GAME RESULT試合結果

2010/8/04(水)
観衆 19,423人 
天候 晴、中風 気温 29.3度 湿度 % 
主審:スチュアート・アトウェル 副審:ジェフリー・ゴー/ハジャ・マイディン 四審:

スルガ銀行チャンピオンシップ

国立競技場

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FC東京

2-2

試合終了

前半1-1

後半1-1

PK戦4-3

AWAY

リガ・デ・キト

FC東京 リガ・デ・キト
34分:平山 相太
90+1分:大黒 将志
得点者 29分:エルナン・バルコス
63分:パトリシオ・ウルティア
81分 松下 年宏
77分 重松 健太郎
45分 羽生 直剛
64分 ソ ヨンドク
45分 梶山 陽平
57分 大黒 将志
選手交代 88分 レナン・カジェ
81分 エンリケ・ガメス
45分 カルロス・ルナ
71分 ウィリアム・アラウーホ
85分 クリスティアン・ララ
17 シュート 9
5 GK 14
6 CK 1
14 直接FK 15
2 間接FK 2
2 オフサイド 2
0 PK 1
62 椋原 健太 警告 40 ホルヘ・グアグア
50 カルロス・ルナ
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 33 椋原 健太
DF 8 松下 年宏
DF 17 キム ヨングン
DF 14 中村 北斗
DF 6 今野 泰幸
MF 18 石川 直宏
FW 24 重松 健太郎
MF 19 大竹 洋平
MF 22 羽生 直剛
MF 27 田邉 草民
FC東京控え
MF 30 ソ ヨンドク
MF 3 森重 真人
MF 10 梶山 陽平
FW 13 平山 相太
FW 16 リカルジーニョ
FW 39 大黒 将志
GK 1 塩田 仁史
リガ・デ・キト先発
GK 22 アレクサンデル・ドミンゲス
DF 21 ゴンサロ・チラ
DF 3 レナン・カジェ
DF 14 ディエゴ・カルデロン
DF 6 ホルヘ・グアグア
DF 2 ノルベルト・アラウーホ
DF 13 ネイセル・レアスコ
DF 17 エンリケ・ガメス
MF 7 ミジェル・ボラーニョス
FW 20 カルロス・ルナ
MF 8 パトリシオ・ウルティア
リガ・デ・キト控え
MF 4 ウリセス・デラクルス
FW 19 フアン・サルゲイロ
MF 15 ウィリアム・アラウーホ
FW 16 エルナン・バルコス
MF 10 クリスティアン・ララ
GK 1 ホセ・セバージョス
DF 23 カルロス・エスピノーラ

【選手・監督コメント】

PK戦


リガ・デ・キト(先行)/8×/4○/10○/20×/3○、FC東京/39○/8○/24×/6○/10○

国際タイトルを賭け、リガ・デ・キトと首都決戦!


 4日(水)スルガ銀行チャンピオンシップ2010 TOKYO が開催。東京は、昨年のナビスコカップ覇者として参戦。南米のカップ戦「コパ・スダメリカーナ」において、昨季初タイトルを獲得したエクアドルのリガ・デ・キトと対戦する。キトはエクアドルの首都。“カップウィナー王者”の国際タイトルを賭けた“首都決戦”となる。

 リーグ戦の合間を縫ってハードな日程の中での連戦となるが、城福監督は「今日の戦いの意味を明確に見出さなければいけない。最大の目標は、Jリーグにいかにつなげるか。巻き返しのきっかけの試合にしたい。負けて『いい経験をした』で終わりたくはない」と意欲的に臨む。

 リガ・デ・キトは、1918年に活動を開始。1930年に正式にクラブとして設立された歴史のあるクラブ。2008年にはコパ・リベルタドーレスで、エクアドルのクラブとして初タイトルを獲得。クラブワールドカップ ジャパン 2008にも出場し、準優勝という成績を収めている。城福監督は「移動もあり、おそらく日本の高温多湿のコンディションに苦しむと思う。ただ試合にフィットすれば、世界のトップオブトップのパフォーマンスをしてくるはず。そういう相手に、我々がどういうサッカーを表現できるか」とポイントを話す。

 今大会は45分ハーフで行われ、ベンチ入りは7名。交代選手は6名まで。90分で決着がつかない場合はPK戦に。勝利をめざす東京だが、ただしリーグ戦との日程を鑑み「選手起用や交代については、選手のコンディションを最優先する(城福監督)」とし、先発は椋原が右サイドバック、中村が左に。田邉と森重のダブルボランチ、サイドには石川と大竹。平山とリカルジーニョが2トップを組む布陣で臨むことになった。対するリガ・デ・キトは、メンバー表の上ではDF5名、FW2名だが、エースのFWエルナン・バルコス(エクアドルリーグの得点王)が最前線を務める3-4-2-1の布陣。

  陽が落ち、ようやく昼間の暑さから解放され始めた“ホーム”国立。試合は19時ちょうどに東京のキックオフでスタートした。

先制を許すが、それぞれが持ち味を発揮、平山のゴールで同点に!


