GAME RESULT試合結果

第13節 2004/6/16(水)
観衆 5,746人 
天候 晴、弱 気温 17.3度 湿度 75% 
主審:高山 啓義 副審:名木 利幸/小椋 剛 四審:蒲澤 淳一

J1 1st 第13節

市原

HOME

ジェフユナイテッド千葉

2-2

試合終了

前半0-2

後半2-0

AWAY

FC東京

ジェフユナイテッド千葉 FC東京
46' マルキーニョス
72' マルキーニョス
得点者 00' 鈴木 規郎
43' 鈴木 規郎
68' 羽生 直剛 → 林 丈統
70' 坂本 將貴 → 山岸 智
86' マルキーニョス → 巻 誠一郎
選手交代 65' 馬場 憂太 → 梶山 陽平
76' 鈴木 規郎 → 阿部 吉朗
15 シュート 17
8 CK 1
23 FK 25
28' 佐藤 勇人
42' 佐藤 勇人
50' 中島 浩司
53' サンドロ
55' 阿部 勇樹
85' 中島 浩司
警告 31' 金沢 浄
39' 浅利 悟
48' 茂庭 照幸
89' 梶山 陽平
42' 佐藤 勇人
85' 中島 浩司
退場
ジェフユナイテッド千葉先発
GK 17 櫛野 亮
DF 6 阿部 勇樹
DF 4 茶野 隆行
DF 24 結城 耕造
MF 2 坂本 將貴
MF 7 佐藤 勇人
MF 15 中島 浩司
MF 11 村井 慎二
MF 22 羽生 直剛
FW 13 サンドロ
FW 8 マルキーニョス
ジェフユナイテッド千葉控え
GK 1 立石 智紀
MF 23 楽山 孝志
MF 16 山岸 智
FW 18 巻 誠一郎
FW 9 林 丈統
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 32 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 14 馬場 憂太
MF 6 今野 泰幸
MF 7 浅利 悟
MF 15 鈴木 規郎
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 23 梶山 陽平
FW 11 阿部 吉朗

【選手・監督コメント】

互いに上位進出をかける一戦


 アウェーでジェフユナイテッド市原と戦う第13節。先週の土曜日から1週間で3試合を行う連戦で、今節は平日のナイトゲームでの開催となる。ハードなスケジュールだが、ここから最終節までは上位進出をめざすチームとの直接対決で、一試合も落としたくない厳しい状況が続く。

 市原は現在勝点17で6位。1stステージは第7節より勝ち星がなく、今節はDFの要ミリノビッチを出場停止で、ケガでDF斎藤を欠く。だが、ここまでの総得点は22と、その攻撃力は脅威だ。またホーム市原臨海競技場では、昨シーズン1stステージ第5節より不敗という記録も誇っている。

 東京は前節と同様のスターティングメンバー。市原は、阿部が茶野、結城とともにDFラインに入る3バックの布陣。梅雨の中休みで晴れわたりながらも、17.3度と肌寒ささえ感じさせる気温の中、東京のキックオフでスタートした。

開始30秒、規郎のリーグ戦初ゴールで早くも先制!


 試合は開始早々動いた。市原右サイドからのフィードを果敢に前に出た今野がカット。すぐさまサイドの裏に空いたスペースに駆け上がり、ダイレクトでゴール前にクロスを送る。これにファーから走りこんだ鈴木が右足で合わせてゴール!! 開始30秒でのチャンスを確実にモノにし、貴重な先制点を奪った!

 早い時間帯での先制に、今日のゲームへの期待が高まった。だが、その後は互いに高いDFラインを保ち、コンパクトな布陣からタイトなマークで互角の攻防。東京は8分には自陣でボールを奪うと、戸田→ルーカス→馬場とつなぎ、右サイドのスペースに上がった鈴木が右クロス。攻め上がった金沢が左エリアからシュートを放つも、角度なく右へそれる。市原も11分には東京ゴール前に攻め込み、DFのクリアボールをMF坂本がミドルシュート。15分には左サイドから回り込んだMF中島がシュート。16分には東京のチャンス。40mはあるかというFKから鈴木が直接ゴールを狙う。

 ボール支配は徐々に市原が上回るものの、東京は厳しいチェックからマイボールにすると、速い攻撃を仕掛け、決定機を作った。21分には中盤のルーカスが右サイドの徳永に預け、ゴール前にダッシュ。グラウンダーのクロスを受け、市原DFを外してシュートを放つがジャストミートせず。24分には、徳永が自陣でボールを奪い、ドリブルからアーリークロスを前線へ。これを相手DFが処理しきれず、追っていた戸田が奪い突進。ゴール前でGKと1対1になる決定的な場面だったが、シュートはブロックされてしまった。

規郎の左足が炸裂、2点リードするが……


 ビッグチャンスを逃がすと、市原がスピードを活かした攻めからシュートシーンを作るようになる。25分にはロングボールを右エリアで受けたマルキーニョスがシュート。31分には立て続けにゴール前でのFK。33分にはCKから再びマルキーニョスがヘディングシュート。東京も34分にはルーカスがCKを奪い、馬場のキックから戸田、今野とつないだがヘディングシュートはゴールの上に。

 ところがこの後、状況は一転する。42分、市原MF佐藤が反スポーツ行為で今日2枚目の警告を受け、退場に。その後を10人で戦うことになった。直後に東京のゴールキックからプレーが再開されると、土肥から徳永へ。徳永は縦パスを送ると、鈴木が右サイドをドリブルで疾走。エリア内まで持ち込み、思い切りよく左足を振り抜いた。ボールは次の瞬間にはネットを激しく揺らしイン! 目にも止まらぬ豪快弾で追加点を奪い、前半を終了した。

