GAME RESULT試合結果

第4節 2006/3/21(火)
観衆 14,191人 
天候 晴、弱 気温 16.4度 湿度 24% 
主審:岡田 正義 副審:山口 博司/中込 均 四審:岡野 宇広

J1 第4節

等々力

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川崎フロンターレ

2-2

試合終了

前半1-0

後半1-2

AWAY

FC東京

川崎フロンターレ FC東京
39' 谷口 博之
85' 中村 憲剛
得点者 63' ジャーン
74' 川口 信男
68' 井川 祐輔 → 米山 篤志
74' 谷口 博之 → 原田 拓
80' マルクス → 黒津 勝
選手交代 43' リチェーリ → 川口 信男
58' 馬場 憂太 → 栗澤 僚一
84' 宮沢 正史 → 増嶋 竜也
17 シュート 16
5 CK 8
20 FK 23
03' 谷口 博之
14' ジュニーニョ
28' 井川 祐輔
79' 伊藤 宏樹
警告 04' 鈴木 規郎
09' 伊野波 雅彦
39' ジャーン
退場
川崎フロンターレ先発
GK 21 相澤 貴志
DF 5 箕輪 義信
DF 13 寺田 周平
DF 2 伊藤 宏樹
MF 4 井川 祐輔
MF 14 中村 憲剛
MF 29 谷口 博之
MF 19 森 勇介
MF 11 マルクス
FW 9 我那覇 和樹
FW 10 ジュニーニョ
川崎フロンターレ控え
GK 1 吉原 慎也
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 米山 篤志
MF 15 原田 拓
MF 31 西山 貴永
MF 18 今野 章
FW 24 黒津 勝
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 15 鈴木 規郎
MF 19 伊野波 雅彦
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 14 馬場 憂太
FW 35 リチェーリ
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
DF 5 増嶋 竜也
MF 10 三浦 文丈
MF 27 栗澤 僚一
FW 20 川口 信男
FW 11 阿部 吉朗

【選手・監督コメント】

浮上のきっかけをつかみたい一戦


 アウェーで川崎フロンターレに挑む第4節。新潟、清水に連敗し、立て直しを図りたい一戦だ。前節から中2日での開催で、修正のための時間は短かったが、ミーティングで共通理解を高め、またメンバーを代えることで打開を狙った。ルーカスとリチェーリの2トップ、トップ下には今季初先発となる馬場を起用。また清水戦で右足を負傷した梶山に代わり、右MFは今野、左には宮沢が初先発、底には伊野波という4-4-2の布陣で臨むこととなった。

 対する川崎は、第1、2節はFWジュニーニョ、我那覇らの爆発的な得点力で圧勝したが、前節は甲府の厳しいプレスに苦しめられ、無得点で敗れた。東京にとっても、まず必要なことは厳しいマークだろう。その上で、リチェーリのスピードを活かし、川崎のDFのサイドや裏を突いていきたいところだ。

 ここ2試合、選手たち自身も球際の競り合いなどで「戦う気持ちが足りない」と自覚。今節はプレーに気持ちを込め、集中して戦い抜くこともテーマの一つ。浮上のきっかけをつかみたい一戦で、チーム一丸となった戦う姿勢に期待する。試合は春のおだやかな気候の等々力陸上競技場、16時4分に川崎のキックオフでスタートした。

互角にわたり合うが、セットプレーから失点


 開始から攻めに出ようとする川崎の出足をよく抑えた。1分には、川崎FWジュニーニョが右サイドから突破を図ろうとするが、厳しくマークで最後は今野が阻止。5分にもFWジュニーニョの中央突破を鈴木が阻止。ゴール正面でFKを与えるが、MFマルクスが直接狙ったシュートは、バーの上に。東京は15分には宮沢が自陣から右前線への大きなサイドチェンジ。リチェーリが追いつき、相手DFを切り返し、フォローに上がった今野→徳永とつなぐが、クロスは流れてしまう。

