GAME RESULT試合結果

第1節 2006/3/05(日)
観衆 22,531人 
天候 晴、無 気温 12.1度 湿度 35% 
主審:松村 和彦 副審:木島 栄/相葉 忠臣 四審:手塚 洋

J1 第1節

味スタ

HOME

FC東京

2-0

試合終了

前半2-0

後半0-0

AWAY

大分トリニータ

FC東京 大分トリニータ
14' ササ サルセード
27' リチェーリ
得点者
69' リチェーリ → 川口 信男
87' ルーカス → 馬場 憂太
選手交代 61' オズマール → 山崎 雅人
72' 上本 大海 → 西山 哲平
77' 内村 圭宏 → 松橋 章太
12 シュート 13
6 CK 4
23 FK 27
84' ルーカス
警告 61' トゥーリオ
89' 三木 隆司
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 5 増嶋 竜也
DF 15 鈴木 規郎
MF 19 伊野波 雅彦
MF 23 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
FW 35 リチェーリ
FW 21 ササ サルセード
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 31 遠藤 大志
DF 8 藤山 竜仁
DF 17 金沢 浄
MF 16 宮沢 正史
MF 14 馬場 憂太
FW 20 川口 信男
FW 11 阿部 吉朗
大分トリニータ先発
GK 1 西川 周作
DF 2 三木 隆司
DF 4 深谷 友基
DF 22 上本 大海
MF 5 エジミウソン
MF 11 トゥーリオ
MF 6 梅田 高志
MF 17 根本 裕一
MF 26 内村 圭宏
FW 13 高松 大樹
FW 9 オズマール
大分トリニータ控え
GK 16 下川 誠吾
DF 31 福元 洋平
MF 7 西山 哲平
MF 14 増田 忠俊
MF 19 川田 和宏
FW 8 松橋 章太
FW 30 山崎 雅人

【選手・監督コメント】

自分たちを信じて―2006シーズン開幕


 いよいよ2006J1リーグが開幕。ホーム味スタに大分トリニータを迎え、長いシーズンのスタートをきる。今季の東京は、ガーロ新監督のもと「ボールをつないで主導権を握るサッカー」をめざし、約40日間にわたって準備を進めてきた。そのサッカーが、どれだけチームに浸透しているかが焦点となる。毎年、期待と不安が交互に入り混じる開幕だが、ガーロ監督以下選手たちは、「自分たちが準備してきたことを試合で出すだけ」と、気負いはなかった。

 ここまでケガが心配された土肥、今野だが、この日に照準を合わせて調整を重ねてきた。一方で、ジャーンや、指を骨折した馬場は慎重に回復に務めている段階だ。そのためFWの一角には、これまで公式戦の出場はなかったリチェーリを起用。ルーカス、ササとの3トップに、MFは伊野波を中盤の底に、右に梶山、左に今野。CBは茂庭と増嶋、両SBは鈴木、徳永。GK土肥の布陣で臨むことに。先発の平均年齢は22.91歳と、他チームに比べても最も若いメンバー。またガーロ監督もJリーグ最年少の指揮官。まさにフレッシュな東京が、フレッシュなサッカーで勝利をめざす!

 対する大分は、FWマグノ アウベス、MF吉田孝行がチームを離れ、戦力ダウンを懸念する声もある。だが全員攻撃全員守備が持ち味のチーム。DF陣のメンバーに変わりはなく、2シーズン目の指揮を執るシャムスカ監督も「チーム一丸となったパワーが大事。昨季つくったリズムで戦うことができれば」と目論む。ここまでFW陣は固定されなかったようだが、FW高松、新加入のFWオズマールらがいかにフィットするかがポイントになる。

 互いに攻撃に出るために、相手のプレスをどうかわして、どう攻撃に結び付けていくかが見どころの一つ。また今季より7名の選手がベンチに控え、その中から両監督がどういう交代采配を振るうのか、こちらにも注目だ。

 試合開始前には、特別ゲストのcoba氏(アコーディオニスト)の生演奏、マルコ・ボーデ氏(元ドイツ代表選手)のあいさつが行われ、その後、今日J1リーグ戦通算100試合出場を果たす今野に、マルコ・ボーデ氏より花束が贈呈。期待のふくらむ開幕戦は、よく晴れた味の素スタジアム、13時35分に大分のキックオフでスタートした。

ササ、リチェーリがしっかりとチャンスを活かす!


