INTERVIEW 2026.5.01

5/2川崎戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー&プレビュー

前節・柏レイソル戦のレビュー

試合前に首位の鹿島アントラーズが敗れた報を受けてキックオフを迎えたアウェイゲーム。チームとして情報を共有することはなかったが、鹿島との勝点差を詰めるビッグチャンスで各選手がピッチで躍動し、しっかりと勝負強さを発揮していく。

立ち上がりから一進一退の展開が続くなか、ポゼッションと鋭いアタックを織り交ぜた攻撃を見せていく東京。前半43分には自陣からのロングカウンターを仕掛け、マルセロ ヒアン選手がピッチ中央を独走して左にラストパス。ここで遠藤渓太選手が巧みに持ち替えて右足を振り抜き、前半終了間際の時間帯に青赤が先手を奪った。

後半に入ってもボールをつないで攻める柏、柔軟な対応から多彩な攻撃を展開していく東京という構図が続く。時間が経過するごとに雨足が強くなったが、その状況を活かすような形で追加点が決まる。後半15分のことだった。

後方からのロングフィードを受けたヒアン選手が前を向くと、左を並走してきた佐藤龍之介選手にパス。ここから背番号23が鋭い左足シュートをスリッピーな芝に滑らせるようにバウンドさせてゴールに突き刺し、リードを2点に広げた。

後半27分にセットプレーのこぼれ球からミドルシュートを決められて1点を返されてしまったが、終了間際の同42分に野澤零温選手が倒されてペナルティキックを獲得。これを佐藤龍選手が右足できっちり沈めて再び柏を突き放し、見事に3-1で勝利を手にした。

これで3連勝。鹿島に勝点3差まで詰め寄った。逆転優勝に向けて一戦必勝の状況は変わらないが、最終節に控える直接対決も含めて本格的なタイトル争いに名乗りを上げる大きな勝利を手にした。

今節のプレビュー

明治安田J1百年構想リーグのグループステージも残りは5試合。そして、首位の鹿島アントラーズと、勝点3差で迎える川崎フロンターレとの『多摩川クラシコ』だ。ここで多摩川を挟んだライバルにシーズンダブルを達成できれば、さらにチームは勢いづくはずだ。

開幕からここまで試合と勝点を積み重ねるごとに、チームは引き出しを増やしてきた。対する川崎はEASTグループの5位につける。松橋力蔵監督は「前節は負けてしまったが、そこまでは連勝していた。何かを掴みかけている印象もあるし、一人ひとりのポテンシャルは決着をつけられる能力を持った選手が揃っている。その色を出させないようにしなければいけない」と、警戒を強める。

前節柏レイソル戦のロッカーアウトの際、キャプテンの室屋成選手は円陣でこう言い放った。

「相手じゃない。全部自分たち次第やぞ」

そのメンタリティがチームの端々まで行き届いている姿を三協フロンテア柏スタジアムのピッチでも見せた。それを今節も継続させる。

そして、佐藤龍之介選手は前節自身初のマルチゴールを挙げるなど好調を維持する。今節は3戦連発の期待も高まるなかで、こんな言葉が出た。

「多摩川クラシコですし、コンディションも良くなっているし、自信もある状態なので。そういう意味でも良い状態だと思っている。この勢いをゴールや勝利に結びつけたい」

中2日で臨む一戦は総力戦となるだろう。ラスト5試合へ、青赤はチーム一丸でつかみにいく。

松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節の柏レイソル戦は試合前に話していたとおりのカウンターを見せられたことで、試合を優位に進められたのではないでしょうか。
A、カウンターのシーンも、良い攻撃につながったシーンもですが、リハーサルで準備していた攻守の部分がしっかりと意識できていました。私自身が担当している攻撃の部分としては、その意識が非常に高かったと思います。攻撃に人数をかける時のかかり具合は非常に良かったと思いますし、ショートカウンターで少ない人数でも手数をかけずにシンプルに攻めるところも表現ができていました。欲を言えば、最初のチャンスで点が入れば、もっと良い流れを作れた可能性はあると思います。

