GAME RESULT試合結果

第10節 2001/5/19(土)
観衆 13,792人 
天候 雨、弱 気温 20.3度 湿度 75% 
主審:恩氏 孝夫 副審:廣嶋 禎数/木島 栄 四審:抱山 公彦

J1 1st 第10節

東京

HOME

FC東京

1-2

試合終了

前半1-0

後半0-2

AWAY

アビスパ福岡

FC東京 アビスパ福岡
02' 戸田 光洋
得点者 53' 久永 辰徳
80' 山下 芳輝
60' 戸田 光洋 → 下平 隆宏
78' 三浦 文丈 → 増田 忠俊
83' 浅利 悟 → 鏑木 享
選手交代 77' 松原 良香 → 服部 浩紀
87' 久永 辰徳 → 篠田 善之
89' 中払 大介 → 三好 拓児
13 シュート 7
7 CK 4
20 FK 25
16' 三浦 文丈
31' 内藤 就行
警告 40' 松原 良香
55' 藤崎 義孝
89' 中払 大介
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 6 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 10 三浦 文丈
MF 29 戸田 光洋
MF 19 ケリー
MF 24 小林 成光
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 15 伊藤 哲也
MF 5 下平 隆宏
MF 18 増田 忠俊
FW 17 鏑木 享
アビスパ福岡先発
GK 19 尾﨑 勇史
DF 3 藤崎 義孝
DF 13 前田 浩二
DF 4 小島 光顕
DF 5 三浦 泰年
MF 7 野田 知
MF 8 バデア
MF 24 久永 辰徳
MF 10 中払 大介
FW 37 松原 良香
FW 14 山下 芳輝
アビスパ福岡控え
GK 12 塚本 秀樹
DF 15 三好 拓児
MF 6 篠田 善之
MF 23 牛鼻 健
FW 34 服部 浩紀

【選手・監督コメント】

3連勝を期す、ホームで福岡との対戦


 2連勝の後、ホーム東京スタジアムに迎えるのはアビスパ福岡。現在両チーム共に4勝5敗と黒星が先行。互いに順位を一つでも上げるためにも、今日の後、約1か月にわたる中断に向けても、勝って5分の星勘定に持っていきたい一戦だ。東京は「3トップに近い布陣でサイドを個人で突破したい」「ケリーを越えていける」という狙いで、戸田が右MFで先発。折からの夕立が激しい雨足となる中、キックオフを迎えた。

狙いはズバリ! 戸田のゴールで先制


 大熊監督の狙い、そして戸田の起用がズバリと当たる。開始2分、小林成光が速い判断で左サイドに出たケリーにボールを出すと、ケリーのクロスは右サイドからゴール前に走り込んだ戸田にピタリとわたる。左足で放ったダイレクトシュートは、マウスのど真ん中にゴールイン! 流れるような攻撃と戸田の決定力で早々に先制点を奪った。

意気上がる東京。11分には、得点シーンと同じような形で、藤山から左サイドに抜け出た小林がクロス、だがゴール前に詰めた戸田にはわずかに合わず。今日の東京は、左サイドバックの藤山が果敢に中に攻め込むことで相手のマークを引き付ければ、ケリーがマークをはずす動きで前後左右に動き、アマラオや戸田と入れ替わりながら度々チャンスをつくる。14分には、ドリブルで縦に攻め上がった戸田がケリーにマイナスのパス。シュートはサイドネットにかかってしまったが、速く美しい攻撃を見せた。18分には福岡の左CKがフリーになったFW山下の正面に来て、危うい場面も見られたが、ミスにも助けられてピンチには至らず。

自陣でしっかり守る東京に対して、福岡はバックラインでボールを保持してもパスの出しどころがなく、持ち前の豊富な運動量で相手をかく乱するような動きも見られない。カウンターも鋭さがなく、逆に再び東京の反撃を許す形となってしまっていた。

東京はその後もゲームを優位に進め、25分にはケリーのFKに戸田が合わせるも一歩届かず。26分には、こぼれ球を拾ったケリーが粘り強くペナルティエリアに持ち込み、受けたアマラオが反転してシュート。39分には、左ペナルティエリアでDFに勝負を挑んだ小林のクロスに、中央でケリーと戸田が待ち構えていたが、いずれもGKに阻まれる。44分には、再び左サイドからの小林のパスに、ケリーがDFを背負いながらもヒールで合わせたがゴールの上へ。結果的に8本のシュートを放ちながらも追加点は奪えず。終わってみれば、ここで追加点が奪えなかったことが、後々に響くことになってしまったのだが…。

楽勝ムードに支配……?


