GAME RESULT試合結果

第10節 2005/5/04(水)
観衆 40,300人 
天候 晴、弱 気温 21.3度 湿度 50% 
主審:太田 潔 副審:宮島 一代/伊東 知哉 四審:鍋島 將起

J1 第10節

味スタ

HOME

FC東京

0-2

試合終了

前半0-2

後半0-0

AWAY

鹿島アントラーズ

FC東京 鹿島アントラーズ
得点者 17' 本山 雅志
41' 本山 雅志
50' 馬場 憂太 → ダニーロ
57' 迫井 深也 → 小林 成光
75' 近藤 祐介 → 増嶋 竜也
選手交代 71' 興梠 慎三 → 本田 泰人
80' 増田 誓志 → 内田 潤
89' アリ → 阿部 敏之
13 シュート 8
8 CK 3
28 FK 19
警告 54' 岩政 大樹
56' 小笠原 満男
79' アリ
82' 鈴木 隆行
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 25 迫井 深也
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 14 馬場 憂太
FW 18 石川 直宏
FW 27 栗澤 僚一
FW 32 近藤 祐介
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 5 増嶋 竜也
MF 7 浅利 悟
MF 19 ダニーロ
MF 24 小林 成光
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 5 アリ
DF 15 岩政 大樹
DF 4 大岩 剛
DF 18 石川 竜也
MF 24 青木 剛
MF 8 小笠原 満男
MF 26 増田 誓志
MF 10 本山 雅志
FW 23 興梠 慎三
FW 30 鈴木 隆行
鹿島アントラーズ控え
GK 29 杉山 哲
DF 17 内田 潤
MF 6 本田 泰人
MF 20 阿部 敏之
FW 19 田代 有三

【選手・監督コメント】

首位鹿島をホームで迎え撃つ!


 前節の大分戦から中2日で臨む第10節、現在首位に立つ鹿島アントラーズをホームに迎え撃つ。しかしチームは満身創痍の状態。大分戦でルーカス、戸田、鈴木規が負傷。だが原監督は「ケガ人を言い訳にはしたくない。今日ピッチに立つ選手が一丸となって、我々のよさを出していきたい」と決意を話した。メンバーは、今季初先発となる近藤祐が最前線に、同じく馬場がトップ下、迫井が左サイドバックを務める布陣。サブにも今季初となる小林が控え、チーム一丸となって連敗脱出に、そして打倒鹿島に向かう。

 鹿島は前節C大阪に敗れたものの、7勝1分1敗で首位につける。得点17失点7で得失点差は+10。堅守から隙なく攻撃につなげるバランスのよさが持ち味だ。今節はボランチのフェルナンドが出場停止。またアレックス ミネイロ、野沢、深井らのFW陣が故障と、東京同様に苦しい状態で、ルーキーのFW興梠、2年目のMF増田が初先発となった。だが原監督は、鹿島のメンバーについて「ケガの選手は大事を取り、若い選手を使ってみるという余裕のある選手起用だと思う」と分析。その隙をついて首位のチームになんとか一矢を報いたい一戦となる。

 スタンドには4万3百人の観客を集めた、快晴の味の素スタジアム。試合前「これだけの応援に感謝したい。期待に応えたい」と話した原監督。もちろん選手も同様の気持ちで、16時3分のキックオフを迎えた。


Taking On The Leaders

Two days after the Oita game league leading Kashima Antlers visited Ajinomoto Stadium for the 10th. match of the season. TOKYO were struggling with injuries: Lucas, Kanazawa and Toda were the latest victims. Manager Hara refused to use the recent spate of injuries as an excuse, though. " I want the team we send out to play as a unit and show the best aspects of our game," he commented before kick off. Striker Yusuke Kondo made his first start of the season as did Baba in a withdrawn role just behind him, while Sakoi played at left back. Kobayashi appeared on the bench for the first time this year as TOKYO attempted to put recent results behind them, unite and take on the Antlers. 
Kashima were surprisingly beaten at home by Cerezo in their previous game but still held on to top spot with a W7 D1 L1 record for 22 points. Solid defence and good balance are the main characteristics of this team. Holding midfielder Fernando was suspended while strikers Alex Mineiro, Fukai and Nozawa were injured. Rookie Koroki made his debut, as did second year midfielder Masuda. " The Antlers are looking after their injured players and promoting youngsters to the first team to have a look at them, " commented manager Hara. 
Over 40,000 people flocked to the stadium. " We are very grateful for this tremendous support, " he added, " We really want to answer the fans' expectations". 
The game began shortly after 4pm. on a glorious afternoon in west Tokyo. 