 川崎はシュートの意識が高く、18分には右MFの井川が、19分には左MF森が、ミドルレンジから果敢にゴールを狙う。東京も23分に徳永が中に切り込み、ルーカスにくさびのパス。左エリア外でリターンを受けた馬場がシュートと、リズムのよい攻撃を仕掛けたが、相手DFがブロック。

 その後、両者に決定的な場面が訪れる。25分、伊野波が左スローインを前線のリチェーリに送る。一度は相手DF寺田にわたるが、ミスでこぼれたボールをリチェーリがさらい、エリア内に突進してシュート! しかし相手GKに阻まれ、先制のチャンスを逃した。川崎は29分、MFマルクスが東京陣内をドリブルで突進。FWジュニーニョが、マルクスと交差する動きでゴール前に走りこみ、そこにラストパスをとおされる。こちらも決定的なシュートを打たれたが、土肥のファインセーブでピンチを逃れる。

 前半だけで5枚の警告が出される激しい状況の中、互角の戦いをみせていたが、39分、清水戦に続きセットプレーからの失点を許してしまった。東京陣内右サイドでのFKからMFマルクスがファーへ。これにあわせたMF谷口にヘッドで叩き込まれる。43分にはリチェーリが負傷し、川口に交代。ビハインドを背負いながらも、反撃に期待をかけて、後半へ折り返した。

ジャーン、川口のゴールでリードするも、守りきれず


 後半は立ち上がりから、攻守の切り替えの速い展開が続いた。開始直後、左スローインをルーカスが受け、落としたところに走りこんだ宮沢がシュート! ボールはクロスバーに阻まれ、ゴールならず…。47分には、川崎MFマルクスのスルーパスから、東京DFの間をすり抜けたFWジュニーニョにシュートを打たれる。しかし土肥がナイスセーブ。48分には今野の右クロスにルーカスがヘッドで飛び込むが、ボールは右に。

 58分には馬場に代えて栗澤を投入、栗澤の判断の速いプレーでチームに勢いが出始める。61分、今野→栗澤の素早いパスから右サイドで川口がクロス。中央でルーカスがヘッドで合わせるが、これはミートせず。そして迎えた63分、栗澤が左サイドで倒され、FKのチャンスを得る。宮沢の精度の高いキックにジャーンが頭から飛び込み、ゴール! 宮沢が「練習どおり」と振り返ったプレーで同点に追いついた。

 このゴールでますます勢いに乗り、ペースをつかんだ。奪っては前線へ速い攻撃を仕掛けていった。川崎は68分、MF井川に代えてDF米山を投入、右サイドバックに置き、4-4-2の布陣に変更。しかし、次のゴールを奪ったのは東京だった。74分、徳永が相手ボールをカットして栗澤に、右前線からゴール前に走りこむ川口の動きにあわせて栗澤が素速くスルーパスを送り、受けた川口は飛び出してきた相手GKを落ち着いてかわし、ゴールに流し込む! 川口の移籍後初ゴールでリードを奪った。

 東京の勢いは続く。78分には鈴木が左サイドから地を這うミドルシュート。川崎DFに阻まれたが、こぼれを拾った今野にわたり、一旦はゴールネットを揺らした。しかしこれはオフサイドに。川崎は80分、MFマルクスに代えてFW黒津を投入、3トップにして反撃。これに対し、東京は84分に宮沢に代えて増嶋を投入。増嶋をFWジュニーニョのマークに付かせ、伊野波を前に上げて、1点のリードを守りきろうとした。だが、結果的にこの選手交代が明暗を分けることになった。

 85分、交代直後の隙を突かれ、川崎MF中村がジュニーニョとワンツーをかわしながら、東京DFを突破。右エリアからのシュートでゴールを割られ、追いつかれてしまった。それでも気落ちせず攻めに出る。速攻の応酬の中、ロスタイムには川口が競ったボールを、エリア付近で栗澤が拾い、すかさずシュート。しかしボールはバーをヒットし、3点目を奪うことはできなかった。結局2対2のドローに終わったが、ゴールを取りに行く、勝ちに行く姿勢が見られ、手応えのある試合となったのではないだろうか。

