GAME RESULT試合結果

第1節 2003/3/22(土)
観衆 23,172人 
天候 曇、弱 気温 7.3度 湿度 60% 
主審:砂川 恵一 副審:柴田 正利/中原 美智雄 四審:鈴木 亮哉

J1 1st 第1節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半1-0

後半1-1

AWAY

柏レイソル

FC東京 柏レイソル
10' 戸田 光洋
83' ケリー
得点者 53' 明神 智和
68' 戸田 光洋 → 鈴木 規郎
81' 石川 直宏 → 馬場 憂太
87' 宮沢 正史 → 三浦 文丈
選手交代 58' 永井 俊太 → 田ノ上 信也
68' 大野 敏隆 → 増田 忠俊
85' 大谷 秀和 → 菅沼 実
14 シュート 10
12 CK 2
23 FK 12
警告 44' 下平 隆宏
77' マルシオ
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 7 浅利 悟
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
MF 19 ケリー
FW 13 戸田 光洋
FW 14 阿部 吉朗
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 30 馬場 憂太
FW 27 鈴木 規郎
柏レイソル先発
GK 16 佐藤 大
DF 7 明神 智和
DF 20 永田 充
DF 2 根引 謙介
DF 24 平山 智規
MF 23 大谷 秀和
MF 25 下平 隆宏
MF 17 永井 俊太
MF 10 大野 敏隆
FW 9 マルシオ
FW 18 矢野 貴章
柏レイソル控え
GK 1 南 雄太
DF 26 近藤 直也
MF 27 田ノ上 信也
MF 12 増田 忠俊
FW 31 菅沼 実

【選手・監督コメント】

ホーム味の素スタジアムで、リーグ戦開幕


 ホーム味の素スタジアムで迎えた今シーズンのJ1リーグ開幕戦。ナビスコカップの2試合では勝ち星がなく、今ひとつ波に乗りきれなかった東京だが、ホームで負けるわけにはいかない。掲げる「90分間、攻撃サッカー。」で、すっきりとリーグの初戦を勝利で飾りたいところだ。先発には、御殿場キャンプ中に腰を痛めて戦線離脱したGK土肥が満を持して復帰。フィールドプレーヤーはナビスコカップと変わらぬ布陣だ。

 対する柏レイソルも、ナビスコカップでは試行錯誤という段階であったように見受けられた。けが人が多く、今日の先発メンバーも予想がつきにくかったが、布陣は4‐4‐2。元日本代表のMF明神が右サイドバックに入り、平均年齢23、45歳という若いメンバー構成となった。春とはいえ、まだ肌寒い曇り空の中、東京のキックオフで1stステージのスタートを切った。

戸田のリーグ戦第1号ゴールで先制!


 開始1分に戸田が果敢なミドルシュート、2分にも右の石川のクロスに戸田が飛び込み、立ち上がりから今日の勝負に賭ける闘志をみせる東京。対する柏は4分に、MF大野がペナルティエリア左から中に持ち込んでシュート。だがその後は、互いに厳しいプレッシャーを受けてボールを失うことが多く、落ちつかない展開に。

 しかしチャンスは以外に早く訪れた。10分、左サイドから金沢がドリブルで攻め上がり、アーリークロス。中央では柏DFが待ち構えていたが、クリアし切れず、足をかすめてボールはその裏に転がった。そこに詰めていた戸田が倒れ込みながらシュート! ネットを揺らし、戸田の今シーズンのリーグ戦第1号となるゴールで東京は先制する。相手のミスに乗じた形ではあったが、金沢の低い弾道のクロス、戸田の常に裏を狙おうという、手を抜かない姿勢がきっちりゴールに結びついた。

 これで勢いづいた東京。フィールドを縦横無尽に使い、アグレッシブな動きでペースをつかむ。18分には、カウンターから阿部が右ペナルティエリアに入ったところで果敢にシュート。25分には宮沢のインターセプトからケリー→阿部とつなぎ、石川のクロスに飛び込んだ戸田がシュートを放つが、相手GKのファインプレーに阻まれる。柏は39分に左スローインからFWマルシオがくさびとなってボールを後ろに戻し、MF大谷のミドルシュートがヒットしたが、土肥がナイスセーブでCKに逃れる。結局東京は、前半7本のCK、合計8本のシュートを放って柏を圧倒したが、追加点は奪えず。後半へと折り返した。

チャンスに決めることができず、嫌な時間帯に……


 ナビスコカップでは後半に運動量が落ちることが多かった東京だが、今日は48分にケリーのサイドチェンジから石川が右サイドでDFを切り返しクロス。49分にも石川が右ペナルティエリア内にフリーで抜け出し、ゴール前へパス。だがラストパスに誰も合わせられず、チャンスを逃す。

