全員のチカラで

INTERVIEW2025.11.12

全員のチカラで

前回のFC町田ゼルビア戦はピッチの外から試合を観ていましたが、感じることが多くありました。ディフェンスラインの安定感や粘り強い守備を見て、「この強度と集中力を継続すれば、後半のどこかで一発決めて勝てる」という自信がチームに生まれていたように思います。全員の試合に懸ける気持ちも、すごく伝わってきました。

天皇杯の決勝進出に向けて、絶対に負けられない試合です。リーグ戦では町田に勝ちましたが、チーム全体にフワフワしたような雰囲気はまったくありません。むしろ、前回よりも引き締まった良い空気のなかで、全員が良い準備をして試合に臨める状態だと思います。


リーグ戦と天皇杯という違うレギュレーションで、同じ相手と連続して戦う難しさはあります。ただ、リーグ戦での勝利を通して「次も勝つ」という強い意識がチーム全体にさらに生まれましたし、全員の気持ちは一つになっています。今シーズンでもっとも重要な試合という位置付けと覚悟を持って臨みたいです。

町田は前回の対戦で僕らに負けたことで、「なぜ負けたのか」「何が足りなかったのか」を徹底的に分析して、アップデートしてくると思います。僕らの強みや弱みをしっかり研究したうえで、弱いところを突いてくるはずです。負けた後のリバウンドメンタリティを持ってこの試合に臨んでくるでしょうし、僕が逆の立場でもそうすると思います。その圧力を上回り、圧倒できるようなプレーを見せたいです。

ピッチに立っていた選手たちは、それぞれが自分の役割をまっとうしていました。僕自身が準決勝で出場できる機会があれば、相手のディフェンスラインの裏へボールを供給したり、サイドバックと連携してサイドから崩したり、攻撃面でチームに貢献したいです。守備面ではロングボールの対応や鋭く仕掛けてくる相手への対処も増えてくると思うので、味方とコミュニケーションが重要になります。どの選手にも“守備で汗をかく”ことが求められているので、そのベースをしっかりと体現したいです。


一発勝負のトーナメントをチーム全員で戦い抜いて、ここまでくることができました。だからこそ、試合に出るからにはチーム全員の想いを背負い、チームのために戦わなければいけないと自分に言い聞かせています。準決勝まで進んできたチームの“ストーリー”を胸に、ピッチに立ちたいです。

もちろん、アタッカーとして一番に求められているものはゴールです。ただ、何より大事なことはチームの勝利のみ。得点に関わるプレーを意識しながらも、どんな形でも泥臭く勝ちをつかみにいきます。

そして16日は、ファン・サポーターのみなさんと一緒に、後悔のない時間を過ごしたいです。準決勝という舞台は、チーム全員で辿り着いた場所。チームのために最大限のプレーを発揮して、必ず決勝に進みたいと思います。