 【選手コメント】《川口》「連敗していて、絶対に気持ちを出して戦おうと、試合前から監督や土肥さんを中心にチーム一丸となって臨んだ。それが結果につながらなくて残念。得点シーンは、栗澤からいいパスがきた。欲しいタイミングと出すタイミングがぴったりだった。GKと周りのDFも見えていたので、落ち着いて決めることができた。自分の動き出しがよければ、必ずパスが出てくると信じていた。初ゴールはうれしいが、危機感を忘れずに、勝点3をめざしてがんばりたい」《栗澤》「(アシストの場面は)ボールを受けた瞬間に前を見たら、川口さんがフリーだったので、迷わずパスを出すだけだった。うれしかったが、勝利につながらず残念。ただ、それまでもずっと裏を狙っていたことが、ゴールにつながったと思う。これからもゴールにつながるプレーをしていきたい。前があいているなら、迷わずにタテパスを入れていきたい」

 【ガーロ監督の会見要旨】「お互い高いレベルでゲームができた。我々のチームで言えば、目指したとおり、気持ちやスピリットが入っていて、なおかつパスをつなぐサッカーができた。選手たちも最後まであきらめずに頑張ったと思う。馬場と栗澤はしばらくゲームから離れており、90分はもたないだろうということで予定通りの交代。相手が疲れていたこともあり、栗澤の豊富な動きで、かなりいい形で川崎を崩せたのではないかと思う。宮沢もしばらく90分のゲームはしていなかったので、フィジカル面で落ちてきたと考え増嶋と交代させた。相手が4-4-2に変えて中盤の枚数が増えたこともあり、伊野波をひとつ前に上げて、増嶋をFWジュニーニョのマークにつかせた。川崎のセットプレーの高さの対応という意味でも増嶋の投入を決めた。川口はスピードがあり、リズムを変えられる力がある。リチェーリもそうだが、今日は前線に速い選手を起用してスピードのある攻めをしようとした。リチェーリがケガをして川口が入ったが、今日は前線で馬場、栗澤のパスを活かすような、スペースに流れるプレーができた。(Jリーグの印象は?)どのチームも力が均衡していて、勝ち点3をとることが難しいリーグだと思う。だが勝利を目指してがんばっていきたい。今日は残念ながら勝てきなかったが、後半はいいプレーが出た。選手をほめたい」

 【川崎・関塚監督の会見要旨】「前節は無得点で敗戦し、気持ちを切り替えて勝ちにいこうとした。前半から非常にいいバランスのサッカーを展開できたと思う。攻守両面で一体となって組織的なサッカーをやろうと、グランドを広く使って攻撃を仕掛けていき、チャンスを多く作れたのではないか。セットプレーから点がとれて、リードしながら後半を迎えた。後半の内容に関しては、もう少しボールをつないでいけばいい所を、焦って2点目を取りにいってしまった。その展開でファールが多くなり、失点に結びついてしまった。1対0で勝っている状況の試合は、改善しなければいけない。ただ逆転された後も最後まで点を取りにいって、いい形で2点目が取れた。リスタートなどからもう1点取れていればよかったが。最後まで足を止めずに戦った選手たちに感謝したい。また多くのサポーターが詰め掛けてくれたおかげで、我々のサッカーができたのではないかと思う。(4-4-2へのシステム変更は)井川が負傷したこと、また1対0でリードした時点で投入してきた相手の栗澤を警戒した。いずれ4バックか3ボランチにして、マークを決めようと思っていたのだが。同点にされた時点で4バックにしたが、連携ミスで点を取られてしまった。その後は3トップで点を取ることだけを考えていた」