GAME RESULT試合結果

第19節 2008/7/26(土)
観衆 28,986人 
天候 曇、弱 気温 28.4度 湿度 75% 
主審:松尾 一 副審:下村 昌昭/小椋 剛 四審:高山 啓義

J1 第19節

味スタ

HOME

FC東京

1-1

試合終了

前半1-1

後半0-0

AWAY

横浜F・マリノス

FC東京 横浜F・マリノス
09' エメルソン
得点者 04' 大島 秀夫
59' カボレ → 平山 相太
59' エメルソン → 石川 直宏
75' 金沢 浄 → 大竹 洋平
選手交代 45' 長谷川 アーリアジャスール → 水沼 宏太
75' 田中 隼磨 → 斎藤 陽介
79' 小宮山 尊信 → 金井 貢史
7 シュート 17
5 CK 4
24 FK 23
62' 椋原 健太
警告 24' 兵藤 慎剛
43' 松田 直樹
86' 河合 竜二
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 25 徳永 悠平
MF 6 今野 泰幸
MF 17 金沢 浄
MF 15 エメルソン
MF 22 羽生 直剛
FW 24 赤嶺 真吾
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 2 茂庭 照幸
MF 7 浅利 悟
MF 18 石川 直宏
MF 30 大竹 洋平
FW 20 川口 信男
FW 13 平山 相太
横浜F・マリノス先発
GK 1 榎本 哲也
DF 6 河合 竜二
DF 22 中澤 佑二
DF 3 松田 直樹
MF 7 田中 隼磨
MF 29 長谷川 アーリアジャスール
MF 17 兵藤 慎剛
MF 13 小宮山 尊信
FW 10 山瀬 功治
FW 15 大島 秀夫
FW 11 坂田 大輔
横浜F・マリノス控え
GK 36 秋元 陽太
DF 24 金井 貢史
MF 30 小椋 祥平
MF 20 水沼 宏太
MF 16 山瀬 幸宏
FW 27 斎藤 陽介
FW 32 古部 健太

【選手・監督コメント】

リーグ6戦未勝利…めざすはホームでの勝ち点3


 リーグ第19節はホームで横浜F・マリノスを迎え撃つ。前節京都戦では終了間際にドローに持ち込んだ。もぎとった勝ち点1を足掛かりに、ここからの浮上をもくろむ一戦。ホームでどうしても勝利がほしい試合でもある。今週、北京五輪に臨む長友、梶山がチームを離れた。しかし城福監督は「彼らの抜けた穴を埋めることより、違うプラスを見出したい」と話し、今節はボランチに金沢を起用。同時に今野がボランチに入り、センターバックは藤山、右サイドバックは椋原が務める。また京都戦で結果を残した赤嶺も先発し、右MFにエメルソン、左は羽生という布陣で臨むこととなった。

 横浜FMは、現在16位でリーグ6連敗中。木村浩吉新監督のもとでも2連敗と結果は出ていないが、いずれも僅差の勝負をモノにできずに敗れている。特に、前半戦の戦いでも“やられた”FW山瀬功は、決定的な仕事ができる選手。彼を十分にケアするだけでなく、精度の高いロングボールや、DF中澤を中心に得点率の高いセットプレーにも注意が必要。コンパクトな布陣で集中を保ち、組織的な守備をどれだけ続けられるかが、一つのポイント。また攻撃では、メリハリのある仕掛けからフィニッシュで終わりたい。横浜FMの中央の守備は強固なだけに、3バックのサイドや、ボランチとDFとの間のスペースを突いて、チャンスをつくりたいところだ。

 ともに6戦未勝利と苦しい状況での対戦となるが、前半戦の戦いでは0対3と完敗している相手。気持ちの面でも負けず、リベンジを果たしたい一戦は、厳しい暑さながら曇り空の味スタ、19時4分に横浜FMのキックオフでスタートした。

立ち上がりに先制を許すも、エメルソンの巧みなゴールで同点に!


