5/20 鹿島戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.5.20

5/20 鹿島戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
約5万6千人が集った国立競技場での『多摩川クラシコ』を制した勢いを保ちカシマサッカースタジアムに乗り込んだ東京。スタメンは前節から変更はなく、川崎戦で1ゴール1アシストの活躍を見せた徳元悠平選手は左サイドバックでのスタートとなった。

ミッドウィークにセレッソ大阪とのルヴァンカップが挟まるが、リーグ戦ではこの試合から鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスといった上位チームとの3連戦に突入する。今後の東京のシーズンの行方を占う意味では大きな意味を持つゲームであることは言うまでもない。まずはその初戦のキックオフを迎えた。

1stHALF—ディエゴ選手のペナルティキックで追い付く

5連勝中の鹿島の強さはやはり本物だった。前半6分、サイドの深い位置でスローインを取られると、左サイドバックの安西選手にクロスを入れられる。ボールは木本恭生選手と森重真人選手の間でフリーになっていた垣田選手のもとに入り、頭で流し込まれて先制を許した。

しかし、先制点を奪ったことで鹿島の守備意識が高まり、前線からプレッシャーに来ることがほとんどなく、東京がボールを握りスムーズに敵陣に入っていく時間帯に突入する。セカンドボールの回収でも先手を取れる場面が多く、相手を自陣に押し込む時間を長くしていった。

そして前半21分に渡邊凌磨選手のパスを受けたディエゴ オリヴェイラ選手が前を向き、相手守備陣の背後を取った仲川輝人選手にラストパス。惜しくも相手ディフェンダーにカットされて決定機には至らなかったが、相手を崩す道を作り出した。

その後も相手陣内で試合を進めた東京は、前半25分にペナルティキックを獲得する。安部柊斗選手がペナルティエリア角付近からループパスを入れると、ディエゴ選手が関川選手に後ろから倒される形になった。このチャンスをディエゴ選手が自ら冷静に決めて、東京が前半のうちに同点に追い付いた。


スコアを振り出しに戻してからは、またしても一進一退の攻防に戻っていく。鹿島の強度が上がるなかでも東京は丁寧にボールを動かして試合を進めていく。ネットを揺らすことこそできなかったが、良いリズムを保ったまま前半を終えた。

2ndHALF—塚川選手のボレーシュートは左ポストを叩く

後半開始から動いたのは東京。仲川選手に代えて塚川孝輝選手を入れ、塚川選手が左ウイングに入り、渡邊選手が右ウイングにスライドした。この2選手はワイドに張り続けるのではなく、頻繁にポジションを入れ替えながらパスを引き出し、攻撃の活性化を担った。

対する鹿島も後半の早い時間帯に土居選手と佐野選手を入れ、お互いにフレッシュな選手のパワーを使い、勝ち越しゴールをめざして激しい中盤の主導権争いを繰り広げた。

試合を追うごとにピッチにスペースが生まれ始め、両チームともに素早い攻守の切り替えを起点にゴールへと迫るシーンを増やしていく。深い位置でのセットプレーも増えてきたが、お互いの守備陣の集中力が高く、決定的なチャンスと呼べるシーンは生まれない。

そんな拮抗した展開を打開すべく東京が動く。後半29分にバングーナガンデ佳史扶選手と俵積田晃太選手を投入し、前線は塚川選手を中央において右ウイングに俵積田選手、左ウイングに渡邊選手が入った。

残り時間が10分を切ってもお互いの運動量と球際での激しさは落ちず、テンションの高い攻防が続く。後半39分には東京にビッグチャンスが訪れる。バングーナガンデ佳史扶選手が左からのコーナーキックをニアサイドに入れると、渡邊選手が頭で後方にすらし、ファーサイドに残っていた塚川選手がダイレクトボレーシュート。地面に叩きつけて対角線に飛んだシュートだったが、惜しくも左ポストを叩き、詰めていた木本選手のシュートはゴール上へと逸れた。

後半44分には切り札としてアダイウトン選手をピッチに送り込み、一瞬の隙を突いて仕留められるカウンターのチャンスに備えた。しかし、最後まで鹿島の守備強度は落ちず、相手陣内でボールを持つものの、ゴールに迫る場面は作れずに1-1で試合終了を迎えた。上位との3連戦は、敵地で勝点1を手にする結果となった。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都(後半29分:バングーナガンデ佳史扶)/木本恭生/森重真人/徳元悠平
MF小泉慶/東慶悟/安部柊斗
FW渡邊凌磨(後半44分:アダイウトン)/ディエゴ オリヴェイラ(後半29分:俵積田晃太)/仲川輝人(後半0分:塚川孝輝)

SUBS
GK野澤大志ブランドン
DFエンリケ トレヴィザン
MF青木拓矢

GOAL
前半28分:ディエゴ オリヴェイラ

<鹿島アントラーズ>
STARTING Ⅺ
GK早川友基
DF広瀬陸斗(後半30分:常本佳吾)/植田直通/関川郁万/安西幸輝
MF樋口雄太(後半30分:アルトゥール カイキ)/ディエゴ ピトゥカ
FW名古新太郎(後半11分:佐野海舟)/仲間隼斗(後半11分:土居聖真)/垣田裕暉(後半19分:知念慶)/鈴木優磨

