GAME RESULT試合結果

第4節 2002/5/06(月)
観衆 14,192人 
天候 曇、弱 気温 20.0度 湿度 26% 
主審:辺見 康裕 副審:木城 紀和/村上 孝治 四審:潟永 達治

YNC 予選Bグループ 第4節

東京

HOME

FC東京

1-0

試合終了

前半0-0

後半1-0

AWAY

ヴィッセル神戸

FC東京 ヴィッセル神戸
62' 福田 健二
得点者
51' 星 大輔 → アマラオ
74' 福田 健二 → 諏訪園 一吉
87' 加地 亮 → 小峯 隆幸
選手交代 45' 播戸 竜二 → 三浦 知良
64' 城 彰二 → 藪田 光教
74' 西谷 正也 → 三浦 泰年
10 シュート 11
5 CK 5
18 FK 30
77' 下平 隆宏
警告 06' 土屋 征夫
59' シジクレイ
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 3 ジャーン
DF 15 伊藤 哲也
DF 8 藤山 竜仁
MF 5 下平 隆宏
MF 16 宮沢 正史
MF 25 星 大輔
MF 19 ケリー
MF 13 戸田 光洋
FW 9 福田 健二
FC東京控え
DF 6 小峯 隆幸
MF 29 前田 和也
MF 26 諏訪園 一吉
MF 14 佐藤 由紀彦
FW 11 アマラオ
ヴィッセル神戸先発
GK 1 掛川 誠
DF 7 吉村 光示
DF 17 土屋 征夫
DF 2 前田 浩二
DF 22 平野 孝
MF 5 シジクレイ
MF 4 アタリバ
MF 10 望月 重良
MF 14 西谷 正也
FW 13 播戸 竜二
FW 9 城 彰二
ヴィッセル神戸控え
GK 16 岩丸 史也
DF 21 三浦 泰年
MF 18 藪田 光教
MF 8 岡野 雅行
FW 11 三浦 知良

【選手・監督コメント】

ホームで神戸を打ち負かし、予選リーグ突破を狙え


 第4節は、前節引き分けに終わった神戸との連戦となる。

 ここまで2勝1分勝ち点7で、グループ首位に立つ東京。ひと筋縄ではいかない難敵・神戸に対して、3年ぶりとなる勝利を収め、相性の悪さを払拭したいのはもちろん、予選リーグ突破がかかる大事な一戦だ。だが、神戸にとっても、この試合を落とせば決勝トーナメント進出の望みが絶たれる。中2日で続くハードスケジュールとも相まって、乗り越えなければいけない壁は手ごわいものだが、一丸となったサッカーで打ち負かしたい。

 東京は、先発も控えも前節と同じメンバー。対する神戸は、中盤の要ダニエルを警告累積で欠き、3バックから今節は4バックDFに替えて臨んできた。

立ち上がりから攻勢をかけるが…


 前半開始から勢いに乗った東京。3分には、戸田がゴール前に飛び込んでシュート。4分には、ケリーのパスに合わせ、右サイドのペナルティエリアに走りこんだ星が至近距離からゴールを狙ったが、シュートはDFにあたり、相手GKが片足でセーブした。5分には、星の鋭いクロスからCKを奪うも、ジャーンのヘディングシュートは枠の上に。

 フィニッシュまで持ち込み、優位に攻める東京だが、一方の神戸も、10分に左CKをつないでFW播戸がヘディングシュート。続く11分には、左サイドのスペースでボールを受けたFW城がドリブルで駆け上がり、ジャーンをフェイントでかわすと、ペナルティエリアに侵入。土肥も引きつけてから、ゴール前にパスを送った。これを受けた播戸はゴールエリア直前から決定的なシュートを放ったが、ゴール上にそれ、東京は大きなピンチを免れる。

 立ち上がりのチャンスに決められなかった東京は、連戦の疲れもあるのか、徐々に足が止まり始め、防戦に回る。23分には神戸のSB平野からMF西谷とつないで、最後はDF裏へ抜け出した城がシュート。これは土肥が勇気ある飛び出しを見せてセーブ、ファインプレーで再びピンチは脱した。

 プレーの精度が落ち、クロスやラストパスも効果的なものが見られず、攻めの形がつくれない東京。立ち上がりの5分以降、シュートは1本も打てない状況に。東京の右サイド側でのプレーが集中し、ボールが狭い範囲で行ったり来たり、という攻防に終始して、前半は終了した

息を吹き返した東京、抜群のコンビプレーから福田のダイビングヘ


 前半の途中から膠着した状態が続いたが、後半戦は再び持ち直し、みどころの多い展開となった。

 神戸は後半から、播戸に替えてFW三浦知良を投入。だが東京は49分、戸田からのパスを右ゴール前で受けた福田が、角度のないところから強烈なシュートを放つ。これはGKに阻止されたが、51分には星がDFをフェイントでかわしてペナルティエリアに切り込み、ゴール前にラストパス。待ち構えていたケリーの決定的なシュートはバーを大きく越えてしまい、得点することはできなかった。だが、アグレッシブな攻めの形を見せる。

 ここで東京は星に替えてアマラオを投入。リズムに乗って、52分には下平がチャンスとみるやミドルシュート。加地も、対面する神戸の平野に果敢にスピード勝負を挑んでいった。

 神戸にもチャンスは訪れる。55分には、平野が強烈なミドルシュート。土肥がセーブしてCKに逃れたが、このCKから、CBの土屋がゴールを背に向けたままループシュートを放つ。しかし、アイディアに富んだシュートも再び土肥が右手1本でセーブした。

 そして迎えた62分、宮沢がロングパスを右サイドに通すと戸田がキープ。そしてオーバーラップした加地に送ると、加地はスピードに乗ってサイドをえぐり鋭いクロスをあげた。これをゴール前で福田がダイビングヘッド! ボールはゴールに突き刺さり、待ち焦がれた先制点が生まれた!!

