GAME RESULT試合結果

第2節 2004/4/29(木)
観衆 10,708人 
天候 晴、弱 気温 14.4度 湿度 42% 
主審:松村 和彦 副審:高橋 佳久/中熊 光義 四審:手塚 洋

YNC 予選Dグループ 第2節

カシマ

HOME

鹿島アントラーズ

1-2

試合終了

前半1-0

後半0-2

AWAY

FC東京

鹿島アントラーズ FC東京
02' 大岩 剛
得点者 45' オウンゴール
78' 梶山 陽平
61' 増田 誓志 → 野沢 拓也
76' 平瀬 智行 → 中島 裕希
86' 深井 正樹 → 池内 友彦
選手交代 60' 戸田 光洋 → 阿部 吉朗
66' 宮沢 正史 → 浅利 悟
87' 栗澤 僚一 → 鈴木 規郎
9 シュート 15
1 CK 10
21 FK 24
68' 岩政 大樹
警告 63' ジャーン
退場
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 17 内田 潤
DF 15 岩政 大樹
DF 4 大岩 剛
DF 22 石川 竜也
MF 7 新井場 徹
MF 16 フェルナンド
MF 8 小笠原 満男
MF 26 増田 誓志
FW 19 平瀬 智行
FW 11 深井 正樹
鹿島アントラーズ控え
GK 1 小澤 英明
DF 20 池内 友彦
MF 23 大谷 昌司
MF 25 野沢 拓也
FW 27 中島 裕希
FC東京先発
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
DF 3 ジャーン
DF 5 増嶋 竜也
DF 17 金沢 浄
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 33 栗澤 僚一
MF 23 梶山 陽平
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 21 遠藤 大志
DF 15 鈴木 規郎
MF 7 浅利 悟
MF 14 馬場 憂太
FW 11 阿部 吉朗

【選手・監督コメント】

ナビスコカップ予選2節、鹿島に雪辱を果たせ


 4月17日1stステージ第6節から約2週間をおいて、今日はナビスコカップ予選リーグ第2節、鹿島アントラーズ戦に臨む。東京・鹿島・柏・神戸の4チーム(Dグループ)がホーム&アウェーで戦う予選リーグ。決勝トーナメント進出を賭けて2位以上をめざすことはもちろん、第1節はホームで鹿島に1対2で敗れているだけに、ぜひとも雪辱を果たしたいところだ。

 インターバルの間には代表の海外遠征が行われていたため、日本代表の土肥、加地は不在。帰国直後のU-23代表の茂庭、今野、石川は、コンディションを考慮して欠場となった。また前日の練習で負傷したケリーを欠き、増嶋、栗澤が初の先発に。原監督は、試合前「今のコンディションではこのメンバーがベスト。(代表選手が不在の中)これで負けてもいいという訳ではない。このメンバーで勝ちたい」と意気込みを話した。

 対する鹿島も、日本代表の本山が不在のほか、青木、名良橋らの故障者を抱え、チーム状況は万全ではない。だが、MF新井場をボランチに置き、先発メンバーの平均年齢は24.36歳。東京の24.82歳を下回り、フレッシュなメンバーで臨んできた。試合は少し肌寒さを感じさせるカシマスタジアム、鹿島のキックオフでスタートした。

またも立ち上がりに先制点を奪われるが…


 予選リーグ第1節では、開始1分に先制を許し、この失点が重くのしかかった。リーグ前節の磐田戦でも5分に失点しており、立ち上がりの時間帯には万全の注意を払っているはずだった。だが1分、自陣中盤でFKを与えると、鹿島MF小笠原の蹴ったボールをルーカスがクリア。こぼれを鹿島が拾ってつなぎ、右エリア角でフリーになっていたMFフェルナンドがクロス。これにファーサイドからニアに走り込んだDF大岩が、打点の高いヘッドを叩きつけた。マークの隙を突いたこのファーストシュートが決まり、東京はまたしても2分という早い時間にビハインドを背負ってしまった。

 出端をくじかれたかっこうになったものの、まだ時間は充分にあった。落ち着いて反撃に出る東京は6分、8分にCK。12分には栗澤のスルーパスを受けた梶山のシュートが相手DFにあたり、こぼれを拾ったルーカスがシュート、再びCKを奪う。一方先制を奪った鹿島は、カウンターからスピードのある2トップをめがけロングボールで仕掛けてくる。14分には、速攻からFW深井が鋭い切り返しでエリアに侵入するが、増嶋が足を伸ばしてカット。17分には、中盤でキープした小笠原が攻め上がる大岩にパス。大岩はゴール前に駆け上がると、左エリアの深井に。シュートはバーを叩いてヒヤリとさせられたが、これはシュート前の反則で東京ボールとなった。

