8/12 京都戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.8.12

8/12 京都戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>


中断期間明け最初のホームゲームは京都サンガF.C.との対戦。ルヴァンカップでも同組としてしのぎを削った京都には前半戦で0-2と敗れており、内容の面でも自分たちの持ち味をまったく出すことができなかった。一方、ルヴァンカップのグループリーグ最終戦では敵地で3-1と勝利しており、その再現でリーグ連勝を果たしたい一戦となった。

スターティングメンバーは前節のセレッソ大阪戦と変わらず、野澤大志ブランドン選手は味の素スタジアムでのJ1リーグ戦初出場を果たした。

1stHALF—渡邊選手の先制点&野澤大志選手のビッグセーブ

試合は東京のペースで進む。前半7分には森重真人選手のクリアボールをディエゴ オリヴェイラ選手がワンタッチで東慶悟選手へ。リターンを受けたディエゴ選手がボールを運び、ペナルティエリア手前で松木玖生選手とワンツーリターンをしてペナルティエリア内左の位置まで運び込んで左足を振り抜くが、枠を捉えることができない。

前半14分にはディエゴ選手がスローインを受けてスルーパスを出すと、松木選手が抜け出してゴールに向かったものの、飛び出してきた相手ゴールキーパーにキャッチされた。

前半が中盤に差し掛かってくると、京都がボールを握る時間が増えていき、ややオープンな試合展開となる。

東京は前半36分に森重選手からの縦パスを受けた小泉慶選手が右サイドの白井康介選手を走らせる。白井選手が右足でマイナス気味のクロスボールを入れると、一度は相手ディフェンダーに触られたが、こぼれ球に反応した東選手が冷静に後方へ落とす。そこに待ち構えていた渡邊凌磨選手が右足で流し込み、東京が先制した。

先手をとってからも東京の勢いは止まらず、前半38分には、スローインを受けた松木選手が逆サイドに展開すると、長友佑都選手がダイレクトで俵積田晃太選手にパスを通す。ドリブルで中央にカットインした俵積田選手が右足を振り抜くが、相手ゴールキーパーが鋭い反応で飛びついてゴールを割ることはできず。

前半終了間際には一瞬の隙を突かれ、山﨑選手にスペースへと抜け出されてペナルティエリア内に侵入される。1対1の決定的な場面だったが、野澤大志選手が冷静に間合いを詰めてシュートをブロックし、前半終了間際の大きなピンチをビッグプレーで凌いだ。

2ndHALF—東選手の豪快なボレーシュートで勝利を決定付ける

後半に入ると京都も勢いを持って前に出てくるが、東京も攻撃から守備への切り替えを意識し、素早い帰陣からゴール前を固めて反撃の隙を与えない。

一方で東京も前がかりになる京都の背後を突いてカウンターを仕掛けて反撃に出る。すると後半13分、豪快なゴールが生まれる。

ペナルティエリアの外で控えていた長友選手がセットプレーの流れで密集していたゴール前を避けて、ペナルティエリアの右のスペースへフワリとしたボールを入れる。エンリケ選手が頭でゴール方向に折り返すと、ニアサイドに詰めていた東選手が胸トラップから豪快に右足を振り抜き、対角線上のゴール左隅へと叩き込んでリードを2点へと広げた。


リードを広げてからは京都に押し込まれる時間帯もあったが、選手交代を重ねながらフレッシュな戦力を中心に試合をコントロール。後半38分にはホームデビューとなったジャジャ シルバ選手がペナルティエリアの手前で強烈なシュートを放つが、相手ゴールキーパーの必死のセービングの前にゴールを割ることができない。

