INTERVIEW 2026.4.28

4/29 柏戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・水戸ホーリーホック戦のレビュー

シーズンの行方を占う5連戦の初戦、味の素スタジアムに水戸ホーリーホックを迎えた一戦は、青赤軍団が持ち前の攻撃力を存分に発揮していく。

3月の前回対戦で苦しめられた水戸のハイプレスと強固な守備ブロックにどう対応していくかが注目されるなか、東京は最終ラインからのビルドアップとカウンターを織り交ぜた攻撃で主導権を握り相手を圧倒。前半17分に一瞬の隙を突かれて先制を許したことで水戸が勢いづく時間もあったが、すぐさましっかりと流れを引き戻すと、同35分にマルセロ ヒアン選手がペナルティエリア外から豪快に右足を振り抜くスーパーゴールを決めて同点に追いつく。

前半43分には東京らしいハードワークで追加点。室屋成選手の縦パスに佐藤恵允選手が抜け出して激しいチェイシングを仕掛けると、相手選手が苦し紛れにバックパス。ここで佐藤龍之介選手が連動して相手ゴールキーパーに圧力を掛け、間髪を入れずにゴール前に動き直した佐藤恵選手がこぼれ球を拾って蹴り込んで逆転に成功する。さらに前半アディショナルタイムにはヒアン選手が倒されてペナルティキックを獲得。これをヒアン選手が自ら決めて3点目を奪い、リードを広げて前半を折り返した。

後半に入っても東京が水戸の長所を消しながら試合を進める。自陣に引き込んで狙いを定めたカウンターを中心に、有効な縦パスを差し込んで主導権を握っていく。後半23分にはコーナーキックの流れから室屋選手が力強く持ち運んで右足を振り抜く豪快な一撃を突き刺して4点目を奪った。

得点直後に失点を喫してしまった点は反省材料だが、後半30分には左サイドを突破したヒアン選手の折り返しを佐藤龍選手が味の素スタジアムでの初ゴールを叩き込んで5点目。今シーズン最多となる大量5得点を記録し、5連戦のスタートを快勝で飾った。

今節のプレビュー

大勝から中4日。FC東京がアウェイの柏レイソル戦に臨む。首位の鹿島アントラーズを勝点6差で追走する状況は変わらず、90分間での勝利を積み上げ続けて逆転優勝への可能性をつないでいかなければならないゲームだ。

ホームでの大勝劇を受け、ともすればフワつと試合に入ってしまいがちなところ。だが、今のチームにはそういった油断すらも引き締める空気がある。松橋力蔵監督は今回の柏戦に向けて、選手たちにこう声を掛けたという。

「野村克也さんが大事にしていた格言に『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし』という言葉がある。勝利は我々が一番欲しているもので、水戸戦の勝利はここまで積み上げてきたからこそで不思議とは思っていない。ただ、負ける時は相手に負けるのではなく、自分に負ける。相手がいる競技だからこそ相手に負けることはあるが、これまで継続してきたことを大切にせず、当たり前のことをやらなくなってしまったら、自分たちで負けてしまう。一瞬一瞬でやるべきことをやらなくなってはならないし、そこを徹底することに対してメンタリティの部分で自分に負けないようにしよう」

思い返せば、佐藤恵允選手が諦めずにボールを追いかけ、連動したプレスから押し込んで奪った水戸戦の2ゴール目は、指揮官にとっても「チームとして大切にしてきた部分が発揮できたシーン」だと強調する。ピッチに立つ選手全員が隙を作らず、シームレスに連続性を見せてゴールを陥れた。あの得点に東京が大事にするべきものが詰まっていると言っていい。

柏レイソルには2月28日の前回対戦で0-2と敗れている。これが今シーズンの特別大会でここまで唯一90分間での敗戦を喫した試合だ。序盤に多く訪れたチャンスを決め切れず、少しずつ流れを失い、後半は攻守に渡ってほとんど持ち味を発揮することができなかった。

この試合にセンターバックとして先発出場していた稲村隼翔選手は「個人的にも悔しいゲームだったし、あの借りを返すためにも必ず勝ちたい。垣田選手のところを潰し切れなかった記憶を思い出していて、監督が話していた『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という言葉が自分の考えと一致したし、本当にそうだなと思った。水戸戦はチームとしては2失点してしまっているし、5点とれた感覚のゲームではなかった。もう全部勝っていくしかないので、どこが相手でも90分間で勝つことを意識したい」と静かに闘志を燃やす。