 梶山、宮沢を起点にワイドな攻めを繰り返しながらもフィニッシュに持ち込めず、一進一退の攻防となったが、東京は22分、金沢のアーリークロスを栗澤がヘッドでゴール前に。だが、戸田にはわずかに合わず。29分には藤山のオーバーラップから宮沢→栗澤とつなぎ、クロスのクリアを金沢がシュート。30分には右CKからジャーンがシュート。32分には、戸田が相手ボールを奪い速攻を仕掛けると、左エリアに攻め上がった三浦にパス。そこからゴール正面の梶山にボールがわたり、シュート。36分には早いリスタートから右サイドに開き、クロスのこぼれを戸田が振り向きざまにシュート。だが、いずれも枠をとらえられず。30分頃からは主導権を握って何度もチャンスをつくったが、鹿島ゴールのネットを揺らすことはできなかった。44分には鹿島・小笠原がドリブルで攻め上がり、ループ気味のシュートを打たれるが、塩田のナイスセーブでCKに逃れ、0対1のまま後半へと折り返した。

後半30秒、栗澤、ルーカス、戸田のコンビで同点に!


 後半、キックオフのボールをつないだ東京。栗澤が中央にドリブルで進み、相手DFに阻まれ、倒れながらも前線にスルーパス。これに反応したルーカスが、右サイドで追いつくとゴールライン際まで猛スピードで突進。シュート性の強いボールをゴール前に送った。すると正面に詰めた戸田と相手DFがもつれこみ、相手DFはクリア仕切れずゴールイン!栗澤、ルーカス、戸田の速い連係プレーでオウンゴールを誘い、後半開始30秒足らずで同点に追いついた!

 47分には梶山→栗澤のクロスを戸田がヘディングシュート。ボールはバーを直撃、跳ね返りをルーカスがシュートもゴールの上に。追加点のチャンスは逃がしたが、同点をきっかけにプレスが激しくなり、行き来の速い攻防が繰り返される。60分には戸田に代えて阿部を投入、「もう1点」を取りにいく。61分にはルーカスのキープから金沢が上がり、左エリアの阿部にパス。阿部はDFを切り返してシュート、CKを奪う。64分には、再び阿部が左エリア内に侵入、ラストパスを受けた宮沢がペナルティアーク付近からシュートするもゴールの上。

 66分には宮沢に代えて浅利を投入。決して守備的にはならず、バランスを取り、より激しいプレスから攻めに出た。68分には左サイドでルーカスが倒され、FKを得る。これに増嶋がヘッドで合わせたが、わずかにゴール右に。69分には浅利が右サイドのスペースに送ったパスに栗澤が追いつき、クロス。中央で阿部が頭から飛び込むが、身を挺したDFにクリアされてしまった。

梶山の豪快な逆転弾で、鹿島戦アウェー初勝利をつかむ!


 守っては70分、鹿島のカウンターからの長いパスは増嶋がクリア。74分の鹿島・小笠原のシュートはジャーンがカット、藤山は果敢にインターセプトを狙い、ピンチを未然に防いだ。鹿島は61分に増田に代えてMF野沢を、76分にはFW平瀬に代えてFW中島を投入。交代枠を使って、プレス勝負で劣勢に回る状況を立て直そうとした。だが、迎えた78分、相手陣内で栗澤がボールを奪われ、鹿島が反撃に出ようとしたその瞬間だった。三浦が激しいチャージからボールをかっさらい、猛然と鹿島ゴールに突進。ペナルティエリア手前からのシュートは相手DFにカットされたが、フォローに上がったルーカスがこぼれ球をきっちり拾い、ワンタッチで後ろにパス。これに走りこんだ梶山が強烈なシュート!! ボールは目の覚めるような弾道でゴール上のネットに突き刺さった!