 2点のリード、相手は10人で迎えた後半。だが攻めに出たのは市原だった。リベロの阿部を一列前に上げ、反撃体勢を敷くと、開始40秒足らず、東京の左サイドからゴール前に攻め込む。これはジャーンがカットしたが、その直後、再び東京の左サイドにマルキーニョスが侵入。茂庭がきっちり対応していたが、苦し紛れに見えたクロス気味のシュートを放つと、フワリと浮いたボールはファーサイドのポストに当たってイン。前半とはまったく逆の展開で、開始早々の時間帯にゴールを奪われ、1点差とされてしまった。

激しい試合は両者譲らずドローに終わる


 これで勢いに乗った市原は、数的不利を感じさせないコンビネーションからスピードのある攻撃を繰り出し、東京は防戦に回ることに。51分には速攻からFWサンドロのドリブルを止められず、ゴール正面からシュートを許す。57分には左サイドをマルキーニョスに走られ、ゴール前に鋭いクロスを送られた。

 この状況を打破したい東京、「前線でボールを収めたかった(原監督)」と、65分には疲れのみえる馬場に代えて梶山を投入。市原も68分にはMF羽生に代えてFW林を、70分には坂本に代えてMF山岸を投入。マルキーニョス、サンドロ、林の3トップに近い布陣で同点弾を奪いにきた。

 交代後もリズムをつかんでいたのは市原。東京は攻から守への切り替えも遅れ、71分には中盤でフリーになった市原・阿部にミドルシュートを打たれる。そして72分、左サイドでFKを得た市原は、速いリスタートで左前線のスペースへ。これに追いついたMF村井がゴール前にクロスを送ると、正面でマルキーニョスに合わされゴール。東京の動きが止まったその一瞬に、たちまち同点に追いつかれてしまった。

 76分には鈴木に代えて阿部を投入。85分には市原・中島が2枚目の警告で退場。9人となってしまった市原に対し、東京は猛攻を仕掛ける。だが、結局ゴールは割れず、2対2のまま終了。市原も次々と警告、退場者を出し、まさに痛み分けとも言えるが、東京にとっては鈴木の2得点を生かせず、負けに等しい痛恨のドローとなってしまった。

【選手コメント】《金沢》「最低だった。後半立ち上がりに、一番あってはいけない展開にしてしまった。(2点リード、相手が10人になった状況で)どこかで余裕をもってしまい、集中力が欠けた部分がある。ある程度相手にボールを持たせても、しっかり守ってカウンターを狙えばよかったのだが、前半途中からこぼれ球や1対1など、意識が足りなかったところもある。優勝を狙うなら、こういうところで厳しくやれなければいけない。これでは勝てない」 《茂庭》「最悪の展開。後半、前線とDFラインが間延びしたところに、相手がどんどんロングボールを入れてきたが、そのセカンドボールを拾えなかった。市原の10人の戦い方、リズムにはまってしまった。(引いてしまったのは)市原には阿部選手のフリーキックがあるので、ゴール前でのファールが怖かったのは確か。ただ、2失点目はFKからだったが、そこから出たボールや村井選手に誰かが対処していれば防げた。攻撃では、市原が走れるチームだというのはわかっていたが、(1人多い状態で)いい形でボールを奪っても、速いテンポでパスを回すこともできなかった。もっとシンプルにやることが必要だった」

【原監督の会見要旨】「立ち上がりにいい形で今野が抜け出して先制し、規郎が持ち込んで2点目を決めてくれた。市原は、こちらが怖がって引いてしまうとどんどん前に出てくるので、前からのプレスをかけていこうと話していたが、前半まではそれができていた。後半、相手が10人になっても怖がらないでプレスをかけていこうと指示したが、クロス気味のシュートが決まり、そこからは怖がって引きすぎてしまった。それでもしっかり守っていい形で奪えば、相手のディフェンスに残る人数が少ないのでチャンスを作れたはずだが、セットプレーの対応が遅れて2点目を取られた。最初の失点の時間帯にもう少し辛抱できていればよかったが、あれで相手を元気にさせてしまったし、逆にこちらは受身になってしまった。市原は10人になったが、阿部を上げてリスクを冒して攻めに出た。その中でマルキーニョス、サンドロ、林に前を向かせると危ない。選手も頭ではわかっていただろうが、前からいけず、マークもルーズで甘くなった。ただ、一番の課題は打ち合いの中で3点目がとれなかったこと。終盤あれだけ点を取るチャンスがあったが、惜しいといっても枠に飛んでいないとか、シュートで終わらず、人にパスを出したりしてしまった。落ち着いてサイドから崩したり、シュートで終わることが必要だった」

【市原・オシム監督の会見要旨】「1失点目は集中力の問題。ああいったことはジェフでは何度も起こっている。あの1点目でチームはショックを受けただろう。そして2点目も同じだ。同じような感じで、誰かがぼっとしていて失点してしまった。ジェフの問題は、家でゆっくり眠れていない選手がいる。だから、その代わりにグランドで寝ている。その代償は大きい。だが後半はものすごく勇敢なプレーをした。リスクを冒していた。前半は勇敢に、リスクを冒して攻められなかった。後半はその両方ができた。確かに10人になった時に戦い始め、動き始め、走り始めたといえる。私の考えでは、こちらが10人になり、0対2になった時点で、FC東京は試合に勝ったという気持ちを持ってしまったのだろう。そこで1点入れられた時に慌ててしまい、このような結果になったのだと思う。でも正直に言えば、相手の攻めからすれば、5点入れられてもおかしくない試合だった。しかしそれでもジェフは守らず攻めた。時間帯によっては勝ってもおかしくないプレーができていた。勇気が幸運をもたらした。こんな試合になったが、よく頑張ったと思う。あとは引き分けを早く打開したい」