4/10 浦和戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.4.10

4/10 浦和戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
AFCチャンピオンズリーグ出場クラブとの3連戦も3戦目の浦和レッズ戦を迎えた。前節、ヴィッセル神戸と対戦した東京は、前半に先制を許したものの、後半に入って立て直して3ゴールを奪って逆転勝利。内容面でも大きな手応えを得て、このホーム連戦に臨んだ。

中3日での連戦ということもあってメンバー構成には若干の変更があった。これまでリーグ戦の全試合に出場を続けてきた木本恭生選手に代わってエンリケ トレヴィザン選手がセンターバックで起用された。また、左ウイングにはアダイウトン選手に代えて紺野和也選手を配置。右ウイングには、前節の神戸戦で同点ゴールをお膳立てした永井謙佑選手が入った。

立ち上がりに強度の高さを出した東京は、ボールを保持して浦和ゴールへと迫っていく。なかなかフィニッシュにつながるような場面を作れなかったが、早いテンポでボールを動かして相手を押し込んだ。浦和が前線から厳しくプレスに出てくる場面でも、各ポジションの立ち位置で優位性を保ち、少ないタッチでボールを動かして丁寧にプレスを剥がしていく。なかなかフィニッシュまで持ち込めないでいると、徐々に浦和にボールを持たれる時間が増えていく。前半22分にはゴール前に押し込まれると、ダヴィド モーベルグ選手に詰められてネットを揺らされるが、これはオフサイドの判定でノーゴール。前半33分には右サイドからのクロスボールをファーサイドで酒井宏樹選手にヘディングで合わされる。ヤクブ スウォビィク選手も反応できなかったが、ゴールカバーに入った森重選手がかき出して事なきを得た。前半でもっとも浦和ゴールに近づいたのは前半40分。右サイドを永井選手がスピードに乗って突破。相手が戻りきれないうちにゴールライン付近までドリブルで持ち込むと、ゴール前にグラウンダーのパスを入れる。ディエゴ オリヴェイラ選手がワンタッチで合わせたが、ブロックに入った相手ディフェンダーにつぶされてゴールならず。終盤はボールを保持する機会が増えて主導権を握ったが、相手を揺さぶって崩すところまでは至らず試合を折り返した。

後半に入ってもお互いにボール保持を分け合う展開。東京は相手ペナルティエリア付近までボールを運ぶものの、フィニッシュ手前のプレーが合わずにシュートを打ち切れない。一方で守備では後半21分にカウンターからゴール前まで迫られてシュートを打たれるなどきわどいシーンが続く。後半26分にはゴール正面の位置でフリーキックを与えるが、明本考浩選手がゴール左上を狙ったシュートはスウォビィク選手が反応してビッグセーブ。選手交代で変化をつけたい東京は、後半19分に松木玖生選手に代えて中村帆高選手を、後半29分には渡邊凌磨選手に代えて三田啓貴選手を、後半36分には永井選手に代えて山下敬大を投入する。なかなかチャンスメイクできない中で、後半38分にアダイウトン選手がミドルレンジからシュートを放つが、カーブがかかってゴールを捉えたシュートは相手ゴールキーパーの攻守に阻まれた。後半40分には左サイドからアダイウトン選手が入れたクロスボールをペナルティエリアで競り合うと、こぼれ球を山下選手がジャンピングボレーを狙ったがゴールの上へと逸れた。

後半の終盤は押し込まれる時間帯が続き、耐える展開になったが、横のボールの動きに対してチーム全体で粘り強くスライドして対応し、ゴールに鍵をかけて試合を0-0でクローズした。ACL組との3連戦は1勝1分1敗となり、収穫と成長のための課題を得る9日間となった。連戦は続き、13日にルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦を挟んで、16日にはリーグ戦で北海道コンサドーレ札幌とのアウェイゲームを戦う。


