GAME RESULT試合結果

第3節 2009/9/02(水)
観衆 10,026人 
天候 曇、弱 気温 23.6度 湿度 70% 
主審:家本 政明 副審:名木 利幸/八木 あかね 四審:岡部 拓人

YNC 決勝トーナメント 第3節

アウスタ

HOME

清水エスパルス

2-2

試合終了

前半1-2

後半1-0

AWAY

FC東京

清水エスパルス FC東京
34' ヨンセン
69' 枝村 匠馬
得点者 33' 米本 拓司
42' カボレ
47' 兵働 昭弘 → 平岡 康裕
79' 枝村 匠馬 → 大前 元紀
84' 藤本 淳吾 → 山本 真希
選手交代 66' 羽生 直剛 → 大竹 洋平
76' カボレ → 鈴木 達也
80' 石川 直宏 → 近藤 祐介
10 シュート 16
6 CK 5
17 FK 12
警告 17' 梶山 陽平
45' 岩下 敬輔
退場
清水エスパルス先発
GK 29 山本 海人
DF 25 市川 大祐
DF 5 岩下 敬輔
DF 2 児玉 新
DF 4 太田 宏介
MF 8 枝村 匠馬
MF 16 本田 拓也
MF 7 伊東 輝悦
MF 13 兵働 昭弘
FW 10 藤本 淳吾
FW 18 ヨンセン
清水エスパルス控え
GK 21 西部 洋平
DF 26 平岡 康裕
MF 6 マルコス パウロ
MF 17 山本 真希
FW 22 大前 元紀
FW 9 永井 雄一郎
FW 20 長沢 駿
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 33 椋原 健太
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 2 茂庭 照幸
DF 25 徳永 悠平
MF 10 梶山 陽平
MF 28 米本 拓司
MF 18 石川 直宏
MF 22 羽生 直剛
FW 9 カボレ
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 15 平松 大志
MF 19 大竹 洋平
MF 27 田邉 草民
MF 40 鈴木 達也
FW 24 赤嶺 真吾
FW 32 近藤 祐介

【選手・監督コメント】

準決勝という高い壁を、強い気持ちをもって乗り越えろ


ナビスコカップ準決勝第1戦は、アウェイで清水エスパルスと対戦。8/30に行われたリーグ大分戦では、粘り強く自分たちのサッカーを仕掛け、7/18以来、約1か月半ぶりとなる勝利を挙げた。そこから中3日で迎える準決勝はホーム&アウェイで行われるため、1週間で3試合をこなす連戦となるが、大分戦の勝利のよいイメージをもって臨み、有利な形で第2戦につなげたいところ。

 対する清水は、ナビスコカップでは準々決勝で浦和と対戦。アウェイでは敗れたもののホームで大勝し、逆転でここまで駒を進めてきた。リーグ戦では、6/17第15節で東京(国立)に敗れたのち、2か月半=9試合負けなしで現在4位。前節川崎戦では終了間際に同点に追いつかれたものの、絶好調の夏を過ごしてきたといえるだろう。また今季、アウトソーシングスタジアム日本平での敗戦は、5/20ナビスコ山形戦の1敗のみと、ホームでの勝負強さも際立つ。

東京は、長友と今野が日本代表に選出されて不在。代わりにセンターバックに茂庭、右サイドに椋原が入って左に徳永を配置する布陣に。城福監督は「清水はいま最も安定し、手ごわいチーム。選手個々もチームとしてのクオリティも相当に高く、穴を見つけることは難しい。我々が対戦した時点よりも意識が統一され、攻守に隙がない」と危機感を募らせる。何より警戒すべきは、FWヨンセンの高さを活かしたサイド攻撃。まず厳しいマークで簡単にプレーさせないだけでなく、サイドの攻防で競り勝つこと。そして、いかにセカンドボールを奪って切り替えの早い攻撃を仕掛けられるかがカギになる。

 ナビスコは2戦合計の勝ち点で並んだ場合、アウェイゴール数も影響してくるため、なんとかゴールをもぎ取りたいところだ。清水の堅守を崩すのは簡単ではないが、好調の石川を中心に、『ひと工夫』を繰り返してチャンスをつくりたい。今季、清水とは2度対戦して東京が2勝しているだけに、清水にとってもリベンジを果たしたいという思いは強いはず。それを上回る強い気持ちで勝利をたぐり寄せる!試合はアウトソーシングスタジアム日本平にて19時に清水のキックオフで開始された。

