INTERVIEW2022.6.21

6/22 長崎戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>
J1リーグ戦が折り返して後半戦に突入する前に、東京は天皇杯3回戦でV・ファーレン長崎と相手の本拠地、トランスコスモススタジアム長崎で戦う。

長崎は、J1リーグの東京との一戦に非常に高いモチベーションで臨んでくるはずだ。さらに6月12日には監督交代に踏み切っており、J1リーグ昇格をめざす上で勝負に出た。J2リーグの序盤戦で勝ち切れない試合が続いていたが、ここ3試合で連勝しており、監督交代後の試合も2-0で勝利している。

ただし、この天皇杯3回戦には新たに招聘したブラジル国籍のファビオ カリーレ監督は間に合わず、U-18の原田武男監督が暫定的に指揮を執る。チームの立て直しを図る途上のチームの状態は未知数だ。リーグ戦での戦いぶりをベースに分析を進めていくが、想定とは違う戦い方にも対応できる準備が必要だろう。

カテゴリーが違うがゆえの戦い方の難しさにも順応が必要だ

J1リーグの試合であれば、落ち着いた時間もあり、そしてそこからスピードが上がるような緩急のある試合展開が行われます。一方でJ2リーグの試合であれば、長い時間強度の高いプレーが続く傾向があります。(中略)まずは同じインテンシティで戦わなければいけません。ただ、相手に影響されることなくプレースタイルをしっかり表現して我々の流れでプレーしたいです

天皇杯2回戦を戦う際にアルベル監督が協調していたように、カテゴリーが異なると、日ごろから戦うリーグ戦での戦い方やインテンシティの度合いも異なる。高いモチベーションと強いインテンシティで臨んでくる相手に対して、同等、もしくはそれ以上のモチベーションとインテンシティで対峙すること。それをベースに、あくまで自分たちの戦い方を貫いて勝利する。

当然、トーナメント戦である以上は勝利が必要だが、まだ成長途上にあるチームにとって、どのような相手に対しても自分たちのスタイルを貫くことも重要なチャレンジ。日ごろのリーグ戦以上に難しいミッションを持った中で、ラウンド16進出の切符を持ち帰りたい。


[アルベル監督インタビュー]

Q、長友選手は戻ってきましたが松木選手はまだ戻ってきていません。そのなかで長崎戦に向けてどのように臨みますか。
A、松木選手はまだ日本に到着しておらず、ディエゴ選手は違和感を抱えています。それ以外の選手はプレーすることが可能です。その中から選んで戦います。

Q、相手がJ2リーグの長崎が相手ということでより攻撃的にいけると思われますがいかがですか。
A、長崎はJ1リーグで十分戦えるだけの選手を揃えていると分析しています。J1リーグの複数のクラブよりも経営規模の大きいクラブです。今シーズンJ2リーグのなかでも最もクオリティの高い選手たちを揃えていると思います。また、監督交代の最中にいるチームです。試合結果が期待通りに出ていなかったからなのか、それとも外国籍選手が期待通りのパフォーマンスを引き出せていなかったからなのか、様々な理由があるかもしれませんが監督交代の真只中にいる状態です。そしてJ1リーグのチームと同等のクオリティの高さを持った選手層を持つチームだと長崎のことを分析しています。

23年間J1リーグの全チームが勝ちあがるのは今までなかったことです。いつもカテゴリーが下のチームがJ1クラブに難しい戦いを強いる大会であることの証明だと思います。それに長崎でのホーム試合になります。監督交代の最中でもあるということも含めて選手たちはモチベーションが高いと思いますし、間違いなく難しい試合になると思います。

Q、長崎の攻撃面はどのように分析していますか。
A、長崎のプレーの形というのはJ2リーグというよりはJ1リーグのクラブに似たスタイルを持っていると思います。去シーズンまでの2シーズン長崎と対戦したことがあります。やはり選手のクオリティの高さが際立っていましたし、とても難しい試合でした。今回もそのように予想されます。

Q、警戒するポイントはどこですか。
A、まずはゆったりと攻撃をしてくるのですが、いざフィニッシュのゾーンに入ったらスピードの緩急が生まれて、そこでとても危険なプレーをしてきます。狭いスペースでもプレーすることが可能な選手たちが揃っています。プレーの緩急を警戒しなければいけないです。

