GAME RESULT試合結果

第3節 2004/4/03(土)
観衆 23,136人 
天候 晴、弱 気温 19.0度 湿度 29% 
主審:西村 雄一 副審:山崎 裕彦/佐藤 秀明 四審:北村 央春

J1 1st 第3節

味スタ

HOME

FC東京

3-2

試合終了

前半0-1

後半3-1

AWAY

東京ヴェルディ

FC東京 東京ヴェルディ
50' 戸田 光洋
71' ジャーン
80' 馬場 憂太
得点者 18' 平野 孝
64' エムボマ
51' 阿部 吉朗 → 馬場 憂太
70' 戸田 光洋 → 栗澤 僚一
80' 宮沢 正史 → 三浦 文丈
選手交代 48' 小林 大悟 → 小林 慶行
61' 根占 真伍 → ウーゴ
70' 森本 貴幸 → 桜井 直人
18 シュート 12
10 CK 3
17 FK 23
警告 54' 林 健太郎
73' 米山 篤志
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 32 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
FW 9 ルーカス
FW 11 阿部 吉朗
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 33 栗澤 僚一
FW 14 馬場 憂太
東京ヴェルディ先発
GK 21 高木 義成
DF 13 柳沢 将之
DF 5 米山 篤志
DF 3 ウベダ
DF 6 三浦 淳宏
MF 8 小林 大悟
MF 4 林 健太郎
MF 18 根占 真伍
MF 22 平野 孝
FW 25 森本 貴幸
FW 9 エムボマ
東京ヴェルディ控え
GK 1 水原 大樹
DF 17 戸川 健太
MF 10 ウーゴ
MF 32 小林 慶行
FW 16 桜井 直人

【選手・監督コメント】

絶対に負けられない。ホームで迎えるヴェルディ戦


 1stステージは2週間のインターバルを置いて第3節を迎え、ホームゲームで東京ヴェルディ1969と対戦する。同じ東京を本拠地とするチーム同士、負けられないのは当然だが、2節大分戦、そしてナビスコカップ鹿島戦に続く連敗はもう許されない。敗れた2試合も内容ではひけを取っていないだけに、ゴールに結びつく攻撃サッカーに期待したい。

 今日の試合をもって土肥がJ1リーグ通算200試合出場を達成。日本代表のワールドカップ予選でシンガポールから戻ってきたばかりだが、フィールドに元気な姿を見せた。一方、シンガポール戦でフル出場した加地は、コンディションを考慮してベンチ入りせず。右サイドバックはナビスコカップに続き徳永、センターバックは茂庭とジャーンが、今季初のコンビを組む。また2月末よりJFA・Jリーグ特別指定選手として登録されている栗澤(流通経済大4年在学中)が、初のベンチ入りを果たした。

 対するヴェルディは、15歳10か月でJリーグ最年少出場記録を塗り替えた“怪物”ストライカー森本が注目を集める。またエムボマも故障から復帰。強力な2トップに加え、中盤には平野、根占、林、小林大悟など、テクニックのある選手が揃い、速いパスワークは東京にとって脅威となるはずだ。ボールの支配を高め、ヴェルディの攻撃を分断したいところだ。

リズムをつかめず先制を許す


 試合はヴェルディのキックオフでスタート。立ち上がりから今ひとつパスのつながらないヴェルディに対し、東京は優位にゲームを進めた。立て続けに2本の右CKを奪うと、6分には戸田が左サイドを突破、ラストパスに走りこんだ阿部がシュートを放つ。7分にはエリア左FKから石川が強烈なシュート。GKがはじいたところにジャーンが詰めたが、枠はとらえられず。11分には今野のインターセプトから戸田→今野→金沢とつなぎ、ラストはペナルティエリアに侵入した今野がパスを受ける。トラップが大きくシュートは打てなかったが、ボールを奪って攻め上がるという今野らしいプレーをみせた。

