マッチレビュー&プレビュー
プレーオフラウンド第1戦・セレッソ大阪戦のレビュー
ホーム&アウェイ方式で行われる明治安田J1百年構想リーグのプレーオフラウンド。地域リーグラウンドでEASTの2位に入ったFC東京は、3位4位決定戦でセレッソ大阪と対戦。まずはアウェイでの第1戦に臨んだ。
試合は立ち上がりから双方が持ち味を発揮する好ゲームが展開された。東京は2トップの一角に入った佐藤龍之介選手が巧みなポジショニングでボールを受けて攻撃の起点として機能。チームとしてもしっかりと前進の選択を徹底し、積極的なプレスからのショートカウンター、ボールを保持しながら鋭くスピードアップするアタックを効果的に織り交ぜていく。守ってはゴールキーパーの田中颯選手が立ち上がりからファインセーブを連発。良い守備から良い攻撃に結びつけるべく試合を進めた。
試合を動かしたのは前半36分。佐藤龍選手が左サイドでしっかりとキープして前方へつなぐと、そこから抜け出した遠藤渓太選手が力強く縦へ突破。この折り返しに佐藤恵允選手が勢いに乗って突っ込むと、相手選手がクリアし切れずにオウンゴールを誘発。前方への圧力を強めた東京が先手を奪った。
前半終了間際の失点で試合を振り出しに戻されてしまったが、後半開始早々にデザインされたセットプレーで勝ち越しに成功する。右コーナーキックで橋本健人選手がショートコーナーを選択すると、常盤亨太選手からパスを受けた小泉慶選手がクロスボールを入れる。ここでマルセロ ヒアン選手が力強くヘディングをねじ込んで青赤がC大阪を突き放した。
だが、後半34分にサイドを崩されて再び同点とされてしまいタイムアップ。二度のリードを追いつかれてしまい、第1戦は2-2のタイスコアで終える結果になった。
今節のプレビュー
先週末の“前半”を2-2で引き分け、MUFGスタジアム(国立競技場)で行われる”後半“の結果で年間順位の3位と4位が決まる。90分間を終えてタイスコアなら15分ハーフの延長戦、それでも決まらなければPK戦で雌雄を決することになる。
「しっかりと良い形で終わりたい」
国立で迎えるセレッソ大阪とのプレーオフ第2戦に向けて、松橋力蔵監督が口にした率直な言葉だ。この指揮官の言葉には半年の特別大会として行われた今シーズンの最終戦であることに加えて、2013シーズンの東京加入から長きに渡って貢献してきた背番号10のラストマッチという意味合いも込められていた。松橋監督が続ける。
「彼は本当にこのクラブに貢献したと思いますし、大きなものを残した素晴らしい選手だと思います。僕が携わった時間は短く、今シーズンはなかなか出場機会を与えることができませんでしたが、それでも『出番がきた時にしっかりできる準備をしておきます』と話して、日々のトレーニングからプロとしての姿勢を貫いてくれた。明日は全員が彼のために戦うと思いますし、それは我々だけじゃなく、会場に詰めかけてくださるみなさんにもお願いしたい」
功労者を勝利で送り出したい──。そんな周囲の想いを汲み取った東慶悟選手が、松橋監督の言葉を受けて、自身にとっての青赤最終戦に向けて気持ちを引き締め、一緒に戦ってきた青赤ファミリーへの想いも漏らす。
「みんなが少しでもそういう気持ちでプレーしてもらえたら嬉しいです。ただ、自分にとっては最後ですけど、チームにとっては来シーズンも、その先も含めて未来がある。明日は練習試合じゃないし、絶対に勝たなければいけない試合。勝負の世界が甘くないところは僕も見てきた。明日はチームの一員として勝利に貢献したい。(ファン・サポーターのみなさんには)言葉にすると“感謝”という言葉しかないですね。生え抜きでもない自分が10番やキャプテンという立場を背負わせてもらった。厳しい声をいただいているのも十分承知しているけど、そんななかでも本当にいろいろなサポートをしていただいて、応援してもらってきた。そこには本当に感謝しかないです」
試合前日、練習前のミーティングで背番号10がチームメートの前に立った。その瞬間を振り返って「あんまり話し過ぎると泣きそうだったんで」と思い出しながら、「明日の試合に勝って、その後に大泣きしたい。だから最後、みんなで頑張りましょう」と伝えたという。
積み上げてきたものを出し切って結果を出し、いろいろな意味で未来に繋いでいくための大事な試合。そこに必要なものは“チャレンジ”だ。臨機応変に戦いながら、自分たちのやりたいことに相手をつき合わせる。セーフティな選択ではなく、しっかりと持ち味を出すための挑戦を続けていかなければならない。まさにチームとしての力を結果で証明する戦いとなる。
青赤一丸となって勝利を掴みにいく。その先には笑顔と涙の大団円が待っているはずだ。
松橋力蔵監督インタビュー

