GAME RESULT試合結果

第12節 2006/5/06(土)
観衆 25,128人 
天候 晴、中 気温 23.2度 湿度 45% 
主審:西村 雄一 副審:中井 恒/岡野 尚士 四審:牧野 明久

J1 第12節

味スタ

HOME

FC東京

1-2

試合終了

前半1-0

後半0-2

AWAY

大宮アルディージャ

FC東京 大宮アルディージャ
08' ルーカス
得点者 77' 冨田 大介
89' 小林 大悟
34' 茂庭 照幸 → 増嶋 竜也
55' 赤嶺 真吾 → リチェーリ
60' 川口 信男 → 伊野波 雅彦
選手交代 45' ディビッドソン 純マーカス → 桜井 直人
45' 藤本 主税 → 斉藤 雅人
66' 森田 浩史 → 若林 学
14 シュート 17
5 CK 11
20 FK 27
47' 川口 信男
73' 徳永 悠平
警告 20' 森田 浩史
78' グラウ
85' 小林 慶行
88' トニーニョ
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 15 鈴木 規郎
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 16 宮沢 正史
MF 9 ルーカス
FW 20 川口 信男
FW 24 赤嶺 真吾
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 5 増嶋 竜也
MF 19 伊野波 雅彦
MF 10 三浦 文丈
FW 11 阿部 吉朗
FW 35 リチェーリ
FW 13 戸田 光洋
大宮アルディージャ先発
GK 20 荒谷 弘樹
DF 22 波戸 康広
DF 4 トニーニョ
DF 5 冨田 大介
DF 17 土屋 征夫
MF 6 ディビッドソン 純マーカス
MF 32 小林 慶行
MF 8 小林 大悟
MF 11 藤本 主税
FW 14 森田 浩史
FW 33 グラウ
大宮アルディージャ控え
GK 21 江角 浩司
DF 18 西村 卓朗
DF 19 片岡 洋介
MF 15 斉藤 雅人
MF 16 久永 辰徳
FW 27 若林 学
FW 30 桜井 直人

【選手・監督コメント】

好調を維持し、3連勝をめざす!


 第12節はホームで大宮アルディージャを迎え撃つ。2連勝の勢いを活かし、中断前の最後となるリーグ戦を勝利で締めくくりたい一戦だ。対する大宮は現在12位。第7節横浜FM戦の勝利を最後に、1分けをはさんで3連敗と苦しい状況が続いている。だが、前節の広島戦では試合を支配しながら、ワンチャンスを決められての敗戦。ガーロ監督も「Jリーグの中でもテクニックがあり、パス回しがうまく、ゲームをコントロールできるチーム」と分析する。

 特にキックの精度の高いMF小林大を中心に、キープ力のあるMF藤本、小林慶らを勢いに乗せると怖い。彼らが起点となるセットプレーにも注意が必要だ。これに対して東京は、ルーカスと2トップを含めた前線の機動力を活かし、中盤で主導権を握りたいところ。先制点を奪い、試合を優位に進めて勝利をもくろむ。

 ガーロ監督は「就任して4か月で、選手たちは私の戦術を非常によく理解してくれている」と好調の要因について話していた。言葉どおり、チームにはガーロサッカーが浸透し始めたが、「3連勝」となると、過去にもなかなか果たせていない。リーグ戦に限れば、2002年2ndステージ(第8節札幌戦~第11節仙台戦の4連勝。第9節神戸戦のVゴール勝利を含む)までさかのぼらなければいけない。今日はホームの利を受け、この2002年以来となるリーグ3連勝をめざす。

 先発は、前節甲府戦と同じメンバー構成で臨むことに。また、シーズン前からチームを離脱していた戸田が復帰し、今季初のベンチ入りを果たした。大宮は、FWグラウと長身のFW森田を2トップに、中盤はボックス型の4-4-2の布陣。試合前には、今節でJ1リーグ戦通算100試合出場を達成する宮沢を祝うセレモニーも行われ、五月晴れの味スタ、15時4分に大宮のキックオフでスタートした。

