“優勝”という目標を明確に掲げて新シーズン開幕を迎えるFC東京。松橋力蔵監督がめざしている攻守に主導権を握るスタイルで鍵を握るのが、チームの心臓となるボランチのポジションだ。今回は明治安田J1百年構想リーグで一気に出場機会を増やした常盤亨太選手と、負傷に悩まされた半年間からの巻き返しを誓う高宇洋選手の対談をお届け。後編では2026/27シーズンの新戦力と二人の想いについて語り合ってもらった。
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──チームの話に続いて、ここからは新戦力の紹介をお願いできますか。まずは永野修都選手からお願いします。
常盤 初めてプレーを間近で見て感じたのは、サイズがあって球際も強い。守備の部分に強みや特長を持っているうえに、足元もうまくて、何でもできる良い選手だなと思いました。
高 彼がFC東京U-18時代に、天皇杯のヴィアティン三重戦でそろって途中出場した記憶があります。トップチーム昇格後はガイナーレ鳥取と藤枝MYFCの2チームに育成型期限付き移籍をして、たくさんの試合に出場して経験をしっかりと積んだことが伝わってきました。やはり試合に出ることはすごく大きいし、それは自分も経験してきた部分なので、気持ちやその経験がどのように影響するのかも分かるので、一緒にプレーするのが楽しみです。

──石原広教選手はどうですか。
高 広教は小学生のころから知っています。神奈川県のトレセンでずっと一緒にプレーしていました。当時はゴールキーパーをやっていて、僕はフォワードでした(笑)。当時から顔も、サイズ感とかもあのままで全く変わらないです。齊藤未月選手(現京都サンガF.C.)と同学年で、中学校に上がる頃には湘南ベルマーレでサイドバックになっていた記憶があります。ゴールキーパーのイメージが強かったから、同じチームになってクロスボールの質の高さにはビックリしました。ただ、まさかプロで同じチームになるとは思いませんでしたけどね。
常盤 浦和レッズで“熱男”なイメージがありましたよね。
高 確かに対面の選手とバチバチやり合うからね。
常盤 だから「普段はどんな感じの人なんだろう」って初めはちょっと遠めから観察していました(笑)。今のところはメチャクチャいじられているので、180度イメージが変わりました。でも、試合になったら熱いのかな。今はイメージにギャップがあります。
高 普段からあんな熱くなっているやつ、いないよ(笑)。
常盤 でも、切り抜き動画で若手のドリブラーを止めて叫んでいた人が、こんな感じなんだってビックリしました(笑)。
──続いて本間至恩選手はどうですか。
高 まさかまた至恩と同じチームになるなんて……。至恩も変わらないです。ずっと中学生みたいな、あのままの感じ(笑)。ここ数シーズンは海外挑戦や期限付き移籍を経験してきて、絶対に東京で結果を残すという想いで加入したと思いますし、そうした気持ちは普段の練習からも伝わってきます。とにかく一緒にプレーしていて懐かしい感じがしますね。
常盤 これまでの東京にはいなかったタイプのサイドハーフだと思いました。サイドの選手だけど、中に入ってきてライン間でボールを受けてターンしたり、常にボールと関わりながらプレーしたり。メッチャうまいので、新しい風を東京に吹かせてくれると思いました。