激しい神戸の反撃を抑え、予選リーグ突破に王手!!


 この上ない形で先制点をもぎとった東京だが、その後は入れ替わりの激しい攻防に。

 65分に、神戸は城に替わって入ったばかりのMF薮田がヘディングシュート。71分には今度は東京が、ケリー、戸田、アマラオ、加地とゴール前で面白いようにパスをつないで神戸ゴールに迫るも、フィニッシュには持ち込めず。73分には、下平からのパスを受けた戸田がペナルティエリアに走りこみ、倒されたかに見えたが、ノーホイッスルであった。

 74分に、東京は福田に替えてJ1リーグ初登場となる諏訪園を投入。神戸も攻撃の起点となっていた西谷に替えてDF三浦泰年を投入。この三浦をボランチに置き、シジクレイを一枚前に上げて反撃に臨んできた。だが東京は、ジャーンがシジクレイをマーク。空中戦にすべて競り勝ち、チャンスはつくらせない。逆に84分には、アマラオ→諏訪園とつなぎ、戸田がポストプレーからリターンを返すと、ゴール前に抜け出した諏訪園がフリーでシュート! 初出場とは思えないコンビネーションと思い切りのよさを見せた。88分にも、諏訪園からのロングパスを受けたアマラオが、DFを振り切ってゴール前に突進するとGKと1対1に。だがシュートは惜しくも相手GKのファインセーブに阻まれ、追加点はならず。

 神戸はCBの土屋も前に上げて、パワープレーで反撃を試みる。終了間際には、FKから三浦知良がヘディングシュートを放ち、こぼれ球を危うくゴールに押し込まれそうになるシーンもあったが、東京は全員が気を抜くことなく神戸の反撃を跳ね返し、終了のホイッスル。

 福田のゴールが貴重な決勝点となり、宿敵・神戸を抑えた、ひときわうれしい勝利となった。また今シーズン、ホームゲームでは無敗。まさにホームの後押しを受けていると実感できる戦いぶりで、予選リーグ突破に王手をかけた。

【原監督の会見要旨】「神戸は今日負けると可能性がなくなってしまうので、試合前には立ち上がりが勝負、先制点が勝敗を分けると選手に話した。その立ち上がりは、結構いい形で、セットプレーも含めてチャンスがあったが決定力がなく、そこを神戸に凌がれてから逆に相手のペースになってしまった。神戸はシステムを変えてきて、我々の方は慣れている戦い方なので、もっとプレッシャーをずっとかけていきたかったが、疲れもあった。攻撃面で不満だったのは、バックパスが多くなってリズムを崩したこと。だからハーフタイムには、怖がらないで前に当てていこう、と。また、あまり前から奪いに行って中途半端になるよりは、一度引いて全体をコンパクトにした上でしっかり奪おうと指示した。

 なかなか点が取れなくてじりじりした状態だったが、ゴールは素晴らしかった。あの形はチームとして理想としている形。右サイドを起点に、加地がオーバーラップ、ゴール前には2人、3人と詰めていた。ああいう形で点を取って、ああいうサッカーを続けていきたい。

 今、チーム全員が高いモチベーションで臨んでくれていることが、監督として一番うれしい。戸田は、最後の仕事でまだ雑なところはあるが、本当によく動いているし、ひたむきさとスピードは魅力。福田も“気持ち”が見えるし、アマラオも途中出場だが“チームのために”という姿勢がある。諏訪園も、もともとテクニックはある選手だが、よくやってくれた。これで勝ち点10になったが、まだ試合は続くし、特に次のヴェルディ戦は負ける訳にいかない。気持ちを切り替えて次に向かいたい」

【川勝監督の会見要旨】「今日はダニエルが出られないので、中盤のトップ下を2枚置く形でスタートした。前半はある程度相手に攻めさせて、その中で望月、西谷をフリーな状態にして起点にしていこうという狙いどおりにいった。西谷がいい形でボールを受けることができ、大きな決定機が2回あった。だが、そこで決められないことが、1点差負けのゲームに大きく影響した。リーグ戦からここまで、流れの中で何度かの決定機は作ることができても、最後のところで結果が残せない。組織やグループとして出来かけていても、個人のところで相手に競り勝つことがまだできない。それがチームの今の壁だ。あまり手を打ち過ぎても選手は混乱するので、今後はカズも復調してきたので、人の入れ替えで対応し、全体的な流れは大きく変えずに臨んでいきたい」