Q、今シーズン最後の練習、そして最後の試合を迎えます。今はどんな気持ちですか。
A、いつもと変わらないです。最後だからではなくて、この試合をしっかりと勝って良い形で終わりたいです。
Q、短い期間で同じチームとの試合になります。あらためて前回試合した印象と、明日どのように試合を進めていくかを伺います。
A、我々が想定していた通りのチームでしたし、東京がうまくできていた部分もありましたが、彼らの色をしっかり出されてしまった部分もあるので、そこはしっかりと出させないようにしたいです。相手に合わせるのではなく、我々のやりたいことにセレッソ大阪を付き合わせたいです。
Q、そのためにどのようなことが必要になると思いますか。
A、自分たちでボールをしっかりと握りながらゲームのイニシアチブをとるということはすごく大事だと思います。ただ相手のボールになった時に、自陣に深く押し込まれたような状態の時に、どれくらい積極的にボールにアタックして、とったボールを次の攻撃につなげられるのか。そこが勝利を手繰り寄せる上での一つのポイントになるかなと思います。
Q、前からのプレスがハマっている時間帯と、引き込んで長いカウンターの両方を狙っていくことになると思います。
A、その状況を僕らが作ることはできないので、そうなった時にしっかりとチームで目線を合わせてプレーできることが大事だと思います。
Q、東慶悟選手の契約満了のリリースがされました。
A、僕も携わる時間はまだ短い時間ではありながらも、本当にこのクラブでの貢献は、今の彼を見るなかで、大きなものを残したと思いました。本当にサッカーが好きな選手ですし、本当にボールを大事にする選手という印象もあります。やはり彼のそういう姿勢を何人の若い選手、これからまだまだ先のある選手が、しっかりと見て盗めただろうか、と自分のなかでは感じています。
Q、勝利して送り出したいという気持ちもあるのではないでしょうか。
A、明日は東慶悟選手のために全員が戦うと思いますし、それは我々だけではなく会場に詰めかけてくださるファン・サポーターのみなさんにもお願いしたいと思います。
選手インタビュー
佐藤恵允選手

Q、まずはプレーオフ第1戦でセレッソ大阪と対戦して、試合を振り返ってください、
A、このハーフシーズンに東側のチームとやっているなかで、どのチームにもなかった流動性だったり、攻撃での自由度がある強さというのを感じました。今までにいなかった相手だったので、難しい試合になったと感じています。ただ、そこで自分たちの攻撃の良さをビルトアップの部分などでも十分に出せていたので、 その相手より先制点と勝ち越し点で2回先行できたことはポジティブに捉えています。一方で、自分たちが前に出て試合を運んだなかで、そのリードを守り切れなかったことは課題でしたし、チームとしてもミーティングでも見直しました。今までの自分たちの守備ができていればなかった失点だと思うので、そこはもう一回映像も見直して2戦目に向かいたいと思っています。
Q、自分たちからのアクションという意味で言うと、自分たちで相手をコントロールする時間帯があったと思います。
A、先ほども言いましたが、攻撃というよりは守備でもっと自分たちの強度を出せたと思っています。もちろん、良い守備をして奪えたシーンもあったし、ショートカウンターを仕掛けるシーンもありましたが、結局失点のシーンを見直しても、ボールホルダーに猛烈なプレスをかけてプレッシャーを与えることは足りなかったと思うし、結局それができなかったからズルズル下がってしまい2失点目につながったと感じています。攻撃については、試合の中で自分たちで改善して、ビルドアップでもポジショニングを変えながらできるとことは分かっていました。攻撃というよりは守備で相手に何もさせないぐらいやることが次の試合はより大事なのかなと思います。
Q、自分自身のパフォーマンスとしてはどうでしたか。
A、攻撃も物足りなかったです。もう少しサイドで流動性を持っても良かったと思うし、背後の動きとかも増やしていければよかったです。向こうの流動的な動きに対して、自分たちは少し同じポジションをとろうと合わせ過ぎました。相手に合わせるよりも自分たちが先行してポジションをとって、相手に何もさせずに攻撃で良さを出させないというのが一番良い形です。自分たちの攻撃でもそうだし、守備にとっても大事かなと思います。
Q、ここまでレギュラーシーズンも含めて半年間という短いシーズンでしたが、チームとしては結果と内容が伴ったシーズンと言えるのではないですか。
