GAME RESULT試合結果

第11節 2006/5/03(水)
観衆 15,427人 
天候 晴、中 気温 22.4度 湿度 31% 
主審:片山 義継 副審:柴田 正利/犬飼 一郎 四審:鍋島 將起

J1 第11節

小瀬

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ヴァンフォーレ甲府

1-3

試合終了

前半1-0

後半0-3

AWAY

FC東京

ヴァンフォーレ甲府 FC東京
29' 宇留野 純
得点者 62' 川口 信男
76' ルーカス
89' ルーカス
48' 藤田 健 → 鈴木 健太
76' 宇留野 純 → 山崎 光太郎
88' 杉山 新 → アライール
選手交代 45' 赤嶺 真吾 → リチェーリ
60' 宮沢 正史 → 小澤 竜己
82' 梶山 陽平 → 伊野波 雅彦
13 シュート 19
2 CK 9
17 FK 9
警告
退場
ヴァンフォーレ甲府先発
GK 1 阿部 謙作
DF 32 杉山 新
DF 2 秋本 倫孝
DF 20 ビジュ
DF 4 山本 英臣
MF 31 林 健太郎
MF 26 保坂 一成
MF 10 藤田 健
FW 11 宇留野 純
FW 16 バレー
FW 7 石原 克哉
ヴァンフォーレ甲府控え
GK 22 松下 太輔
DF 15 アライール
DF 19 池端 陽介
MF 6 奈須 伸也
MF 25 鈴木 健太
FW 14 堀井 岳也
FW 23 山崎 光太郎
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 15 鈴木 規郎
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 16 宮沢 正史
MF 9 ルーカス
FW 24 赤嶺 真吾
FW 20 川口 信男
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 5 増嶋 竜也
MF 10 三浦 文丈
MF 19 伊野波 雅彦
MF 26 池上 礼一
FW 33 小澤 竜己
FW 35 リチェーリ

【選手・監督コメント】

苦手のアウェーで勝利を目指す!


 J1リーグ第11節はアウェーでヴァンフォーレ甲府との対戦。2001年4月18日(ナビスコカップ甲府戦)以来となる小瀬スポーツ公園陸上競技場に乗り込む。前節名古屋戦では終始東京ペースで試合を支配、ルーカスの2得点もサイド攻撃からと理想的な展開となった。この勢いで、今季アウェー初勝利をめざす。

 甲府は、現在3勝2分け5敗で13位につける。今季よりJ1に昇格したチームながら、上位の川崎や横浜FMに勝利するなど、簡単に勝てる相手ではない。前節欠場したエースFWバレーが先発に復帰し、前線にFW石原・宇留野を置く4-3-3の布陣。全員の意思統一がなされた前からのプレスでボールを奪い、カウンターを仕掛けてくる。また中盤やサイドからも勢いよく前線に飛び出し、厚みのある攻撃もある。ガーロ監督は「甲府はフィジカルもプレスも強い。特にホームのエネルギーを受けて攻撃的にくるだろう」と警戒する。

 対する東京は、攻守の切り替えを速くし、中盤で優位に立つことが勝利の条件となる。そこから名古屋戦でみせたようなサイド攻撃に持ち込みたいところ。何より甲府のアグレッシブに挑んでくる気持ちに対し、受けに回るのではなく、それ以上の気持ちを出してチャレンジしていくことが大事になる。連戦でコンディションが懸念されるところだが、梶山は「ここのところ主導権を握って戦えている。守備でも自分たちから仕掛けていけているので、疲れはない。大丈夫です」と頼もしく話す。

 先発メンバーは名古屋戦と同じ。1日(月)の練習で左膝を負傷した今野は、別メニューだったが大事には至らず。上位進出のためにも、中断前に連勝を果たしたいところ。今節こそアウェーで勝ち点3を奪取! 気温22.4℃、陽射しが強く、暑さを感じる小瀬陸上競技場。2:04pm、東京のキックオフで試合が始まった。

