GAME RESULT試合結果

第7節 2008/4/19(土)
観衆 22,283人 
天候 曇、中 気温 15.8度 湿度 52% 
主審:岡田 正義 副審:中井 恒/金田 大吉 四審:小椋 剛

J1 第7節

味スタ

HOME

FC東京

4-2

試合終了

前半2-2

後半2-0

AWAY

川崎フロンターレ

FC東京 川崎フロンターレ
25' カボレ
43' 赤嶺 真吾
63' 大竹 洋平
70' 今野 泰幸
得点者 19' 鄭 大世
26' 谷口 博之
63' 栗澤 僚一 → 大竹 洋平
84' カボレ → 川口 信男
選手交代 63' 大橋 正博 → 養父 雄仁
74' 山岸 智 → 黒津 勝
84' 森 勇介 → 久木野 聡
8 シュート 12
4 CK 6
17 FK 19
19' 佐原 秀樹
警告 31' 谷口 博之
46' 寺田 周平
48' 森 勇介
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 5 長友 佑都
MF 7 浅利 悟
MF 10 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 27 栗澤 僚一
MF 24 赤嶺 真吾
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 2 茂庭 照幸
MF 16 池上 礼一
MF 17 金沢 浄
MF 30 大竹 洋平
MF 20 川口 信男
FW 13 平山 相太
川崎フロンターレ先発
GK 1 川島 永嗣
DF 4 井川 祐輔
DF 13 寺田 周平
DF 2 伊藤 宏樹
MF 19 森 勇介
MF 14 中村 憲剛
MF 29 谷口 博之
MF 8 山岸 智
MF 24 大橋 正博
FW 16 鄭 大世
FW 10 ジュニーニョ
川崎フロンターレ控え
GK 22 植草 裕樹
MF 17 菊地 光将
MF 26 村上 和弘
MF 15 原田 拓
MF 20 養父 雄仁
FW 23 久木野 聡
FW 7 黒津 勝

【選手・監督コメント】

多摩川クラシコ、川崎の勢いを抑えて昨季のリベンジを!


 リーグ第7節は川崎フロンターレと対戦、第13回多摩川クラシコをホームで迎える。ナビスコ杯磐田戦では、自分たちのサッカーを見せながらも終了間際に同点に持ち込まれた。今節はめざすサッカーを貫き、粘り強い戦いで勝利をめざす。だが、羽生が負傷のためチームを離脱。故障の選手が増えるとともに、連戦を踏まえて、磐田戦からはメンバーを入れ代えて臨むことに。センターバックは佐原と藤山、ボランチ中央には浅利を入れ、赤嶺も先発に。栗澤が中盤を務める布陣となった。

 対する川崎は現在、リーグ戦2勝2分け2敗で10位。開幕から今ひとつ調子に乗り切れず、関塚隆監督が体調不良のため不在。だが高畠勉コーチ指揮のもと、前節ナビスコ柏戦ではFWジュニーニョがハットトリックを決め、ようやくエンジンがかかってきたようだ。FWジュニーニョと鄭のコンビは、スピードも力強さもあり、まずはこの2トップに勢いを出させないことが大事。また、パスの出し手となるボランチの中村や、サイドで起点となるMF山岸、森を自由にプレーさせないことも重要になる。

 JFL所属時より数々の熱戦を繰り広げてきた川崎戦。城福監督も「どのゲームも同じ勝ち点3だが、ファンや選手の気持ちはしっかり認識している。その気持ちをピッチで表現し、熱い戦いにしたい」と力強く宣言。中盤の攻防を制し、川崎の強力な攻撃陣と勢いを抑えて、昨季大敗したリベンジを果たす意味でも勝利を!

 昨日までの雨は上がったものの、曇り空で風の強い味スタ。試合は16時4分に川崎のキックオフでスタートした。

点を取り合う激しい展開、カボレ、赤嶺のゴールで振り出しに


 開始直後からスピーディで激しい攻防が繰り広げられた。4分、赤嶺のポストから右サイドのカボレがエリアまで持ち込み、シュートを放つが左に切れる。7分には、川崎・右に流れたMF中村が、左前線に大きなサイドチェンジ。これがゴールエリア付近まで詰めたMF山岸にピタリとわたり、シュート体勢に。だが藤山が素早いカバーでCKに逃れる。9分は、長友が左サイドを駆け上がり、川崎DFに勝負を仕掛け、粘ってクロス。ファーの赤嶺が折り返すが、中央のカボレはつなげず。12分には、梶山の右クロスにカボレがヘッドで合わせようとするが、ヒットしなかった。

