4/19 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.4.19

4/19 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
ルヴァンカップは第4節、グループステージの後半戦に突入した。ホーム味の素スタジアムに迎えるのはガンバ大阪。アウェイでの試合終盤に立て続けに失点して敗れた前節の悔しさを晴らすために、ホームの声援を受け、なんとしても勝点3を獲得したい。

東京は、加入内定を発表したばかりでJFA・Jリーグ特別指定選手の安斎颯馬選手がスタメンでピッチに立った。安斎選手を右サイドバックに置き、左サイドバックには長友佑都選手を起用。ダブルボランチは東慶悟選手と青木拓矢選手のベテランコンビが務め、前線に若い選手を多く起用したチームのセンターラインを引き締める。

1stHALF—プロデビューの安斎選手が躍動

立ち上がりは相手にボールを保持されて前線からボールを追う展開。マイボールになってからもなかなかボールが落ち着かず、自分たちのペースに持ち込むことができない。

それでも、15分を過ぎたころから東京に流れが傾いてくる。最終ラインから徹底してボールをつなぐと、相手の前線からのプレスをいなして東選手、青木選手が中央でボールを引き出しながら、じわじわとガンバ大阪陣内に入っていく。

トップ下の位置に入った塚川孝輝選手、渡邊凌磨選手が相手ペナルティエリア付近でボールを収めて時間を作ると、複数の選手がボールホルダーにサポートに入り攻撃を活性化させた。

Jリーグの公式戦デビューとなった安斎選手は積極的に高いポジションをとり、果敢に仕掛けて相手ディフェンスの背後をとっていく。フィニッシュにつながるプレーまでは至らなかったが、球際の強度や反応速度でもプロ相手にひけをとらず、対面の選手との1対1ではドリブル突破で股抜きを仕掛けたり、守備では身体を入れてボールを奪い返す場面も見せた。

フレッシュな戦力の躍動もあり、東京が試合の主導権を握ったまま試合を折り返す。

2ndHALF—塚川選手の今シーズン初ゴールで勝点3を獲得

後半に入っても東京の姿勢は変わらない。球際で強さを前面に出して戦い、マイボールは簡単に蹴り出さずに後ろに戻してでもつないで、ボールを保持しながら攻撃を組み立てる。

ビルドアップの途中でミスからボールをロストし、一気にゴール前までボールを運ばれる場面もあったが、前線から人数をかけてボールホルダーにプレッシャーをかけ、奪った後もボールをつなぎながら前がかりに相手ゴールに向かっていく。

ボールを保持するものの、相手の守備ブロックを攻略できない時間が続くなかで、潮目が変わったのは後半26分だった。ガンバ大阪の山本選手が危険なプレーで退場処分になると、数的優位に立った東京が攻勢の色を強くする。

後半29分、自陣ペナルティエリア付近で相手の攻撃を食い止めると、自陣左サイドでアダイウトン選手が拾ってドリブルを開始。スピードに乗って左サイドを駆け上がり、カットインのフェイントをかけてスペースをつくると、左足でクロスボールを入れる。ゴールから離れていくマイナス気味のボールはニアでマークを引きつけたペロッチ選手の頭上を抜け、後方から飛び込んでいた塚川孝輝選手が右足ダイレクトでボレーシュート。ゴール左隅へと豪快に流し込んだ。

先制したあとも攻撃の手を緩めない東京。積極的に相手ゴールをめざし、陣形をコンパクトにして後方からも押し上げているため、ボールをロストしてもすぐにセカンドボールを回収して分厚い攻撃を仕掛けていく。

試合終盤は自分たちがボールを保持することができず、相手の素早い攻撃を受けてしまう場面も見られたが、球際で戦うことで集中力を保ち、1点のリードを守ってタイムアップを迎えた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF安斎颯馬/木村誠二/エンリケ トレヴィザン/長友佑都
MF東慶悟(後半36分:野澤零温)/青木拓矢/塚川孝輝
FW渡邊凌磨(後半14分:寺山翼)/熊田直紀(後半14分:ペロッチ)/俵積田晃太(後半24分:アダイウトン)

