5/14 磐田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.5.14

5/14 磐田戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
ここ2試合、勝利から離れている東京は、ヤマハスタジアムに乗り込んでジュビロ磐田との一戦を迎えた。前節、サガン鳥栖との一戦は、お互いに一歩も譲らない戦術と戦術がぶつかり合う好ゲームを展開。しかし、2度ポストに当たるなど決定的なチャンスを決め切れずにフリーキックを直接決められ1点の差で勝点を逃した。

チームの成長にフォーカスしつつ、それを加速させるために勝利は欠かせないとアルベル監督も勝負へのこだわりを強調するなか、前節からメンバーに若干の変更を加えた。長友佑都選手が左サイドバックに戻り、右サイドバックには2試合続けた中村帆高選手をチョイス。これまではアンカーが基本だったが、今節は青木拓矢選手と安部柊斗選手のダブルボランチへとシステムを変更した。前線では、髙萩洋次郎選手が今シーズンリーグ戦初スタメン出場となった。

序盤からサイドに起点を作り、相手陣内深くまで押し込んでボールを保持する東京。髙萩選手やレアンドロ選手が中央とサイドの間のハーフスペースに顔を出して相手選手間のギャップでボールを受け、マークをずらしてチャンスへとつなげていく。最初のうちはビルドアップの際のミスからボールを失って逆襲を受ける場面もあったが、15分を過ぎたあたりから落ち着きを持ってボールを保持できるようになっていく。前半17分には相手の攻撃時の連携ミスを見逃さず、髙萩選手が身体を張ってボールを前線に送り、2対1の数的優位な状況でカウンターを仕掛けたが、ラストパスがズレてシュートまで持ち込めない。前半27分にはディエゴ オリヴェイラ選手が右サイドを突破して磐田陣内深くまで侵入してマイナス方向へパスを送るが、フリーの状態でゴール前に入ってきた髙萩選手とはわずかに合わず、これもシュートまで持ち込めなかった。右サイドを起点にしたチャンスは続く。前半33分、ボールを回しながら相手の隙を探す中で、ゴール前に入っていたディエゴ選手にクロスボールが入る。身体を倒しながらワンタッチで合わせにいったが、これはミートできなかった。ボールを保持して試合をコントロールしていたが、攻撃を仕掛けた後の前半43分に一瞬のエアポケット。ディフェンスラインの選手は揃っていながら、中盤からのプレスバックができていない中で、シンプルなワンツーから球際へのプレスが遅れ、上原力也選手にゴール右隅へと流し込まれて先制を許した。

反撃に出たい東京は後半の頭から髙萩選手に代えて松木玖生選手を投入する。後半に入ると、前半以上に東京がボールを保持して磐田を押し込む展開。前半はなかなかサイドを起点にした攻撃がフィニッシュに結びつかなかったが、後半は中央からの攻撃がチャンスにつながる。後半11分、岡崎慎選手の縦パスをスイッチに攻撃を仕掛けると、ディエゴ選手のスルーパスに反応して安部選手がディフェンダー間のギャップをすり抜けてゴール前へ。相手ゴールキーパーとの1対1を迎えたが、シュートは間合いを詰めたゴールキーパーにブロックされた。後半15分には前がかりになった背後を突かれ、岡崎選手がスプリントの際に負傷してファビアン ゴンザレス選手を追いかけられず、ヤクブ スウォビィク選手との1対1の場面。スウォビィク選手はかわされたが、シュートが枠を逸れて難を逃れた。

