7/14 トレーニング

北海道・白老キャンプ2日目は、白老桜ヶ丘公園陸上競技場で午前と午後の2部練習を行った。午前練習の前に、強化部から渡邊麻舟選手と新堀恵太選手のトップチーム昇格がチームに伝えられた。その後、渡邊選手は円陣の中心で「チームが目標を達成する力になれるように、貢献できるように頑張ります。よろしくお願いします」と挨拶した。
午前練習はウォーミングアップ、30mのタイム測定、パス&コントロールに続いてビルドアップのトレーニングが行われた。松橋力蔵監督は局面の『+1』と呼吸を合わせるタイミングを意識させ、中央とサイドの崩し方をいくつか提示。その後、11対11に分かれて実戦に近いカタチで確認して午前の練習パートを終えた。
午後はサイド攻撃にフォーカスしたトレーニングセッションとなった。サイドからの崩しの意識付けや狙いを確認した上で、最後は11対11のゲーム形式のトレーニングで再確認する流れとなった。

そのゲームでは俵積田晃太選手と橋本健人選手のコンビネーションから狙い通りの形で崩し切る場面も作った。
松橋監督は練習後の円陣で「サッカーのピッチではスペースは必ずある。もっとシンプルにプレーをした上で、優先順位を意識しよう。そうすれば、さらにそれが見えてくる」と選手たちに語りかけた。サイドからの攻略法が身体に染みつけば、自ずとこれまで得意としてきた中央突破も生きてくる。より多彩な攻撃が身に付いてくれば、自然と得点力アップも見込める。新シーズン開幕に向け、めざすべき道が示されたキャンプ2日目だった。
CAMP VOICE vol.2 渡邊麻舟選手

キャンプ2日目は、この日、2026/27シーズンからトップチームに昇格することが発表された渡邊麻舟選手に、今とこれから始まるプロキャリアへの率直な想いを聞いた。
Q、本日、トップチーム昇格が発表されました。
A、自分は幼稚園の頃からFC東京のスクールに通っていて、小さい時から東京がもう人生の一部みたいになっています。そのクラブでプロになれたことは本当に幸せです。家族や、多くのコーチ、チームメイトの力もあってここまでこられたと思います。ここでプロになることは目標ではありましたが、最終的なゴールではないので。ここからもう1回、イチからのスタートだと思っています。自分のめざしているもっと上のところに行くために努力していきたいです。
Q、家族からはどんな声を掛けてもらいましたか。
A、お父さんからもお母さんからも、「まずはおめでとう」と声を掛けてくれました。ただ、「ここからだよね」とも言われました。自分もその通りだと思っていますし、お父さんとお母さんの力があってプロ契約ができたと思っているので、これからも感謝の気持ちを忘れずにしっかりとやっていければいいと思います。
Q、FC東京の歴代ゴールキーパーには素晴らしい選手がたくさんいました。どんなゴールキーパーになっていきたいですか。
A、野澤大志ブランドン選手や、(キム)スンギュ選手のような偉大な先輩方と一緒に練習できたことは貴重な経験になりました。スクールに通っていたころには権田(修一)選手や林彰洋選手や波多野豪選手のようなレベルの高い選手も在籍していました。そういった選手を目標にしながらもいずれは超えていって、このクラブから海外に挑戦したい想いはあります。
Q、理想にしているゴールキーパーはいますか。
A、ゴールキーパーのプレー集を見る時はそれぞれの特長を意識して見るようにしています。最近では元スイス代表のヤン ゾマー選手や、スペイン代表のダビド ラヤ選手、コスタリカ代表のケイロン ナバス選手のプレーを参考にしています。自分はそれほど身長が高いわけではないので、自分と同じくらいの身長の海外のゴールキーパーを中心にプレーを見るようにしています。
Q、今キャンプでは最後まで居残りでトレーニングする姿は、野澤大志選手を思い出させました。
A、楽しいからです。練習はキツいですが、サッカーができる幸せも感じています。間違いなく練習は厳しいです。でも、そこに楽しさがあるので。いずれ追いついて超えていきたいと思っています。
Q、同学年の新堀恵太選手も昇格しました。これからもいいライバル関係が続いていきそうですね。
A、中学生の時は自分がFC東京U-15深川で、新堀はFC東京U-15むさしで、その頃から意識する存在でした。U-18に昇格した時には、後藤亘選手もいて、ゴールキーパー全員でレベルの高い練習を作り上げることができていたと思います。そういったレベルの高い練習が自分のパフォーマンスや、技術、戦術を引き上げてくれたと思っています。後輩もそうですし、先輩たちからもいろいろなことを教わりました。レベルの高い日常があったから今の自分があったと思っています。ここからプロの選手たちと毎日練習ができるので、もっとレベルは上がると思っています。もう一個も二個もレベルを上げていければと思っています。
Q、これからはサッカーが仕事になります。
A、面談を受けた翌日の練習で、ゲームや練習の見方が変わりました。これが仕事になるのだと、あらためて過酷だと思いました。常に緊張感のあるなかで毎日、トレーニングができているので。それが仕事になるという実感はまだありませんが、生き残っていくためには自分の特長を出し続けなければ、それもかないません。やっぱりこれがゴールではなくてスタートなのだと思います。もっと上にいきたいと思います。
Q、アカデミー時代からたくさん応援してくれた方々がいると思います。どのような言葉を贈りたいですか。
A、一番は家族で、自分が辛い時にいつも支えてくれました。サッカーを辞めたくなったこともありました。そういう時だけでなく、楽しい時もいつも僕を支えてサポートしてくれました。本当に感謝しています。チームメイトは普段から切磋琢磨して、良い雰囲気を作り上げてくれた仲間だと思っています。このクラブで、いろいろなコーチが自分に携わってくれました。その一人ひとりから言われたことが、全て自分のためだったのだと、最近になって思えるようになりました。厳しい言葉もたくさん言われましたが、結局はそれがあったからこそ、今の自分があるのだと思います。言われた当時は凹んだこともありました。でも、間違いなく今の自分の力になっています。ここからは結果というカタチで恩返しをしていきたいと思います。サッカー選手になったからこそ、プレーで見せないといけない。まずは試合に出て、結果で感謝の気持ちを伝えられたらと思います。
FOCUS ON – 今日の1枚 –

オフィシャルカメラマンが撮影した写真から1枚を選ぶ『FOCUS ON』。キャンプ2日目はゲーム形式のトレーニングで、長倉幹樹選手がループシュートを決めた瞬間を収めた写真をセレクトした。
明治安田J1百年構想リーグの東京ヴェルディ戦の決勝弾を彷彿させるゴールが生まれる過程には3選手が見事に絡んでいた。まず、石原広教選手が右サイドからピッチを斜めに横断するパスを差し込む。それを長倉選手と仲川輝人選手の鮮やかな連係で崩し、最後は長倉選手が完璧に自分の支配下に収めたボールを左足ループでゴールにふわりと届けた。
仲川選手は石原選手を含めた3選手が同じ絵を描けたからこそ生まれたゴールだったという。
「オレと幹樹はあの瞬間、分かり合っていた。話したわけではないけど、出し手のヒロもそれが分かっていたからこそ、三人目のプレーが生まれたのだと思う」
そして、長倉選手は「その前からテルくんとは連係もうまくいっていた。右足のトラップもうまく相手ゴールキーパーの届かない距離にトラップができたと思う。その前のトレーニングで飛び込んできたところで振っちゃったので、その反省を活かしてうまく浮かせられた」と、らしさ全開の機知に富んだゴールに胸を張った。