 梶山のプロ初得点となる渾身のゴールで逆転を果たした東京。残り時間を、集中したプレーで鹿島の反撃を抑え、そして慌てずに攻めた。87分には、ここまですばらしい活躍をみせた栗澤に代えて鈴木を投入。88分には、塩田のクリアボールが鹿島・野沢にわたり、ボレーシュートを打たれるが増嶋がクリア。ロスタイムにはゴール前のパスに対して塩田が飛び出しボールがこぼれたが、浅利が落ち着いてつなぎ、左サイドへ。すると途中出場の鈴木がドリブルで疾走、DFに囲まれながらも左エリアから強烈なシュートを放った。GKにセーブされたが、持ち味をアピールし、そしてタイムアップ。それぞれが懸命に役割を果たし、J2時代ナビスコカップ準決勝で初めて対戦した1999年より一度も果たせなかった鹿島戦アウェーでの初勝利をつかんだ。

【選手コメント】《梶山》「ゴールの場面は、ルーカスからいいボールが落とされてきたので、浮かせないように抑えて蹴った。前半はチャンスはつくれていたので、あとはゴールだけだと考えていた。1点を取って勢いがあったので、しっかり決めようと思った。終盤はミスも出たし、初めて足がつった。だが90分戦えたことは自信になる。プロ初ゴールで試合に勝てたのでうれしい」 《塩田》「自分のプレーには納得がいかないが、勝てたことがよかった。立ち上がりの失点は、ラインを上げたい場面だったが、コミュニケーションが足りなかった。ただこの時間での1失点ならまだ大丈夫だと、周りと声を掛け合ってその後はしっかり守れたと思う。あわててしまった部分もあるし、今後はゲームのフィーリングの面などを修正していきたいが、何よりチームの勝利が第一。ここ3試合勝ちがなかったが、いい流れでリーグに向かいたい」

【原監督の会見要旨】「立ち上がり、気をつけていたセットプレーから失点してしまい、嫌な感じがした。だがよく持ち直した。前半はいい形ができていたが、それでも点が入らない、決定的な場面がない状態。やりたいサッカーはできているので、ハーフタイムには時間をかけずサイドから崩していこうと話した。後半栗澤が起点となって1点目を、2点目は三浦のがんばりもあり、取ることができた。梶山はシュート力はあるのにあまり自分で打たないので、常に『打て』と言っているが、よく決めてくれた。今日はU-23代表の選手は休ませるという決断をしたが、残っている選手たちはモチベーションが高かった。ケリーがケガをして急きょ先発に入れた栗澤、ケリーのポジションに回った梶山の2人がよくチャンスをつくった。増嶋もまだミスはあるが、センスのよさを発揮して貴重な戦力となっていた。そして、三浦、藤山、浅利は身体をはって若い選手を引っ張ってくれた。彼らががんばることがチームをもっともっと強くしていく。これまで鹿島とのアウェーゲームで(自分が監督を務める以前から)一度も勝っていないということは知っていたが歴史は変えていかなければいけない。だからまず1回勝たなければいけないと選手には話した。鹿島に対してすべてが上回っていた訳ではないが、代表選手たちが不在の中で勝ったこと、それもアウェーで勝ったことは大きい。すぐに始まるリーグ戦につなげたい」

【鹿島・セレーゾ監督の会見要旨】「前半と後半でまったく違う試合だった。リーグの新潟戦も同じパターンで、前半勝っていて、その後試合を決定付けるチャンスが何回かあったにも関わらず、決められずに結局やられた。後半は一人一人の集中力、気持ち、意識の部分が統一されず、チームとして機能していなかった。ナビスコの大事な試合…予選はリーグ戦なので何試合かあるが、一戦一戦勝っていくことで後々ラクな戦いもできると話していたが、1-0の状態からハーフタイムを経て、後半30秒で失点した。タイトルを狙うチームとしてはあってはいけない油断、集中力が欠けていた部分だと思う。前半は落ち着いたパスワークや緩急を意識できている選手もいたが、後半はまったくなかったし、ハーフラインのゾーンでシンプルにやればいいのに、イージーなミスで取られ、悪循環から相手に主導権を握らせてしまった。何人かの選手はケガを負って戦ったし、新井場にはケガ+不慣れなポジションのボランチでやってもらったが、その中でも収穫はあった。岩政や増田は、初先発であったが、忠実に役割を果たしてくれた。FC東京も代表選手が不在の中、そのほかに若い選手が出てきて、レベルを落とさずできているのではないか。同じように鹿島も若手を育てながらやろうとしているが、時間と我慢が必要。いきなり名良橋や本山の代わりはできない。将来的に鹿島を背負っていく能力はもっている。その中で結果がついてくれば彼らにも自信になる。一番心配なのは、失点したあとのリアクションパワーが気になるところだ」