4/22 広島戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2023.4.21

4/22 広島戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・セレッソ大阪戦のレビュー> 

そのひと振りは、スタジアム全体の度肝を抜くアクロバティックで、豪快で、美しく、一瞬の静寂と爆発的な歓喜を生み出した。

強い雨に打たれた味の素スタジアムのピッチはスリッピーで、ボールをコントロールするには非常に難しいコンディションだった。

それでも、東京の選手が技術の高さを発揮し、徹底してショートパスをつないで「ボールとともに旅をする」サッカーを実現。前がかりになる分、カウンターを受けた際には一気にゴール前まで運ばれてしまう場面も見受けられたが、ディフェンスラインの押し上げと素早いプレスバックで守備でも高い強度で戦い続けた。

しかし、東京は先制を許した。ペナルティエリア付近でフリーキックを与えると、ディフェンダーとゴールキーパーの間にボールを入れられる。抜け出した選手を捕まえ切れず、ゴール目前で押し込まれた。

試合をコントロールしていたなかでの失点に落胆してもおかしくなかったが、東京の選手たちは気持ちを切り替えて反撃姿勢を前面に出してセレッソ大阪ゴールに向かう。

すると後半23分、自陣の深い位置で徳元悠平選手が相手のプレッシャーをかいくぐってつないだボールを右サイドまで展開すると、中村帆高選手のアーリークロスがペナルティエリア手前に走り込んでいた渡邊凌磨選手の元へ。胸でワントラップした渡邊選手は、そのまま身体を反転させるようにひねりながら空中のボールを豪快にボレーで捉える。

相手ゴールキーパーが一歩も動けないシュートは、ややドライブがかかってゴールネットを揺らした。

追い付いた勢いのままに試合の主導権を握り続けたが、終盤にワンチャンスをモノにされて勝ち越しを許し、味の素スタジアムでの今シーズン初黒星を喫した。厳しい結果を突き付けられた形ではあるが、“何があっても諦めない”姿勢を貫き、ゴールという形で結実させたことは先々の試合につながるはず。

渡邊選手は、チームがめざしている形ではないと前置きをしたうえで、それでも勝ち上がっていくチームには豪快なゴールが生まれるものだとコメントを残した。次は、「ボールとともに攻撃をする」東京のスタイルでゴールを挙げ、勝点3をつかむ。


<プレビュー> 
昨シーズン、サンフレッチェ広島との対戦は、ともに特徴的な戦術を掲げる新監督同士の対戦として注目を集めた。

ボールを保持して試合をコントロールし、相手を押し込んでからゴールを奪うスタイルと、前線から強度の高いプレスを仕掛けてボールを奪い、即座に攻撃に移行してショートカウンターでゴールに向かうスタイル。ポゼッションとストーミングというフレーズで対比されることもあった。

結果は東京の2勝。ホーム開幕戦となった味の素スタジアムでの対戦では、なかなか思うようにボールがつなげないなかでも訪れたチャンスを各自にモノにして勝利に持ち込んだ。アウェイでの対戦では、先制を許して相手の球際の強度にも翻弄される厳しい展開ながら、終了間際にアダイウトン選手の個人技を生かしてゴールを奪い、劇的に逆転勝利した。

今シーズンも、食うか食われるか、球際での攻防が勝負の行方を握ることになりそうだ。

チームの状況を考えると、4月に入って公式戦5連勝中の広島は、今Jリーグでもっとも勢いのあるチームといっても過言ではない。一方の東京は、4月上旬の試合では内容でも結果でも苦しい状況にあった。しかし、リーグ戦のセレッソ大阪戦、ルヴァンカップのガンバ大阪戦では、ボールを保持しながら相手を押し込んでいくスタイルを取り戻し、手探りながらもゴールをこじ開けることができた。

 勢いのある相手に対して臆することなくボールをつなぎ、ボールサイドに強く素早く寄せてくる相手をパスワークでいなし、ジワジワと押し込んで主導権を掌握する。押し込んでからゴールをこじ開けるためのアイディアは今シーズンの課題ではあるが、キャンプから取り組んできたトレーニングの成果を発揮するのは、調子を取り戻しつつある今この時のはずだ。


[アルベル監督インタビュー] 

Q、先日のルヴァンカップも引き続き4-2-3-1のシステムで臨まれていました。今後のリーグ戦でも継続していく予定でしょうか。
A、今シーズンは状況に応じてシステムを使い分ける予定ですが、システムより重要なのはチームとしてのスタイルだと考えています。

Q、先日のルヴァンカップでは、サイドバックが良いプレーをすることでボール保持の質が高くなっていた印象でした。
A、チームとしてのスタイルがさらに成長することで、サイドバックの選手はより攻撃的かつテクニカルなプレーが求められます。ボールを今よりも支配することができれば、守備の時間や回数も必然的に減っていくと思います。したがって、攻撃的なプレーをサイドバックの選手たちには求めています。ここまでのルヴァンカップについて振り返ると、良いプレーも表現できていたと思いますし、断片的に見た時、良いプレーで相手を上回るシーンもありました。スタイルの確立には長い道のりが残されています。継続して取り組んでいきたいと思います。

