11/16 町田戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.11.15

11/16 町田戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<天皇杯準々決勝・浦和レッズ戦のレビュー>

埼玉スタジアム2002に乗り込んだ浦和レッズとの準々決勝。開始前からゴール裏に詰めかけた青赤ファン・サポーターの「カップを奪い獲れ」という熱いチャントがチームを後押しする。中2日という過密日程に加えて、長倉幹樹選手が契約の関係で出場できないこともあり、京都サンガF.C.との前節から5選手を入れ替えて総力戦で試合に臨むことになった。

序盤から相手に押し込まれる時間が続き、なかなか攻撃に転じることができないなか、前半42分にビルドアップの乱れを突かれて失点。もったいない形で先制点を許してしまう。

流れを変えたい東京はハーフタイムに選手交代を敢行し、俵積田晃太選手とバングーナガンデ佳史扶選手を投入。この決断が試合を動かす。


後半7分、左サイドで縦へ仕掛けた俵積田選手からマルコス ギリェルメ選手がボールを受けるとドリブルで持ち上がって中央へ折り返す。東慶悟選手が繋いだボールをマルセロ ヒアン選手が難しいターンから右足で流し込み同点に。

一気に攻撃の連動性が高まり、積極的なアタックを仕掛け続ける東京が後半20分、ついに試合をひっくり返すゴールを叩き込む。アレクサンダー ショルツ選手のロングフィードからマルコス選手が抜け出し、巧みなトラップからラストパスを送ると、ここに走り込んだヒアン選手が右足で突き刺して逆転に成功する。

試合終盤は過密日程の影響もあって足をつる選手が目立ったが、パワープレーを仕掛けてくる浦和に対して、10分のアディショナルタイムも含めて全員で1点のリードを守り抜いてタイムアップ。気力と体力を振り絞って懸命に耐え抜き、見事な逆転勝利で準決勝への切符を手にした。


<天皇杯 準決勝のプレビュー>

先週に続いてFC町田ゼルビアと国立競技場で対峙する。90分間で決着がつかなければ、延長戦からペナルティーキック戦を含めて雌雄を決する一発勝負だ。

一週間前の対戦では町田のハイプレスとマンツーマンディフェンス、そしてロングボールとセットプレーを中心としたサッカーに押し込まれて苦しんだが、我慢しながら耐え抜いてカウンターで試合終盤に決勝ゴールを奪って勝利。勝負強さを発揮し、対町田戦4試合目にして初めての勝利を手にした。


そして迎える天皇杯の準決勝。2試合続けての対戦となるが、前週の結果はこの試合に何も約束はしてくれない。むしろ町田が敗戦を受けてスイッチを入れ、ギアを上げてくることは想像に難くない。

だが、もちろん東京も負けてはいない。松橋力蔵監督は「相手がスイッチを押してくるのであれば、我々は彼らよりも多くのスイッチを押して、しっかりと挑みたい。選手たちは前回の勝利をしっかりと自信につなげつつ、『あれがあったから大丈夫』なんて思っている人は誰もいない」と気を引き締める。

選手たちも良い緊張感を持って試合に臨むことになりそうだ。先週の町田戦後、ロッカールームに戻ってきたチームに対して、長友佑都選手が「この勝ちで町田は気を引き締めてくる。自分たちはそれ以上のパワーを出さなきゃいけない」と檄を飛ばした。


“勝って兜の緒を締めよ”ということだろう。経験豊富な背番号5は「これで満足しちゃいけないし、天皇杯に向けて切り替えなきゃいけない。リーグ戦に勝っただけで気の緩みが出ないようにしたかった」と活を入れた理由を口にする。

これがしっかりと選手たちの胸に響いた。選手たちが口々に引き締まったコメントを残し、準決勝に向けたトレーニングや取材でも引き締まった雰囲気をまとうようになった。指揮官は長友の発言について、「彼のリーダーシップは、単なる言葉ではなく、空気をグッと変えられる。受け取った側がしっかりと発信を拾えなければ景色は変わらない。そういう部分も我々の強みの一つでもあると思う」と準決勝に向けた積み上げに手応えを覚える。

何としても準決勝を勝ち上がり、ファイナルへの切符を手にしたいゲームとなる。決勝への想いは人一倍強いと話す仲川輝人選手も「ここまでみんなで想いをつないできたので、ぜひとも決勝に行きたい。結構厳しい道のりだったけれど、ここで町田を倒さないと何も意味がなくなってしまう」と熱い想いを口にした。

舞台は“俺たちのコクリツ”。青赤ファミリーの力を結集して、一戦必勝の準決勝に臨みたい。

みんなで “国立に、勝ちにいく。”


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、天皇杯準決勝を控えた今の心境と、FC町田ゼルビアとの連戦について、どのような準備を進めてきましたか。
A、率直に楽しみです。先週の試合を経験して迎える分、活かせるところもあると思いますが、当日のピッチ内でどれくらい適応、対応できるかが重要です。町田との連戦、というワードは選手に対しても強調はせずに進めてきました。前回の対戦を経て、“相手がどうしてくるのか”、“我々がどうすべきなのか”については今週のトレーニングでチーム内での共有はできています。練習の内容も含め、良い準備を進めることができました。