 開始1分には横浜FMの攻撃から逆襲を仕掛け、相手陣内に入ったところでカボレが倒され、FKを得る。左寄りの位置から金沢が蹴ったキックは相手DFがクリア。これに詰めた羽生が、胸トラップからボレーシュートを放つが、GKにキャッチされた。ところが4分には、横浜FM・左MF小宮山が椋原を振り切り、左クロスを上げられる。一度は東京DFがクリアしたが、ボールが左エリア手前のFW山瀬功のもとにわたると、迷わずゴールを狙われ、シュート性のボールがFW大島のもとに。これをきっちり蹴り込まれ、早い時間に失点を許した。

 しかし東京も決して気落ちすることなく、アグレッシブな姿勢を打ち出し、9分には金沢→カボレが左サイドからドリブルで持ち上がり、右から中に走ったエメルソンにパス。エメルソンは、ペナルティアーク付近で巧みなトラップでボールを浮かし、相手DF松田を置き去りに。GKとの1対1を冷静にゴールに流し込んで同点に追いついた!

 その後も互いにスピーディな攻撃を仕掛け合い、早いテンポで試合は進む。25分、右サイドで得たFKから、金沢がゴールに向かう精度の高いキックを蹴り、今野が飛び出したが、わずかに合わず。32分には、佐原のFKに合わせて、赤嶺が右エリアにフリーで抜け出し、決定的な形をつくったが、シュートは惜しくも左に。攻守の切り替えが早い展開の中、チャンスをつくった。41分には、自陣でのルーズボールを藤山が奪い、一気に左前線に。抜け出した赤嶺が、ゴールに向き直り、ダイレクトシュートを狙うが、枠外に。

 逆に42分には、横浜FM・左エリアの手前でパスを受けたFW坂田がドリブルで猛突進。ゴール前に持ち込まれてシュート体勢に入られるが、佐原のスライディングでスローインに逃れる。続いて左FKから、FW山瀬功がヘッドを放つが、バーの上に。ロスタイムには、横浜FMの長いボールを一度はクリアするものの、こぼれから横浜FM・MF兵藤にミドルを打たれる。終盤には横浜FMのロングボールに押し込まれる場面もあったが、それでも集中して守り切り、1対1のまま、後半へ折り返すこととなった。

リズムをつかまれ、反撃に持ち込めず…ホームで辛くもドロー


 後半に入ると横浜FMにペースを握られた。厳しいプレスの前に、東京は奪ってもボールをつなぐことができず。逆に横浜FMのロングボールに押し込まれる。49分、中盤で左からのパスを受けた横浜FM・FW山瀬功が果敢に狙ったミドルが右下枠内に飛ぶが、塩田がセーブ! 51分には、今度は中央でフリーになった横浜FM・FW山瀬功が、右サイドのMF田中隼からのパスを受けてミドル。枠外だったが、彼の動きを捕まえきれなかった。東京も55分には、右サイドからのFKを藤山が蹴り、カボレが右前線で粘ってフォローした羽生が、右エリアからマイナスのラストパス。空いたスペースに出したが、エメルソン、金沢も詰めることができず。

 東京は59分にカボレ、エメルソンに代えて平山、石川を投入。選手交代で追加点を狙ったが、流れは横浜FMにつかまれたままだった。67分には、横浜FM・右MF田中隼のグラウンダーのアーリークロスに、FW坂田に飛び込まれる。69分には平山からの縦パスを受けた羽生が倒され、ペナルティアーク左でFKを得る。石川が直接狙ったが、ボールはバーの上に。結局、後半に東京が放ったシュートは、この石川の直接FKと、74分に平山が放ったミドルの2本のみ。75分には金沢に代えて大竹を左MFに投入、羽生がボランチに回る布陣で反撃に臨んだが、互いにラインが間延びする中で、激しいカウンターの応酬に。

 79分、大竹が左前線でキープして徳永の攻め上がりを誘い、高い位置まで上がった徳永のクロスからCKに。しかし大竹の左CKはクリアされる。81分には、左からのパスを、エリア内で受けた石川が胸で落とし、赤嶺がゴール前に抜け出す。しかし相手GKと交錯し、ハンドの反則で横浜FMボールに。84分は、徳永の左スローインから今野が左クロスを上げる。ファーには赤嶺が詰め、絶好のチャンスだったが、相手GKにパンチングで逃れられた。