 攻守の入れ替わりが早く、お互いに仕掛けたが、それでも守備では要所を抑え合い、シュートの場面は多くはなかった。だが迎えた19分、東京陣内で佐原がファールで相手を止め、警告を受ける。これで川崎にFKを与えると、MF中村のキックをエリア内のFW鄭が落とし、すぐうしろのFWジュニーニョが再び前に浮き球のパス。FW鄭はすぐさま反応し、反転してシュート。鋭いゴールを決められ、セットプレーの隙を突かれる形で先制を許した。

 それでも決して焦らず、梶山、長友を起点に、2トップもボールをよく収めて反撃。25分には、長友の突破から左前線でFKを奪う。このFKから栗澤が低いボールを蹴り、ゴール前でバウンドしたところをカボレが押し込むようにゴール! 同点に追いつく。しかし直後の26分、東京陣内中央で再び川崎にFKを与えると、MF中村の前線へのキックをFWジュニーニョと東京DFが競り合い、こぼれを右エリアのFW鄭がグラウンダーでゴール前へ折り返す。東京はこれをクリアしきれず、こぼれをMF谷口に決められ…。またもやセットプレーからリードを奪われた。

 しかし東京はリズムを失わず、前線のスピードを活かして攻撃を仕掛けた。36分には、梶山の左前線へのフィードに栗澤が抜け出し、ゴール正面のカボレ→うしろの赤嶺につなぐが、川崎DFに素早く寄せられる。42分には、佐原が奪ったボールを、梶山→カボレ→赤嶺→梶山がつなぐ。一度はこぼれるも、今野が奪い返して右に。徳永のクロスはファーに流れてラインを割ったが、ダイレクトでパスをつないで攻めの形をつくった。

 そして迎えた43分、自陣の梶山が左前線に長いボールを送る。これに長友が追いつき、ライン際からクロス。ボールはゴール前のカボレ、赤嶺の頭上を越したが、赤嶺はすぐさま右に回りこみ、巧みな動きで川崎DFを突き放してシュート! ゴール左に決めて、試合を振り出しに戻し、前半を終了した。

大竹の初ゴールで勝ち越し、自分たちのサッカーで逆転勝利!


 後半も序盤からスピーディに仕掛け合った。50分、川崎MF大橋のスルーパスに合わせ、FWジュニーニョに前線に抜け出されるが、藤山が粘り強く身体を寄せ、打ち切らせず。53分には、川崎が自陣から素早く切り替えて反撃。MF中村が左前線のFW鄭にスルーパスを送るが、佐原が走り合いに負けず、スローインに逃れる。厳しい守備で川崎を抑えると、徐々に東京が主導権を握ることに。落ち着いてパスを回してチャンスをうかがい、58分には浅利の攻め上がりから、梶山→今野がつなぎ、最後は左から中に上がった長友がミドル。だがシュートは右に切れた。

 川崎も速攻を仕掛け、62分にはFW鄭に藤山がかわされ、中に切り込まれてシュートを打たれるが、塩田がセーブする。63分には栗澤に代えて大竹を投入。すると、まさにその直後のことだった。川崎のゴールキックを奪ってカボレにつなぎ、左に流れたカボレはクロス。一度は川崎DFがクリアするが、エリア手前にこぼれたボールを梶山がフォロー。再び混戦からのこぼれを大竹が奪い、右エリアに前進。DFの間を抜くようにトウキックでループ気味に狙ったシュートがゴールに吸い込まれた。出場直後の大竹が見事な初ゴールをマークし、勝ち越しに成功した!

 これで完全にリズムを掴みきった東京は、70分には流れるようなパスワークからダメ押し点を生みだす。相手陣内で梶山、カボレらが粘り強くつなぎ、次は今野がカボレに当てて前線に走り出す。カボレ→左寄りの赤嶺が、今度は中央の大竹に。大竹は迷わず、右外を上がる今野にスルーパス。これを今野がグラウンダーできっちり左隅に突き刺してゴール! 今季の東京が狙う「Moving Football」が表れる形で4点目を奪った。

