GAME RESULT試合結果

第5節 2009/4/12(日)
観衆 32,913人 
天候 晴、無 気温 21.9度 湿度 42% 
主審:東城 穣 副審:大塚 晴弘/平野 伸一 四審:前島 和彦

J1 第5節

味スタ

HOME

FC東京

1-2

試合終了

前半1-2

後半0-0

AWAY

鹿島アントラーズ

FC東京 鹿島アントラーズ
40' 赤嶺 真吾
得点者 01' マルキーニョス
15' 大迫 勇也
58' カボレ → 鈴木 達也
62' 石川 直宏 → 大竹 洋平
74' 赤嶺 真吾 → 平山 相太
選手交代 53' 本山 雅志 → 新井場 徹
59' 大迫 勇也 → 興梠 慎三
82' 野沢 拓也 → 増田 誓志
14 シュート 10
9 CK 1
24 FK 26
58' 徳永 悠平
警告 44' マルキーニョス
89' 小笠原 満男
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 25 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 佐原 秀樹
DF 5 長友 佑都
MF 6 今野 泰幸
MF 22 羽生 直剛
MF 18 石川 直宏
MF 10 梶山 陽平
FW 9 カボレ
FW 24 赤嶺 真吾
FC東京控え
GK 31 廣永 遼太郎
MF 7 浅利 悟
MF 19 大竹 洋平
MF 28 米本 拓司
MF 40 鈴木 達也
FW 13 平山 相太
FW 32 近藤 祐介
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 2 内田 篤人
DF 3 岩政 大樹
DF 19 伊野波 雅彦
DF 35 パク チュホ
MF 15 青木 剛
MF 40 小笠原 満男
MF 10 本山 雅志
MF 8 野沢 拓也
FW 18 マルキーニョス
FW 34 大迫 勇也
鹿島アントラーズ控え
GK 1 小澤 英明
DF 4 大岩 剛
DF 7 新井場 徹
MF 14 増田 誓志
MF 25 遠藤 康
FW 13 興梠 慎三
FW 17 佐々木 竜太

【選手・監督コメント】

臆せず、昨季の王者・鹿島に挑む!


 リーグ第5節は、ホームで鹿島アントラーズと対戦する。前節磐田戦は、赤嶺の貴重なゴールを守り切り、アウェイで勝ち点3をもぎ取った。今季、無得点の試合は一度もなく、また、失点を0に抑えたときはすべて勝利している。今節も鹿島の攻撃を我慢して凌ぎ、どれだけ自分たちの時間をつくって得点できるかが焦点に。そしてホームでの勝利に期待がかかる一戦だ。

 今節は茂庭がセンターバックに、今野と羽生がダブルボランチを組み、最前線には赤嶺、トップ下に梶山、サイドにカボレと石川、前節から少しメンバー構成とシステムを変えて臨むことになった。城福監督は「我々がめざすサッカーがどこまでリーグチャンピオンに通用するか、その試金石でもある。勝敗に一喜一憂するだけでなく、今季の決意をピッチ上で表明する場でもある」と意気込みを話した。

 対する鹿島は現在、3勝1敗で2位につける。7日(火)には、ACL・アウェイでのシンガポール・アームド・フォーシズFC戦に快勝。そこから中4日で迎えることになるが、FW大迫やDFパク チュホら新戦力の台頭もある。もともと選手層は厚く、ここ2試合は終了間際に勝ち越しを決め、勝負強さも際立っている。先発だけでなく交代選手にも力があり、最後まで気の抜けない戦いになりそうだが、昨季10月の味スタでの対戦では互角以上に渡り合い、劇的な勝利を収めた相手。現在の勝ち点は3差で、今日勝利すれば並ぶだけに、臆せず個々の持ち味を発揮して勝利をめざす。

 晴れわたり、初夏を思わせる気候のもと、試合は13時4分に鹿島のキックオフでスタートした。

2失点するも、サイドを起点に赤嶺の2試合連続弾で追い上げ


 開始直後にカボレ→長友の攻め上がりから左CKを奪う。しかしこのCKをクリアされて鹿島のカウンターを受け、MF青木→左サイドのFWマルキーニョスに中に持ち込まれ、ミドルを放たれる。シュートは東京DFをかすめてコースが変わり、ゴール左上にイン。アンラッキーも重なり、立ち上がり1分に先制を許した。それでも決して気落ちすることなく、石川を中心にサイドで起点をつくり、反撃に出た。