 守備に関しては、タフにプレーしなければならないので、一人ひとりのタスクは非常に重く、重要になります。もちろん大変な部分はあると思いますが、キツいなという表現を見せる選手はいませんでした。現代のサッカーはフィジカルのデータもあるなかで、その要素をよく見ることあると思いますが、必ずしもそれが良い要因ではありません。いつプレスにいくのか、それに対してどのよう連動して、どのように同時性を持ってプレーするのかという点がしっかり表現できたからこそ、あのような守備ができて、それが得点につながりました。そのあたりの表現の仕方は非常に素晴らしかったと思います。

Q、戦術的な部分ではボランチの二人がうまくディフェンスラインまで下りずに二人で並ぶような新しい形もできて、チームとしての引き出しも試合を重ねるごとに増えている印象です。
A、そうですね。できれば最終ラインに下りない方が前には人数がかけられます。相手の構図を見た時に、誰が前向きに入っていきやすいかという点は準備していた部分でもあります。試合のなかでサプライズを誰が起こせるのかと言った時に、ピッチ上には11人しかいません。センターバックであればリスクのことを考えなければなりません。ただタイミングがあれば場合にはセンターバック出ていかなければならない状況も出てくるかもしれません。相手のゴール前ではなくても、相手のアタッキングサードにセンターバックが入っていくというシーンは、これまでの試合でも何度もありました。あとは最後のフィニッシュの精度や、リスク管理のところがさらに強固になれば、より良くなっていくと思います。

Q、サプライズを起こすという点で、前節は大森理生選手が久しぶりに出場して、良いプレーを見せてくれました。これまで良いプレーをしながらも、試合に出場できるセンターバックは二人というところで、大森選手もすごく努力を続けてきました。その努力が報われたということでしょうか。
A、そうですね。出場し続けている選手は試合勘であったり、試合の流れを読みながらどのようにプレーしていくかというところはうまく作りやすいかもしれないですが、久しぶりに出場する場合は、リズムだったり、試合の流れを読むところが未知な部分もあるので難しいこともあると思います。試合に出場した際にそのリズムや流れをどう掴めるかというところも大事な能力です。その能力だけに限らないですが、しっかりと試合に馴染んでプレーできているのは日頃の努力の賜物だと思います。もちろんメンタリティも含めて良い準備をしてきてくれていると思います。

Q、川崎フロンターレの印象はどうですか。
A、前節は負けてしまいましたが、それまでは連勝していましたし、自分たちの流れを掴みかけているという感じはしています。一つひとりのポテンシャルが高く、少しでも隙を与えたら、決着をつけられる能力を持っている選手がいるので、そのようなところをどう出させないかという点は、今節も続けていかなければならないと思います。

選手インタビュー

常盤亨太選手

Q、3連勝で迎える多摩川クラシコになります。
A、鹿島アントラーズとの勝点差を3まで詰められましたが、ここで負けてしまうと意味がなくなってしまいます。この5連戦で一番重要な試合と言っても良い試合になると思います。中2日での連戦ですが、相手も同じ状況なので疲労などは言い訳にならないと思います。明日の試合で勝てるか勝てないかで優勝するチームかそうではないチームなのか決まる、という気持ちで臨みます。絶対に90分で勝ちます。

Q、前回の川崎フロンターレ戦では、最後尾からしっかりとボールを繋げていた試合でした。
A、明日の試合でも自分たちは可能であればボールをつないでいきたいです。ただ、今は相手の背後をシンプルに狙ったカウンターも良い形で出すことをできています。前回対戦でやりたいことができたからといって、今回もできるとは限らないですし、相手があるスポーツなのでそこは分かりません。相手の順位は関係なく、一戦一戦目の前の相手に勝つことだけに集中して試合に臨みたいです。常に戦うのは自分たちで、自分たち自身をどのように越えていけるかが勝敗を分けると思います。常にそのことを意識してプレーしていきたいです。