 立ち上がりは、互いに主導権を握ろうと引き締まった攻防が続いた。そこから東京は徐々に、集中したディフェンスからリズムをつかんでいく。梶山や徳永らが、サイドチェンジを使って前線にボールを運ぼうという意図がうかがえた。大分は10分、右MF梅田が大分1本目のシュートを放つ。東京も11分には、ゴールキックからシンプルにパスをつなぎ、梶山が中央に攻め上がってシュートするが、ともに枠外に。

 ここまではボールを支配するも、なかなかフィニッシュには持ち込めなかった東京だが、決定的なチャンスはしっかりとモノにした。14分、自陣で相手ボールをインターセプトした今野が、すかさず左前線のスペースへロングフィードを送る。追いついたリチェーリが果敢に相手DFに勝負を挑み、ラストはゴール前へクロス。これにササがジャンプして右足のアウトで合わせ、ゴール! 早い時間に先制点を奪った。

 先制を機に、完全にペースをつかんだ東京。19分にはササが相手陣内右から中央にラストパスを送り、受けたルーカスが相手DFへの突破を試みて果敢にシュート。21分には鈴木が左サイドを駆け上がり、CKを奪った。24分には大分左MF根本のクロスを土肥が飛び出してパンチング。MFエジミウソンにこぼれを拾われ、空いたゴールにシュートを放たれるが今野が落ち着いてブロックした。

 迎えた27分には、大分のクロスを伊野波がカット。そこから再び相手にあたってこぼれたボールをルーカスが今野につなぐ。今野は、素速く自陣から前線にグラウンダーの長いスルーパス。相手のDFの間を抜けたボールに、右サイドから猛然とリチェーリが追いつき、ゴールに流し込むようなシュートを放った。ボールは、飛び出した相手GKの股下を抜けてイン!リチェーリの公式戦初出場初ゴールとなった。守から攻へと切り替えの速いカウンターから追加点を奪い、リードを広げた。

 その後も茂庭、増嶋、伊野波を中心に集中した守備からボールをつなぎ、要所ではスピードを活かして攻めに出た。39分には大分FW高松→ゴール前に走りこんだFWオズマールのシュートは増嶋がカット。43分、エリア内でMF根本→FW高松にパスをとおされるが、茂庭がきっちり身体を寄せてヒットさせず。2対0で後半へと折り返した。

落ち着いた試合運びで、8年連続で開幕戦に勝利!


 ハーフタイムに「まだ45分間が終わっただけ。もっと点を取りにいこう」とガーロ監督から指示を受けたが、後半、攻勢に出たのは大分。52分には左CKから、エリアでフリーになったDF三木にシュートを放たれるが、徳永がきっちり身体を寄せて守り、ボールはバーの上に。57分には大分陣内でボールを奪われ、大分MF内村が東京ゴール前に独走。DFを引き付け、右から上がったFW高松にラストパス。高松は東京DFを切り返してシュートを放つが、枠をはずれる。相手のミスにも助けられ、ゴールは許さなかった。

 63分には、リチェーリが右サイドで勝負を仕掛け、相手DFの間をとおすクロスを送る。これを右エリア内で受けたルーカスのダイレクトシュートは相手DFがブロック。こぼれをササが拾い、フリーでシュートしたがバーの上にはずれ、追加点のチャンスを逃した。大分は61分にFWオズマールに代えてFW山崎を、72分にはDF上本に代えてMF西山を投入し、2バックにして反撃に挑んできた。東京も69分にはリチェーリに代わり川口がイン。前掛かりになる大分に対し、開いたスペースに快足の川口が走ることで対抗した。

 速い攻防が繰り返される中、71分には川口、ササを起点に両サイドも上がり分厚い攻めをみせる。左エリアまで上がった伊野波が、ゴール正面のルーカスにラストパス。しかしシュートは相手GKの正面を突く。73分には右の徳永→中央ササ→右エリアでフリーのルーカスがシュート。GKに阻まれるが、こぼれを拾って鈴木が左クロス。中央で川口がヘディングシュートを放つ。狙いどおりのサイドを使ったワイドな攻めで大分ゴールを脅かしたが、ボールはわずかに枠の上に。