攻撃にアクセントを加えたい東京は、紺野和也選手、渡邊凌磨選手、アダイウトン選手を次々に投入する。すると後半33分、交代策が実を結んだ。右サイドに開いた位置で紺野選手がボールを持つと、ドリブルで仕掛けてペナルティエリアに沿ってカットイン。相手選手複数人を引き付けると、紺野選手は左サイドでフリーになっていたアダイウトン選手へパスを送る。相手のプレッシャーが遅れたところで、アダイウトン選手はコントロールしたシュートをゴール右上へと流し込んで同点ゴールを決めた。後半40分にはバイタルエリアでディエゴ選手と渡邊選手がワンツーリターン。ディエゴ選手がゴール前右寄りのスペースに抜け出してシュートを打ったが、相手ゴールキーパーに防がれた。逆転を狙って攻勢を強める東京だが、後半43分にサイドからの攻撃を撥ね返し切れず、ペナルティエリア内で鹿沼直生選手に詰められて勝ち越しを許した。

アディショナルタイムの6分を含めて最後まで攻撃姿勢を貫き、相手をゴール前に貼りつかせて押し込んだがゴールを奪えず。ボールを保持する時間が長く、試合をコントロールしている中で、決定的なチャンスを生かし切れなかった。中3日で戦うルヴァンカップのアビスパ福岡戦、5月21日の柏レイソル戦で流れを変えるためにもう一度チーム一丸となって準備を進めていく。


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、まずは磐田の勝利を称えたいと思います。プロの世界では、ゴールというのがもっとも重要です。我々が試合を支配できている時間は長かったとは思いますが、攻撃をしている際のリスク管理が上手くできておらず、ミスを犯してしまいました。前半であればそこから相手の危険なカウンターアタックが2回生まれました。その中から相手のゴールが生まれました。
そのあと、我々が相手をより押し込み、時間が経つごとに複数のチャンスを作れていたと思います。ただ、決定力のところで足りない部分がありました。また、失ってはいけないボールを何回も失うミスがありました。
同点の状態で時間が進んでいく中で、我々の守備のミスから磐田の2点目が生まれ、勝点1をとりこぼしました。
今日の試合では、相手よりも我々のほうが決定的なチャンスをより多く作れていたと思います。ただ、サッカーという競技は決定機の数を競うわけではなくゴールの数を競うスポーツです。各チームのプレースタイルを貫いて戦うわけですが、東京は東京のプレースタイルで、磐田はカウンターアタックを生かして勝利をめざしていました。
我々のプレースタイルというのは、長い期間に渡りクラブに多くの成功をもたらすスタイルだと私は信じて疑いません。ここ3試合、リーグ戦では勝てていませんが、勝利だけをめざして自分たちのプレースタイルを捨ててよりダイレクトなプレーで勝点を獲りに行こうとすれば、我々の成長は望めません。私はこのプレースタイルを信じているので、その成長のために信念を貫いています。
今日の負けは辛いです。私も選手たちも怒りを感じています。我々の素晴らしいファン・サポーターは、たとえ敗れたとしても、忍耐強く支え続けてくれています。他の特徴を持ったファン・サポーターであれば、なかなか勝てていないなか、結果を最重要視する形でチームを批判するような方もいるでしょう。けれども、我々のファン・サポーターは、チームが成長することを温かく見守ってくださり、たとえ負けたとしても支えてくださる方々です。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
ここ最近、勝てていないことでファン・サポーターの皆さんも苦しんでいると思います。そういう意味でも、ファン・サポーターのみなさんに勝利を届けられないことに辛い思いをしています。ただ、我々はまだ順位表の中では上位に食い込んでいます。それを忘れてはいけません。東京は常に上位に食い込むことをめざさなければいけないクラブだと思います。それを近い将来に成し遂げられることを期待しています。
膝の痛みを抱えながらも途中まで良いパフォーマンスをしてくれていた岡崎慎に、この場を借りて感謝の気持ちを伝えます。なるべく早く怪我で離脱しているセンターバックの選手たちが回復してくれることを願っています。秘訣というのは存在しません。負けた後でも反省し、そしてまた気持ちを切り替えて次の試合に向けて準備をしていきたいと思います。それしか方法はありません。