 慎重に試合に入ったリガ・デ・キト(以下キトと表記)に対して、東京はフレッシュなメンバーを中心に気迫のこもった戦いを仕掛けた。ボールを奪ってパスを回し、キトのゴールに迫る。3分には大竹→中村が左クロスから、森重がフリーでヘディング。6分にはキトのFKからカウンターを仕掛け、中村→平山から、右サイドの石川が果敢にシュートを放つ。キトも18分にはパスを何本もつないでクロスを入れてきたが、今野がクリア。

 20分には椋原→石川への縦パスから、右サイドをオーバーラップした中村に展開するが、これはわずかに合わず。セットプレーからもチャンスをつくり、23分にはキム ヨングンの直接FK。28分には大竹の左CKに、森重が相手に競り勝ってヘッドで合わせる。だがリズムをつかみながらもネットは揺らせず、反対に29分、キトのDFラインからボランチを経由し、2列目FWサルゲイロから1本のパスが前線のエースFWバルコスに。FWバルコスは、ワンステップで今野を中に切り返して、狙い澄ましたシュートを放つ。これが決まり、ワンチャンスを確実に活かされて先制を許してしまう。

 しかし直後の34分、東京は左サイドで起点をつくり、中村が後ろに戻したパスから、田邉が果敢にミドルを狙う。シュートはDFをかすめてドライブがかかり、大きく変化。GKがセーブしたこぼれに平山が素早く反応。右足で押し込みゴール! 試合を振り出しに戻して前半を終了した。

終了間際に大黒が技ありゴール!! PK戦を制し、総力戦で勝利


 後半から森重、大竹に代えて梶山、羽生を投入。彼らを含めて6名の選手交代を行うことになったが、その中でも出足やパスワークでまさり、勝ち越しが期待された。50分にはパスを回して右サイドで中村→羽生→リカルジーニョのダイレクトパスから、右前線に抜け出した中村がクロス。ゴール前に平山が身体ごと飛び込み、潰れ役になるが、ファールの判定を受けてキトボールに。52分には相手陣内でのルーズボールを奪い、石川が中へ切り込み、混戦の中から右エリアの羽生へサイドを変える。しかしオフサイドに。

 57分にはリカルジーニョに代えて大黒を投入。60分には自陣で相手のスローインを奪い、石川がダイレクトで左サイドの平山に。ドリブルで持ち出し、相手DFの裏に抜け出そうとする大黒にスルーパス。これが一度は通ったが、相手DFも素早く寄せ、シュートには持ち込めなかった。優勢に試合を進めたが、迎えた63分、キトのFKの場面で、ゴール前の競り合いで椋原がファールを犯したとの判定を受け、キトにPKを与える。これをきっちりと決められ、再びビハインドを背負うことになった。

 64分には田邉に代わり、東京でのデビュー戦となるソ ヨンドクが左MFにイン。羽生がボランチに回る布陣で1点を追った。リードして守備を固めるキトに対して、東京はボールを支配。梶山からの展開や、平山のポストプレー、両サイドバックも攻め上がり、チャンスにつなげた。69分には石川のクロスに大黒が飛び込む。76分には椋原のクロスに平山が合わせる。77分には石川に代わって重松、続いて椋原に代わって松下がイン。しかしゴールは割れないまま時間は経過した。

 だが4分のロスタイムに入った直後のこと。キム ヨングンからのパスを、相手陣内の平山が相手DFと競り合い、ボールはキトDFの裏にこぼれる。これを大黒が猛然と追いかけて裏に抜け、ワンタッチでコントロールし、軸足の左足アウトでシュートを放つ。これが逆サイドのポストをかすめて跳ね返り、ゴールイン。あきらめない姿勢で終了間際に再び同点に追いつき、90分を終了した。