 11分に羽生が狙ったミドルは、GKの手をかすめて右ポストをヒット…跳ね返りに石川も詰めていたが、鹿島DFに素早くクリアされ、右CKに。続いて石川のCKに今野がヘッドで合わせたが、勢いはなくGKにキャッチされた。しかし15分、東京のクリアボールを鹿島・左SBパク チュホに拾われ、またしても素早い逆襲を仕掛けられ、左エリア内のFW大迫にパスを出される。羽生がマークしていたが、粘り強く切り返され、佐原が挟み込んで奪いにいったが、巧みなターンでその間をすり抜けられる。そしてニアにシュートを突き刺され、2点目を失った…。

 2点を先行した鹿島は落ち着いて守り、その後は東京がボールを支配することに。度々サイドから仕掛け、25分には羽生の長いパスに合わせ、石川がエリア内に抜け出し、左CKを奪う。石川のCKは一度はクリアされるが、こぼれを粘ってつなぎ、混戦の中から佐原がシュートしたが、ヒットしなかった。34分には、梶山の迫力ある攻め上がりから、赤嶺とワンツーをかわしてチャンスをつくろうとするが、エリア手前で2人が交錯。わずかに呼吸が合わず。

 リズムを掴みながらもフィニッシュに持ち込めなかったが、迎えた40分、石川の仕掛けからスローインを奪う。ここで徳永のスローを受けた羽生がエリア深くまで進入。中央にクロスを送ると、どんぴしゃで飛び込んだ赤嶺が豪快なヘッド! 赤嶺の2試合連続ゴールで1点差に追い上げる。終盤には度々セットプレーから鹿島ゴールに迫ったが、同点に追いつくことはできず。逆転の期待を持ちながら後半につないだ。

リズムをつかみ、鹿島ゴールに襲いかかったが……


 後半もペースを掴んだのは東京。後半開始直後には梶山がエリア手前から、よく抑えた強烈なミドルが相手GKを強襲、右エリアにこぼれたところに石川が詰め、絶好のチャンスを作ったが、決められず……CKに。その後もワイドな形からチャンスをつくり、58分にカボレに代えて鈴木を、62分には石川に代えて大竹を投入し、勢いに乗って攻めに出る。63分には長友が豪快なオーバーラップからクロスを上げ、相手GKがはじいてファーにこぼれたボールを徳永が奪い、最後は中央の鈴木が左エリアにクロスを送ったが、合わせることはできなかった。

 74分には赤嶺に代えて平山を投入。梶山と羽生も流動的にポジションチェンジをし、鹿島ゴールに攻め込んだ。76分、左サイドに流れた平山にボールがわたるが、ゴール前に詰める選手がおらず。クロスは鹿島DFがクリア。81分にはパスをつなぎながら相手陣内に迫り、中央から今野がシュートを放つが、勢いがなく、右に外れた。88分、左の長友→右の徳永とワイドに振り、最後は徳永のクロスに梶山がヘディングで合わせたが、わずかにタイミングが合わなかった。

 チャンスに決めきれないまま時間は経過。ロスタイムには徳永→中を走った鈴木が倒され、相手陣内・右寄りでFKを得る。大竹が直接狙ったシュートは、壁の間を抜けてゴールに向かうが、相手GKが左下隅ぎりぎりでセーブ……CKに。この左CKには、権田、茂庭も上がったが、クリアされてシュートは打てず。終了間際には梶山の前線への浮き球のパスを、平山が倒れながらもくさびとなり、前にこぼれたボールに大竹が飛び出す! しかし素早い出足の相手GKに阻まれ……。

 昨季のリーグ王者鹿島に対して、サイドの攻防に競り勝ち、諦めず気迫にあふれるプレーで対抗。手応えを感じさせる戦いをみせ、度々決定的な場面をつくったが、いずれも鹿島の好守に阻まれて堅守を崩しきることはできず。同時に前半の2失点が響いて悔しい敗戦を喫した…。