ルーカスのPKで先制! その後も大宮を圧倒するが…


 立ち上がりにシュートを放ったのは大宮。1分にFWグラウが左サイドから切り込み、右足を振り抜く。3分にはボランチのディビットソン 純マーカスがミドルから狙う。しかし、いずれも単発に終わり、怖さはなかった。東京は4分に決定的なチャンスをつくる。徳永が右サイドをドリブルで攻め上がり、川口とワンツーをかわし、エリア内でリターンを受ける。そこからダイレクトでゴール前に速いグラウンダーのクロスを送った。だが、赤嶺、ルーカスが合わせる寸前に大宮DFがクリア、CKに逃げられた。

 6分には相手陣内左サイドでFKを得る。宮沢のロングキックに合わせ、エリア内のジャーンが頭から飛び込む。シュートは右ポストを叩いて跳ね返り、すぐさま起き上がって詰めようとしたジャーンを相手DFがひっかけて倒し、PKに。8分、ルーカスがこれをきっちり決めて、早くも先制した!このルーカスの3試合連続得点に士気も高まり、東京は完全にペースをつかむ。中盤で主導権を握り、両サイドが高い位置で仕掛けて、何度もチャンスをつくった。

 13分、赤嶺のポストから川口がつなぎ、宮沢がミドルシュート。15分にはルーカス→左サイドの赤嶺→中央の梶山が右へ展開。徳永がゴール前へ走りこみ、ダイレクトで強烈なシュートを放つ。ワイドな攻めから決定的な場面をつくったが、相手GK荒谷の好セーブに阻まれた。16分にはエリア内に攻め上がった今野がパスを受け、ゴール前に折り返す。鋭いクロスに赤嶺が合わせたが、わずかに枠外に。

 23分、大宮のFKから逆襲を仕掛ける。宮沢の精度の高いロングフィードに合わせ、前線に抜け出した川口がキープし、左から上がった鈴木へ。鈴木はスピードに乗ってエリア手前からシュートしたが、またもや相手GKがセーブ。こぼれに詰めた川口のシュートはバーの上にはずれてしまった。29分にもFKから、右に流れた川口がゴール正面にグラウンダーのクロスを送る。ゴール前でジャーンが足を振り抜いたが、GKがキャッチ。チャンスはつくるも、決めることができない時間が続く。

 34分には相手を追いかけた茂庭が、右ももの裏側を傷めて交代。増嶋を投入した。だがこのアクシデントにも動揺することなく、守備ではしっかり大宮の攻撃を抑えた。38分、大宮のCKからカウンターを仕掛ける。42分にも大宮MF藤本のエリア内の進入から、FWグラウ→MF小林慶とつながれるが、ジャーンがカットし、速攻を仕掛ける。しかし、結局追加点を奪うことはできず、1対0で前半を終了。

セットプレーから失点を喫し、無念の逆転負け


 後半、大宮はFW桜井、MF斉藤を投入。桜井をトップ下に置き、FWグラウ+FW森田+MF小林大が3トップを形成するような布陣となった。この変更に東京は対応できず、押し込まれるようになる。54分には、大宮の波状攻撃。右から左からと立て続けにクロスを放り込まれ、最後はFW森田にヘディングシュートを放たれる。しかしボールは土肥が身体の正面で、がっちりキャッチした。

 東京は55分には赤嶺に代えてリチェーリを、60分には川口に代えて伊野波をボランチに投入。梶山を一列前に上げ、選手交代で立て直しを図ろうとした。それぞれの交代直後、55分には左CKから増嶋がヘディングシュート。60分には右CKから今野→ジャーンがヘッドで合わせたが、いずれもわずかに枠をはずれてしまった。反対に東京は、大宮の果敢に前に出てくる攻撃をファールで阻止することが増え、多くのFK、CKのチャンスを与えてしまうことに。

 それでも最終ラインで踏ん張り、よくしのいでいたが、76分に大宮の右スローインから、FWグラウのくさびを受けて、エリア内に進入したMF小林大に強烈なシュートを放たれる。土肥のファインプレーでCKに逃れたが、このCKから大宮DF冨田にヘディングシュートを決められ、同点に追いつかれてしまった。その後も攻めに出る大宮と、リチェーリのスピードを活かしてスペースを突こうとする東京の間でカウンターの応酬となる。

 89分には、突破を仕掛けた鈴木が倒され、左エリア外、20mほどの距離からFKを得る。梶山が直接狙ったが、枠を捉えることはできなかった。それでも大宮の攻撃は止まらず、ロスタイム3分に近づく頃、エリア左外でFKを大宮に与える。緊迫の場面となったが、このFKをMF小林大が蹴り、鋭い弾道のキックがゴール左上にイン…。終了直前にゴールを許し、タイムアップ。無念の逆転負けを喫することになった。この結果、ナビスコカップを残すものの、リーグ戦は12試合を5勝2分け5敗で中断期間に突入する。

