GAME RESULT試合結果

2011/12/17(土)
観衆 6,242人 
天候 晴、無風 気温 16.1度 湿度 % 
主審:今村義朗 副審:原田昌彦/武田光晴 四審:

天皇杯 4回戦

ケーズデンキスタジアム水戸

FC東京

1-0

試合終了

前半1-0

後半0-0

水戸ホーリーホック

FC東京 水戸ホーリーホック
・8分:Own Goal 得点者
選手交代
10 シュート 10
3 GK 10
7 CK 2
23 直接FK 15
3 間接FK 8
3 オフサイド 8
0 PK 0
' 24 徳永 悠平 警告 ' 6 鈴木 隆行
' 36 島田 祐輝
' 83 尾本 敬
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 33 椋原 健太
DF 3 森重 真人
DF 6 今野 泰幸
DF 2 徳永 悠平
MF 10 梶山 陽平
MF 4 高橋 秀人
MF 18 石川 直宏
MF 39 谷澤 達也
FW 22 羽生 直剛
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 21 笠原 昂史
DF 25 代 健司
MF 8 村田 翔
MF 26 飯田 優二
FW 9 吉原 宏太
FW 13 岡本 達也
FW 11 常盤 聡
水戸ホーリーホック先発
GK 1 本間 幸司
DF 2 岡田 佑樹
DF 5 加藤 広樹
DF 4 尾本 敬
DF 20 塩谷 司
MF 28 小澤 司
MF 6 西岡 謙太
MF 24 ロメロ フランク
MF 15 島田 祐輝
FW 30 鈴木 隆行
FW 7 小池 純輝
水戸ホーリーホック控え

【選手・監督コメント】

目の前の一試合に集中して、準々決勝進出をめざす!

 天皇杯4回戦は、水戸ホーリーホックと対戦。リーグ最終節札幌戦はアウェイで無念の敗戦を喫し、はがゆさも残った中で今季ラストの大会に臨むことになる。大熊監督は「札幌戦は油断があったわけではないが、内容としては隙を突かれた格好になった。心身を切り替え、良い意味で優勝やJ1復帰のことは忘れることが大事。天皇杯という大会にどれだけ集中できるかが本当に大切。水戸も気持ちを込めて戦ってくるはずで、簡単にはいかない」と気を引き締める。

 対する水戸は、リーグ戦は17位で終えたものの、天皇杯では札幌に続き、G大阪を打ち破り“金星”ともいえる快進撃をみせている。J2優勝チームとしては絶対に負けられない相手だが、互いの手の内はわかっているだけに簡単には勝たせてくれないはずだ。なにより、何が起こるかわからないトーナメント戦。勝敗を分けるのは地力の差よりも、90分をとおして隙を作らないこと、また逆に相手の隙を見逃さず、チャンスにつなげられるかが大きなポイントになる。

 東京は、梶山がケガから先発に復帰。羽生がトップ下に配置するこれまでの布陣で臨むことに。梶山が「水戸には、個々に特長のある選手が揃う」というように、決定力のある水戸FW鈴木はもちろん、サイドのMF小池、島田にはドリブルもクロスもあるため、まず彼らのところまでボールを運ばせないような守備を心掛けたい。さらに攻撃の途中で仮に奪われても、高い位置からプレスを掛けることで、カウンターをくらわず、逆に大きなチャンスになるため、前線からの切り替えの早い守備も重要になる。

 天皇杯について、大熊監督が「クラブとして、伝統のあるチームに勝ち切ったり、アジアで戦うためにも、立ちはだかる壁があることは事実。しかしそこに向かって有言実行で挑戦し、自分たちの力で勝利をたぐり寄せたい」と決意を込めるように、目前の一試合に向けて集中力を保ち、最善を尽くしてまず準々決勝進出をめざす。試合はよく晴れたケーズデンキスタジアム水戸にて13時4分に東京のキックオフで開始された。

オウンゴールで先制するも、流れを掴めないまま前半終了

 試合は序盤に動いた。8分、左スローインから相手のクリアが短くなったところを粘り強く奪い返してつなぎ、羽生が左エリアにパス。これを谷澤は巧みなドリブルでゴール至近距離まで進入し、正面にラストパスを送る。ニアには梶山が詰めていたが、中央に抜けたところで相手DFがクリアしようとしたボールがネットにイン。東京らしい連係プレーでオウンゴールを誘い、先制を果たした。

 これで精神的には優位に立ち、試合を進められるはずだったが、水戸FW鈴木のキープ力を活かし、ファールを誘いセットプレーから相手にチャンスを作られる。それでもセットプレーから決定機を作る。19分には右サイドからのFK。石川がマイナス気味に出し、これを椋原がダイレクトでシュートするもGK正面に。22分には右CKから森重が頭で飛び込むもクリアされ再び左CKに。谷澤のキックに梶山がヘッドでコースを変えたが枠外に。

 24分、引き気味の谷澤がエリア右寄りのルーカスにくさびのパス。これをルーカスが巧みに収め、羽生との短いパス交換から中央へ。ここにフリーの梶山が走り込みシュートを放つも、相手DFに直前でブロックされた…。直後には中盤で奪い高橋が左サイドを駆け上がり逆襲。相手DFをかわし自らシュートを放ったが枠外に。その後は逆に水戸の2列目の飛出しから決定機を作られる場面もあったが、権田を中心に抑え、互いにチャンスを活かせずに前半を終了した。

最後は体を張って相手の攻撃を無失点に抑えて勝利!

