GAME RESULT試合結果

2003/2/23(日)
観衆 7,054人 
天候 曇、弱風 気温 10.0度 湿度 % 
主審:西村雄一 副審:二俣敏明/小椋剛 四審:

プレシーズンマッチ

静岡県愛鷹広域公園多目的競技場

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FC東京

2-2

試合終了

前半1-0

後半1-2

PK戦0-0

AWAY

清水エスパルス

FC東京 清水エスパルス
14分:ジャーン
89分:宮沢 正史
得点者 75分:北嶋 秀朗
57分:安 貞桓
86分 小峯 隆幸
82分 梶山 陽平
54分 アマラオ
選手交代 82分 高木 和道
78分 久保山 由清
58分 吉田 康弘
63分 澤登 正朗
43分 北嶋 秀朗
12 シュート 10
13 GK 11
5 CK 3
17 直接FK 19
1 間接FK 3
1 オフサイド 2
0 PK 0
33 茂庭 照幸
50 金沢 浄
87 金沢 浄
警告 35 トゥット
44 安 貞桓
退場
FC東京先発
GK 22 小沢 英明
DF 3 ジャーン
DF 6 小峯 隆幸
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 34 梶山 陽平
MF 19 ケリー
MF 18 石川 直宏
MF 16 宮沢 正史
FC東京控え
FW 14 阿部 吉朗
FW 13 戸田 光洋
FW 11 アマラオ
GK 21 遠藤 大志
DF 20 加地 亮
MF 4 迫井 深也
MF 33 呉 章銀
清水エスパルス先発
GK 1 真田 雅則
DF 11 森岡 隆三
DF 6 エメルソン
DF 27 村松 潤
DF 3 池田 昇平
DF 21 高木 和道
MF 13 平松 康平
FW 15 久保山 由清
MF 7 伊東 輝悦
MF 8 三都主アレサンドロ
MF 17 鶴見 智美
清水エスパルス控え
MF 5 吉田 康弘
FW 19 安 貞桓
MF 10 澤登 正朗
FW 9 トゥット
FW 18 北嶋 秀朗
GK 16 羽田 敬介
DF 14 高木 純平

【選手・監督コメント】

キャンプの仕上げは清水に勝利で


 ナビスコカップ予選リーグ第1節(3/8,vs横浜FM@横浜国際)まで残り2週間。次週3/2(日)にJ2の山形と練習試合があるものの、開幕前にJ1と戦うのはこれが最後となる。石垣島、御殿場と続いたキャンプも今日が最終日であり、キャンプの成果を確認するには清水はもってこいの相手。選手個々のコンディショニングや戦術理解、チームとしてのバランスなど、現在チームがどんな状況にあるかを計る格好のバロメーターとして、プレシーズンマッチとはいえ結果も求められる試合となった。

 東京のスタメンには、GKに負傷欠場の土肥に代わって小沢、DFは左に新加入の金沢、センターにジャーンと茂庭、右に藤山、中盤はボランチに宮沢、浅利、右に石川、左にケリー、FWは戸田と阿部のツートップという布陣。控えにはアマラオや加地らに混じってU-18所属ながら今季からトップチームに帯同している17歳の梶山が入った。

 一方の清水は、ディフェンシブなポジションを森岡や伊藤ら日本代表クラスが固め、攻撃陣は中盤にテクニックのある平松や日本代表の三都主、FWに韓国代表の安と浦和から移籍したトゥットのツートップという強力な布陣。午後1時、気温10℃の肌寒い山間の競技場にキックオフの笛が鳴り響いた。

ジャーンの豪快ヘッドで先制


 キックオフと同時に前線へ猛然とプレスをかけたのは東京だった。スピードのある戸田と阿部のツートップに2列目の石川、ケリーも激しくプレスをかける。しかし2分、清水にFKを与えると、三都主の蹴ったボールは鋭い弧を描きゴール前に入ってきたが、このボールはGK小沢が果敢に飛び出しパンチで逃げてピンチを防いだ。久しぶりの先発で試合前のロッカールームでは緊張感の見えた小沢であったが、このプレーで一気に自信をつけると、この後は随所に安定感のあるプレーを披露。土肥欠場の不安を吹き飛ばす好プレーにスタンドから「小沢コール」が起こった。

 清水の攻撃は、安、トゥットが抜群のキープ力を活かして前線でポストになり、そこへ三都主や平松が後ろから絡んで逆サイドに展開することでリズムを作ってきたが、特に安がサイドに流れてボールキープした時に東京の選手が引っ張られ、中央でフリーの選手にパスを出されて危ない場面を作られることが多かった。

 一方の東京はケリーと宮沢を起点にボールを散らし、右から石川がドリブルを仕掛け、左は戸田、阿部がスペースを突き、あるいは金沢が攻撃参加してケリーとの壁パスから突破を試みたが、新外国人のDFエメルソンや森岡を中心とした清水のディフェンスラインは堅く、なかなかシュートシーンまで持ち込めない時間帯が続いた。