──そして、キャンプ中に途中合流したニコライ ヴァリス選手についてもお願いします。
高 デカイっす。高いし、うまさもある。それでいてメッチャ良いやつ。それに卓球が超うまい。おそらく東京で一番うまいです。宿舎で卓球をやったらメッチャうまくて、決勝は(アレクサンダー)ショルツ相手に勝っていました。ちなみに僕はその試合の審判をやらされていました(苦笑)。
常盤 サッカーもうまいですよね。ボールタッチがすごく柔らかい。
高 そうだね。スピードタイプというよりも、周りと関係性をつくるのがうまいプレーヤーだと思う。
常盤 プレーは結構シンプルで、サミュエル グスタフソン選手(浦和レッズ)のポジションを一つ前にしたような印象。サイズ感やプレーの選択からもそんな雰囲気が伝わってきました。
──佐藤龍之介選手の抜けた穴を埋める存在になりそうですか。
高 リュウ(佐藤龍之介)も素晴らしい選手なので、比べるのは違うのかなと思います。ただ、また違った良さを活かして、チームにプラスアルファをもたらしてくれる選手だと思います。
常盤 リュウはスーパーだったので、正直抜けた穴は大きいし、痛いと思っていました。だけど、逆にいろいろな組み合わせが生まれそうな予感もしています。フォワードだとマルセロ(ヒアン)がいて、(長倉)幹樹くんも本来はトップ下のプレーが得意な選手ですし、(山田)楓喜くんも中央で試されている。そこにテルくん(仲川輝人)もいますし、ニコが入ってきて前線のバリエーションはかなり増えそうだなと感じています。リュウの代わりではなくて、全く別の特長を持った新しい東京になる予感がしています。

──FC東京がリーグ初優勝すれば、またステージや見える景色も変わってくるはずです。個人として今シーズン成し遂げたいことを含めて、新シーズンに向けた熱い想いを聞かせてください。
高 僕はこのオフシーズンにいろいろと自分を見つめ直しました。この半年間は怪我も多かったですし、まずは息の長い選手になるための取り組みを含めて自分と向き合ってきました。ボランチは亨太もそうですし、(橋本)拳人くんや修都のような本当に素晴らしい競争相手がいるので、彼ら全員から盗めるものはすべて盗みながら自分の成長につなげていきたいです。しっかりとまた自分の価値を上げるためにも、彼らに打ち勝っていかなきゃいけない。自分の存在価値を引き上げながら、まだまだ上をめざしていきたい。それこそFIFAワールドカップ2026もありましたし、先日は川崎フロンターレのアカデミーで同級生だった田中碧(現リーズ ユナイテッドFC)と会う機会があって、彼からも良い刺激をもらいました。やっぱりそういう場所をめざしながら、もう一度やっていけたらと思っています。チームとしてはリーグ優勝が目標ですけど、本当に1日単位の日々を大切にして、毎日のトレーニングですべてを出し切りたい。自分と向き合いながら毎日の競争に打ち勝っていきたいですし、その上で一試合一試合に全力を傾けて戦わなければいけないと思っています。
常盤 東京のボランチには良い選手がそろっていますが、もう一つ上のレベルにたどり着くことを考えたら、彼らに負けてはいられません。理想は38試合すべてスタメンでフル出場したい。口だけじゃなくて、本当にそれをやり遂げる覚悟と準備をしたいと思っています。何度も口にするようですが、自分自身はたかだか半年のシーズンに出ただけの選手です。まだ何も成し遂げていないし、まだまだです。本当にシーズンを通じてJ1リーグの舞台で自分が戦っていけるのかは、個人的にも楽しみにしています。まずは調子に乗らず、しっかりと足下を見つめて、この新シーズンをフル稼働できるようにチャレンジしていきたいと思います。
──最後にファン・サポーターのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
常盤 自分たちはリーグ優勝という目標を掲げていますが、選手、スタッフだけではなく、ファン・サポーターのみなさんも含めて、このクラブにかかわる全員で成し遂げていきたいと思います。お互いが手を取り合い、尊重し合い、求め合って、より良いものを追求した先にリーグ優勝が見えてくると思っています。普段応援してくださる方々に全力でプレーして勝利を届けることを約束するので、一緒に戦ってもらえるとうれしいです。
高 毎試合、選手の力になるような雰囲気と応援で力を与えてもらっているので、それに応えるのが僕たちの役目だと思っています。みなさんに何かを返せることがあるとしたら、それはやはりリーグ優勝という形でしかないので、それを達成できるようにしたい。長いシーズン、いろいろなことが起きると思います。そうしたことをともに乗り越えながら前を向いて戦い続けていきたいです。新たなシーズンもよろしくお願いします。
(文中敬称略)
Text by 馬場康平(フリーライター)