柏はリカルド ロドリゲス監督に率いられてポゼッションサッカーを軸に結果を残してきたが、今節は攻撃のキーマンとなる久保、小泉の両選手が出場停止。それでもチームとしてのコンセプトは揺るぎなく、東京としては彼らの強みを理解しながら、逆にここまでの良さを存分に発揮していきたいところだ。松橋監督は「相手の良さの裏側にあるものを自分たちの強みに変えていく。相手も考えてくると思うが、今の勢いを活かしながらバランス良く(強みを)出したい」と手応えを口にする。

前節の5ゴールでチーム得点数はEASTグループ最多となった。ゴール期待値もトップ。攻撃陣がしっかりと花を開かせはじめた。ポゼッションサッカーと鋭いカウンターを状況に応じて繰り出せるスタイルは確実に熟成しつつある。攻撃陣の迫力は確固たるものになってきた。

勝ち続けるしかない。それ以外に道はない。前回対戦の敗戦後、味の素スタジアムのゴール裏からは「情熱をぶつけろ!優勝つかみとれ」というチャントがチームを鼓舞した。あれから約2か月。強い信念を胸に青赤ファミリー全員で歩んできた現在地は、目標をしっかりと視野に捉えながら、自分たちを大きく成長させられるところにある。決して諦めない姿勢は代々培ってきた東京のスタイルだ。一歩ずつ、一試合ずつ、青赤軍団が今節も一戦必勝の覚悟で前進していく。心強い歌声に後押しされながら。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節は2週間準備期間が空きましたが、今節は中4日というスケジュールになります。この期間で選手たちにどのような声を掛けましたか。
A、大勝した後ということもあったので、 一度締めるという意味ではないですが、そういったコミュニケーションをとりました。そこでふと、孫子の兵法でもあるかもしれませんが、野村克也さんがよく仰っていた『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という言葉を思い起こしました。勝つことは、もちろん我々が一番欲していることでもあるし、自分たちの目標を叶えるものでもある、と。ただ、今回の勝利を不思議とは思っておらず、積み上げたなかでやってきていますが、負ける時には不思議の負けなしということはどういう意味なのだろう、と。それを自分で考えた時に、恐らく色々なものが自分のなかで感覚的なものもありますし、結局負ける時ということは相手に負けているのではなくて、自分に負けているのだろうなと感じました。だからこそ不思議はないのかな、と。戦っている相手がいる以上、やはり相手に負けることは当然あると思います。試合の結果はコントロールできないですし、そのうえで自分たちがどう捉えていくかということなので、端的に自分たちに負けるとか自分たちで負けるようなことをするのはやめようという話はしました。

 自分に負ける、自分たちで負けにいくということは、今までやってきていることを継続できなくなってきたり、そこに目を向けられなくなってきたり、当たり前のことを当たり前にやらなくなってきたり、単純に切り替えの部分ができないことだと思います。それがすごくきちんと出た部分が、水戸ホーリーホック戦の2点目でした。室屋成選手から佐藤恵允選手にボールが出ましたが、決して良いボールではなかった。その時にフォワードで諦めてしまう選手もいるでしょうし、足を止めてプレスにいかないで少し様子を見てバックパスをさせる気持ちでいく選手もいると思います。でも、彼はそれをしなかった。自分のボールにならないのであれば、すぐ守備に切り替えて、そこからプレッシングにいきました。ボールがゴールキーパーに入った瞬間には佐藤龍之介選手もしっかり連動して、相手ゴールキーパーへのプレスが発動しました。結果、相手のミスを誘って、それをしっかりと佐藤恵選手が拾ってゴールに入れた。すべてが流れのなかで起きていて、その一瞬一瞬、一秒たりとも何をしなければいけないのかなんてことは考えずにプレーができていて、連続性やシームレスな部分がやれるかどうかが重要な場面だったと思います。

 これからも、そこをやり続けられるのかがすごく大事です。体力的な話ではなくてメンタリティの話です。一瞬一瞬でやるべきことをやらなくなったり、やるべきことに対するアクションが少なくなったりすると、自分たちから負けていってしまったり、自分に負けてしまうところにつながるのかな、と。水戸戦の2点目の瞬間を見たり、何かを締める時を思い出し、自分のなかで選手に伝えた言葉でした。