Q、長崎戦でチャレンジしたいことはありますか。
A、この試合に特別何かをチャレンジすることはありません。あくまで今までと同じように1試合1試合成長することを長崎戦でも望んでいきたいと思います。当然成長というのは継続的にいつもできるわけではなく、1歩進んでは2歩下がるというのが当然起こりうることです。そういう意味でも粘り強く継続して努力を重ねることが大事です。まだまだ(チームが始まってから)数か月しか時間はたっていません。そういう意味ではチームが安定的に良いプレーができているかというとそのような状態には達していません。我々のプレースタイルは短時間で完成形にたどり着ける形ではありません。少なくとも2シーズン、3シーズンは時間が必要なプレースタイルです。

Q、夏の戦いで大事になることはなんですか。
A、ボールを保持する時間が長ければ長いほどプラスになると思います。やはり寒い時期はプレスにもどんどん走って動けますが、暑ければ暑いほど動けなくなりプレスにもいきづらくなるので、ボールを保持したほうが良いと思います。

Q、中断期間休みをチームで取られましたが、休みの重要性はどう考えていらっしゃいますか。
A、2か月ほど過密スケジュールが続いたので2連休、3連休を与えるというのは少ないくらいだと思います。多いとは思いません。この間の湘南戦までに代表活動期間で我々は試合がなく、湘南はルヴァンカップで試合があり、試合勘が彼らのほうがあった可能性はあります。ただし、我々が休みすぎたから試合に負けてしまったかというと決してそうだとは思いませんし、それ以外の要素によって結果が左右されたと思います。もちろんそれは分析する価値があると思いますが、最初の数か月間オフがない週が続いていました。日本では休まずに働き続けるというのが美徳としてあるのかもしれないですし、質よりも量を求める傾向があると思います。それではクオリティの高い仕事を成し遂げることは難しいと思います。日本の文化的には違う価値観があるのかもしれないですが、私にとっては質の高い仕事を成し遂げるには質の高い休養をとる必要性があると思います。


[選手インタビュー
<紺野和也選手>

Q、湘南戦は途中からの出場でしたが流れを変えるプレーやゴールに向かうパスや仕掛けができていたと思います。試合に出場する際に心掛けていたことはありますか。
A、ゴールに向かうプレーが自分の特徴なのでそこをまずはしっかり表現すること、負けていたなかで点を取らなければいけない状況だったので強引にでも仕掛けることや、遠目からでもアーリークロスを出してゴール前で合わせるプレーは意識していました。

Q、天皇杯ということで前回の富士大学戦も難しい試合だったと思いますが明日の試合はJ2リーグのチームです。モチベーションや戦い方も普段のリーグ戦とは違うと思いますが感覚的にはいかがですか。
A、アウェイですし、あまり対戦したことがない相手なので少し難しい試合になると思います。ですが、しっかり自分たちのサッカーをしていきたいです。長崎はすごくいい選手がいて、J1レベルの選手も多くいるので、そこは格下だとは全く思わずにしっかり集中してプレーして勝ちたいと思います。

Q、長崎は試合開始からプレーの強度が高いと思います。リーグ戦での戦いに置き換えた時に自分たちはどういうプレーをするべきでしょうか。
A、リーグ戦でも相手がインテンシティを高くプレスにきて苦しむことがあります。簡単にボールを蹴らずに繋げることがベストですが、割り切って最初は相手の背後を狙うことも大事になると思います。相手(のプレス)が落ち着くまでは背後を意図的に狙うプレーは意識していきたいです。相手も90分間通してインテンシティ高くプレーすることは難しいと思いますし、前半でも大体20分くらいで落ち着いてくると思うので、そこからしっかり自分たちのサッカーをしながら色々な攻撃のパターンを出して、ゴールに向かっていければと思います。

Q、天皇杯はリーグ戦と違い勝たなければ先に進めません。
A、簡単なミスでの失点は避けなければいけないですし、試合の入りがすごく大事になると思います。先制点はかなり重要で、試合の入りから固くなってしまう可能性はありますが、全員で試合の入りからしっかり戦えば自分たちのペースに持って行けると思うので、90分通してしっかり戦い抜いて勝ちたいです。トーナメントで一発勝負なので難しい部分もありますが、相手よりもまずは自分たちのサッカーを表現して、勝って次に進めればと思います。