Q、ビルドアップの仕方も開幕から変化を加えられていると思います。自分たちの引き出しも増やしていけていると思いますが、手応えはどう感じていますか。
A、前節の柏レイソル戦で相当な手応えを感じました。前半戦の試合では何もできなかった相手に対して、上手く繋ぐところと簡単にカウンター発動させるところの使い分けを行いながら試合を進めることができました。相当良い内容で試合を進められましたし、攻撃の引き出しは確実に増えているので、どれが一番有効なのかは試合が始まってみないと分からないですが、今は一つ消されたからといって、すべてがなくなるようなチームではないので、いろいろな手法を使って攻めたいです。ですが、結局は得点がとれなければ何も残らないので、ゴールには拘ってプレーをしたいです。あとは3試合連続で失点してしまっているので、失点を0にできたら負けることはないので、そこにも拘っていきたいと思います。

Q、カウンターで常盤選手自身がゴール前まで上がっていく場面もかなり作れていると思います。ゴールへの期待も高くなっています。
A、ずっとゴールは狙っていますし、この状態の良いチームにあと何が足りないかと聞かれたら、ボランチがゴールに関わることとセットプレーからの得点の二つだと思っています。その一つのボランチの得点というところは、自分自身の課題なので、そこで自分の課題を乗り越えることで、チームとしてさらに上をめざせるようになると思うので、そこはしっかりと狙っていきたいです。

Q、常盤選手自身、明治大学在学中にはいくつもの優勝争いをしてきたと思います。カテゴリーは異なりますが、優勝をするためにここから必要になるものはどのようなものだと思っていますか。
A、自分が追いかけられる立場で一番嫌なのは、2位のチームが勝点を着実に積み上げていて、そこに内容も伴っている時です。負けないのではないか、というプレッシャーを上のチームは感じると思います。今の東京はその両面を出すことができているので、1位の鹿島も意識してしまいすが、まずは自分たちに目を向けることが一番大切です。「勝点3差だから」「次勝ったらもしかしたら並ぶかもしれない」という場面になった時に、縮こまってしまい、チャレンジができなくなってしまう現象はありがちだと思います。その状況でもチャレンジできるメンタルを持ち、自信を持ってプレーできるかが勝敗を分ける重要なポイントです。ここからは技術どうこうよりも気持ちです。一人でも先にメンタルで負けた選手がいれば、そのチームが敗者になると思っています。最終節で勝った方が優勝となった時に、全員がビビらずに今のプレーができるのか、というところを突き詰めて日々積み上げていきたいです。優勝をめざしているのであれば、今からそういう意識を持ってやっていかないといけないと思っています。

野澤零温選手

Q、チームとしては3連勝していて良い流れがきているかと思います。野澤零温選手は、日々の練習や試合でチームの状況をどう感じていますか。
A、雰囲気も良いですし、チームが今本当に一つになって同じ方向をちゃんと向いているからこその結果だと思います。もちろん優勝という全員でめざしていく場所はありますが、まずは目の前の試合をしっかり勝ち抜く、勝ち切るということに関して、みんなが意識を持ってプレーできているからこそ3連勝ができているのだと思います。個人的にもここ最近は試合のメンバーに入ることができて、出たり出なかったりはありますが、出た試合や時間のなかで何ができるかというところにフォーカスしています。常に数字や結果にこだわって日々の練習から取り組んでいるので、そこは数字に繋げられるようなプレーをどんどん出していきたいと思っています。

Q、チーム全体として、誰が出ても同じ目線が揃っていて、戦う部分やプレー強度というベーシックな部分のベースがすごく高いように感じます。
A、試合のメンバーに入れていない選手もそうですし、ベンチスタートで出場している選手もそうですし、ベンチに入っても出られない選手もいて、色々な立場がありますが、やはり全員が全員、そのベースの部分でしっかり戦うところは出していかないといけません。誰が出場しても遜色ないチームにしないと、優勝というのは多分できないと思います。チームの底上げというのが自分たちのすごく重要な役割でもありますし、そこからスタメンで出ている選手を追い抜いていくような競争する空気も出していかないといけません。そこは常々自分も思っていますし、周りにも伝えているつもりです。練習からそうした雰囲気をもっと出していきたいです。