A、やはり優勝を狙っていたので、結果的にはすごく悔しいシーズンになりました。ただ、昨シーズンからの積み上げという見方だと、今シーズン始まった頃と比べて強度も高まりましたし、チームでやりたいことも目線が揃ってきました。そこは昨シーズンの反省を踏まえてやってきて、良いシーズンになったのかなとは思います。目標が優勝だったので、結果だけを見ると、どうしてもダメだったという見られ方はしますが、全然悲観的なことはないと思っています。むしろ、来シーズンに絶対優勝できるという自信にもつながっています。ずっと「積み上げ、積み上げ」と言ってきたので、『結局は優勝できていないじゃん』と言われてしまえばそうなんですが、優勝するためには積み上げは絶対に大事です。その手応えは絶対にありました。僕は感じたし、みんなも感じているはずです。それが3位を争うという結果につながっています。来シーズンこそ絶対に優勝して、今までやってきたことが間違っていなかったということを証明したいです。
Q、最終戦は、ホームで迎える『Big Thank You Day』です。最後にファン・サポーターに向けて、どのようなプレーで感謝を示したいですか。
A、最後の試合は、3位か4位かという分かりやすいモチベーションがあるなかで戦うことができます。チームとしては全力で臨めるし、昨シーズンは『Big Thank You Day』であまり良い試合ができませんでした。それとは比べ物にならないぐらい、今シーズンの集大成をぶつけようと思っています。チーム一丸となって、ファン・サポーターとも一緒になって絶対に勝利して、笑って終わりたいと思います。
Q、ちなみに昨シーズンも今シーズンもMUFGスタジアム(国立競技場)ではアシストを記録しています。“国立男感”の実感はありますか。
A、確かに! 良いイメージはあります。昨シーズンは、FC町田ゼルビアとのリーグ戦で安斎颯馬選手の決勝点をアシストしました。今シーズンは横浜F・マリノス戦でキックオフ早々の先制点もアシストしています。良いイメージはあるので、出し切りたいと思います。
稲村隼翔選手

Q、FC東京に移籍してきて、半年間ですが戦ってきたシーズンを締め括る試合になります。
A、めざしていた優勝には届かなかったので悔しいです。個人的な話をすると、昨シーズンから考えたら出場時間もそうですし、成長できていることを考えても、このチームに来られてよかったというのが今の率直な気持ちです。
Q、守備の部分では、少しずつ試合出場を積み重ねていくなかで改善できている部分もあると思います。手応えはいかがでしょうか。
A、成長を感じる部分もありますが、今シーズン負けてしまっている試合では、自分のところでやられてしまっている失点が結構多いので、まだまだ足りないところだらけだと再確認できた時間でもありました。まだまだ課題があるなと感じています。
Q、セレッソ大阪とのプレーオフ第1戦は2-2の引き分けでした。同じ相手とすぐに試合を行えるということは逆に言えば、自分たちがどれだけこの短時間で改善することができたか分かる試合でもあると思います。
A、前回の対戦時は、暑さや久しぶりの遠征で難しいところもあったので、自分たちの力を100パーセントで発揮できたかと言われるとそうではなかったです。MUFGスタジアム(国立競技場)で試合ができるのもすごく楽しみですし、自分たちは国立では良い結果が多いので、自分を含めて力を出し切れればい良い結果になると思います。
Q、得点も欲しいと言っていましたが、感触はいかがですか。
A、セットプレーもチーム全体としてチャンスになるシーンが増えているので、しっかり狙いたいです。ロングシュートも狙いながら、得点を奪いにいきたいです。
Q、プレーオフラウンド第1戦では左サイドバックでプレーしました。
A 、セルティックFCでも左サイドバックをやっていましたし、センターバックとサイドバックの両方をできたほうが、人数が制限される試合のメンバーに入っていけると思っています。前回は久しぶりだったので難しさも感じましたが、もう少ししっかりとできるようにしたいです。僕自身はやはり中央で勝負をしたいですが、そこは自分のオプションとして見てもらえれば良いかなと思っています。
Q、明治安田J1百年構想リーグが終わります。ファン・サポーターのみなさんも最後の試合で勝利することを願っていると思います。メッセージをお願いします。
A、今シーズン加入した時から熱い応援をしてくれていましたが、東京ヴェルディ戦あたりから、自分たちの要望も聞き入れてくれてアップから応援してくれたり、負けた試合の後も必ず鼓舞してくれて、最後までサポートしてくれていたので、とてもありがたかったです。選手のなかでもそういった話をしていて、「ファン・サポーターにしっかりと結果で恩返しをしたいよね」というのをシーズンを通して話してきました。優勝できなかったことは残念でしたが、最後は勝って3位で終われるように頑張りたいと思いますし、一緒に戦ってくれたら嬉しいです。