 勝負はPK戦に突入。するとまずキト1番目のキッカーのPKを権田がセーブ! 東京は大黒、松下が確実に決める。3番目の重松のキックはGKに阻まれるも、キト4番目のPKは枠外に。続いて東京は今野、そしてラストに梶山がきっちりと決めて、PK戦4対3で勝利! 総力戦で東京のサッカーを仕掛け、タイトルをもぎ取った。

 【選手コメント】《大黒》「サポーターも応援してくれていたし、僕たちのホームだったので、絶対にゴールを決めたかった。キトは、いい形でボールを奪ったときにいい攻撃を仕掛けてきたが、気候に慣れていない感じはあったので、積極的に裏を狙っていこうと考えていた。リーグ新潟戦では自分でも踏ん張りが効かなかったので、今日はしっかり踏ん張ってシュートを打とうとイメージしていた。最後に追いついて、PK戦で勝てたことは良かったので、今後のリーグ戦も自信を持って臨み、サポーターを喜ばせたい。1試合1試合集中して、いつでも点を取れるように狙っていきたい」《権田》「僕たちの時間が長く、いい流れで進められたが、先に失点してしまい、常に追う展開となった。失点の場面についてはしっかりと反省し、リーグ戦に活かしていきたい。PK戦は、2失点していたので少し複雑だったが、止めればGKがヒーローなれる。止められる自信があったわけではないが、気持ちを込めて臨んだ。1本目はセーブできたが、確実に勝利に貢献できるように、もっと止めたかった。そこから先はまだ自分の力が足りないということ。ただ毎試合ベストで戦うことが成長につながると思う。チームがいい方向にいくように、この勝利をきっかけに頑張りたい」

 【城福監督の会見要旨】「平日で、またJリーグで我々が思うような結果が出せていないにも関わらず、2万人近いファン・サポーターのみなさんに来ていただき、深く感謝する。そしてこのような高いレベルのチームと試合をする機会を設けていただいたスルガ銀行の方々をはじめ、関係各位に御礼申し上げたい。Jリーグの合間の試合で、かつ今は日本で一番暑い季節。その中で我々は先週1週間で3試合を戦った。リガ・デ・キトも、この気温と湿度で大変だったはず。世界のトップオブトップと戦えるという大きなモチベーションはあったが、万全の準備でピッチに立つ状況ではなかった。ただ、ピッチに立った選手が、個人としてもチームとしても、この貴重な経験を必ず血や肉にする。そういう決意を持って戦った。その環境を作ってくれたみなさんと、選手に改めて感謝をしたい。最後に選手は感謝の意を込めてスタジアムを回った。私も感謝の意を持ち、すばらしいタイトルだと感じているが、ただし年初に掲げた『タイトルを一つ獲得する』という目標には、今日のタイトルを数えていない。そのため私自身は参加しなかった。

 試合については、1失点目は、相手のファーストチャンスだったはず。2失点目も我々がペースを握る中での失点で、精神的なダメージは大きかった。だが、そこで決めてくるのが南米のチーム。そういうシュチエーションで最後に追い付けたことは、今日のゲームに対する意味を見出してくれた。『ここからリスタートしたい』という選手の強い思いが、追いつけた要因になったと思う。リガ・デ・キトの実績、選手のクオリティを含め、こんなチームと戦える機会は滅多にない。そこでいい意味で開き直り、PK戦をも楽しむ状態で戦えたと思う」

 【リガ・デ・キト/エドガルド・バウサ監督の会見要旨】「最初の10~15分は流れに慣れるのに大変だったが、その後は動きがスムーズになり、互角に戦えたのではないか。両チームともボールを取ろうとして良い動きをしていた。ただ、こちらにチャンスがきたときに、なかなか活かしきれなかった。後半、選手がかなり疲れていたので交代で流れを変えようとしたが、それが遅かったかもしれない。その後、引き分けに持ち込まれ、PK戦で負けてしまった。しかし試合としては互角だったのではないか。(FC東京で印象に残る選手は?)森重選手がディフェンスをしながら攻撃にも参加し、二つの動きをよくこなしていた。平山選手の高さにも手こずった。彼がいると自分たちのコントロールが効かなくなった。(日本が世界の強豪になるために必要なことは?)大切なことは、日本のサッカーが本当に大きく進歩してきたことに注目すること。それは日本サッカー協会、外国人を含めた監督や選手の努力もあったはず。今後はさらに優秀な外国籍選手を呼んでレベルアップを図り、世界と互角になるために様々な試合を経験しなくてはならない。そういう経験を通して進歩していくだろう。より良い試合、より良い選手、より良い監督の3つが揃って強くなると思っている」