 その後、川崎も前線のFW鄭、ジュニーニョにボールを集めて、気の抜けない攻防が続いたが、76分、川崎の右CKから、FW鄭→FWジュニーニョに狙われたヘッドは、塩田が左上隅で片手でセーブ。86分には、FWジュニーニョが左サイドを上がり、中に走り込んだFW黒津に鋭いシュートを放たれるが、これも塩田の好セーブでCKに。塩田、DFラインを中心に守備でも集中して抑え切り、タイムアップ。後半は狙いどおりのサッカーで胸のすくような逆転を果たし、多摩川クラシコに勝利するとともにリーグ3連勝となった。

 【選手コメント】《大竹》「ボールを受けて起点になり、守備も厳しくと指示されてピッチに入った。同点の時に投入されたが、そういう状態のほうが燃える。そこで自分が決めるというつもりで出場した。ゴールは狙いどおりだったが、入るとは思わなかったので驚いた。ボールを持った時に相手DFに囲まれていたので、とっさに上しかないと思った。ループシュートは得意。(4点目につながったスルーパスは?)今野選手が上がるのが見えたので、僕は出すだけだった。ただ、点につながっただけでなく、チームとしてやろうとしているサッカーが出ていたと思う。みんな動いていて、練習どおりの感覚だった。1試合1試合こなすごとに、やりたいサッカーができてきているし、このまま続けていいサッカーをして勝ちたい。4連勝できるように頑張りたい」《梶山》「昨季は大敗したので、今日はもし先に取られても崩れず、いつもどおりのサッカーをしようとした。ホームで、たくさんのサポーターがきてくれて気持ちの入ったゲームをしようと話していた。川崎は、どの選手もフリーにすればいいボールを出すので、球際に強くいくことを心がけた。前半失点はしたが、チームの狙いを続けて、後半のいい攻撃につなげられたと思う。後半のようなサッカーができる時間を長くしていきたい。リベンジという意味でもいいゲームができたが、よいところはもっとよく、反省点は修正して次につながるようにしたい」

 【城福監督の会見要旨】「川崎の強力な攻撃は、中盤でしっかりビルドアップすることからスタートするので、まずは攻撃陣に縦横無尽にやらせないために、中盤を作らせないことを念頭に置いて臨んだ。前半は、MF中村選手からFWジュニーニョ選手へのスルーパスが1~2回あったが、それ以外はセットプレーとリスタート。それ以外はほとんどやらせなかったと思う。ただ、そのリスタートから2失点というのは、すごく嫌な取られ方。確か先制点も川崎のファーストシュートだったはず。攻められた感覚はないけれど失点したという状況の中、気落ちせずに自分たちのペースを崩さず、辛抱して守備をし、奪ったらしっかりボールを繋いで前に運んで…ということをやり続けた結果が4得点につながったと思う。ハーフタイムには、じれて自分たちのバランスを崩すなということ、やり方は変えないということを話した。赤嶺とカボレの立ち位置など、守備の修正、もう少しラインを上げるといった細かい修正はしたが、大枠はそのまま行こうと伝えた。そうすれば必ず得点の機会はあると話した。4点目は、今季練習場でやり続けてきた形。ああいうふうにして点を取りたい、崩したい、という狙いをようやく具現化し、得点できたという意味ではすごくよかった。選手も確信を持てたシュートだったのではないか。チームとして取ることができた得点だと思う。(3連勝について)リーグは始まったばかりだし、今は本当にやりたいこと、こういう攻めがしたい、ということから考えて、まだ自分たちの時間が十分ではない。今日ももちろんそうだが、ただ、自分たちの流れで点が取れたことは、選手にとって積み上げてきたものに対しての確信になったと思う。そういう点から今日の勝利は意味がある。3連勝だけでなく勝つことはうれしいが、積み上げて、それが結果につながっていることのほうが喜びは大きい。今後も、今日の4点目のようなシーンをもっと増やせるように頑張りたい」

 【川崎・高畠コーチの会見要旨】「前半、幸先よく得点することができたが、追いつかれ、点を取って取られという展開。嫌な流れを後半に修正して断ち切りたかったが、後半に2点を取られてしまった。FC東京の勢いに押し切られたかなという残念な結果になった。ただ、最後まで全力を尽くしてプレーした選手と、選手を後押ししてくれたサポーターに感謝したい。(DFがバタついている印象があった。長友選手への対応に苦労したか?)1対1の球際で、少し競り負けていると感じたので、ハーフタイムではそこを強調し、1対1でまず負けない、球際を強く行こうという話はした。長友選手の対応は、FW鄭を右寄りに、後ろにMF森を控えさせて対応した。そこで後手を踏んだという印象はもっていない」