SUBS
GK沖悠哉
DF昌子源

GOAL
前半6分:垣田裕暉


[アルベル監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、最初の10分のプレーには満足できませんでしたが、我々のゲームプランは相手以上に集中してスタートし、なるべく早い時間に先制するプランでした。逆に相手にやられてしまったことは満足できません。彼らも試合のスタートのところでインテンシティを高くしてダイレクトプレーを多用してくると予想していたので、それに対応することが当初のゲームプランでした。

早い時間帯に失点しましたが、その後も気持ちを切り替えて時間が経つごとに試合に入り込めたと思います。良い形でチャンスも作れて、その流れから同点ゴールが生まれました。その後も拮抗した試合が続き、相手には決定機をそれほど作らせず、試合終盤には逆転のチャンスも作れたと思います。拮抗した試合で選手たちはしっかりと戦ってくれました。試合の流れのなかで仲川輝人選手と長友佑都選手が少し違和感を抱えたため、ゲームプランとは違う交代が二つありましたが、その状況でも代わりに出た選手が上手く適応してくれたと思います。

最後にこの素晴らしいスタジアムで、素晴らしい雰囲気のなかでプレーできたことを感謝しています。鹿島アントラーズのサポーターのみなさんにも、東京から来てくれたファン・サポーターのみなさんの両方に感謝したいと思います。ヨーロッパから来た私としては、このような雰囲気でプレーすることでより高いモチベーションを持つことができます。

Q、仲川選手とはタイプの異なる塚川孝輝選手を入れた際の攻撃のプランはどのようなものでしたか。
A、選手の特徴からすると、仲川選手に代えるべき選手はもしかしたら俵積田晃太選手だったかもしれません。ただ、鹿島の武器はカウンターアタックと相手を押し込んだ際のクロスボールからの攻撃です。その意味では、守備での貢献度の高い塚川選手を入れて、相手のサイド攻撃に対応する狙いがありました。後半がスタートする時にサイドバックとウイングの特長を踏まえた上で、左サイドバックの徳元悠平選手は足元のプレーを得意とするので、その前に塚川選手を入れ、右サイドにはより足元の得意な渡邊凌磨選手を入れ、長友選手にスペースに飛び出してもらう意図を持っていました。塚川選手の武器はスペースへの飛び出しです。今日もその部分を上手く生かしてチャンスを作ってくれていたと思います。


[選手インタビュー]
<ディエゴ オリヴェイラ選手>


Q、早い時間に先制されて焦りもありましたか。
A、相手チームが、とくに試合の始まりはハイプレスでくることは分かっていましたし、ハイボールでくることも分かっていましたが、分かっているなかでも点を取られてしまったところは反省するところがあります。失点した後、私たちはボールをつなぐことでコントロールできたので、良い形で試合は進んだと思います。後半、ポストに当たるなどもう少しでゴールというところもありましたが、そこは運もあります。全体で見ると、非常に勢いのある相手チームで、アウェイで勝点1を取れたのは悪くはないと思っています。

Q、ペナルティキックのシーンを振り返ってください。プレッシャーもあったと思います。
A、相手のサポーター側のゴールだったこともありますし、残念ながらアルビレックス新潟戦でペナルティキックのチャンスを外してしまったこともありましたので、プレッシャーはもちろんありましたが、あのような場面ではより落ち着かなければならないと思っていますので、落ち着いて得点ができて、チームにも貢献できたと思います。

Q、この試合を次にどのようにつなげていきたいですか。
A、このあと上位のヴィッセル神戸と横浜F・マリノスとの試合もありますし、その前にはルヴァンカップもあります。来週は2試合ありますので、その前にまずは力を蓄えるためにしっかり休んで、次の試合に向けて準備していきたいと思っています。


<木本恭生選手>


Q、入りを大事にしていたなか、早い時間に取られてしまった先制点がゲームを難しくしてしまったと思います。
A、チームとして、前半の10分、15分で先制点を取ろうという気持ちで試合に入りました。クロスは警戒していましたが難しい対応になってしまいました。責任を感じていますし、そこでリズムを向こうに渡してしまったことが反省点ですね。

Q、森重真人選手との間できれいに合わされてしまった失点でした。
A、森重選手とも話しましたが、お互いの意見がありました。森重選手は僕にマークに付いて欲しかったようですが、自分としては垣田選手が見えていませんでした。今日の失点は、しっかりと話して今後に向けて解決できると思いますし、その後の守備についてはしっかりと対応できたと思うので、最低限1失点で抑えられたのは良かったです。

Q、先制された後に切り替えられたことで、前半のうちに追い付けたということですね。
A、集中を切らさず、追加点を取られることもなくペナルティキックで追い付いて、逆転できる雰囲気もありました。次にしっかりとつながる試合ができたと思います。