米本、カボレのゴールで、1点リードして前半を折り返す


 開始2分、いきなり東京はピンチを迎えた。清水・右MF兵働がアーリー気味のクロス。ファーでFWヨンセンが決定的なのヘッドを叩きつけたが、権田が素早く反応してキャッチ。このシュートを機に、立ち上がりから勢いよく仕掛ける清水の攻撃に対し、東京も落ち着いてパスをつないで攻めに出ようとした。10分には、米本→平山が右エリア外からシュートを放つが、ボールは枠をわずかに横切り、ビッグチャンスを逃す。13分にも左サイドで徳永からパスをもらった平山が、ワントラップしてシュートを放つも枠の右に。

 すると徐々に清水の勢いが増し、東京は守備に追われて、なかなか前線にボールを運ぶことができなくなった。清水・MF枝村のシュートなどでピンチを迎えるが、権田を中心に、守備ではほころびを見せず。そして先にチャンスを活かしたのは東京だった。33分、石川のクロスのクリアが、エリア手前の米本の前に。米本が右足で放ったミドルは勢いこそなかったが、ゴールに転がり込み、自身の2試合連続弾で先制!

 だがその直後、清水の右CKからFWヨンセンに打点の高いヘッドを決められ、失点…。試合は振り出しに戻った。その後は攻守がめまぐるしく入れ替わり、緊迫した攻防が続く。39分、カウンターから石川がスピードに乗って右サイドからシュート。しかしGK正面に。すると42分、平山→カボレが右エリア内に進入して、相手DFをフェイントで2度3度切り返してシュート。ボールは逆サイドのネットに吸い込まれ、勝ち越し点を奪って後半へと折り返した。

数的優位になりながら勝ち切れず、引き分けに終わる


 後半開始直後の45分、清水DF岩下が、平山に対するファールでレッドカードを受け退場。清水は10人で戦うことを余儀なくされることに。51分、平山が左エリア角から前進しシュート。GKのセーブからファーにこぼれるが、誰も詰められなかった。52分には、センターライン付近から石川が、ドリブルで持ち上がりそのまま左足シュートを放つもこれも相手GKの好セーブでCKに。数的優位に立った東京だが、ボール支配は高まるものの、清水の守備ブロックを崩すことができない。

 61分、速攻を仕掛け、カボレが左クロス。右エリア手前まで走った椋原が、トラップからゴールを狙ったが、わずかにバーの上に…。67分には、米本が相手DFの裏に抜け出した平山にロングフィードを送り、絶好のチャンスになりそうだったが、相手DFに奪われシュートに持ち込めなかった。すると69分、途中出場の清水・DF平岡に東京の左サイドを突破され、FWヨンセンにつながれると、MF枝村の攻め上がりを捕まえきれずにゴールを割られて…。同点に追いつかれてしまう。

 その後もミスから、清水の鋭いカウンターをくらい、防戦一方になる時間帯も。東京はカボレ、石川に代えて鈴木、近藤を投入して反撃にでる。81分には大きなサイドチェンジから椋原が持ち込んでシュートを放つも枠の上。82分は、椋原の右クロスを平山がヘディングであわせるも枠外。逆にロスタイムには、清水に反撃をくらい正面でFKを与える。清水MF山本真が直接狙うが枠外に。結局10人の相手に勝ち切ることができず、準決勝第1戦はドローに終わった。

 【選手コメント】《米本》「(得点について)セカンドを拾いにいこうとしたら、ボールが自分の前に転がってきたので、とりあえずシュートを打って終わろうとした。バウンドしたボールだったので、浮かさず、できるだけ枠内に飛ばすことだけを心がけた。決まったのはたまたま。あまりいいシュートではなかったと思う。ただ、アウェイでのゴールなので決められたことはよかった。今日はリードした状態で相手に退場者が出て、勝てた試合だったと思う。あそこでもう1点取りにいくという強い気持ちが必要だったかもしれない。もったいないという気持ち。FWヨンセンに当ててくるのが清水の武器。そこでセカンドを拾って展開されそうになったが、前半はよく対応できていたと思う。ただ、先制したあとにすぐに同点にされたのが痛かった。それでもこれをマイナスには考えず、2点取れたので、次は僕たちがホームでラクな状況になったと捉えたい。守りに入ってしまうと、つないでいくうちに奪われてカウンターという、今日のような展開になってしまうので、前からいきたい。それで1点取れば、相手を焦らせることができる。僕たちは冷静に戦い、いい試合をして決勝に進みたい」