Q、途中出場が続くなかで、準備も含めて難しい部分もあるとは思いますが、どう日々の練習に取り組んでいますか。
A、チームが良い流れだからこそ、自分がもっと勢い付けさせるためにというか、プラスアルファになるために何をしたらいいのかを常日頃から考えてプレーしています。自分が求められていることはもちろんですが、チームでの役割もあるので、そこにプラスして、どれだけ自分の色が出せるかというのはすごく大事になってくると思います。他の選手は違う武器も持っていると自分でも思っていますし、その武器をどこで出すか、どう生かすかというのがチームにとって大事なところになってきます。そういうところはもっともっと磨いて、チームのプラスアルファになれるようにしっかりやっていきたいなと思っています。

Q、松橋力蔵監督は、交代で投入される選手のことをゲームチェンジャーと呼んでいると思いますが、柏レイソル戦はまさに、1点を返されてチームとして嫌な流れを断ち切りたいタイミングで、3点目につながる突破がありました。
A、試合に入る時に、守備も含めてチームとしての役割もこなした上で、点をとってこいと言われて送り出してもらいました。毎回そうですが、自分としても数字が欲しかったですし、1点返されてチームが苦しい状況のなかで、自分がもう一つギアを上げるための起爆剤になりたかったです。あの場面では、もうボールを持ったしどんどん仕掛けようと思っていました。周りと繋がってコミュニケーションをとりながら、チームとしてプラスになれるようにプレーしていたつもりだったので、もちろんまだまだ足りない部分もありましたし、もっと守備の場面でも強くいかないといけない部分だったり、攻撃の部分でもっとクオリティを出せる部分もありましたが、まずは1点につながるプレーができたのはプラスだと思いました。やはり自分は結果が求められていますし、自分自身も結果が欲しいので、そこはもっと貪欲にやっていきたいです。

Q、野澤選手のプレーを見ていると、ベクトルがゴールに向かう分かりやすさがあると思います。
A、そうですね。自分が後ろ向きにプレーしていたら本当に何もない選手になってしまうし、逆にどんどん前に矢印を向けて、ゴールに向かっていくと自然と自分の良さも出ます。周りの選手もそれに付いてきてくれるので。前までの自分であれば、他の選手に合わせたり、その人たちの勢いに乗るというふうに思っていましたが、今は途中からフレッシュな状態で出ているのもありますけど、自分が中心となって途中からでも勢いをまた出して、みんなを引っ張っていけるような選手になりたいと思っています。

Q、連戦の真っ只中です。チームの総力が試されていると思います。
A、本当にチーム全員の力が必要になってきますし、連戦でここがすごく踏ん張りどころで、ここを勝てば優勝というものが見えてくるとは思います。ですが、やはりまずは目の前の試合にしっかり集中しないといけないですし、目の前の試合で勝たないと意味がありません。自分もそうですし、チームとしても分かっているので、1試合の大切さを気持ちで出すこともそうですし、プレーや結果でしっかり示せるように、自分も全力尽くしてチームのために走って結果を出して、まずは勝ち切りたいと思います。

Q、前節、スタンドが近いスタジアムで、PKにつながるプレーもあってファン・サポーターの声援を目の前で浴びることはモチベーションになったのではないですか。
A、自分が勝利に貢献できるようなプレーもできて、本当にすごく気持ち良かったですし、僕自身もまた一つ自信になりました。勝利につながるプレーはどんどん続けていきたいですし、やっぱりこのチームで優勝したいので。僕はこのクラブでもっと上にいきたいので、そこはぶらさずに、チームのためにやり続けたいと思います。