Q、前半はボールを持てる時間もあったが、後半はロングボールが増えたようにも見えました。
A、相手はボールを持たせてくれるところもありましたが、逆にカウンターを狙っていましたし、相手の狙いに乗らないように長いボールを使った場面もありました。もう少し、ボールをつなぐところがあっても良かったと思いますが、チームとしての狙いもあるので全員が共通認識を持ってプレーしていけば良いと思います。攻撃面ではさらなる工夫が必要ですね。

Q、好調な鹿島アントラーズとのアウェイゲームで勝点1を持って帰れることについては、いかがですか。
A、最低限、負けなかったことは良かったと思います。ここから、上位との対決が続くので、そういう意味では勝点1は今後につながると思います。次は首位を走っているヴィッセル神戸が相手ですが、負けたくありませんし、来週の水曜日にはルヴァンカップもあるので、チーム全体で良い準備をしたいと思います。


<小泉慶選手>


Q、試合を振り返っていかがですか。
A、立ち上がりの入り方が、勝敗を左右する試合だと思って臨みました。先に失点してしまったことは反省点ですが、改善できていた部分もありました。勢いのある相手とのアウェイゲームで、雰囲気に飲み込まれそうな場面もありましたが、最低限の結果は得られたと思います。ですが、このような試合を勝ち切る力はチームとしても欲していますし、個人としても勝利に導くプレーを今後見せていきたいと思います。

Q、実際に対戦した鹿島アントラーズの印象はどうでしたか。
A、予想通りの強さと勢いを感じました。何といっても、このスタジアムの一体感に圧倒されました。あらためて、鹿島は良いチームだなと思いました。独特の雰囲気に東京の選手が飲み込まれることなく、良い意味で淡々とプレーしていました。焦れることなくプレーできていた点は良かったと思います。

Q、球際の強度の部分が重要となった一戦に見受けられました。
A、球際やセカンドボールの回収で局面のバトルが発生することは事前に分かっていました。もっと拾える場面や自分たちのボールにできたシーンもありました。インサイドハーフとしてプレーするからには、継続性をもって積み重ねていきたいと思います。

Q、最低限の結果を得られたと思います。この結果をどのように振り返りますか。
A、連勝しなければ、優勝争いには食い込めませんし、だからこそ勝ち切りたかった試合でした。来週はルヴァンカップとリーグ戦の連戦になります。チームとして今後のキーになる試合になると思うので、今日は最低限の結果を得られたとポジティブに捉えて、勝利の流れを作っていきたいと思います。

Q、今シーズン先制を許すと勝利がありません。今後に向けて大事になることを教えてください。
A、今日も勝てるチャンスはありました。当然、先制点を取られないことが重要ではありますが、与えた後でも焦れることなく同点に追いつき、一つずつ得点を重ねていくしかないと思います。先制点を許しても、逆転できる力をつけていかないと優勝は絶対にできないと思うので、日々の練習から積み重ねていきたいと思います。

Q、小泉選手の最後まで走り抜く姿が非常に印象的でした。
A、インサイドハーフというのは走ってなんぼのポジションです。それに加えて今日の試合で何ができたのか、と問われると何もできませんでした。悔しい試合になりましたが、試合が続くので、しっかりとプレーしていきたいと思います。


<塚川孝輝選手>


Q、どのような役割を与えられての出場だったのでしょうか。
A、点を取りたい意図があったと思いますので、僕の役割はゴールを決めることだったと思います。

Q、仲川選手とはプレースタイルが異なりますが、左サイドに入った時にどのように打開することを考えましたか。
A、僕自身はサイドに張って何かができるわけではありません。僕のプレースタイル的には、中に入って周りと上手く連動しながら崩すという形が良かったのですが、ゲーム展開的には繋ぐというより、前にどんどん行こうという感じでした。起点になる部分だったり、あまり(中盤に)落ちすぎるとセカンドボールが拾えないので、そこは意識しながら前線に残ったりしていました。

Q、チームとしても繋ぐというよりは、相手との兼ね合いも考えて、多少長いボールも併用する形でしたか。
A、それが上手くいったのが川崎フロンターレ戦だったと思うので、両方を上手く使い分けることができたらと思います。

Q、ボレーシュートのシーンを振り返ってください。
A、あれは決めなければいけないシーンでした。相手選手が目に入ってしまって、思い切り振り抜くというよりかは狙ってしまったので、もっと振り抜けたら良かったと思います。右には相手選手がゴールカバーに入っていたので左しか空いていないと思ってそこを狙ったのですが、ポストに当たってしまいました。

Q、勝点1を持ち帰る試合となりました。
A、それは最低限だと思うので、やはりこうしてアウェイまで足を運んでくださっているファン・サポーターのみなさんのためにも勝点3がほしいですし、いっしょに勝利を分かち合いたいと思っています。全然満足はしていないです。しっかりこれを次の試合に活かしたいと思います。