GAME RESULT試合結果

2008/11/03(月)
観衆 10,528人 
天候 曇、無風 気温 16.6度 湿度 % 
主審:佐藤隆治 副審:江角直樹/佐藤秀明 四審:

天皇杯 4回戦

味の素スタジアム

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FC東京

2-1

試合終了

前半1-0

後半1-1

PK戦0-0

AWAY

ベガルタ仙台

FC東京 ベガルタ仙台
18分:平山 相太
89分:平山 相太
得点者 72分:中原 貴之
73分 赤嶺 真吾
61分 エメルソン
69分 鈴木 達也
選手交代 89分 田ノ上 信也
65分 田中 康平
74分 佐藤 由紀彦
14 シュート 13
14 GK 8
7 CK 3
13 直接FK 16
2 間接FK 6
2 オフサイド 6
0 PK 0
41 平山 相太
66 カボレ
警告
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 5 長友 佑都
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 25 徳永 悠平
MF 6 今野 泰幸
MF 22 羽生 直剛
FW 24 赤嶺 真吾
MF 18 石川 直宏
MF 15 エメルソン
MF 10 梶山 陽平
FC東京控え
FW 9 カボレ
MF 40 鈴木 達也
FW 13 平山 相太
GK 31 荻 晃太
DF 17 金沢 浄
MF 30 大竹 洋平
MF 7 浅利 悟
ベガルタ仙台先発
GK 16 林 卓人
DF 7 千葉 直樹
DF 5 一柳 夢吾
MF 26 田ノ上 信也
DF 17 磯崎 敬太
DF 3 渡辺 広大
MF 6 宮沢 正史
FW 15 田中 康平
MF 27 富田 晋伍
MF 11 関口 訓充
MF 8 永井 篤志
ベガルタ仙台控え
FW 9 中原 貴之
MF 24 佐藤 由紀彦
FW 13 中島 裕希
GK 1 萩原 達郎
DF 4 細川 淳矢
MF 30 飛弾 暁
FW 20 西山 貴永

【選手・監督コメント】

天皇杯開催、4回戦でベガルタ仙台と対戦


 すでに開催されている第88回天皇杯。11月2日よりJ1チームが登場して4回戦が行われ、東京は3日、ベガルタ仙台(J2)と対戦。リーグ前節は首位の鹿島に対し、持てる力を出し切って勝利した。城福監督は「あの戦いをアベレージにしなければいけない」と話し、掴んだ手応えを天皇杯と続くリーグ戦にもつないでいくことを目標とする。

 その狙いからいえば、仙台に力の差を見せつけて勝利したいところだが、前日の鹿島対国士舘大戦がPK戦までもつれこんだように、J1チームにとってはトーナメント初戦の難しさ、下位カテゴリーとの対戦の難しさもあるはず。そのため、内容を求めつつも、まずは結果を重視し、確実に勝ち上がりを決めたい一戦でもある。東京の先発は、攻撃陣は鹿島戦と同様のメンバーに。DFは、肩を傷めた茂庭が大事をとって欠場し、藤山がセンターバックを務める布陣で臨むこととなった。

 対する仙台はJ2で現在3位。J1昇格をかけて熾烈な争いを続けている。基本の布陣は4-4-2で、前線のFW中島、中原には高さや力強さ、サイドのMF関口には突破力もあり、シュートまで持ち込む能力は高い。この試合ではメンバーを変えて、本来はボランチの千葉をセンターバックに起用。中盤は、MF永井+MF富沢+MF宮沢の3ボランチ、トップ下にMF関口。FW中原、FW中島の2トップという布陣で臨んできた。

 これに対して城福監督は「仙台がどういうメンバー構成で臨んできても、戦いは自分たちの中にある」と強調。「たとえミスがあっても、うまくいかない時間帯があっても、自分たちがやるべきこと、追い求めるものを出し続けていけるかどうかが焦点」と話し、強い気持ちで勝利をめざす。肌寒く、曇り空の味スタ。試合は13時ちょうどに東京のキックオフでスタートした。

平山のゴールで先制するも、リズムを掴みきれず…


 立ち上がりから積極的な姿勢を見せ、4分、カボレが左サイドを疾走、エリア内まで持ち込んでシュート体勢に入るが、ブロックされてCKに。11分には、仙台を押し込み、カボレがDFのクリアを奪って、左エリアの平山にパス。しかしフリーで放ったシュートは枠を外れた。一方、仙台も果敢なプレスからボールを奪い、フィニッシュまで持ち込む。16分には、中盤からのスルーパスに合わせ、東京DFの裏に走り込んだMF関口に決定的なシュートを打たれたが、わずかに右に切れてピンチを免れた。

 仙台の素早いプレスの前にリズムを掴みきれなかった東京だが、19分、左サイドの長友→中央の梶山→平山とダイレクトパスをつなぎ、梶山が右に流れながら身体の向きを変えて、ミドルを放つ。鋭いシュートはバーをヒットするが、高く浮き上がったボールを平山が胸で押し込み、ゴール。それぞれの果敢にゴールを狙う姿勢から先制を果たした。

 その後も攻撃を仕掛ける東京は22分、長友がオーバーラップし、マイナスのラストパスを送る。カボレがエリア左から放ったグランダーのシュートがネットに転がり込んだが、ゴール前の石川が関与したとの判定でオフサイドに。それでも1点のリードを保ち、慌てずに試合を運んだが、今ひとつ連携が噛み合わず。攻めている途中で奪われて仙台の逆襲をくらうシーンも。

 34分、仙台の左クロスがファーにこぼれ、FW中島がフリーでシュート。決められてもおかしくない場面だったが、ミスに助けられた。42分には、仙台FW中島のポストプレーから、中央のMF永井にシュートを打たれるが、塩田が正面でキャッチ。ゴールこそ許さなかったものの、波に乗り切れないまま前半を終了した。

ロスタイムに平山が2点目をゲット!苦しみながらも5回戦へ進出


 後半、序盤から勢いのある攻撃を仕掛けたのは仙台だった。47分、MF関口が右サイドを駆け上がり、クロスからFW中原がディングシュート。50分には、早いパス回しからアーリークロスを上げられ、ゴール前でMF永井に飛び込まれる。東京も58分、長友の左クロスのこぼれに、石川がボレーで右足を振り抜いたが、大きく上に。62分には、仙台FW中原にDFの裏を突かれ、決定的なシュートを打たれたが、塩田の飛び出しと好セーブで守り切る!