 前半、追加点は時間の問題かと思われた。選手に油断があった訳ではないだろうが、スタジアムにはなんとなく“楽勝ムード”が漂っていたことは否めない。

 しかし後半になると福岡はキッチリ修正、立ち上がりから積極的にゴールを狙ってくる。運動量の落ちてきた東京は守備が後手に回り、度々フリーキックを与えてしまう。福岡は51分、東京の集中を削ぐようなトリッキーなFKを見せれば、52分には、MF中払いがフリーで左から中に攻めあがり、シュート気味に放ったパスにFW松原が合わせる。そして53分、MF久永の突破に東京DFがたまらずファール。ペナルティエリア右前からのバデアのFKに、中央でMF久永が合わせヘディングシュート。これが決まり、大熊監督が「注意するように」と指示していた、そのセットプレーから同点にされてしまった。

無念の逆転負け……


 闘志をむき出しに東京ゴールに向かう福岡。東京は、運動量ががくんと落ちてラインが間延び。対照的な状況に、東京はメンバー交代で乗りきろうとする。60分には、ここまで全力で戦ってきた戸田に替えて下平を投入。「決定的な場面をつくる可能性に賭けて、高い位置に置いておきたかった」という三浦を右サイド入れて臨むが、前半とは打って変わってプレスの厳しくなった福岡の前になかなか攻撃が組み立てられなくなる。

 それでも諦めず、67分にはアマラオが相手GKに詰め、ルーズになったボールを奪って、ケリーと小林がフォローするも出足が遅くシュートには至らず。なんとかDFラインの裏に抜けだそうとするのだが、福岡のラインの押し上げが速く、3度4度とことごとくオフサイドにかかり焦れた雰囲気が流れる。72分には相手のシュートから逆襲をかけ、ケリー→アマラオ→三浦が速攻を見せるも、DFがカット。76分、下平がひとりで攻め上がり放ったミドルが、後半1本目のシュートとなった。78分には、三浦に替えて増田がイン。しかし、「さあこれから立て直そう」とした矢先の80分、サンドロのバックパスに土肥の不用意なクリアボールが福岡バデアにわたってしまう。このチャンスをFW山下は見逃さず、出足速く反応し、シュートはゴールイン。あっという間に2点目を奪われてしまった。

 それでも踏ん張る東京は82分、増田の鋭く速いFKからのこぼれ球を、藤山が抜群のタイミングでミドルシュート。83分には浅利に替えて鏑木を投入。ワンボランチにして前線の人数を増やし、83分その鏑木が落としたボールに小林がシュート。立て続けに交代枠を使って守備固めに入る福岡に対して、88分には、再び後方からのボールを鏑木が頭で落としアマラオがシュート。しかしいずれもゴールは割れず、反撃虚しくタイムアップ。先制点を奪いながら、逆転負けを許すことになった。

気持ちを前に!


 土肥だけでなく、それを起こしてしまったサンドロとの連係…。1点目を取られてしまった守備の甘さ。追加点を奪えなかった攻撃……。前節の柏戦が全員でもぎとった勝利だとすれば、今日は全員の“甘さ”が敗因だったといえるだろう。悔しい敗戦ではあるが、結果に一喜一憂するだけでなく、足りないものを認めてやり直していくしかない。顔を上げて、気持ちを“前”に切り替えてナビスコカップ、そして1か月後のリーグの再開に臨む。

【ピッコリ監督コメント】「試合前、最終ラインの裏に大きなスペースを与えるなと指示していたが、前半はその意味をはき違えて中盤から全体が引いてしまった。また、2トップと両サイドバックの4人に動きが殆どなかった。これでは崩せないと判断し、もっと動いてくれとハーフタイムにはそこを改善した。具体的には、中盤サイドからセンターに入っていくなどという、いろいろなパターンの動きができていなかった。後半はそれができ、それに乗じてFWは、DFラインに斜めに走り込むことによって、相手ゴールに向かって行けた。前半は背を向けてボールをもらうしかなかった

が、この違いがいちばん大きいと思う」

【大熊監督コメント】「前半、チームとしてやりたいことはできていた。チャンスがなかった訳ではないので、できれば前半にもう1点取るということがいちばん必要だったんじゃないかと思う。が、前線でキープする運動量、確率が非常に落ちたことによって、サイドの攻撃も少なくなってしまった。高い湿度で体力が消耗するコンディションの中、お互いが『これから』というときに、自滅的なミスを犯しては、J1では致命的になる。中断期間を利用して、もう一度切り替えて次に臨みたい」