ペースをつかむ中で先制を許し…


 開始からスタンドの声援に後押しされるように、前へ前へという姿勢をみせた東京の選手たち。開始30秒で石川が気合の入ったミドルシュートを放つ。2分には、鹿島の攻撃をジャーンが身体を張った守備で奪う。そこからつなぎ、迫井が右サイドに飛び出した近藤祐にパス。近藤はドリブルで相手DFをかわし、ゴール前に突進、チャンスをつくるが惜しくもシュートには至らず。3分には鹿島陣内右サイドで得たFKを宮沢が直接狙う。6分、7分にもFKのチャンスを得て、宮沢、石川が狙うが、決めることはできなかった。8分には宮沢のサイドチェンジを受けた石川が、右から中へ切り込みシュートするが、GKの正面。14分には速攻から近藤祐がくさびとなり、宮沢が右サイドへ石川を走らせるパスを送る。石川が粘ってCKを奪うがフィニッシュには持ち込めなかった。

 ここまで鹿島にはチャンスらしいチャンスをつくらせなかったが、17分のことだった。MF青木のロングフィードを受けたFW鈴木が、左エンドライン際でキープ。後ろに戻したところを、フォローに上がった左サイドバックの石川がアーリークロス。ファーでFW興梠がフリーで放ったヘディングシュートはバーをかすめて跳ね返り、そこに詰めた本山がヘディングで押し込む。東京はペースをつかんだ中で先制を許してしまった。

 これを機に試合は徐々に鹿島のリズムに。鹿島はDFラインでパスを回し、攻撃のチャンスをじっくりうかがう、余裕のある試合運び。その中でも27分にはセットプレーからチャンスをつくり、右サイドからの宮沢のFKに、ゴールを背にした近藤祐が合わせ、振り向きながらシュートするが左にきれる。35分には相手陣内でボールを奪い、速い切り替えから中央を上がった加地が果敢にドリブルシュートを放つが、ゴール右上で相手GKのセーブに合う。

 ところが41分、東京の左サイドでボールをキープされ、鹿島MF増田が中央に猛ダッシュで攻め上がったFW興梠にうまいタイミングのパスをとおす。興梠はスピードに乗って強烈なシュートを放ち、ボールは土肥の手を越えバーをヒット。この跳ね返りをフリーで拾った本山にきっちり決められ、失点。1失点目と同じコンビの、同じようなプレーから追加点を奪われ、2点のビハインドを負って後半へと折り返した。


TOKYO Start Well But Concede Early

TOKYO flung themselves at the Antlers straight from the kick off as though propelled forward by the thunderous waves of noise emanating from the stands. Ishikawa registered the first shot with only 30 seconds on the clock, Kondo latched onto a neat through ball from Sakoi and dribbled his way into the area in the 2nd. minute and Miyazawa belted a free kick fractionally wide of the post a minute later. Two further free kicks within shooting range were given away by the Antlers but TOKYO were unable to hit the target. Livewire Ishikawa stung Sogahata's palms with a well struck drive in the 8th. minute and battled tenaciously down the right wing to win a corner in the 14th. minute. 
Antlers took the lead in the 17th. minute, completely against the run of play. Suzuki chased a long hoof to the byline and succeeded in keeping the ball in play, then rolled it back to midfielder Ishikawa. Ishikawa played a deep cross to the far post where Koroki attempted to cushion a header over Doi. The ball hit the bar and fell for Motoyama to nod home and give his team the lead with their first attack. 
The goal changed the complexion of the game at a stroke. The Antlers were content to retain posession, playing the ball around the backline and building slowly into attack. Kondo had a brief glimpse of goal in the 27th. minute but shot wide following Miyazawa's free kick. In the 35th. minute Kaji dribbled forward and shot but Sogahata held his effort comfortably. 
The killer blow came in the 41st. minute. Masuda held the ball up on the right before rolling it into the path of the onrushing Koroki. Koroki lashed a fierce drive against the bar and Motoyama, unmarked inside the area, hammered the rebound into the roof of the net to double the lead. The first period ended 0-2. 