 ヴェルディは14分、MF小林大のスルーパスに対し、FW森本が右サイドに抜け出してクロス。中央でFWエムボマが待ち構えていたが、茂庭、徳永が身体を寄せてシュートは打たせなかった。序盤、ヴェルディの決定的なチャンスはほぼこの1回のみ。だが18分、東京がオフサイドにかかり、リスタートした直後のことだった。最前線のエムボマへのパスを東京陣内右サイドでジャーンがカット。だがフィードがヴェルディMF平野にわたってしまう。平野はドリブルで攻め上がると、思い切りよくシュート。ループ気味に打たれたボールは土肥の頭を越え、ゴール右に吸い込まれるようにイン。わずかなミスから、ヴェルディの“一発”で先制を許してしまった。

 これで勢いづいたヴェルディは、その直後の19分、エムボマのスルーパスを受けた森本がエリア内で東京DF2人をかわしてシュート。決定的なシーンであったが、土肥の左足でのナイスセーブで追加点を免れた。21分にはカウンターからエムボマがゴール前に抜け出しシュートを放たれるが、枠をはずれた。東京は気を吐く石川を起点に反撃。26分には金沢の左からのクロスに右サイドに流れた石川がダイレクトで強烈なボレーシュートを放つが、GKのセーブに合いCKに。29分にも石川はクロスのこぼれ球を自ら拾い、左足で狙うがゴールの上に。30分には速攻からルーカス→石川がクロス、こぼれを今野が拾って金沢へ。クロスを戸田、石川とつなぎ、ゴール正面からルーカスがシュート。波状攻撃を仕掛け、流れを引き戻したに見えたが、ゴールにはいたらず。逆に前半終盤は失速し、チャンスを作れないまま1点ビハインドで後半へと折り返した。

先行されるも、追いつく底力をみせた!


 前半、ヴェルディの浅いDFラインの裏を突こうとするも7回のオフサイドにかかっていた東京だが、迎えた50分。ジャーンの前線へのロングボールに戸田が右足のアウトを使った巧いトラップでゴール前に抜け出すと、追いすがるDFより一歩早くシュート。ボールはゴール左に転がりイン! 原監督の「ワンテンポ早く裏へ」という狙いが奏功し、同点に追いついた。すぐさま2点目を取りたい東京は51分、阿部に代えて馬場を投入。馬場をトップ下に置く布陣で追加点を取りに行く。54分には、相手DFのハンドの反則により、エリア直前で得たFKをルーカスが狙ったがバーの上に。57分にはルーカスが右サイドで粘り戸田がつなぐと、攻め上がった今野がシュートを放つもGKがセーブ。再びボールを支配して攻める東京だが、リズムをつかみきることができなかった。

 63分には今野のバックパスからピンチを招き、左サイドのエムボマから、ゴール前に詰めた途中出場のMFウーゴに。飛び出した土肥をかわすように、ゴール正面の平野にパスがわたると決定的なシュートを打たれるが、これはカバーに入った今野がヘッドでクリア。だが今の東京の課題は、立て続けにピンチを招いてしまうことか。続く64分、エリア内で金沢とエムボマが接触。ここで金沢が傷み倒れていた隙をついて、エリア内に攻め込んでいた米山が左サイドにパス。受けた平野がクロスを上げると、エムボマにヘッドで決められ、再びリードを許してしまった。

 ヴェルディに突き放される格好となった東京だが、簡単に諦めるわけにはいかなかった。70分、戸田に代えて栗澤を投入。ヴェルディも森本に代えてFW桜井を投入し、両者“あと1点”を取りに行く。そして交代直後の71分、中央左でFKを得た東京は、宮沢のキックに合わせ、マークを振り払ったジャーンがファーサイドに飛び込み、ダイビングでヘディングシュート! これが決まり、たちまち試合を振り出しに戻した。

馬場の決勝ゴールで劇的な逆転勝利!