 東京は流れを変えようと、61分には石川に代えてエメルソンを、69分には相手と競り合って傷んだカボレに代えて鈴木を投入。サイドを起点にスピードに乗った攻撃を仕掛け、リズムを掴もうとした。だがその矢先の72分、仙台に東京陣内でパスを回され、左エリアのFW中島に素早くくさびのパスを入れられる。これを押さえ切ることができず、中央寄りに走り込んだFW中原に落とされ、蹴り込まれて失点…。同点に追いつかれてしまう。

 これを機に攻防は激しくなる。73分には羽生に代えて赤嶺を投入し、勝ち越しを狙ったが、仙台も素早い攻撃を仕掛けてチャンスをつくる。ともに攻め合い、一進一退の展開となる中、76分には仙台MF佐藤の鋭い右クロスにFW中島が飛び込み、またもや決定機を作られたが塩田がセーブ!79分は、梶山→平山が右寄りのスペースを駆け上がり、右エリア内まで進入。ここに相手GKも飛び出しゴールは空いていたが、決定的なシュートはカバーに回った仙台DFに掻き出され…。82分には長友の左スローイン→平山がヘッドでそらし、ゴール手前の鈴木が反転して放ったシュートがネットを揺らしたが、オフサイドに…。88分にも鈴木が左エリアから決定的なシュートを放ったが、チャンスを活かすことはできなかった。

 同点のまま延長戦に突入かと思われたロスタイム、5分間の表示が出た直後のことだった。徳永がドリブルで上がり、中央の梶山へ。梶山はエリア内に浮き球のパスを送る。これを赤嶺が相手DFと競り合いながらも足を伸ばし、ボールはゴール前にこぼれる。これに反応した平山が流し込み、2点目をゲット!ようやく勝ち越し点を奪った。それでも仙台はあきらめず、残り時間でシュートまで持ち込まれる場面もあったが、反撃はしのぎ切りタイムアップ。勢いのある仙台に苦しみながらも5回戦進出を決めた。

 【選手コメント】《平山》「試合前にみんなで、難しい試合になるかもしれないが、最後に勝って終われればいいと話をしていた。仙台は運動量も多く、受け身に回っていたら負けていたと思う。1点目は梶山がいいシュートを打ったので、詰めるようにしていた。両方ともこぼれ球からの得点だったが、それ以外のチャンスも少なくなかった。もっと違う形で、センタリングからのゴールなども取れるようにしていきたいし、味方を簡単に使えるように、いい準備をしてくさびを受けられるようにしたい。また、今日のゴールをリーグ戦に繋げていけるように練習から頑張りたい。天皇杯では優勝を目指して最後まで戦い抜きたい」《鈴木》「出場してすぐ同点に追いつかれたので、より前へという意識で戦った。失点の場面では、自分が戻っていたのにクリアし切れなかったこともあり、絶対に自分が点を取ってやるという気持ちでいたが…。逆に力みになって、シュートを浮かしてしまった。もっと落ち着きが必要だった。ただ、みんなが前へ向かう姿勢を見せられたことが勝利につながったと思う」

 【城福監督の会見要旨】「天皇杯では、J1チームも難しい試合をしているので、我々も気を引き締めて試合に入った。しかしメンタル面というより、やり方や個人の調子、バランスといった面で自分のたちのペースを握り続ける状況ではなかった。それについて反省をしている。ただ、後半、メンバーが代わり、状況が少し間延びした中では、攻める回数やスピーディな場面が増え、最後の最後で点が取れて結果が出たのはよかった。しかし失点しそうな場面もあり、実際に失点も喫した。(攻撃が左サイドに偏っていた印象だが?)原因はいろいろあるが、まず仙台が我々のボランチにはっきりと付いてきて、そこで人数をかけて数的優位を作り、中盤で落ち着いてボールを回せる場面があまりなかった。そのため、安定したサイドチェンジもできなかった。それ以外の場面でも、守備・攻撃両面をしっかり反省し、すぐにリーグ戦もあるのでそこに繋げていかなければいけない」

 【仙台・手倉森監督の会見要旨】「惜しいゲームを落としてしまったなというのが素直な気持ち。トーナメントというのは難しいゲーム。格上のチームのほうが手こずることが多く、精神的なところでは、我々が優位になるだろうと考えていた。内容も確実に我々のほうが優位だったと思うが、決定力の差でJ1の東京に敗れた。(具体的にやれたと感じた点は?)しっかりポゼッションが出来て、人もボールを動き、今シーズン半ばまでやれていたサッカーをJ1を相手に出来たということ。サポートのコースも多く、相手のユニットを破る攻撃が何回か出来た。我々とすれば、天皇杯はもう終わった訳で、リーグ戦1本に絞っていくために、今日の課題とやれたことを自信に繋げ、負けた悔しさをリーグ戦にぶつけていきたい」