 《権田》「常に先行し、2対1とリードしたのに追いつかれてしまった。勝ちきれず、ものすごく悔しい。ただ冷静に考えると、アウェイで2点を取って引き分けたのは悪くはないと思う。今日はDFのメンバーが変わっていたので、その連係をきっちりと確認すること、また攻撃では清水のブロックをつくった堅守をどう崩すかを、練習からトライしてきた。ヨネやカボレがああいうシュートを決めたのも、練習の成果だと思う。攻撃陣は2点を取ってがんばってくれたが、うしろが踏ん張りきれず、2失点してしまったことは課題。(権田選手の好セーブに助けられた場面も多かったが?)これで失点0であれば胸を張れるが、2失点してしまっているので…。ただ、2失点で止められたのはDF陣が健闘してくれたからだとも思う。(清水が1人少なくなってからの戦い方は?)マイボールの時間を増やしていこうとしたが、こちらは1人多いのに、簡単に蹴ったりしてしまった場面もあった。また同点に追いつかれてからは、たとえ同点でもいいのに焦って3点目を取りにいってしまい、僕がリスキーなパスを出して、相手に取られてセットプレーのチャンスを与えた場面があった。そこも大きな反省点。チームとしての狙いである“つなぎ”に参加し、貢献していくことも今後の課題」

 【城福監督の会見要旨】「アウェイで2対2というスコアだけを見れば、ポジティブにとらえたいと思います。ただ、ゲームの推移から見れば、我々の未熟さを露呈した試合だったと思いますし、今日は絶対に勝ちきらなければいけなかったと思います。途中から出場した選手が、突破されて点を取られる、途中から出場した選手が1.5倍走ることが出来ないようなチームというのは、やはり次のステップに行くことが出来ない。そういう意味では強く反省しなければいけない。なぜ先発で出ることが出来ないのか、これを機会にしっかりと受け止めなければいけないし、次に活かさなければならない。チームのレベルアップに早く貢献して欲しいと強く思います。ただ、ゲームそのものは、ある程度最初は清水が蹴ってくると思っていましたので、我々もそれにしっかりと対処し、落ち着いた時につないでいくということは、プランどおりに出来たと思います。相手が10人になってからは、3点目を取りに行ったところで取ることができずに、1点を取られて最後はセットプレーで危ういようなゲームにしてしまったというところは、本当にこのチームの抱える大きな問題で、それは少しずつクリアしていくしかないと思います。(アウェイの第1戦をどういうとらえ方で臨んだか?)2試合とも勝つようなイメージを持って、我々はずっとトレーニングもして準備をしてゲームに臨んでいるので、ただゲームの終わり方という意味では、もちろん180分トータルで見なければいけないし、アウェイゴールというのも意識しなければいけないけれども、それがゲームが終わるシチュエーションだけの話であって、それを意識して力を100%出し切れないと言うのは本末転倒だと思います。そういうような意識のもとにゲームに臨みました」

 【清水・長谷川監督の会見要旨】「最後まで熱い声援を送っていただき、本当にありがとうございます。選手たちは90分間良く頑張ってくれたと思います。今日は一番疲れのピークではないかと思います。中2日で夏の暑い中での連戦という日程で、リーグ戦では1つでも上位との勝ち点を縮めようと気持ちを張って、体も張ってという中でずっとプレーをしてきました。もちろん準決勝ということで、選手はそれぞれ戦ってくれたと思うのですが、青山が試合前に発熱して、試合に出られないというところを見ても、体の芯の部分で疲れが非常にたまっていたのではないかと思います。そういう意味では、メンバーが少し変わったということもあるのかもしれませんが、アグレッシブさに欠ける前半になってしまったというのは、少し致し方ないかなと感じています。ただ、10人になってからやっと目が覚めて、1人ひとりの運動量が増えて、そこからのプレーぶりというのは素晴らしかったと思います。このまま2対1という形でホームで負けていれば、次のラウンドに進むのが非常に難しかったと思うのですが、ここで引き分けに持ち込んだということは、十分次に可能性をつなげられる結果だと思います。ハーフタイムに選手たちには、いろいろと話をしたのですが、頭の中を良く切り替えて戦ってくれたのではないかと思います。この10人で戦って追いついて、2対2に持ち込んだ結果というのを、次のアウェイの試合に活かして何としてでも、2年連続の決勝戦に臨むことができるように、みんなできっちりと準備をしていきたいと思います」