 80分には宮沢に代えて三浦を投入、最後のカードを切った東京。追いつ追われつの展開に、集中が途切れることはなかった。その直後、中盤でプレスを掛けてボールを奪うと、前線のルーカスへ。このボールを右サイドにつなぐと、石川がゴール左でフリーの栗澤へクロス。栗澤は落ち着いて、ゴール前に走りこんだ馬場にヘッドでていねいなパスを送る。バレーボールのクイックプレーのような抜群のタイミングで飛び込んだ馬場はいとも簡単にヘディングシュートを流し込み、ゴールイン! ルーカス、石川の連係から、ニューヒーローともいえる栗澤、馬場のコンビネーションで、ヴェルディを突き放す3点目を奪った。

 82分には、栗澤のパスにルーカスが前線に一直線に飛び出し、GKもかわすと無人のゴールにあとは流し込むだけという場面を迎えたが、これはヴェルディDFウベダの執念のスライディングに阻まれ、追加点はならず。その後のヴェルディの反撃も一丸となって守りきりタイムアップ。2度の先行を許す苦しい展開となったが、決して諦めず、まさに全員でもぎとった勝利。厳しい試合をモノにし、今後につながる勝ち点3を手にした!

【選手コメント】《栗澤》「決勝点の場面は(クロスが来る前に)石川さんと目が合った。直接ゴールを狙おうかと思ったが、馬場選手が入ってくるのがわかったのでパスに切り替えた。緊張感は多少あったが、ゴール前で得点に絡むことを意識し、自分のプレーが出せればいいと考えていた。まだ始まったばかりだと思う。来週からは大学の試合が始まるが、練習に参加した時は精一杯の力を出して今後もレベルアップを図りたい」 《馬場》「(交代出場にあたって)原監督からはシュートを打つだけでなく、サイドへパスを出して、ゴール前へ飛びだしていけと指示があった。けがで昨年末からのブランクがあり、まだ足に痛みもある。だがボールも足についているので、自分では好調だと感じている。個人的には昨年ワールドユースに出られなかったことが一番悔しかったが、これからJリーグの場でどんどんアピールしていきたい」

【原監督の会見要旨】「同じ東京をホームタウンとするチームとの対戦で、選手もスタッフも負けたくないという気持ちが強かった。ヴェルディも、開幕の磐田戦、2節柏戦といい試合をしながら敗れていたので、今日はかなり高いモチベーションで来ると予想できた。ただ、もっとボールをつないでくるかと思ったが、意外に簡単に前線の森本とエムボマに入れてきた。そしてエムボマの強いヘッドで落とし、そこを拾われるというシーンが多かった。1失点目はジャーンのミスから平野の素晴らしいゴールが決まったが、これでリーグ戦無得点のヴェルディを勢いづかせてしまった。前半の東京は、積極的にシュートを打ってはいたが工夫が足りなかった。遠目からなんとなく打ってしまい、本当に崩しきっていなかったので、そこからもう一度ワンツーや1対1で勝負したほうが崩せるはず。徹底してやろうとハーフタイムに指示した。またヴェルディはDFラインが浅く、確認してからパスを出すとオフサイドになってしまうので、ワンテンポ早く裏に入れれば間違いなく阿部や戸田が抜け出せるはずだと話した。馬場、栗澤の起用は、阿部、戸田とはまったく違うリズムになることを期待した。今年のスローガンのせいか、劇的な試合になってしまったが(苦笑)、ケリーの復帰も見込めるので、ここからスパートをかけて調子を上げていきたい。今後も各代表選手の不在は続くが、それでも勝てるようにしないといけないし、どんどん選手にチャンスを与えていきたい。そこを乗り越えられたらもっと強いチームになるだろう」

【ヴェルディ・アルディレス監督の会見要旨】「開幕してから一番いい内容のゲームで、満足できるところもある。それにはエムボマが大きく関係しており、我々が攻撃を仕掛けた時、相手の脅威になっていた。森本とのコンビネーションも非常に良かったし、森本自身も危険な存在であり続けた。しかし、あと1点取れればこの試合が決まるという状況があったが、2点差をつけるゴールが決められなかった。そして、攻撃がよくなれば今度は守備面が少し悪くなった。カウンターを仕掛けたはずなのに、中盤で奪われ相手の逆襲を許すなど、DF陣にとって守りにくいボールの取られ方をしてしまった。稚拙なミスを3回犯し、その代償が大きかった。失点は、ほとんど何でもないようなところから喫したもので不満を感じている。まだまだ課題は残っている」