東慶悟選手

Q、プレーオフの第1戦は、アウェイで2回先行しながら追い付かれた形でした。スタートはベンチで見ていて、終盤にピッチに立ったところも含めて、試合全体をどう感じていましたか。
A、今大会のレギュレーションの影響で東と西に分かれてやってきて、初めて西側のチームと対戦して、やはり特徴が全然違うなと感じました。もちろん東側もチームによっていろいろな特徴がありましたが、東側で戦ってきたチームとは違うプレースタイルでした。そこは面白いなと感じていましたし、違うものなのかな、と。もちろん東側でもセレッソ大阪に近いサッカーを志向するチームもありましたが、よりフリースタイルでやる違いはあるのかなと感じました。
Q、今シーズン経験したことのないスタイルの相手と対戦し、そのなかで2点を先行してことを考えると、ポジティブな要素も多かったのではないですか。
A、そうですね。ただ、2失点したのは久々でした。攻撃的なスタイルのC大阪に対して、そのリードを守り切れるような力強さは、次の試合ではもっと必要になってくると思います。
Q、出場するタイミングではオープンな展開になっていましたが、ピッチに入るにあたって意識していたことはありましたか。
A、アウェイで2-2の状態は悪くはないというか、このまま終わればというところもありましたが、試合の流れとしては結構押し込まれている時間帯で、これ以上自陣に押し込まれるのは結構きついなと見ていました。それも踏まえて、自分がボランチで入った時に、前に人数をかけていって、ゴール前に入っていくところに関わっていこうと思っていました。もちろんボランチなので前に行けばスペースが空くし、表裏でピンチのリスクもあるのですが、勝ってホームに戻ってこられればかなりアドバンテージがあるので、やはり点をとりにいかないといけないと考えていました。そこは一つのきっかけになれればいいなという感じでピッチに入りました。
Q、実際に東慶悟選手がピッチに入ってから押し返し始めて、高い位置でボールを持てるようになりました。ボランチとはいえ、カバーする範囲もかなり広かったと感じました。
A、前に枚数を増やして数的優位を作りたくても、暑さもあって時間帯も終盤に入って、少し前に人が行けなくなっていました。押し返せない雰囲気を感じていたなかで、そこは一発もそうだし、佐藤龍之介選手とワンツーをしてみたり、その時間帯で盛り返すきっかけみたいなもののは作りたいと思ってプレーしていました。
Q、この試合が今シーズンの初出場でした。
A、そうですね。メンバーには入っていたりはしていましたが、そこで急に出るのもなかなか大変だなとは思いましたが、まあ、十何年もプロの世界でやってきたので(笑)。
Q、今日、今シーズン限りでの契約満了を発表しました。明日の試合が、青赤のユニフォームを着てプレーする最後の試合になります。
A、本当に感謝しかないです。14年間、自分なりに走り続けてきて、このFC東京というチームで公式戦では400試合以上出場させてもらいました。もちろん良い時もあったし、難しい時もありながら、これだけの経験をさせてもらえたというのは、もう僕にとっては財産ですし、現役としてはまだやりたいですけど、自分の中では、東京で自分がやれることは出し切れたのかなという風に思います。
Q、明日はMUFGスタジアム(国立競技場)での試合です。2020シーズンに、ルヴァンカップで優勝してキャプテンとしてカップアップした舞台です。
A、本音を言うと、“味スタ”が良かったな、と。やっぱり東京のホームといえば僕の中では“味スタ”です。もちろん国立競技場にもいろいろな思い出がありますが、第二の自分の家みたいな感覚ですね。そこで良いも悪いも経験してきたので、“味スタ”で今シーズン試合に出られなかったというのは少し悔しいですが、国立という日本でもトップクラスの規模のスタジアムでこうして試合に関われるチャンスが回ってくるというのは、何か運命は感じますね。
Q、チームの後輩たち、観に来てくれるファン・サポーターたちに何を残していきたいですか。
A、どういう雰囲気になるかは分からないですけど、あくまで僕の送迎会ではありません。僕にとって東京での試合は明日が最後ですけど、このチームはここからまだまだ可能性のある、未来のあるチームだと思っています。その未来につなげる大事な試合です。エキシビジョンマッチでもないですし、まずはC大阪に勝って来シーズンにつなげるという意味で大事だと考えています。勝つために僕が必要なら使ってもらいたいとも思いますが、そこは気を遣ってもらうところではなく、本当に勝つために、東京のために戦いたいと思います。これまでも変わらずにそういう姿をずっと見せてきたつもりですし、最後もそこは変わらずにやっていきたいです。


