GAME RESULT試合結果

第9節 2001/5/12(土)
観衆 12,291人 
天候 晴、弱 気温 19.6度 湿度 62% 
主審:石山 昇 副審:大石 康/武田 進 四審:恩氏 孝夫

J1 1st 第9節

HOME

柏レイソル

0-2

試合終了

前半0-0

後半0-2

AWAY

FC東京

柏レイソル FC東京
得点者 51' ケリー
89' アマラオ
58' 平山 智規 → 砂川 誠
58' 渡辺 光輝 → 酒井 直樹
81' 大野 敏隆 → 根引 謙介
選手交代 73' 小林 成光 → 下平 隆宏
14 シュート 12
6 CK 2
14 FK 22
72' 北嶋 秀朗
89' 洪 明甫
警告 86' 土肥 洋一
40' 柳 想鐵
退場 40' 佐藤 由紀彦
柏レイソル先発
GK 1 南 雄太
DF 4 渡辺 毅
DF 20 洪 明甫
DF 3 薩川 了洋
MF 13 渡辺 光輝
MF 7 明神 智和
MF 8 柳 想鐵
MF 6 平山 智規
MF 10 大野 敏隆
FW 9 北嶋 秀朗
FW 18 黄 善洪
柏レイソル控え
GK 16 佐藤 大
DF 23 根引 謙介
MF 15 砂川 誠
MF 11 加藤 望
FW 12 酒井 直樹
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 6 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 10 三浦 文丈
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 19 ケリー
MF 24 小林 成光
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 15 伊藤 哲也
MF 5 下平 隆宏
FW 17 鏑木 享
FW 29 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

“東京のサッカー”が試される一戦


 1stステージ第9節は、アウェーゲームで強豪柏レイソルと対戦する。前節を終えて4位につける柏は、失点こそ11と少なくはないものの、総得点は17。現在得点ランキング2位(タイ)につけるFW北嶋を始めとして、今シーズンはその攻撃力を誇る。ホームでの連勝記録を伸ばして、なんとしても優勝戦線に踏みとどまりたいところだろう。

 東京は、この柏に対して昨シーズンは2戦2敗と分が悪い。その中で、どうやって勝機を見出していくのか。何より、どれだけ東京らしいサッカーを見せられるのか。連勝に向けて試される一戦でもある。スターティングメンバ-は前節と変わらず、4-5-1の布陣で臨んだ。

速いテンポの攻防、しかし両者譲らず


 前半開始5分、柏FW黄が、サイドからのボールを受け、ペナルティエリアアーク付近までドリブルで切り込み強烈なシュートを放つ。ゴールははずれたが、柏は、FW北嶋をポストに置き、中盤の大野と引いた黄を起点にして、サイドにパスを配球。外から攻撃を仕掛けてくる。特に左からMF平山に攻め込まれ、チャンスをつくられる場面が何度となく見られた。しかし東京も、それに対して守りに入るのではなく、右から佐藤、内藤が積極的に攻め上がり、ケリーが自由に動いてボールを保持することで対抗。7分には、右サイド内藤からのパスを、アマラオがひとりでゴール前に持ち込みシュートを放つも、ボールはゴールの上に。

 柏は、前が手詰まりになると、DFラインから洪が鋭い攻め上がりを見せてフォロー。18分には、柏のCB渡辺毅がペナルティエリアまで攻めあがり、一旦は東京DFがカットしたが、再び奪われてつながれ、フリーで待ち構えていた大野がシュート。ピンチはGK土肥がセーブして事無きを得る。そのお返しとばかりに19分には、サイドチェンジのボールを佐藤が受けて、中へ切り込んでシュート。縦への突破だけでなく、ゴールへ向かっていく強い意識を見せ、両チーム共にテンポの速い攻防が展開される。

 だが今日の東京は、全員が非常に高い集中力を発揮。サンドロが北嶋を徹底マークし、サイドからのボールが北嶋にわたっても、シュートは打たせない。25分には、GK土肥が“6秒ルール”の違反で、ペナルティエリアの中で間接フリーキックを与えてしまうが、DFは体を張ってシュートを阻止。逆に29分には、佐藤→内藤のコンビプレーから上げたクロスにケリーがヘディングシュート。31分には、小林成光が左サイドを突破。ゴールの脇までドリブルで切り込んで、送ったラストパスは柏DFにカットされたが、攻撃のリズムを掴んで行く。柏も、負けじと大野、MF柳が積極的にシュートを放つが、39分には東京にビッグチャンスが訪れる。内藤とのワンツーで三浦が右サイドに抜け出し、DFをかわして送ったクロスにケリーがボレーシュート! ボールは柏GK南の手をはじいて、ポストを直撃。跳ね返りが再びケリーの足元に来るも、結局ゴールを割ることはできなかった。

