2026沖縄キャンプ 中間レポート<br />
『2年目の課題確認』<br />

INTERVIEW2026.1.21

2026沖縄キャンプ 中間レポート
『2年目の課題確認』

“力蔵トーキョー”の2年目は、沖縄で本格始動した。1月12日にキャンプインしてから約1週間が経過。今シーズンのめざすスタイルの輪郭が、徐々に浮き彫りとなってきた。

今シーズンの沖縄糸満キャンプの特長は、初日からここまで、より実戦に即したトレーニング内容となっている。すでに練習試合を2試合消化。初戦の名古屋グランパス戦では各選手に30分の時間が与えられ、オフ明けの身体を起こす狙いがあった。


続く15日のサンフレッチェ広島戦に向けては実際の公式戦に向けた準備とほぼ同じようなメニュー構成で臨み、試合では選手ごとの出場時間も少し延ばし、一人45~60分の時間を与えられていた。

そうしたなかで、チームは特にトレーニングではビルドアップの確認に多くの時間を割いてきた。新たな陣形の可変の仕方や立ち位置の確認など、キャンプ前半の一週間はそれぞれが松橋力蔵監督から与えられた課題に向き合ってきた。

一方で、その成果がこの2試合で出し切れたかというと、決してそうではない。サッカーは当然相手ありきだ。動かないマネキンが相手ではないからこそ、エラーはつきものになってくる。残りのキャンプや開幕までの期間は、そうした課題をここから克服していく時間となるだろう。

それも織り込み済みだ。高宇洋選手もこう口にしていた。

「昨シーズンは、本当に良いキャンプが過ごせたのに、そこからシーズン序盤は苦しんでしまった。そういう意味でもキャンプで色々な課題が出てくることは、悪いことじゃないと思っています」


チームを俯瞰的に見るボランチがこう話したように、実戦形式のトレーニングが多いことでポジションが近い選手や同じチーム同士で活発な話し合いが行われている。それぞれがアイディアを出し合い、課題感を確認しながらの試行錯誤は続いているようだ。今シーズンのそうした輪の中心には高選手だけでなく、新加入の稲村隼翔選手、橋本健人選手の姿もよく見かける。二人はアルビレックス新潟時代に松橋監督のサッカーを経験しており、指揮官の言葉を噛み砕いて伝えることができる彼らの存在は、チームや指揮官にとっても大きいはずだ。

そして若い選手たちが元気なのもこのキャンプの特長だろう。2026シーズンからトップチームに昇格した尾谷ディヴァインチネドゥ、菅原悠太、鈴木楓、田中希和の4選手は、それぞれが個性豊かで、はつらつとしたプレーでチームに活気を与えている。また元気な選手は他にもいる。昨シーズンのリーグ戦で出場わずか7試合に終わった常盤亨太選手も存在感を出してきた。出場機会が少なかったなかで、一人で始めた朝練習や二部練習の成果がここに来て花開こうとしている。常盤自身もその手応えをこう語っている。


「結果主義なので、そこに対しては全然満足はいっていない。ただ、自分のなかではちょっと変わったというか、求められているつなぐ部分で感覚がパッと開けた。そういう瞬間があって、名古屋戦や広島戦でも違う姿を見せられた。自主練習をやるなかで、自分のボールをとられない場所や置き場所を見つけられた。相手との距離感でどこに立てば良いのかも分かってきて、突然パッと開けたんです。でも、これをベースにしないといけない」

突然開けた視界が、さらなる成長を希求させる。

「今までの自分からは想像できないプレーができているから良いなと思ってくれるかもしれない。正直、それは当たり前。それができて、ようやく(ポジション争いの)土俵に乗った。1年間かかったけど、それにプラスアルファして結果を残さないと。自分は守備の選手なので、守備でボールを奪うのはもちろん、攻撃でゴール、アシストという結果も残さないと。自分が(ポジションを)掴む決定的な『絶対にオレじゃなきゃいけない』という理由にはならない。何が何でも結果を出して、特長を出して、それでいて自分のベースはやり続けたい」

こういう貪欲な選手が増えてくることで、チームの競争力も増していくはずだ。ここからキャンプは終盤に入っていく。当然、勘どころを押さえた経験豊富なベテランたちも黙っていないだろう。松橋監督が「より色を強めていきたい」という2026シーズン版の力蔵トーキョーは、一歩ずつ確かな歩みを続ける。


Text by 馬場康平(フリーライター