 89分には川口が左サイドを突破。速いクロスにササが合わせるが、シュートはヒットせず。これらの好機をゴールに結びつけることができなかったが、逆に大分の攻撃には集中を切らさず対処。終始落ち着いた試合運びでシャットアウトした。試合は、前半に挙げた2点を守りきりそのまま終了、J2の1999年より8年連続で開幕戦の勝利を収めた。

 【選手コメント】《リチェーリ》「(1ゴール1アシストで)とても嬉しい。これからもチームに貢献していきたい。ゴールになったシュートは、GKに当ててCKをとろうとしたボール。それがGKの股間を抜けて決まった。このゴールは、膝をケガしている石川選手にプレゼントしたい。自分の負傷中はナオだけじゃなくみんな優しくしてくれたし、ナオには早く良くなって欲しい。昨夜は冷静だった…とはいえない。ブラジルの家族に電話をして、試合に出ることを報告した。今日は少し緊張したが、今日も電話でこの結果を報告したい」《今野》「不安はあったが、早い時間に点がとれてラクになったが、2点とれたのは、昨季までの速いサッカーだった。これまでのいいところを活かしつつ、ガーロ監督の細かくパスをつなぐサッカーをプラスしていければ、もっともっとFC東京はレベルアップしていけると思う。まだ50%の出来だが、。それで勝てたことは大きい。今日の勝利は忘れてまた修正していく」

 【ガーロ監督の会見要旨】「良いゲームができた。約40日間の練習の成果が出せた。これまで練習してきたパス回しも良かったと思うし、ファイティングスピリットもあった。だが、まだ始まったばかり。これで浮き足立たないようにしたい。いろいろな面でレベルアップが必要だし、練習を重ねてクオリティを上げていきたい。リチェーリは、当初は紅白戦のサブ組に入っていたが、レギュラー組に入っても良い動きをしていた。FC東京は一つのチームであり、サブであっても良い動きをすればレギュラー組に入ることができる。彼は18歳と若いが、プロデビューというのは誰もがとおる道。私もプロデビュー戦で点をとったが、今日は彼もいいプレーをして良かったと思う。川口に関しては、まだあまり試合経験のないリチェーリの疲労を考えて投入した。リチェーリと同じく速攻を狙うという意味で、彼のスピードを活かすことを考えた。馬場に関しては、今日はルーカスが素晴らしい守備をしていたので、体力面でキツかったはず。残り時間は数分だったと思うが、馬場にはルーカスと同じ役割を引き継いでくれるよう頼んだ」

 【大分・シャムスカ監督の会見要旨】「前半は質が落ちていた。パスも中盤でのボールの精度もよくなく、ミスから失点してしまった。後半はスピードも上がって、いいスタートがきれたと思う。ダイナミックな展開ができつつあった。何度か主導権が握れそうな局面もあったが、フィニッシュまではいたらなかった。今日はすごく難しい試合になることは予想していたし、FC東京は攻撃的で強いチームだとわかっていたが、いかにチャンスをうまく活かせるかが、一番のキーポイントだったと思う。後半途中から2バックにシステムを変えることによって、もっと攻撃的にいきたいということを選手に伝えた。リスクは高くなるが、途中出場のMF西山はエリア外からのロングシュートがよいので、彼のポテンシャルを信じてそのチャンスに賭けた。ボランチのトゥーリオを前に出して、FW山崎をトップ下に置いた。だが、今日はチーム全体のパスがよくなく、中盤から前へボールを運べなかった。グランドが固いせいもあり、パス回しの質が低くなってしまった。前半は、クロスも高いボールを使ったが、それは本来の大分のサッカーではない。東京は、昨季とはタイプが違うサッカーになっていた。今季は攻撃面に重点を置いて、いいチームになっている。昨季は中盤をコンパクトに、守備をしっかりして、そこからカウンターというイメージだった。今季は最初のプレス=アタックラインが前にきていると感じた。今日は東京のキャパシティを発揮できた試合ではないだろうか」