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、今日の試合は、いくつかの流れがあったと思います。前半と後半で流れが違うというわけではなく、90分を通じて東京の時間帯と浦和の時間帯が交互にあるような試合でした。今日はより戦術的な、よりヨーロッパ的な試合だったと思います。お互いにチャンスがある魅力的な試合でした。そして両チームのゴールキーパーは素晴らしい仕事をしていました。お互いに勝利を目指してプレーし、とても拮抗した試合だったと思います。そういう意味では、どちらかにゴールが決まってどちらかが勝利するのは試合展開に見合った結果ではなく、引き分けが妥当な結果だったと思います。
後半のスタートからアダ(アダイウトン)をサイドに投入して、サイドの背後のスペースを生かすことを狙いにしていました。後半途中に(松木)玖生に代えて(渡邊)凌磨をトップ下に配置して、より試合をコントロールしようという意図の交代でしたが、凌磨が怪我をしてゲームプランが少し崩れました。いずれにせよ、選手たちは全力を尽くしてプレーしてくれました。なかでも長友佑都の素晴らしい活躍をコメントしたいと思います。とても集中して素晴らしい守備をしてくれました。
選手たちにも直接伝えましたが、勝利できずにイライラしていることはある意味でプラスだと話しました。試合内容に関わらず、常に勝利への飢えを持つことは素晴らしいことです。我々のプロジェクトは始まって3か月しか経っていません。それにも関わらず、浦和というポジショナルプレーの取り組みがスタートして1年以上が経っているチームに対して、拮抗した試合ができたチームのことを誇りに思っています。そして浦和は、日本を代表してACLに出場するチームのひとつです。日本のチームとして、アジアでの活躍を祈っています。

Q、中盤の形が変わっていたように見えましたが、どのような采配でしょうか。
A、浦和は中央で危険なプレーをしてくると感じていました。神戸戦でも、中盤の中央を同じように打開されて苦しんだ時間帯がありました。それを踏まえて、守備の際にはダブルボランチ気味に守ることにしました。今日も浦和のフォワードやトップ下がおりてきて逆サイドでプレーしたり、ウイングが中に入ってきて中盤の中央で数的優位を作ろうという意図を持っていました。そこに上手く対応するためにダブルボランチ気味にして守備をしました。中盤の中央での守備の安定性を保持するためにいつもより前がかりに守備にいけない形にはなりました。そういう形で相手にボールを譲ってしまったことはありました。攻撃については4-3-3でプレーしていました。


[選手インタビュー]
<アダイウトン選手>

Q、後半からの出場でしたがどんな指示があって、どんなことを意識してプレーしましたか。
A、前半は、前線から相手のプレスを受けていて、難しい状況だったのでスペースを使うことと、自分たちのリズムを取り戻すことの指示があり、そこを意識して入りました。リズムを取り戻すことは出来ましたが、それが勝ち点3につながらなかったことは非常に悔しいです。

Q、アダイウトン選手から起点が作られることも多かったと思います。
A、浦和は真ん中のスペースを使って攻撃してくるチームで、そのスペースを使われる時間帯が多かったですが、ボールを取ったあとは相手が出てきた背後やサイドのスペースを攻めることを意識していたので、自分のサイドにボールが集まることが多かったです。次は得点までつなげたいと思います。

Q、ここまでのチームとしての成長はいかがでしょうか。
A、チームとして一番成長を感じているのはポゼッションです。今も難しさを感じる部分はありますが、日々良くなっていると思いますし、これからまだまだ良くなると思います。

Q、一番これまでとの違いを感じている部分はなんですか。
A、ポジショニングが一番これまでと違うと感じています。自分たちがボールを持つ時間が長くなっているので、チームメイトがどこにいて、どこからパスが来るか分かりやすくなっている分、自分がどこにポジションを取ればいいか、分かりやすくなってきています。1試合1試合良くして、さらに成長していければと思います。


<エンリケ トレヴィザン選手>

Q、センターバックのポジションを森重選手と木本選手の3人で分け合っていますが、この競争について教えてください。
A、チームには競争があるべきだと思うし、その競争によってチームが良い方向に進むと思います。今日は自分がチャンスをもらった中で、無失点で試合を終えられたことは試合全体を振り返ってもポジティブに思っています。

Q、エンリケ選手は利き足を生かしたプレーを期待されていると思いますが、現状の起用で自分の特徴を生かせていると感じていますか。
A、今の質問に対する現状の回答は「ノー」です。自分の左足を使ったビルドアップはまだ良くなると思っていますし、ビルドアップからしっかりと相手を崩していくサッカーに到達するまでにはまだレベルが届いていないと思っているので、これからもっと良くなるということを踏まえて、今はまだ「ノー」と答えさせてください。

Q、始動して3か月ですが、その期間で成長の手応えを感じる部分はありますか。
A、チームの成長に関しては、ビルドアップが良くなっていて、試合ごとに監督が要求していることをしっかりできるようになってきています。そして切り替えのところ。その2つのところは自分たちがもっとも成長していると感じるところで、同時にその2つを試合ごとにクオリティを上げながら、良い試合ができていることにチームの成長を感じています。