Q、次の相手の柏レイソルは、今シーズン唯一90分で敗れた相手です。その試合では、前半にかなりチャンスを作りながらも決め切れず、相手に流れが渡った印象です。それを踏まえて、どのようなことを考えていますか。
A、最近の試合も見ていますし、その試合をポジティブに捉えているかどうか、参考にしているかどうか、ではなくて、今の柏をしっかりと分析して選手に伝えています。前回の対戦で負けたことをフォーカスして何かするのではなくて、あれから時間が経つなかで自分たちの良さであったり、積み上げてきているもの、まだまだやらなければいけないものにフォーカスして、このゲームをしっかりと分析して、しっかりと準備する期間にできたと思います。ゲームのリズムを握ることが得意なチームですので、自分たちが焦れずにしっかりやらなければいけないところと、そのリズムをどう壊させるかというところです。リズムを作る上での彼らの強みを我々は理解して、その裏側にあるものを自分たちの強みに当てていく。そういうことができれば、十分に今の勢いを活かすことはできると思います。ただ、相手も多分考えてくるとは思うので、そこをバランスよくどう出せるかという風に思っています。

Q、5連戦の2試合目になります。首位の鹿島アントラーズとは、まだ勝点6離れています。勝っていかなければいけない状況は変わらないと思いますが、この試合の重要さをどう捉えていますか。
A、そこは変わりません。ここからの一戦一戦がすごく大事ですし、前節の勢いと、やはり前回の柏との対戦で負けているというのは当然あるので、もちろんそこに対する気持ちもあると思います。しかし、今は一戦一戦のなかで勝点3をどうやって生み出していくかということにフォーカスすることが大事だと思っています。

選手インタビュー

マルセロ ヒアン選手

Q、3試合連続ゴールの期待も高まっています。
A、もちろん3試合連続で得点をとることができればいいですが、今は自分の得点よりもチームの勝利が一番大事だと思っています。次の試合のために準備して勝利することに集中しています。

Q、明治安田J1百年構想リーグで特に苦しんだ相手との対戦になります。
A、全員が一番難しい試合展開になったと理解しています。明日の試合では、前回対戦した時と違う姿を見せられるように、勝利を得るために最大限の準備をしてきたので、90分間集中して試合に臨みたいです。

Q、ハイプレスにくるのであれば、裏のスペースを有効的に使うことが重要になると思います。
A、水戸ホーリーホック戦を終えてからの4日間で、戦術的な練習もしてきましたし、松橋力蔵監督からもピッチでの対応について伝えられています。この期間で準備したものを試合でしっかり表現して、勝利できるようにしたいです。

Q、鹿島アントラーズを追っている状況で、勝利しか許されない試合が続きます。
A、今、一番重要なのは鹿島を気にすることではなく、自分たちのやれることをやることを最大限表現して目の前の試合に勝利することです。それが現段階で一番重要なことです。

稲村隼翔選手

Q、前回の柏レイソル戦は、前半は良い流れでしたが、後半の途中から流れを持っていかれて敗戦となりました。この試合に向けて、どのようなことを考えていますか。
A、ここまで90分間で敗戦したのは柏戦だけなので、その借りを返すというわけではないですが、個人的にも悔しい試合だったので、必ず勝ちたいと思います。前節の水戸ホーリーホック戦も強度を高く保ちながら複数得点で勝つことができたので、それを継続したいです。

Q、松橋力蔵監督が『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし』という話をしたということですが、その言葉を聞いてどのように感じましたか。
A、その通りだと思いました。前回の柏戦も、自分が垣田選手にボールが入るところを潰し切れないシーンが多かったので、そこを潰すことができるかという想いもあります。松橋監督の言葉と自分が思っていたことが一致していて、確かにその通りだと感じました。

Q、5ゴールを挙げた後の試合は、フワっと試合に入りがちなところがどうしてもあるのではないかと思います。松橋監督の言葉を聞いて、チームの雰囲気はどのように変わりましたか。
A、5得点しましたが、2失点しているので、チームとしても5ゴールを挙げたという感覚の試合ではありませんでした。試合内容も攻守の入れ替えが多かったので、そこまで5点をとったことについては意識していません。

Q、ここから全ての試合に勝っていくというところは変わりませんが、この試合の重要性と試合のポイントになる点について教えてください。
A、残り試合はすべて勝つしかないので、どこが相手でも90分間で勝ち切ることを意識したいです。相手の守備は上手なので、自分を含めて潰し切るところはしっかり潰して、個人のところでも負けないようにしたいです。攻撃では、いろいろな攻撃ができるようになってきているので、うまく使いわけながら、早めに先制点をとって、自分たちのゲームにしたいと思います。 

Q、相手がボールを回してくるなかで、東京もボールを回したり、カウンターで速い攻撃をしたりと両方の選択をすることができますが、その点についてはどのように考えていますか。
A、前節の水戸戦もカウンターで点をとったり、何本もパスを繋いで点をとれていたので、そこは継続したいです。練習でも松橋監督に「質を高めていこう」と言われているので、そこは高めていきたいです。また、セットプレーでも点をとれるようにしていきたいです。