 後半立ち上がりの47分には、水戸MF島田に裏に抜け出され、決定的な場面を作られたが権田が素早い飛び出しでセーブ。こぼれをエリア手前の水戸MF小澤に狙われたが、枠を外れてピンチを免れる…。その後も水戸の思い切りのよいプレーにピンチが続き、長い時間、苦しめられることになった。そのため57分には羽生に代わりロベルト セザーを投入。スピードを活かして追加点を狙おうとした。

 だがオフサイドにかかる場面も多く、リズムをつかみ切ることはできない。61分、右サイドを徳永がドリブルで駆け上がりクロス。これをルーカスが落とし、谷澤が中央から強烈なシュートを放つも前線のルーカスに当たってしまう。73分には石川に代えて田邉を投入。その直後には相手の右クロスが逆サイドにぬけて水戸MFMF小池がエリア内でフリーに。決定的なシーンであったがシュートは枠外に。ミスに助けられる。

 85分、森重が自陣でインターセプトし、自らドリブル。ゴール前まで持ち込むがシュートは打てず。ここからつなぎ、最後は田邉がCKを得るにとどまった。終了間際には、田邉の絶妙のスルーパスから、セザーが右エリアに抜け出し、シュートを放つがGKのセーブに阻まれ……。最後までゴールを割ることができず、オウンゴールでの1得点にとどまったが、水戸の反撃は集中を切らさず無失点に抑え、勝利。この結果、準々決勝にコマを進め、12月24日熊谷にて浦和レッズと対戦する。

 【選手コメント】《梶山》「相手がいる中でのゲームは久しぶりで最初は感覚がつかめず、ボールとのフィーリングもよくなかった。だが、徐々に慣れて後半は問題なく戦えたと思う。ケガの箇所も体力的にも大丈夫だった。(ゴールシーンは?)あの位置に入っていくことはもともと心掛けていることだが、入っていっただけで自分はないもしていない。ボールにも触っていないし。でもオウンゴールになって、触らなくてよかったかな(笑)。ボールが跳ねるピッチ状態だったが、自分たちのサッカーをブラさず、つなぐことにこだわった。その中でミスも多かったが、切り替えやカバーを意識して失点ゼロに抑えられたことはよかったと思う。90分をとおして身体を張れたこともよかったのではないか」

 《今野》「水戸の守備は、裏をケアするというより、人に対してはめてきて、僕たちはそこでボールが収まらず押し込まれることになった。自分たちの時間を作れず、これだけ相手にボールを持たれた試合は、今季はほとんどなかったが、ただディフェンス面では集中を切らさずに戦えたと思う。水戸は、味スタのときに自分は不在だったが、アウェイではアグレッシブに戦ってきたし、思い切りのよさもあった。いつも苦しめられているという印象。今日は勝つことができたが、一発勝負では一つのミスが命取りになる。そこは反省材料として次に活かしていきたい」

 【大熊監督の会見要旨】「1点を奪ってから少し気持ち的にもアグレッシブさが欠けた。特にボールを奪うところや守備のきっかけ作りがうまくいかなかった。やはりある程度ボールを持てる分、引いてもらうことが多くなってなかなかDFの裏に出ていく選手がいなかった。脅威という意味では少し足りなかったかなと感じました。ただ水戸もリーグ戦の終盤にはメンバーも固定されて非常に力が付き、今日は楽な試合ではないことは分かっていた。最後にスライディングをするようなシーンがあったが、権田を中心に高橋とか最後によく体を張っていたと思います。

 守備の粘りについてはリーグ戦でやってきたことが出たので、それが勝利に繋がったと思います。あと間延びしてきたときにドリブルなのかパスなのか、もしくは人を使うのかシュートなのか、という判断や精度はもっと上げないといけない。上のレベルに行くと同点にされたり逆転されたり苦しい試合になってしまう。次に向けて宿題ができた。しっかり解決して次の試合に臨みたいと思います」

 【水戸・柱谷監督の会見要旨】立ち上がりのオウンゴールがとても大きく響いたと思いますが、90分間とおして我々がやりたいこと、やらなければいけないことが全て出来たゲームだと思います。最後まで選手たちは良いファイトをしてくれた。これで負けたらしょうがないと納得出来るゲームでした。選手たちは本当によく頑張ってくれたと思います。(3回目の対戦で、3回を通して成長した点は?)全てにおいて今日が一番いいゲームで互角だったと思います。ベタ引きすることなくしっかりボールを追った。カウンターをくらっても慌てずしっかり守ることも出来た。本当に選手の成長を感じたゲームでした」