Q、今日の浦和の攻撃でもっとも警戒していたことはなんですか。
A、浦和の攻撃は、中央のスペースを上手く使った攻撃、それからセンターフォワードのスピードを生かした攻撃が怖いところでした。中央のボールに対してはしっかりインターセプトを狙って真ん中を締めるということと、背後のスペースを抜け出すチャンスを与えないように90分集中し続けることを意識していました。

Q、エンリケ選手の守備を見ていると、最後の最後で足が伸びてきたり、身体が出てきてブロックする印象があります。
A、チームとして失点をしないことがディフェンダーとしての目標なので、最後の最後まで諦めないで身体を投げ出してブロックをするというのは自分の特徴のひとつだと思っています。


<長友佑都選手>

Q、タフな試合となりましたが、試合を振り返ってください。
A、連戦のなかでこの気温だったので、きつい試合になりましたが、みんなでしっかりディエフェンスをして、良い攻撃ができた部分もありました。ただ、課題も改めて多く感じたので、それをしっかりと修正して、まだまだ僕たちは発展途上のチームなので、みんなでもっと良くしていきたいと思います。

Q、日本代表でもともにプレーする酒井宏樹選手とのマッチアップはいかがでしたか。
A、酒井宏樹選手が復帰をしてきて、『マッチアップだな』と、僕自身も意気込みましたし、モチベーションも上がりました。本当にきつい試合でしたが、彼と対戦できた今日の90分は楽しかったです。

Q、観ている子どもたちにサイドバックの魅力を教えてください。
A、酒井宏樹選手は改めて素晴らしい選手だと感じました。そしてサイドバックというポジションは、仕事が多く、見えないところでもたくさん仕事をしています。見えないところでチームのために走ることで、チームの勝利に繋げることができる素晴らしいポジションだと思うので、ぜひ子どもたちにもサイドバックというポジションをやってもらいたいと思います。

Q、酒井選手とのマッチアップではお互いに球際に厳しかったですね。
A、ゴリゴリ来ていましたね。やっぱりいい選手です。球際強いですし、ポジショニングも良いですし、対峙してすごい厄介でした。負けたくなかったので(酒井)宏樹(選手)を見ながらプレーしました。ただ中盤の選手も間に入ってきて難しい局面も何度かあったのですが、最終的にうまく全員で守れたと思います。

Q、3連戦で疲労もかなり溜まっていたと思いますがチーム全体いかがでしたか。
A、3連戦プラス今日の暑さは尋常じゃなくてびっくりしました。ただ、この中でもチームとしてやれることは出来たと思います。ですがもう少しボールを持つ時間を増やして自分たちの時間を長くしていき、ポゼッションの部分を更に出来るようになれば、より多くのチャンスがつくれたと思うのでその部分に取り組んでいきたいです

Q、チームの雰囲気はいかがですか。
A、すごく良い練習も出来ていますし雰囲気も良いです。状況は素晴らしく良いと思います。これを続けていけばチームの成長に確実になると思いますし、信じてやっていくだけです。 

Q、次のルヴァンカップとリーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
A、今日出た課題を、修正しながらいい攻撃をして勝点3に繋げられるように頑張りたいです。


<永井謙佑選手>

Q、3連連最後の試合でしたが90分を振り返ってください。
A、暑かったです。どちらかのチームが一点決めれば勝つくらい拮抗した試合でしたし、こういうゲームでセットプレーで得点が取れれば、チームとしてもっともっと良くなっていくと思います。しっかり勝点1は取れたので、そこはポジディブに捉えていきたいです。

Q、ボールを保持しながらサイドを有効に使って攻撃が出来ていたと思います。
A、後半はなかなか押し込めなかったので課題はありますが、前半みたいにもっとサイドから攻撃に行けるように修正していきたいですし、良くしたいです。

Q、前半の終盤には、右サイドを縦に突破してチャンスにつながりました。
A、ディエゴにあわせたところは良かったですが、なかなか行けなかったので回数を増やしていきたいですし、チーム全体で押し込める時間を作らないといけないと思います。

Q、次の試合につながる収穫はありましたか。
A、いつもとは違う守備の仕方もしていたので、そこをもっと上手くできるようになりたいです。長いシーズンをプレーしていれば、色々な守備のやり方も出てくると思うので、一つひとつ習得していきたいですし、勝ちながら成長していきたいです。

Q、多くのファン・サポーターが味スタに駆けつけてくれました。
A、最高ですね。久しぶりの感覚でした。しっかり勝って終われるようにしたいですし、ファン・サポーターの皆さんも声を出して応援出来るようになれば、もっともっと楽しいだろうなと思いながら今日は試合をしていました。