SUBS
GK児玉剛
DF鈴木準弥/東廉太

GOAL
後半29分:塚川孝輝

<ガンバ大阪>
STARTING Ⅺ
GK東口順昭
DF福岡将太/髙尾瑠/クォン ギョンウォン/江川湧清(後半36分:藤春廣輝)
MF山本理仁/食野亮太郎(後半27分:杉山直宏)/倉田秋(後半36分:柳澤亘)/中村仁郎(後半27分:山見大登)
FW宇佐美貴史(後半18分:石毛秀樹)/鈴木武蔵

SUBS
GK石川慧
DF佐藤瑶大

GOAL


[アルベル監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、前半はしっかりとボールとともに試合を支配している時間帯が長くありました。渡邊凌磨選手、塚川孝輝選手がトップ下の位置で良い攻撃を構築してくれていました。彼ら二人が良い形でライン間でプレーすることで良い距離感ができて、右サイドバックの安斎選手がフリーになり、そこからチャンスを作ることができました。

後半のスタートも同じ流れが作れていたと思います。そこに相手選手の退場があり、その時間帯にアダイウトン選手を投入し、彼の活躍でゴールにつながりました。試合終盤に東慶悟選手が足を攣って交代せざるを得なくなった後のラスト7、8分は良いプレーができていなかったことは改善点だと思っています。ボールを保持する形で守備をして試合を終わらせるのが私たちの理想ですが、それができていませんでした。若い選手にはボールを保持することが最大の良い守備になることを学んでほしいと思います。

そして今日は、安斎選手のプレーを称えたいと思います。プロとしてのデビュー戦にもかかわらず素晴らしいプレーを見せてくれました。彼のようなクオリティの選手は、短い時間でもチームに適応して活躍できることを示してくれました。


[選手インタビュー] 
<塚川孝輝選手>


Q、ピッチを走り回るプレーが印象的でした。
A、原点に立ち返り、僕自身が本来やるべきことを意識しました。仲間のために走ることをもう一度、表現する試合にしたい気持ちでした。満足はしていませんが、チームの勝利に貢献できたことを嬉しく思います。

Q、圧巻のゴールでした。振り返ってみていかがですか。
A、アダイウトン選手がいいボールを送ってくれました。ボールに上手く当てるだけでしたので、アダイウトン選手に感謝しています。

Q、あれだけ走りぬき、ゴールを決める。スーパープレーでした。
A、力が上手く抜けたシュートだったと思います。

Q、今日のプレー全体を振り返っていかがですか。
A、チームとして縦に送るパスを意識した試合でした。特に渡邊凌磨選手と良い関係性を持ってプレーできました。ですが、ボールを受けた後、前を向くプレーやゴールに絡むプレー回数が足りなかった印象です。ここから、仲間としっかりと合わせていきたいと思います。

Q、4月の公式戦初勝利となりました。ここからのリーグ戦にも良い流れが生まれそうですね。
A、今のチームには、勝利が必要でした。長友佑都選手が先頭に立ち、チームを盛り上げていますし、何が何でも勝つ、というメンタルをチームに植え付けてくれています。試合内容として、まだまだ突き詰めていく必要がありますが、勝利への執念を出せた試合になったと思います。

Q、若い選手、経験豊富な選手が上手く融合し、機能した試合になったと思います。
A、チームとして勝ちたい、という想いが一つになった試合でした。若い選手、経験のある選手、さまざまいますが、今日は一体感を持ち、攻守において力を発揮できたと思います。

Q、あのチャンスシーンで振り抜くプレーを見せられるのが、塚川選手の良さだと思います。
A、今シーズンはそのようなチャンスシーンに関わり切れなかったので、走ること、ボックストゥボックスのプレー、ゴール前に顔を出せる選手になるために、もう一度頑張っていきたいと思います。