Q、ガンバ大阪戦の収穫をサンフレッチェ広島戦にどのように生かしますか。
A、サンフレッチェ広島はリーグ戦とルヴァンカップでメンバーを大幅に入れ替えない傾向にあると思っています。広島の特長は強度の高いプレスとコンビネーションを生かしたプレーで、偉大な監督がチームの指揮を執っています。上位争いをする危険なクラブですが、我々も開幕当初に得た良い感覚を取り戻しつつあります。開幕後、選手が立て続けに戦線離脱し、良い感覚を維持することができませんでしたが、今は取り戻す過程にあります。その良い感覚とともに、選手たちも良いフィーリングや繋がりを持って磨きをかけているところです。良い流れが再び生まれたからこそ、明日も良い試合を展開し、良い流れをリーグ戦においても取り戻していきたいと思います。

Q、ガンバ大阪戦に勝利したことで、チームにどのような流れが生まれていますか。
A、サッカーとは人生と同じく、メンタルが結果を左右します。当然、試合に負ければ、メンタル的なダメージを大きく受けてしまいます。一方で、勝つことによりメンタルを持ち直し、追い風になることがあります。ガンバ大阪戦の勝利は、我々に好影響をもたらしてくれました。

Q、バングーナガンデ佳史扶選手のコンディションはいかがですか。
A、このような状況の場合、フィジカルコンディションだけが全てではありません。渡邊凌磨選手や安部柊斗選手のように、コンディションが戻っていたとしても、まずは試合勘を取り戻さなければなりません。今の佳史扶選手にも同じことが言えることでしょう。公式戦のプレー時間を得ることによって試合勘を取り戻すことができます。

Q、開幕前のトレーニングマッチで広島と対戦しました。その時の良いイメージがチームにあると思います。
A、もちろん良い感覚はありました。広島とのトレーニングマッチだけが良い感覚だったわけではなく、開幕戦の浦和レッズ戦も同様です。ですが、その後に戦線離脱者が続いてしまい、その感覚を失ってしまいました。試合を重ねるごとに戦線離脱者が複数人発生してしまった印象です。トレーニングマッチの結果を重要視し過ぎてはいけませんが、確かに良い形でプレシーズンを進めることはできていました。

Q、ハイプレスを持ち味とする広島との対戦です。
A、もちろん、難しい試合になると思います。ですが、彼らにとっても我々のプレスを打開することは容易ではないと思っています。我々のスタイルを貫き、勝利をめざして戦います。

Q、先日のルヴァンカップでは安斎颯馬選手がフルタイム出場を果たしました。あらためて評価をお願いします。
A、我々のスタイルにおいてプラスになるポイントは、テクニカルな選手が加わった時に、ボールがコミュニケーションの潤滑油になることです。ボールの受け渡しがコミュニケーションの一つになるということもあり、彼がそれに適応するにはそう長い時間はかからないことでしょう。彼のような選手こそが、我々が期待している選手です。彼には輝かしい未来が待っていることでしょう。

Q、安斎選手も加わり、サイドバックの選手層が厚くなったように思えます。
A、チームにおいて、ポジションや出場が確約されている選手はいません。誰にでも出場チャンスはあると思っています。


[選手インタビュー]  
<バングーナガンデ佳史扶選手> 

Q、今週から復帰し、今のコンディションはいかがですか。
A、コンディションは上がってきていると思います。怪我の影響で約3週間離脱していましたが、良い形で練習に復帰できました。

Q、不安もなく、ここからプレーしていけそうですか。
A、そうですね。怪我への不安や症状も特になくプレーできています。

Q、明日のサンフレッチェ広島戦についてお聞かせください。
A、チームとしても流れを変えるために重要な一戦です。ルヴァンカップのガンバ大阪戦では良い勝ち方もできました。そこに続く形で勝利し、さらに良い流れを作っていきたいと思います。

Q、試合に出場したい気持ちも高まっていますか。
A、離脱している期間も早くプレーをしたい気持ちでいっぱいでした。出場できるチャンスを得られれば、「やってやるぞ!」という気持ちですね。

Q、離脱期間中には、自分のプレーを見直すこともありましたか。
A、自分のプレーの見直しももちろんですが、徳元悠平選手のプレーにも注目していました。僕自身に足りない内側に入るプレーは、とても勉強になりました。

Q、日本代表として活動した経験を今後どのように生かしていきますか。
A、代表活動を通じて、内側に入るプレーや技術面において全てのレベルをもっと高める必要があると痛感しましたが、自分にとって、プラスに働く期間にもなりました。サッカーができない期間が続いたので、これから充実した時間を過ごしていきたいと思います。

Q、世界でプレーする選手と活動するなかで、手応えはありましたか。
A、まだまだ足りない、という感触でした。

Q、親善試合での出場について、世間の評価も高かった印象です。
A、周りの評価は確かに高かった印象ですが、僕個人としては、表現したかったプレーもありましたし、まだまだという印象です。

Q、明日の広島戦、仮に出場するとなった場合、代表活動で得たものを表現する場にもなるということですね。
A、もし、出場できるチャンスがあれば、得たものを積極的に試していきたいと思います。その前に、チームの勝利を最優先に考えています。

Q、具体的にはどのようなプレーを試していきたいですか。
A、内側に入っていくプレーや僕自身の特長でもあるアタッキングサードでのプレー回数を増やしていきたいと思います。親善試合のコロンビア戦では、そのエリアでのプレーが全くできませんでした。攻撃的なプレーで、より高い位置で自分の良さを発揮していきたいと思います。

Q、あらためて広島の印象を教えてください。
A、インテンシティ、個々の能力が高い印象です。僕らも個々の勝負で上回ることができれば、勝利に繋がると思います。サイドで攻撃的なプレーが増えれば、主導権を握ることにも繋がります。出場した際には、積極的に仕掛けていきたいと思います。