF駒野のキックが権田の手からこぼれ、FW前田のもとに。米本がスライディングで阻もうとしたが、再び蹴りこまれて失点……。そして70分には、磐田・左MF村井のミドルは東京DFがブロックし、再びCKに与える。この左CKから、中央のFWイ グノをフリーにしてしまい、豪快なヘッドを決められる。セットプレーの場面で守備のミスが出て2点を献上。勝ち越しを許してしまった。

 しかし決してあきらめず、72分には羽生に代えて赤嶺を、続いて75分には鈴木、石川に代えて椋原、中村を投入。椋原が右サイドバックに、徳永が左に回り、長友が一列前に上がる布陣で、サイドを起点にクロスからゴールをめざした。この狙いが奏功、スピーディで勢いのある攻撃を仕掛けて反撃に出ると、迎えた82分、米本→中村が右サイドからスピードに乗って、速いクロスを入れる。ゴール前でバウンドし、相手GKのこぼれに長友が反応。きっちり詰めて冷静に右足で決め、同点に追いついた。

 終盤、東京は今野をトップ下に、椋原、ブルーノ、徳永の3バックの布陣でパワープレーに出る。磐田も勝ち越しを狙い、カウンターの応酬となる中、84分に磐田左MF村井が攻め上がり、中央のFW前田に決定的なシュートを放たれたが、これは権田がセーブ!! CKに逃れ、守り切る。そしてこのまま同点で4分のロスタイムに。東京が厚みのある攻撃を仕掛けると、梶山が中央をドリブルで上がり、左に展開。中盤に上がっていた長友がクロスを送り、ファーの赤嶺がフリーでヘディング! ボールはネットに吸い込まれて劇的な勝ち越し! “ジュビロキラー”赤嶺の勝負強さが光るゴールで勝利をもぎ取り、リーグ戦では第24節大分戦より3試合ぶりとなる勝ち点3を得た。

 【選手コメント】《長友》「サイドバックの時にはバランスを取り、サイドハーフに上がったら自分でゴールを取りにいくつもりでやっていた。貪欲な姿勢は出せたと思う。得点シーンは、その前からこぼれ球は狙っていたので、ああいうゴールになったと思う。その前から点が取れる可能性はあった。最後の精度だけ合えば、というところだった。2失点したが、メンタル的にも一人ひとり強くなっているし、僕自身も全然ぶれることなく前を向いてやっていこうという気持ちだった。その思いが3点目に繋がった。今日はみんなが目指していく方向性を感じられた試合。この勝利を次に繋げたい」《赤嶺》「決勝点は、相太がニアでつぶれてくれて自分はフリーになれた。GKの位置とゴールはよく見えていた。コースはあそこしかないと思って狙った。自分自身はゴールから長い間離れていたし、チームもここのところ勝ち点3が取れなかった。このゴールで自分も勢いが出ると思うし、チームも波に乗れるといいなと思う。ジュビロキラーと言われるが、磐田を特別意識はしていないし、逆にほかの対戦相手ではあまりゴールを取っていないということ。ほかの試合でも点が取れるようにがんばりたい」

 【城福監督の会見要旨】「我々のいまの順位は中位だが、今季のリーグ戦に向かう姿勢や、シーズンの目標としているところをどうしても見せたかったし、それを結果として残したかった。その選手の気持ちが表れた。ベンチ含めて全員が、まだリーグ戦に目標があるということを示せた試合だったと思う。前半は相手の2トップをかなり注意していたが、そちらにばかり頭がいって、少し間延びしてしまった。もう少しコンパクトにすること、DFラインを押し上げることができればよかった。後半に向けてそこを修正した。後半の入り、1点を取るまでは良かったと思う。CKからの失点は反省しなければならないし、CKを取られてはいけない場面でもあった。ミスはあることだが、まだまだ隙があるということについては反省が必要。それでも最後に、みんなが持てる力をチームのために全部出したことによって逆転できた。こういう勝利を大事にしたいし、今後につなげるために、次の試合で絶対に勝ち点3を取らなければ意味がないと思う。(今節に向けた練習では、様々なポジション変更にトライしていたが?)今シーズンはバックアップ選手の突き上げを含め、チームの底上げをテーマにしていたが、なかなかそこが機能しきれない苦しい時期があった。そこで、攻めに出るときに攻撃の選手を投入する以外のことを考えた。新たに投入する選手が必ずしも攻撃的である必要はないという発想。後ろの選手を前に押し出すことで、チームの共通理解として攻撃的になる。それがオプションを増やすことにもなると考えた。ただ、もちろん勝っているときのオプションとして、そういう力を出せることが一番よい。負けているバージョンで、今日のような展開を毎試合やりたいと望んでいるわけではない」

 【磐田・柳下監督の会見要旨】「まず前半は一度、長友選手に裏に抜け出されたピンチはありましたが、その他はまずまず安定した守備が出来ていた。攻撃に関しては、ボールを持ち過ぎたり、パスをしたあとの動きがなく、チャンスは作れなかった。後半は選手の動きが出てきたし、チャンスも作れていた。3連敗した時よりは状態はよくなっている。後半、お互いにカウンター合戦のような形になり、少し間延びしたところでセカンドボールを拾われたり、あるいは我々の奪った後の一つ目のパスを奪われ、失点に繋がった。その辺りは、もっとバランスよくポジションを取って、展開しなければいけない。同時に、ゴール前のマーキングをしっかりしなければならない。そのあたりを修正していきたい。2対1になり、そのまま逃げ切れれば、選手たちも自信を持ってこのあとのゲームができると思うが、残念ながら逆転負けを喫した。だが内容的には悪くないので、残り7試合、自信を持って戦っていきたい」