 【選手コメント】《今野》「中盤に大宮の選手の人数が多く、ボールを奪いにいけなかった。自分もDFラインまで下がってしまったし、梶山、宮沢選手も下がるしかなくなってしまった。守るのが精一杯になって、相手に脅威を与えられなかった。もっと1人ひとりが積極的に声を出して、ボールに激しく行って、そこから攻撃につなげなくては。それを試合中に修正できなかった」《徳永》「前半、決めるべきところで決められず、自分たちのペースを失ってしまった。2点目を取りにいこうとしたが決めきれずに流れがなくなった。自分にもチャンスがあったが、あそこで決めておかなければ…。後半は相手のパス回しが巧く、引き気味にならざるを得なかった。次からは同じ失敗をしないように。切り替えが大事なので、この1週間でしっかり修正したい」

 【ガーロ監督の会見要旨】「前半は思いどおりの形をつくり、1点を先行したし、チャンスもたくさんあった。ただ、あれだけチャンスをつくって、追加点を決めなければいけなかった。ハーフタイムにもそう話していた。後半、負けている大宮が積極的に攻めにきて、私たちのリズムが崩れた。中盤でのマークが前半ほど厳しくできなくなり、スペースを与えてしまっていた。そこで伊野波を入れ、またしっかりとプレスをかけようとした。同時にリチェーリを投入して彼のスピードを活かそうとした。だが、残念ながらリズムを変えることはできなかった。前半はすごくいい戦いができ、後半は落ちてしまったが、少なくとも引き分けには持ち込める試合だった。それができなくて残念。(茂庭のケガの状態は? 彼が交代した影響はあるか?)現時点では検査をしてみないとわからない。茂庭もチームにとって大切な選手だが、マークに付ききれなかったことを含め、彼がいなかったことが敗因ではない。交代で入った増嶋もいいプレーができていた。(リーグ戦の3分の1を終え、中断期間に修正すべき点は?)まだナビスコカップが残っている。条件は厳しいが、チャンスがある限り予選突破をあきらめていない。中断期間の修正点は、それが終わったあとに考えたい」

 【大宮・三浦監督の会見要旨】「FC東京は監督が替わり、そのやり方が浸透し始めてきた時期。それに対して、守り方や攻撃の仕方を確認して試合に入った。だが受身に回ってしまった。特に守備の部分で、誰が悪いということではないが、アグレッシブさが欠けていた。PKを取られたことは別にしても、完全に東京にペースを握られた。前半の0対1での負けは妥当だったし、あそこで2点目を取られれば、非常に苦しい展開になったはず。内容が悪かったので、逆に開き直って2選手を交代させた。FW桜井とMF斉藤を入れて、桜井をトップ下に置いた。前半はFW森田とFWグラウのサポートが遠すぎたので、トップ下に1人置くべきだと考えた。また、2点目を取られたらゲームが終わると考え、守備を操ることのできるMF斉藤を入れた。この2人のおかげで流れは劇的に変わったと思う。同点した後も、守ろうという意識はなく、いい流れを切りたくなかった。選手たちが『点を取りにいこう』という姿勢を崩さなかったことが大きい。(放り込みが多かったが?)前線に長身の選手を置いている時は、いつもシンプルにプレーしようと心掛けている。そこからセカンドボールを拾ったり、FW森田、FW若林がエリアに入り、相手に怖さを与えたかった。やはりエリアの中に入らなければ点は取れない。前節はそれが全くなかったので、サイドの選手には、クロスを早めに入れるように指示した。(最後は小林大悟に助けられたが?)セットプレーはお互いにチャンスがあった。決められる選手がいるか、いないかで結果は左右される。彼に限らず、他のチームでも、内容は悪くても決定力のあるストライカーに助けられるゲームは多々ある。やはりサッカーにおいて、点が取れる選手は貴重だ。ここのところ、ずっと内容的には互角のゲームをやっていたが、結果が出ず、どうしても後ろ向きになりがちだった。FC東京は、先行すればそうそう簡単には負けないということもわかっていたので、その意味でも価値ある勝利。後半の出来には満足している」