その後、アディショナルタイムの5分も含めて京都には決定的な場面を作らせず、ややパワープレー気味に出てきた縦に速く高さを使う攻撃にも冷静に対処。2-0で試合を締め括り、リーグ戦連勝を果たした。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF白井康介/森重真人/エンリケ トレヴィザン/長友佑都
MF松木玖生(後半30分:塚川孝輝)/小泉慶/東慶悟(後半30分:ジャジャ シルバ)
FW渡邊凌磨(後半22分:仲川輝人)/ディエゴ オリヴェイラ(後半37分:木本恭生)/俵積田晃太(後半22分:アダイウトン)

SUBS
GKヤクブ スウォビィク
DF徳元悠平

GOAL
前半36分:渡邊凌磨/後半13分東慶悟

<京都サンガF.C.>
STARTING Ⅺ
GKク ソンユン
DF麻田将吾/井上黎生人(後半34分:アピアタウィア久)/福田心之助
MF川﨑颯太/金子大毅/谷内田哲平/山田楓喜(後半17分:原大智)/佐藤響(後半24分:三竿雄斗)
FW山﨑凌吾(後半24分:パトリック)/豊川雄太(後半17分:木下康介)

SUBS
GK太田岳志
MF松田天馬

GOAL


[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、良いパフォーマンスが出せたと思います。その中で勝ちに値するプレーが出せました。自分たちが良くできた部分が多くあり、チームとして自分たちが良いステップで成長してきていると思います。選手たちが自分たちの信念を持って戦ったことを誇りに思いますし、力を出し切ってくれました。良い時間を少しでも長くできるように、最終的には90分間継続できるようにしていければいいと思います。今日は本当に全体的に良いパフォーマンスを出せました。そのなかで選手たちが見せてくれた運動量、献身さ、そして熱を持って戦うということは、自分も監督として良い刺激を受けました。勝ちに値するプレーをするこができましたが、まだまだ成長できる部分、もっと改善できる点があると思いますので、それをチームとして、もっと良いパフォーマンスを出せるようにさらにステップを踏んでいきたいと思います。

Q、相手が想定していたようなハードワークではなく、ゆったりとした試合展開になったのは予想外だったでしょうか。
A、すべて予期して準備してきましたし、相手が何をやってきても対応できるように練習をしてきました。そのなかで我々にとっては自分たちのフットボールをしっかりとできるようにすること、そして自分たちで試合をコントロールしながら最大限のパフォーマンスを出していけるようにするだけです。今日は本当に選手のパフォーマンスが良く、勝ちに値するものでした。彼らがしっかりと戦い切ってくれました。ファン・サポーターのためには、あと数点お見せできればよかったと思います。ファン・サポーターには本当に感謝しかないです。彼らが本当に素晴らしい雰囲気を作ってくれて、選手たちの背中をしっかりと押してくれています。そして、選手たちも彼らに笑顔で家に帰ってもらうことができて、非常に嬉しく思っています。

Q、選手たちはミスを恐れずにドリブルでボールを運べていましたが、それも良かった点のひとつでしょうか。
A、そこは絶対そうだと思います。そのなかで良いフットボールができていたと思いますし、自分たちが使いたかったスペースをうまく使えて、京都の裏をうまく取って脅威になれていた部分もありました。そうした良い部分が出ていた場面では、ファン・サポーターも立ち上がって興奮するようなシーンがありました。それを最後まで選手たちが出し切ってくれたことは良かったと思います。

Q、ジャジャ選手のスピードや、負傷者も戻ってきてオプションが増えてきました。
A、何があっても、どういった状況のなかでもみんなで乗り越えられるチームを作っています。良いパフォーマンスは出したと思いますが、しかしまだ自分たちはすべての要素で磨きをかけられる部分があると思います。一つひとつ積み上げを行いながら成長できれば良いと思いますし、今夜はそれができました。今、選手たちは明確に戦い方を理解しながら戦ってくれていると思います。自分たちの決まりごとを守って戦うことが自分たちの基盤になっています。そういった自分たちの決まりごとのなかで、個が輝いてくれることが大切です。今日はその良い例でしたが、まだまだやるべきことは多くあると思っています。