ダニーロ、小林が見せ場をつくるも、あえなく敗戦


 気持ちを切り替えて臨んだ後半。48分にはFK、続いて左CKを奪うがチャンスには結びつけられず。 50分には馬場に代えてダニーロを投入した。しかし54分、鹿島右サイドバック・アリの突破を、迫井がエリア内で倒してしまい、PKを与えてしまう。これは鹿島FW鈴木がはずし、追加点は免れた。

 その後、57分には迫井に代えて今季初出場となる小林を投入。小林を左の前線に置き、3バックの布陣で猛攻を仕掛けた。59分には相手陣内でボールを奪ったダニーロが、果敢にゴールに向き直りドリブル、強引に放ったシュートは左ポスト下を直撃! 跳ね返りにジャーンが詰めるがオフサイドに…。どうしても1点が遠かった。その後もCKやFKからチャンスをつくろうとするが、思い切りも悪く、決定的なシーンには持ち込めなかった。

 66分にはダニーロ→宮沢から左サイドの小林にパス。小林は果敢にシュートするが、力弱くGKがキャッチ。71分に鹿島はFW興梠に代えてMF本田をボランチに投入。守備を固める作戦に入った。東京も75分には近藤祐に代えて増嶋を入れ、ジャーンを最前線に上げ、総力戦で猛反撃。石川を中心にスピードのある攻撃を繰り返すが、DFが引き、中盤ではファール覚悟で守備を固める鹿島の前に決定打を打ち出せず。最後まであきらめず、総力戦で1点を奪いにいったが、結果的に8本のCKやセットプレーも実らず。鹿島のうまい試合運びの前に0対2で敗戦。6連敗を喫した。

 【選手コメント】《ジャーン》「自分たちがゴールを決められないうちに失点し、そこからは相手に引かれて、チャンスをつくれなかった。最後は本来のポジションではない前線に上がり、なんとか点を取りたい、勝ちたいと思ってプレーしたが及ばなかった。がんばって、次は結果を出したい」《近藤祐》「ボールを追うことで、鹿島に疲れさせられた。中盤との距離が離れてしまい、その間にパスをとおされ回されてしまった。修正しようとしたが、自分のことで精一杯で後手後手になってしまった。ナオが突破しても、上がって詰めきれなかった…。結果的に序盤のチャンスに決めきれないことが響いていると思う」《小林》「気合は入っていた。ナオと流動的なポジションチェンジをしながらサイドで勝負しようとした。だが相手が引いて、縦のポジションを抑えられている状況で、ドリブルで崩していくのは難しかった。結果を出せなかったので次のチャンスがあるかどうかはわからないが、次があればがんばって立て直していきたい」

 【原監督の会見要旨】「いつも以上にサポーターが応援してくれて、その声援に応えるためにも、いい試合をして戦おうと選手たちに話し、試合に臨んだ。立ち上がりは、その姿勢が出ていてよかったと思う。なかなかキレイな形にはならなかったが、積極的に攻めてFKやCKを取っていった。ところが先制されると急に弱気になってしまった。パスが前に出せず、競り合いも怖がっているような様子になった。ハーフタイムには、怖がらずもっと前にボールを入れて戦っていこうと話した。後半はダニーロ、小林を入れ、近藤祐も足をつってしまったのでジャーンを前線に上げて、増嶋を後ろに入れた。バランスを取るよりも、一人ひとりが前にボールを運び、こぼれを拾っていこうとした。その姿勢は前半より出ていたと思う。なかなか結果が出ないが、このサポーターの声援に応えないわけにはいかない。チームが一つになって、顔を上げて戦っていかなければならない。なんとか踏ん張って、ここを抜けなければ。後半のような泥臭くても全員で戦うサッカーをしなければ変わっていけないだろう」

 【鹿島・セレーゾ監督の会見要旨】「すばらしい前半だった。東京がホームである以上、積極的にくること、かつビハインドを負えば後半も攻めに出てくることは予想できた。選手には、2対0というのはとても危険なスコアだと強調した。当然ながら東京は点を取りに前線の選手を投入してきた。そこで、どのタイミングで守備固めに入るのかが一つのポイントだった。ダニーロ選手が入った時に少々心配したが、彼はDFとボランチのラインのギャップでプレーすることが多いので、そこで捕まえることを徹底させた。技術が高い選手だが、ペナルティエリア内に侵入しても、DFがしっかり付いていれば問題ないと考えた。東京はリスクを背負って、DFを3枚に、宮沢と加地がウィングバックの形をとり、かなり攻撃的にきた。そこでダニーロを抑えるために入った本田がしっかり働いてくれた。マンマークで付くのではなく、ボールの位置によって青木が付くという約束事を徹底させたことで、相手の中央攻撃を抑えることができた。また宮沢、加地のサイドも、交代策で抑えることができた。幸いなことに東京がロングボールを多用したことで、DFにとっても対応しやすい状況になったと思う。東京の石川選手は警戒しなければいけなかったが、前半は石川竜也が彼を抑えきったと思う。後半、左に流れてアリのサイドが崩された場面もあったが、アリは石川のことをよく知らないこともあり、対応に戸惑いがあった。東京の選手をよく知っている選手を入れたほうが守りやすいと考え、交代で抑えることができた。前節の敗戦で失った勝点を取りに行く意識を徹底させたし、それがこの試合にうまく出た。セットプレーにもこぼれに対する対応もできていた。選手一人ひとりが約束事を徹底してくれた。前半のうちに2点を得たことで多少ラクになったが、東京という攻撃的なサッカーをするチームに対しては、警戒しなければいけないスコアであった。立ち上がりの15分~20分に耐えたことで、最後まで持ちこたえることができた」