 【選手コメント】《石川》「入り方は悪くなかったと思うが、僕たち以上に相手のプレッシャーが早かった。非常に気持ちが入っている嫌なプレッシャーだと感じていた。その中でも、相手を開かせることによって、逆に真ん中の人数が少なくてもスペースができるので、そこで羽生さん、梶山や、赤嶺が少し下がってきてくさびの形で受けてくれたので、自分自身は3人目で受けるようなイメージをしていた。いい形はいくつかできたかと思う。いいサッカーができていたので、十分勝つチャンスもあった。フィニッシュは反省しないといけないし、練習をしないといけない」《羽生》「相手のコンディションが悪いことも想定していたが、鹿島は最初の15分で先制して、あとは守り切れるチーム。ああいう形で失点して、相手をラクにさせてしまった。(ゴールシーンは)相手が自分の動きに集中していなかったので、長い距離を走ってフリーになった。中が見えたのでクロスを上げた。今日はパスを回せた時間も、ポゼッションの時間も多くあった。ビッグチャンスもあったが、結果は『1点』。鹿島を苦しめたという面もあったかもしれないが、大事なのは結果。いいところは自信をもって、強い気持ちで勝ち点3が取れるように突き詰めていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「多くのみなさんに来場していただき、2連覇しているディフェンディング・チャンピオンの鹿島が相手ということもあり、強い気持ちをもって臨んだが、結果を出せず非常に残念。もちろんこの結果は重く受け止めるが、ただし内容については悲観するものではないと思っている。これまでのリーグ戦の中で、最も我々の持てる力を出せた試合だったのではないか。ただ、2失点は軽率なプレーと言われても仕方がなく、非常に苦しい展開になった。そこは強く反省しなければならないが、自分たちの持てるもの、個人の集合体であるチームの持てるものを出したという意味で、過去4試合に比べて一番だった。今季、チームは新たなチャレンジをしているが、ここまで個人の集合体としての最大公約数を出させていなかったかもしれない…という思いがあった。そのため今日は、サイドで勝負したいのであれば、まず相手を広げようというところからスタートした。相手を広げてから中を使い、最後は我々の武器である外で勝負。我々のCKが9本で、相手は1本だったということは、それだけサイドからの攻撃ができたと思っている。そこは胸を張っていいと思う。ただ、足りないところがあるのは事実で、まったく満足はしていないが、我々の武器であるサイド攻撃に関しては光明を見出せた。選手たちの戦う姿勢も含めて、下を向く試合ではないと思っている。リーグ戦の34試合というのはとても正直で、だからこそ我々は昨年4位ではなく6位で終わった。今後、今日の試合のような、我々の持てる力を出し続けていけば絶対に結果はついてくると思う」

 【鹿島・オリベイラ監督の会見要旨】「(大迫選手の評価?)高い能力を持った選手で、今日も素晴らしい得点をすることができた。成長しているし、サッカー界全体で大切な扱いをしなくてはいけない選手だと思う。今後も期待していきたいし、彼も謙虚な気持ちを忘れずに取り組んでほしい。(後半の試合の進め方について?)鹿島の素晴らしい鉄壁の守備を見せつけることができたのではないか。鹿島のホームでは、相手がそういった守備を見せつけて、我々が最終的に試合に勝つことが多いが、今日は我々の守備能力を見せることができたと思う。(後半のゲームプランについて?)まず、みなさんは今日の試合しか観ていないかと思うが、その過程で何が起きていたのかを考えてほしい。我々は火曜日にシンガポールに行き、高い気温と湿度の中で試合をした。そこには言葉だけで表せない感覚的なものもあるし、我々は中4日で、1週間準備しているチームと対戦をしなくてはならなかった。それに加えて、先週はずっと気温が低かったが、帰ってきたら急激に気温が高くなっていた。今日も気温が高く、それなりの消耗もあった。相手は1週間体力を温存した上で試合に挑んでくるわけで、我々が押される時間帯や状況が多くなるのはわかっていたこと。前半2点を取り、そこからペースが落ちるということも予測していた。消耗された中で戦わなくてはならなかった。そこで踏ん張りきれたことのほうが評価されるべきではないか」