序盤はペースを掴むも、前半は先制を許したまま終了


 ガーロ監督から「休日にかかわらずアウェーの試合にこんなに多くのファンが駆けつけてくれた。絶対に恥ずかしい試合はできない」と檄をとばされ、東京は試合開始からリズムをつかむ。1分に鈴木が左サイドから攻め込みCKを奪う。自ら蹴ったキックは相手GKがセーブするも、こぼれを梶山が拾って強烈なミドルシュート、しかしこれもGKにセーブされる。そのまま甲府のカウンターをくらうも、そのボールを奪ってエリア左の川口かシュート体勢に入るが、オフサイドに。

 7分、相手陣内右寄りからFKのチャンス。宮沢のキックは壁に跳ね返される。12分にはルーカスがゴール前に浮き球のスルーパス。宮沢が飛び出すが、相手GKが一歩早くキャッチされる。15分に右サイドからFK。宮沢が直接狙うも相手GKの好セーブに阻まれ左CKに。そのCKのこぼれから、エリア右で川口がダイレクトシュート。しかし甲府DFに阻まれる。

 23分、右CKを奪う。このこぼれを川口が拾い、宮沢が仕掛けて左CKに。宮沢のキックのクリアを梶山が拾い、相手DFをかわしてミドルシュート!きっちりゴール左下隅に飛んだが、再び相手GKの好プレーに阻まれゴールならず…。26分には鈴木の中への突破から赤嶺が落とし、ルーカスがスピードに乗ってシュート。しかしバーの上に。完全に主導権を握るものの決定打が出ず。

 すると29分、東京は攻め上がった裏を突かれ、カウンターから甲府FW宇留野に先制点を許す。その後、これまでの勢いがうそのように甲府ペースに。31分にはFWバレーが、32分にはFW保坂がシュートを放つ。中盤でのマークが甘くなり、思いっきりのいい甲府の攻撃に押され気味に。

 東京も少ないながら反撃を試みる。39分には宮沢がエリア右からオーバーヘッド気味にシュートするもGKがキャッチ。42分、速攻から右サイドの川口が放ったシュートはゴール上に。その後も甲府の粘り強い守備に得点を奪えず、1点ビハインドのまま後半に折り返した。

川口、ルーカスのゴールで逆転!今季アウェー初勝利を飾る


 後半から赤嶺に代えてリチェーリを投入。「相手DFの裏のスペースを狙うように」とガーロ監督から指示があったが、前半の勢いをそのままに、甲府が優位に試合を進める。49分、甲府は右からのパスを前線に上がったMF保坂が落とし、FW石原が強烈なシュート。54分は、中盤でルーズボールを拾われ、甲府左SB山本が前線のMF保坂にパスを出すも、土肥が出足速くキャッチ。57分、甲府にカウンターを仕掛けられ、右サイドのFWバレー→中央のFW石原がシュートするが、右にきれる。

 61分には甲府が素早くパスを出し、前線にFW宇留野がフリーで抜け出す。土肥も飛び出し、決定的なシュートを放たれるが、ボールはバーを直撃!いつ追加点を許してもおかしくない展開であったが土肥を中心に何とか凌ぐ。東京も宮沢に代わって投入された小澤がアグレッシブに攻守に動き回り、前線の川口、リチェーリへのパスがつながりはじめる。また徐々に甲府に疲れもあってリズムを取り戻し始める。

 すると62分、ルーカスが左サイドで相手DFをうまくかわし、リチェーリにつなぐ。リチェーリは、強いグラウンダーパスをゴール前に。ファーサイドに流れたボールを川口が決め同点とする。この同点弾で完全に東京ペースに。63分にも右サイドの徳永のクロスに小澤がダイビングボレー、ゴール右に外れる。73分、茂庭が左前線へフィード。川口が突破をはかり、相手DFを切り返して中に回り込みシュート!ボールはわずかにゴールの枠をはずれる。75分には梶山→川口のドリブルから左CKに。この鈴木のキックをゴール前のルーカスがドンピシャのヘディングシュート、ついに逆転ゴールが決まる。

 甲府もFWバレーを起点に攻めに出る。78分、右エリアからのシュートがこぼれ、左エリアのFW山崎にわたるが、徳永が身体を寄せて打たせず。80分にはエリア内に走り抜けたFWバレーに、スルーパスがわたり、決定的なシーンであったが、シュートがミートせず。82分には梶山に代えて伊野波を入れ、今野とのダブルボランチを組み、中盤で甲府の攻撃の芽を摘むことで、勢いを止めにかかる。