Danilo, Kobayashi Shine But TOKYO Fall 

TOKYO began the second period in a positive mood, winning a free kick and a string of corners but were unable to trouble Sogahata. Danilo replaced Baba in the 50th. minute. Antlers then won a penalty in the 54th. minute as Sakoi upended Ari inside the area. Suzuki chipped the ball wide of the goal and failed to extend the lead. 
Kobayashi replaced Sakoi in the 57th. minute as TOKYO went in search of a goal to give them some hope of saving the game. Kobayashi moved to the left of the attack and TOKYO switched to a three back system. In the 59th. minute Danilo wriggled through the Antlers defence and cracked a low shot against the post; Jean was given offside as he desperately stretched to snare the rebound. 
TOKYO were enjoying the lion's share of possession, winning corners and free kicks but were unable to create a clear opening. Danilo set up Kobayashi in the 71st. minute but his shot was weak and straight at Sogahata. The Antlers replaced Koroki with defensive midfielder Honda in the 71st. minute and switched to a defensive mode. TOKYO withdrew Kondo, sent on defender Masushima, pushed Jean up into attack and attempted to use Ishikawa's speed to unsettle the Antlers defence. The visitors defended in depth and resorted to illegal means to prevent TOKYO having a clear sight of goal. TOKYO won 8 corners and free kicks in the second half alone but all came to naught and the Antlers superior skills won the day . It was TOKYO's 6th. consecutive defeat. 


Players' comments 
Jean: 
"They scored when we couldn't then settled back and defended deeply. Striker is not my usual position but I'll do anything for the team and we desperately needed a goal. We'll do our best to get a result in the next game". 

Kondo: 
"Kashima tired us out chasing after the ball. I was isolated from the midfield and they kept possession very well. Ishikawa made some openings but I couldn't get on the end of them. Not taking those early chances really hurt us today". 

Kobayashi 
" We were really up for this game. We tried to use Ishikawa's movement and sudden changes in positioning to unsettle the Antlers defence on the wings but they were playing so deeply it was very difficult. Dribbling through was tough as well. I don't know if I'll get another chance but if I do I'd like to make amends for today's game". 


F.C.TOKYO manager Hara: 
" The support we receive from the fans is always superb but today was extra special and we really wanted to play a good game for them. The players attitude showed in the way we started the game. It wasn't particularly great play but it was very positive and we had some chances from corners and free kicks. After the first goal we lost our spirit, stopped playing the ball forward and going in hard to win it. At half time I told the team not to be afraid and to get the ball forward more. In the second half we sent on Danilo and Kobayashi, replaced Kondo as he had an injury, moved Jean to the front line and put Masushima into defence. Rather than worrying about the balance we just wanted to get the ball forward and fight for the loose balls. We just can't win at the moment; the players will have to get their heads up and play through this difficult period. The way we played in the second half wasn't pretty but maybe that's what we have to do right now". 

Antlers manager Toninho Cerezo: 
" We played a great first half. We had expected TOKYO to really attack us and were prepared to go into the second half behind. 2-0 is a dangerous score, as I told the players. Obviously TOKYO were going to add players to the attack in the second half and the key point for us was when to move into defensive mode and protect the lead. I was a little worried when Danilo came on as he's a good player and operates in the space between the defence and the holding midfielders. If we could stick tight to him then I thought he wouldn't be such a problem, though. We sent on Honda not to man mark Danilo but to work in tandem with Aoki, depending on where the ball was. Honda moved well and did a good job today. We also managed to suppress TOKYO along the flanks. We were relieved when they started playing the long balls as that was no problem for our defence and we dealt with it comfortably. TOKYO's Ishikawa is a dangerous player but our Ishikawa played him out of the game in the first half. In the second half Ari had some trouble coping with Ishikawa on the left as he doesn't know the player; we thought it was best to use substitutes who know the TOKYO team well. After losing the last game we were determined to take the three points today and that showed in the performance. All the players performed their tasks thoroughly and that's why we won".