 しかし53分のことだった。柏FW矢野がスルーパスに合わせてペナルティエリアに侵入。突破を止めようとした金沢のプレーがファールの判定を受け、PKを取られてしまう。これを明神がきっちり決め、試合は振り出しに戻った。追加点が奪えず、後半の早い時間帯に同点にされて嫌な雰囲気が流れた。

 だが今日の東京は持ちこたえ、57分には浅利のパスカットから阿部がペナルティエリア左からドリルシュート。わずかに右にはずれたが、強気の攻めをみせる。柏も前半とは打って変わって息を吹き返し、65分には明神が東京DFのクリアボールを拾ってゴールを狙うが枠を外れ、ことなきを得る。

ゴールの予感漂う中、ケリーの決勝弾で突き放す!


 68分には戸田に替えて鈴木を投入。70分には、阿部が右サイドからDFに阻まれながら上げたクロスがファーサイドに流れたが、詰めていた石川には合わず。その直後には柏のカウンターをくらい、DF平山がフリーでシュート。土肥のファインセーブのこぼれ球にマルシオが詰めたがバーの上に。決定的なシーンであったがピンチを逃れた。71分には今度は東京、阿部が右ペナルティエリアから強烈なシュート。80分には、DFを背にボールを受けたケリーが、ゴール前に持ち込んで左足で強烈なシュートを放つ。試合は激しく、一進一退の攻防が続いたが、阿部、ケリーのシュートに代表されるアグレッシブなプレーにゴールの予感が漂う。

 81分には石川に替えて馬場を投入。その直後、83分のことだった。馬場が中央に入り、右サイドに流れていた阿部が、後方、茂庭からのサイドチェンジのボールを受けるとドリブルで前進。気持ちを弾道に込めたようなピンポイントクロスをゴール前に送る。このボールにケリーが合わせヘディングシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、勝ち越し弾を決めた!

 86分には、反撃に出る柏の裏をついてケリーのスルーパスから阿部が独走。GKもかわして押し込むだけというところで、柏DFの後ろからのタックルに阻まれた。今日の阿部は、「あとはゴールだけ」という活躍ぶりであっただけに、チャンスを逃し残念であった。その後87分には宮沢に替えて三浦を投入。終盤は激しい攻防となったが、浅利のピンチを摘むディフェンスを中心に気を緩めることなく守り、タイムアップ。それぞれが自らの役割を果たした、うれしいシーズン初勝利でリーグ開幕戦を飾った。これでFC東京の開幕戦戦績は、J1昇格以来負けなしの4連勝。1999年のJ2時の開幕戦も勝っているため、クラブ創設以来負けなしの5連勝となった。

【選手コメント】《ケリー》「アマラオが不在でも、阿部や戸田が持ち味を活かすために、サイドのスペースにボールを出すことを心がけていた。これからもっともっとフィジカル面もコンビネーションもよくなっていくと思う」  《戸田》「僕のゴールというより、チームが勝ったことが大きい。後半危ない場面もあったが、あそこで追加点を取られないことが大事だった。最後まであきらめないゲームができたと思う」

【原監督の会見要旨】「ナビスコカップではなんとなく勝ちきれなかった。FC東京は今まで開幕戦で負けていないこともあって、勝点3を取れたことが一番うれしい。立ち上がりから点を取った後ぐらいまではいい感じで戦えていたが、後半PKを取られてからおかしくなってしまったかなと思う。そこでよく持ちこたえた。アマラオという大黒柱、また先週までは土肥も故障で、去年ずっと出ていた2人がいない中、前線はスピードのある選手で戦おうと考えていた。ホームゲームで攻めにいく、守っていても取り返したらすぐ攻撃にいくという「90分間、攻撃サッカー。」=FC東京の持ち味を出そうと。相手のことを考えるより自分たちのサッカーをやっていこうと、それだけを考えていた。鈴木や馬場も力をつけてきているし、三浦、そしてアマラオも復帰の兆しがあるので、これからどんどんチームを強くしていきたい」

【柏・アウレリオ監督の会見要旨】「バランスの取れた熾烈な戦いだった。FC東京も柏も見せ場をつくったが、チャンスを活かした東京が勝った。2失点はともにクロスボールをペナルティエリアの中に上げられたもの。マークやポジショニングが甘くなってしまった。東京にいいクロスボールをあげる選手がいたのでてこずった。ケガの選手が多く、ほかのポジションの選手をコンバートして凌いでいる。若手選手が多く、チームを引っ張っているのは下平や明神だ。しかし若手に経験を積ませるために試合に出しているのではなくて、彼ら自身が試合をこなせる実力を見せてくれているから。ほかの選手に競り勝って、ピッチの上に立っている。一生懸命やっているので、近い将来、彼らが才能をアップくれると考えている」