[選手インタビュー]
<東慶悟選手>


Q、一瞬の判断で渡邊凌磨選手の得点をアシストしました。
A、プレーするなかで常に確率を意識しています。あのシーンはゴールが決まる確率を考えた時に、渡邊選手にパスを出した方が得点に繋がると判断しました。落ち着いて、確率の高いプレーをチョイスできたと思っています。

Q、久しぶりとなる東選手のゴールが勝利を大きく手繰り寄せました。
A、エンリケ トレヴィザン選手にボールが渡った時に、折り返しが来るだろうなという雰囲気を感じていました。落ち着いたトラップから相手と入れ替わり、うまく足にボールを当てることができました。日々のトレーニングで児玉剛選手にシュート練習を付き合ってもらっています。トップ下のポジションで出場する機会も増えてきていますし、練習を重ねてきた部分が冷静にシュートを打つことに繋がりました。続けていきたいと思います。

Q、トップ下として攻撃にどのように関わり、相手の守備をどのように分析していましたか。
A、相手が捕まえにくいポジションにうまく移動すること、攻撃のリンクマンとして繋ぎ役として組み立てること、ボックスに進入することの三つを意識しました。守備においては、前線から守備のスイッチを入れ、相手に自由を与えないことをディエゴ オリヴェイラ選手と連携を取りながらプレーしました。ゴールを決めることはできましたが、試合を通して、自陣でプレーする時間が少し長くなってしまった印象です。選手たちが前向きなプレーを増やしていけるように、ここから意識して取り組んでいきたいと思います。


<渡邊凌磨選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、試合を通して流れの悪いタイミングもありましたが、そこで失点をせずに集中してプレーできたことが、結果として今日の勝利に繋がったと思います。

Q、4か月ぶりの得点となりました。得点シーンを振り返ってください。
A、4か月ぶりの得点だったので、素直に嬉しかったです。得点シーンは東慶悟選手が良いパスを出してくれたので、ゴールに流し込むだけでした。しっかりと枠をとらえ、得点に繋げられて良かったです。

Q、最近の試合では攻撃における役割も変わってきていると思います。
A、クラモフスキー監督から与えられた役割をプレーすることは前提にありますが、自分にできることをさらに増やして得点に多く絡みたいと思っています。トレーニングを通して日々成長できるようにやっていきます。

Q、次節に向けて意気込みをお願いいたします。
A、次は横浜F・マリノスという調子の良いチームが相手ですが、今日のようにまずは失点をしないように試合を進め、チャンスがあればしっかり決め切って勝ちたいです。アウェイですが、しっかり勝てるように1週間良い準備をしていきたいと思います。


<白井康介選手>


Q、古巣対戦となった本日の試合の振り返りをお願いします。
A、やりにくさと楽しみが入り混じった90分でした。ゴール前にクロスを送る回数も多かったと思いますし、攻撃の良い形を作ることができました。勝利できたことが一番嬉しいですし、イメージした通りのプレーも多くできたと思います。

Q、今シーズン途中まで所属していた京都サンガF.C.を対戦チームとしてどのように分析しましたか。
A、ボールを持った時に食いついてくるだろうな、とは思っていました。ボールを受けた後にワンツーパスで剥がすプレー、右サイドの深い位置を取るプレーは一つ狙い通りに表現できたと思います。

Q、公式戦3戦目にして、初のホームゲームでした。ピッチに立った感想はどうでしたか。
A、ホームの味の素スタジアムに多くのファン・サポーターのみなさんが詰めかけてくれたなかでプレーできて、また何より勝利で終えられて嬉しく思います。初のホームゲームを最高のスタートにしていきたいと思います。ファン・サポーターのみなさんの応援はとても迫力があり、力になりました。

Q、白井選手自身の特長を活かして、ここからどのように貢献していきたいですか。
A、僕自身の一番の武器としているスプリント能力を活かして、今日の試合のように右サイドから多くのクロスと得点に繋がるプレーを見せていきたいと思います。