 迎えた14分、右サイドでFKを得ると、これを宮沢が強烈な左足で狙い、相手DFに当たってコーナーキックに。15分、この右コーナーキックを再び宮沢が蹴ると、中央で頭一つ抜け出したジャーンが豪快にヘディングでゴールネットに突き刺し先制点を決めた。これで勢いの出た東京はその後も27分に左サイドから金沢→ケリー→金沢→阿部→戸田とダイレクトでパスをつなぎ最後は右の石川へ。石川は一つドリブルを入れてから強烈なシュートを放ったが、惜しくも右ポストに当たりゴールにはならなかった。続く30分、今度は阿部が左サイドを突破し、右足でカーブをかけてループシュートを狙ったが、これは僅かにバーの上へ。さらに36分、右サイドの藤山が攻撃参加して入れたクロスにニアで戸田が綺麗にヘッドで合わせたが、ボールはゴール左へ外れた。試合はチャンスの数でもほぼ互角の展開ながら、東京が1点リードのまま前半を折り返した。

土壇場で宮沢が魅せた! スーパーゴールで意地のドロー


 後半に入ると、予想通り1点ビハインドの清水が仕掛けてきた。47分、安が左サイドを突破してゴール前にピンポイントクロスを入れると、これに飛び込んだ平松がフリーでダイビングヘッドでシュートを放ったが、これはゴール右に外れた。決定的なピンチを凌いだが、その後も清水の激しい攻撃が続く。

 一方の東京も決定的なシーンは作れないながらも戸田と阿部が何度も前線への飛び出しをトライすることで清水DF陣に無言のプレッシャーを与えていた。53分にはカウンターから石川が前線へ出したロングパスに阿部が突進。清水DFと競り合ってこぼれたボールに戸田が抜け出したが一瞬早くGKにキャッチされて得点ならず。9分に戸田に代わってアマラオが入ると、56分、そのアマラオが右サイドを突破して中央でフリーの阿部にクロスを送ると、阿部は落ち着いてワントラップから左足でシュートを放ったが、惜しくも左ゴールポストに阻まれ追加点ならず。

 この決定的なチャンスを逃したことで風向きは清水に傾く。57分、安に簡単にゴールを許し同点とされると、75分、北嶋に追加点を許しついに逆転される。

 一方、東京も動いた。82分、浅利に代えて17歳の梶山を投入。梶山は現在FC東京U-18所属のまだ高校2年生だが、今季よりトップチームに合流。U-17日本代表選手とはいえ、その実力はベールに包まれていたが、ボランチの位置で持ち味を発揮。清水のプレスをものともせずボールを持つと全く慌てることなくパスを配球。梶山の特徴は「ボールを失わない」ことであるが、このレベルでも梶山にとっては問題なかった。プレー時間はたった8分間だけだったが、パスミスは「0」。梶山の加入で相手が梶山に引っ張られ、パートナーの宮沢がフリーになる場面もあった。

 試合は1-2と東京が1点ビハインドのまま時間が過ぎていき、87分には三都主の突進を体を張って止めた金沢が2枚目のイエローカードで退場に。しかし、この金沢の(退場覚悟の)ファールを犯しても止めた好判断がメイクドラマにつながっていくことに。時間はロスタイムに突入し、東京は10人で1点ビハインドと絶体絶命のピンチにあったが、ここで梶山のプレーからゴール正面約25mの位置でFKを得る。これを宮沢が直接狙うと、ボールは清水の壁を越えて鋭く曲がり右ポストに当たってゴールイン! 土壇場で劇的な同点ゴールが決まった。結局、試合はこのまま引き分けに終わったが、個人、チームとしての仕上がり具合の確認ができたことや、最後の最後で粘りを見せることができるなど、収穫の多い試合となった。

【選手コメント】《宮沢》「(ゴール後に見せた揺りかごパフォーマンスは)強化部スタッフに子供ができたのでやった。試合前に約束していたので、できて良かった。あの場面のフリーキックは自信があったし、イメージ通りの弾道だった。今後もっと研究して、昨年以上に点を狙っていきたい」、《石川》:「(初めて同サイドで組んだ)藤山さんとの連携は違和感なかったが、個人的には今日はもう少し工夫をしてボールを受ける必要があった。チーム全体でもタイミングが合わない場面があったが、イメージは皆同じものを持っているので、今後の練習で良くなっていくと思う」、《梶山》「試合に入る前は少し緊張したが、入ったら大丈夫だった。サポーターの応援は嬉しかったし、楽しくプレーできた」

【原監督コメント】「チームとしては新しく入った阿部と金沢がどれくらい機能するかを見極めることを目的としていたが、二人とも100%ではないがチームに馴染んできているし、改めて貴重な戦力であることを確信した。今日の試合だけを考えれば戸田をあのままずっとやらしていた方が良かったが、アマラオのコンディションを上げるために交代させた。結果的には、あの展開からよく引き分けに持ち込めたと思うし、17歳の梶山が入ってからリズムが良くなり同点ゴールにつながるFKを得たことは収穫だった。また、土肥がケガをしたことで小沢を試せたのは良かった。本人にとっても90分間を乗り切ったことは自信になったと思うし、負けずに引き分けに終わったことも大きい」