Q、先週の試合では、相手の配置など多少事前の想定と異なる部分もあったのではないでしょうか。
A、特段、大きく異なる部分はありませんでしたし、常に様々な状況を想定しています。その局面でチームとしてしっかりと適応することが何より重要です。チーム、選手間で目線を合わせることが大切ですが、強調して決め切って進めるわけではなく、ピッチ内で起こることにうまく適応しながら試合を進めることが求められると思っています。

Q、粘り強い守備から少ないチャンスを決め切った試合になりましたが、どのような収穫と課題を感じたゲームになりましたか。
A、もう少し安定感を持ってボールを動かすことで、相手の攻撃回数に制限がかけられたと思っています。シンプルに長いボールを多用しながら敵陣で押し込み、サイドラインを割ればロングスロー、ゴールラインを割ればコーナーキックとシンプルに相手は突いてきました。そのような状況に対してしっかりと跳ね返すこと、できるだけそのような状況に簡単に持ち込まないことを前回の対戦よりトライする回数を増やしていくことを求めていきたいと思います。

Q、あらためて選手に対して対町田にフォーカスして伝えたことはありましたか。
A、天皇杯準決勝で勝てば、また違った景色が見えると思います。もちろん、選手たちもそこを見据えた準備をして、僕から具体的に言わなくても、日々のトレーニングから姿勢で示してくれています。当日、選手たちが持っているパワーをどれだけ発揮できるか、僕らがどれだけ発揮させてあげられるかに尽きると思っています。


[選手インタビュー]

<仲川輝人選手>


Q、先週もFC町田ゼルビアとの対戦があったなか、勝敗を分けるポイントをどう感じていますか。
A、セットプレーがポイントになると思います。高い集中力は保てていますし、課題であったクロスボールへの対応も練習から積み重ねてきた部分が成果として表れ始めていると思います。

相手はマンツーマンの守備をしてきますし、うまく後ろでボールを繋ぐことができれば、良いリズムで攻撃を仕掛けることができたと思います。相手もそう簡単に自由を与えてはくれませんし、その局面でどう打開できるかがポイントになると思います。相手ディフェンスとの駆け引きや、生まれたスペースをうまく突いていきたいです。

Q、相手の守備の圧を回避しつつ、味方との距離感をどう保つかが重要ということでしょうか。
A、繋ぐ意識が強くなり過ぎて、そればかりになってしまうと相手の思う壺で、状況に応じて割り切ったプレーももちろん重要です。ピッチに立つ選手たちの特長をうまく組み合わせながら試合を進めていきたいです。

Q、仲川選手自身のこの試合に懸ける想いを教えてください。
A、みんなで準決勝まで力を合わせて繋いできました。みんなの想い、出場できない選手たちの想いも背負って、何としても決勝に進みたいです。そのためにも、まずは目の前の相手を倒さなければ、何の意味もなく終わってしまいます。積み上げてきたものを発揮する場であり、町田は先週の試合で僕らに負けている分もパワーを出してくると思います。決して受け身にはなってはいけませんし、その圧力に飲み込まれてはいけません。攻撃も守備も全員がハードワークして、次の舞台に進めるように戦うだけです。決勝への想いは誰よりも強いですし、その状況を楽しんでプレーできればと思います。


<波多野豪選手>


Q、大事な天皇杯の準決勝を迎えます。キム スンギュ選手が韓国代表の活動で不在のため、波多野豪選手の活躍が期待されます。
A、一週間以上良い準備を行ってきました。あとは、その力を試合で発揮するだけです。残りの時間もしっかりと準備して試合に臨みたいと思います。

Q、試合に出場できない期間も続いていたなかで迎える大一番です。
A、ベンチで過ごす時間が長かったことは事実ですが、練習やその後のトレーニングでも、井上亮太ゴールキーパーアシスタントコーチが一緒にトレーニングに付き合ってくれていました。いつもサポートしてくれいる方々のためにも、自分がしっかりと結果を出して力を証明したいです。

Q、FC町田ゼルビアとの試合では、どのようなことを意識しますか。
A、前回の対戦をみても空中戦が多く、相馬選手や下田選手などが強烈なミドルシュートを打ってくるなど、シュートレンジが広い印象があります。一瞬でも気を抜くとやられる可能性はあるので、90分間しっかりと集中を切らさずに、良い準備をしたいです。

Q、チームの課題として、クロスボールやセットプレーからの失点も多くあった時期があります。
A、最近はクロスボールやセットプレーからの失点も減っています。ここ数試合を観ていても、守備の選手が最後まで身体をしっかりと張ったプレーが多くみられます。僕自身、ピッチに立てば久しぶりの試合ですし、ボールがくれば止めるのは僕の仕事。チーム全員で連携しながらゴールを守りたいと思います。