 88分、横浜FMが東京陣内・左サイドでFKを得て、FW山瀬功のキックから河合がヘディング。89分には、東京の右サイドをえぐられ、クロスを上げられる。東京DFのこぼれに詰めたMF水沼に右エリアから決定的なシュートを打たれるが、枠外に。ロスタイムには相手の逆襲をカットしようとした石川が倒され、横浜FM陣内右寄りからのFKを得る。ここから大竹のキックに今野がヘッドで合わせるが、DFに阻まれてCKに。横浜FMのシュートミスに助けられる一方、終了間際のセットプレーも活かすことはできず、1対1で終了。ホームで辛くもドローに終わった。

 【選手コメント】《エメルソン》「(ゴールについて)自分がパスを出す時も、受ける時もそうだが、ほかの選手の動きを意識している。今日はカボレからパスが来るだろうと思って動き出したら、そのとおりにいいボールがきて、いい形でトラップができて、落ち着いてシュートを決められた。それで同点に追いつけたことはよかったが。その後、つなぎながらフィニッシュに持っていくことができなくなった。そういう時にはエリアの外からも、積極的に打ってリズムを作るべきだったと思う。今後はそのあたりも強く意識したい。もっと落ち着いて戦えれば、もっとよい結果が出ていたかもしれない」《金沢》「早い時間に失点して、苦しい立ち上がりになってしまった。すぐに同点に追いつけたのはよかったが、なかなか自分たちのペースで試合を進めることができなかった。反省が残る。個人的には、バランスを考えてプレーするようにした。そして勝ち点3を取るつもりで臨んだが、取れずに残念。最初の失点で相手を乗せてしまったところもある。そのあと同点にできたが、相手の攻撃のいいところを出させてしまう展開になった。シュートに行くまでの形が少なかったので、もう少しオフェンシブに持っていけるパターンと数を増やしたい。もっと相手に脅威を与えられるプレーができればよかったと思う」

 【城福監督の会見要旨】「3万人近くの方々に来場いただき、みなさんと一緒に勝利の喜びを味わいたかった。それができなくて残念。試合は、イーブンとは胸を張っては言えない内容だった。決められてもおかしくないシュートが2、3本あったし、やられっぱなしではないものの、流れの中での迫力は横浜FMに分があった。選手に勝ち点3を取りたいという気迫はあり、最初の失点以降は防げたと思う。それでも攻撃でミスが続いたり、判断の点でチャンスを逸すると、流れの中ではなかなかいい形を作らせてもらえない。横浜FMは非常に集中していたし、我々はその隙を突くために、やはりボールをもっと動かさなければいけなかったと思う。さまざまなポジションで、選手が自信あふれるプレーが出来ていたかというと、少しずつ自信をなくしたようなプレーもあったと認識している。(平山、石川の2選手を同時に投入した意図は)運動量的に満足いくものではなかったので、チームに刺激を与えるために代えた。交代したためにシュートに持ち込めなかったのかどうかは分からないが、いい状態で前を向いて勝負ができるよう、ボールを運べなかったということはあると思う。それがFWなのか、中盤か、ディフェンスのビルドアップのせいなのか…というのは、しっかり整理して考えなければいけない」

 【横浜FM・木村監督の会見要旨】「監督になって3試合目となるが、今日はゲームプランが少し崩れた。予想以上にピッチが良くなく、我々だけでなく東京の選手も足を取られていた。それがきっかけでピンチにもなったし、中盤で思うような球回しができない時間もあった。立ち上がりの5~10分は、パワープレスをかけて前から追い回し、リズムを作ろうとした。その後はサイドをうまく使って…というプランだったが、ピッチ状態もあり、そこを突けなかった。後半は運動量は前半ほどはなく、全部が全部パーフェクトではないが、ピッチにも慣れた。イキのいい選手も使ったつもりだが、ロングフィードが多くなってしまった。ただ、サイドを突けた部分もあるし、1勝まであと一歩のところに来ていると思う。チャンスはあったので、あとはゴール。1失点は仕方がないと選手にも話している。逆に2点取れないとサッカーは勝てない。1点取って守りきろうというサッカーは考えていない。どんな相手でも攻撃は仕掛けてくるし、J1の18チームにそれほどレベルの差があるとは思っていない。ここ3試合、コンディションのいい選手を起用し、今日は一番いいゲームができた。最後まで運動量が落ちず、その点では勝っていたと自負している」