Q、正三角形と逆三角形と中盤の形を使い分けましたが、狙いはどこにありましたか。
A、磐田は相手にボールを譲る傾向があるチームだと思います。そして、ブロックを下げて守備をする傾向が強いです。我々が押し込む時間が長くなることを予想していたので、(髙萩)洋次郎を起用して(相手の)ギャップでプレーすることを期待していました。そして磐田の長いボールへの対応、セカンドボールの回収は警戒しなければいけない部分だったので、スタートはダブルボランチに配置してセカンドボールの回収を心がけました。
一方で、負けている状態の場合には、よりリスクを冒して攻撃に出なければいけなかったので、通常通りの立ち位置に戻しました。


[選手インタビュー
<アダイウトン選手>

Q、ゴールシーンを振り返ってください。
A、ボールを受けた時から、カットインしてシュートを打つところまではイメージできていたので、そのイメージ通りにゴールを決められて良かったです。

Q、ゴールを決めた後のリアクションはいろんな想いがあったのではないですか。
A、ジュビロ磐田というチームで長い間プレーしてきて、良い時も悪い時もあった中で、ゴールが入った時は色々な感情が込み上げてきて、色んな思い出が思い出されました。

Q、 このジュビロスタジアムでプレーした感想はいかがですか。
A、今でも自分の家のように感じていますし、今日は対戦相手として戻ってきましたが、ホームであるかのような感覚でピッチに立つことができました。

Q、チームとしては3連敗となりました。
A、 この3連敗はチームとしてもちろん望んでいた結果ではないですし、ポジティブなことではありませんが、どんな時も成長するプロセスにおいて上手くいかない時はあると思います。決して頭を下げないで、次の試合ではしっかり勝利で終われるように、いい準備をして良い試合ができるようにしたいと思います。


<木本恭生選手>

Q、勝点1で終わっても良い試合だったと思いますがいかがでしたか。
A、アウェイで勝点1は取りたかったですし、1-1で後ろの選手は終わらなければいけなかったと思います。気持ち的にもう一点取りに行けると思っていたなかで、少し簡単に失点してしまったのですごく反省の多い試合だったと思います。

Q、センターバックに怪我人が出て苦しい流れも続いていますがいかがですか。
A、この結果を変えられるのはプレーしている自分たちだけだと思いますし、ファン・サポーターみなさんは今日もすごくポジティブな応援をしてくれました。本当に自分たちでこの結果を変えていくしかないと思うので、ルヴァンカップもありますし、消化試合ではなくみんなで成長していくために必ずホームで勝ってリーグ戦にもつなげていきたいです。 

Q、前半悪い流れのなかでしたが試合を振り返ってみていかがでしたか。
A、相手が守備的に戦ってくるなかで少し攻撃の形が前半はできなかったのですが、後半よりいい形もありました。ですが決めきる力がこれから勝っていくうえで必要だと思いますし、個人としては後ろからのパスの配給の精度をあげていきたいです。


<安部柊斗選手>

Q、試合を振り返ってください。
A、前半にカウンターで失点をしてしまい、自分たちで難しい展開にしてしまったと思います。

Q、先制点を奪われたシーンは切り替えが少し遅れたように感じます。
A、ボールを取られた後の切り替えが今日は遅かったと感じました。失点シーンも切り替えを早くして、前線で抑えることができていればカウンターも受けなかったと思いますし、今日はその部分が良くなかったと感じています。

Q、後半はシステムを変え、良い流れが生まれたと思います。
A、システムをいつもの形に戻して、前に前にという展開になり、自分自身も1対1のチャンスがありました。ただその機会を決められず、結果的に勝ち越しゴールを許してしまいました。
今日の敗戦に自分は責任を感じていますし、ああいう場面を決めないとこういう結果になってしまうと改めて感じました。

Q、悔しい2失点目でした。
A、2失点目は自分の責任で、相手とかぶってボールが見えなくなって、足元に入ってしまいました。そこを突かれて失点をしてしまいました。戻ってあのポジションにいるならクリアをしなければいけない意味がないので、本当にいらない失点だったと思います。