Q、シュートコースは完璧でしたか。
A、完璧でしたね。クロスに対して逆らわず、ミートさせるだけでした。ゴールにしっかり入ってくれて、ホッとしました。個人としても結果を欲していましたので、ここからチームのために更に頑張っていきたいと思います。

Q、仲間を生かすプレーが特に目立っていた印象です。
A、仲間のために走り、スペースを生み出すこと、球際で負けないこと、斜めに走るプレーで、反対サイドにスペースを作り、仲間が多くの選択肢を持てるように意識しました。“無駄走り”という言葉もありますが、僕自身がチームの勝利のために一番必要なプレーだと思っています。

Q、今日の試合がデビュー戦となった安斎颯馬選手とのコンビネーションも良かったと思います。
A、思いきりの良いプレーでしたので、僕自身も合わせやすかった印象です。デビュー戦とは思えない、勢いのある良いプレーでした。

Q、ファン・サポーターとともに「シャー!」をした感想を教えてください。
A、ちょっと、恥ずかしかったですが、ファン・サポーターのみなさんと喜びを分かち合える瞬間をこれからも大切にしていきたいと思います。


<安斎颯馬選手>


Q、プロデビュー戦を振り返ってみてどうでしたか。
A、スタメンが発表されてから、本当に強い気持ちでこの一戦に挑みました。東京が勝てていないなかで、自分が出場して負けたと言われたくなかったので、まずはチームが勝てたことが本当に良かったです。

Q、試合で意識したことは何ですか。
A、初出場だったので、思い切ってプレーするだけでした。決して弱気にならず、ミスしても強気で戦うということを意識していました。

Q、攻撃の起点になっていましたが、手応えはいかがでしたか。
A、まだまだボールロストも多かったですし、プレースキッカーを任されたなかで精度も悪かったので、もっと改善できると思います。ここで90分間プレーできたことは今後の自分にとってプラスだと思うので、さらに質を上げていきたいです。

Q、最後は足を攣っていたなかでのプレーだったと思いますが、戦う気持ちが全面に出ていたように感じました。
A、交代枠も使い切ったあとだったので、いなくなるわけにはいかなかったので、最後は倒れてでも走ってやろうという気持ちで戦いました。

Q、塚川選手が中に入り、安斎選手がサイドでフリーになる形がありましたが、練習でも取り組んでいたのでしょうか。
A、左サイドで作っているときに、塚川選手や渡邊選手が中で作り、外の自分が勝負するという形は、練習通りできたと思います。

Q、満足いかなかった点はどのようなところですか。
A、今日はヘディングが強い選手がいましたが、キックがファーサイドに流れてしまうことが多かったので、申し訳なかったと思っています。

Q、セットプレーで合わせる練習は、十分にやれていないと思いますが、どうでしたか。
A、中央で強い選手がいるので、勝負させてあげられるようなボールを蹴ろうと意識していたのですが、力みもあって上手く蹴れませんでした。

Q、プレーでも気の強さが出ていました。
A、自分の特長は戦う姿を見せることだと思っているので、東京が勝てていないなかで勝利させるという強い気持ちをもって挑めました。

Q、緊張はしましたか。
A、めちゃくちゃしました(笑)。

Q、スタメンを知ってから、試合までどのような心境でしたか。
A、昨日の小平グランドでの練習後に知ったのですが、昨日の練習中から予想はできていたので、一晩かけて気持ちの整理や試合でのプレーをイメージして、準備していました。

Q、実際に味の素スタジアムでのプレーはいかがでしたか。
A、アカデミーの時から何試合もスタンドで観戦していたピッチですし、改めてここに立つことができて、本当にうれしかったです。ただ、ここからが本当のスタートだと思うので、結果を出して、リーグ戦に出られるように頑張っていきたいと思います。

Q、勝利のシャーは5年ぶりかと思いますが、どうでしたか。
A、熱かったです。試合中も声援に助けられましたし、ファン・サポーターの姿をみて改めて戦おうと思えたので、本当に心強かったです。