 ホームの大声援に後押しされ、反撃に出る甲府であったが、89分、東京はカウンターから右サイドで小澤から相手DFの裏に出されたボールを川口が追いつき、ファーにクロスを送る。これをフリーのルーカスが受け、狙いを定めてシュート。きれいな弧を描いたボールはゴールの右に吸い込まれ、勝利を決定付けるダメ押し弾となった。試合はこのまま終了、今季アウェー初勝利を飾った。

 【選手コメント】《ルーカス》「自分の1点目は、CKからノリオがいいボールを上げてくれた。いつもと違うポジショニングだったが、ジャーンと入れ替わってうまく決められた。2点目は、あの時間帯でシュートを打つか、キープするか迷った。でもゴールのコースが空いていたので、思い切って打った。いまチームも自分もとてもいい状態にある。自信をもってプレーできている。自分がトップ下で90分プレーし、連戦が続くのは厳しいが、それができるフィジカルを付けなければ。逆に、試合に出続けることでそこをアップさせることもできると思う。毎試合必ずゴールを決められる訳ではないかもしれないが、確実にチームはレベルアップしているという実感がある」《宮沢》「失点してから、甲府の雰囲気が“押せ押せ”になり、怖さがあった。それまでに得点が取れればよかったのだが。前半10分過ぎにルーカスのパスに合わせて、自分がゴール前まで飛び出していった形があったが、あそこで決めたかった。そういうFWを追い越す動きが続けてできれば、スペースも空くし、自分も活きる。今日は最後まで相手DFの裏を狙った速い攻めを展開したが、もう少し落ち着かせてもよかったかもしれない。ただ、甲府がずっと高いDFラインを保ったままだったので、今日の戦い方はこれでOKだと思う」

 【ガーロ監督の会見要旨】「非常によいゲームができた。前半を振り返ると、30分位までは我々がパスをよく回し、ゲームを支配してチャンスをつくり、決定機もあった。だがそこで決められず、失点により相手のリズムになった。中盤のマークが甘くなり、支配されてしまった。後半、リチェーリを入れ、スピードを活かす攻撃を仕掛けたが、非常によかった。また小澤もしっかり相手のマークをこなし、かつ、ボールをつなぐことができてよかった。前節の名古屋戦、また結果は出なかったがその前のナビスコ横浜戦と、3試合続けてよい内容の試合ができている。そして勝つことができて嬉しく思う。(甲府に対しての対策は?)甲府は、ホームでは多くのサポーターの後押しを受け、非常に手強い相手だと考えていた。だが連戦の中で、そのための練習は特に何もしていない。それよりも、自分たちの戦い方が大事だった。しっかりボールをつないで、自分たちのサッカーをやろうとした。(小澤選手の選手交代に関して)負けている状況だったので、小澤を入れ、パスをつないで攻撃的に出ようとした。甲府は31番(林)の選手が起点になっていたので、まずは彼をマークすること。そしてマークをしながら、川口とリチェーリにパスをつなぐように指示した。結果的に小澤が入ってから得点できたし、甲府のチャンスを抑えられたと思う。」

 【甲府・大木監督の会見要旨】「スタートしてすぐ相手の流れになり、やられそうな気がしたが、うまくカウンターから1点取ることができ、ペースを握れたと思う。後半同点にされたあたりから、段々とフィジカル勝負のような形になり、押し込まれるようになった。最後の失点は仕方がない。試合の間が1日分、相手と差があることは確かだが、そのせいではない。自分たちが耐えられなかっただけ。相手の決定機が多かったわけではないし、うちもチャンスを作っていたが、決められなかった。つまり決定力の差。ペースを握られていないのに、やられた感じがする。東京の良さは前に出てくること。出たボールに対応するのではなく、出所を抑えることが大事だと考えたため、DFラインを下げることなくプレーした。ある程度ペースを握りながら点を取れない&失点する試合が続いており、内容が少しずつ落ちてきている。2連敗している中、メンタル面も含め、チームのタフさが問われている」