ケリーが先制弾! そして試合は激しく


 このプレーの直後、アクシデントが襲う。40分、三浦のスライディングに対して、柏の柳が報復行為を働き退場に。そして……柳に詰め寄った佐藤にも、レッドカードが示されてしまった。互角にわたりあってきた両チームだが、この退場で互いに10人に。東京にとって、ここまでサイドの起点となり健闘の光った佐藤の退場は痛いが、一度出されてしまった判定は仕方ない。仕切り直してやり直すしかない。ケリーを中盤右に置き、そして柏は明神をワンボランチにする布陣で後半へと折り返した。

 その後半47分、東京は小林からのボールをケリーが落として、アマラオがシュート。直後に柏は、北嶋がゴール前で競り、黄と大野のコンビでゴールに迫る。そして50分、東京は左サイドに飛び込んできた三浦がゴールライン際でファールを受けて、フリーキックを得る。ここでケリーの蹴ったボールは、GK南の手を越えカーブを描いてゴールの右上にイン! このケリーの芸術的な直接FKで、東京は先制点を奪った。

 ここから試合はますます激しくなる。ビハインドを跳ね返そうと、柏は全体を押し上げ、洪が攻め上がり、黄がゴール前に突進。この隙をついて、東京は速攻を繰り出す。55分には、内藤→三浦→アマラオが、続く56分には柏のCKから藤山とケリーで逆襲をかけるが、いずれも追加点には奪えず。

 柏は58分に、両サイドハーフの平山、渡辺光輝をMF砂川、FW酒井に交代させ、今一度サイドからの攻撃を活かそうとする。しかし61分には東京が、ケリーと藤山で左サイドを崩して、最後は中央でリターンパスをもらったケリーがシュートするもGK正面。逆に62分には、柏が左からの大きなサイドチェンジのパスを、北嶋が落として酒井がシュート。わずかにゴールの右にそれる。その2分後には、MF明神のミドルシュートを土肥が好セーブでCKに逃れ、目まぐるしい攻防が続く。しかし土肥は66分の砂川の強烈なシュートもセーブ。ファインプレーが光った。

攻守に東京らしさを見せて


 東京は73分、「アマラオが引き過ぎていたので、サイドからのボールを入れさせないように、ボランチの位置で指示できる」(大熊監督)という理由で、小林に替えて下平を投入。78分には、フリーキックから、左サイドDFの裏に抜け出した三浦がペナルティエリアの中まで攻め込みシュートするが、ポストに阻まれてしまった。柏は、CBの渡辺も前線に上げて1点を取りに猛攻を仕掛けるが、DFでは体を張って守り、そして東京らしい速いカウンター攻撃を何度も仕掛ける。追加点こそ奪えなかったが、今日の東京は、全員の集中が切れることがなかった。88分には柏・黄のシュートも土肥がセーブ。89分の洪の渾身のシュートも、下平が魂のこもったスライディングで未然に防いだ。そしてこのまま1対0で終了かと思われたロスタイム、右側からの内藤のスローインのボールをケリーが受け、無理な体勢ながらも強引にゴール前へと送る。そして中央で待ち構えていたアマラオは、狙い澄ましてゴールの左下にヘッドで叩きつけゴール! この2点目で柏の息の根を止めた…。

 両チームの意地がぶつかり合う好ゲームで勝利をものにし、これでシーズン初の連勝を飾った東京。この自信と勢いを途切れさせることなく、次節東京スタジアムでのホームゲームにつなげたい。

【西野監督コメント】「敗因は、攻めきれなかったということ。押し込んで主導権を握っていても、最後のところで崩せない。遅攻では崩せない。もっとチャレンジするボールだとかが、足りなかったと思う。戦力は充分整っていると思うが、狙っているサッカーができない。『これがレイソルのサッカーだ』という、ベストのパフォーマンスを出していけるチーム作りをしなければいけないと痛感している」

【大熊監督コメント】「1点を取ってから引き過ぎた部分もあったが、バランスは崩れていなかった。ディフェンスもゾーンで守れていたし、前線はゴール前にボールを運べていた。運動量も落ちず、攻守にわたってよくやれていたと思う。今日のように集中して、次の試合に臨みたい」