マッチレビュー&プレビュー
前節・浦和レッズ戦のレビュー
何としても90分間で勝利を収め、最終節に可能性をつなぎたいゲーム。勝点4差で追う首位の鹿島アントラーズにプレッシャーをかけたい試合は、多数の青赤ファミリーがアウェイのゴール裏スタンドを埋め尽くし、無数のフラッグと大声援でチームを鼓舞。一丸となって勝利をめざした。
そのサポートに呼応するかのように、立ち上がりから球際激しく臨んだ東京。浦和がスペースを潰してきたことで、序盤こそ攻撃をスピードアップできない時間帯が続いたが、全員攻撃、全員守備の意識を高めて焦れずにチャンスメイクを狙っていった。
前半35分にはショートコーナーから稲村隼翔選手がヘディングで巧みにコースを変えたが、このボールは左ポストを直撃。さらに同44分には中盤でボールを奪取した常盤亨太選手がマルセロ ヒアン選手とのパス交換でゴール前まで迫ったが、これもネットを揺らせず。惜しいシーンを作りながら前半を折り返した。
迎えた後半、青赤軍団がさらにギアを上げて浦和ゴールに襲いかかっていく。鋭く厚みのある攻撃で迫力を出し、勝利への意欲をピッチで表していった。後半25分には今シーズン初出場となる俵積田晃太選手がイン。昨シーズン11月以来の復帰となった背番号33はいきなり吸い付くようなタッチの高速ドリブルを仕掛けるなど、力強く持ち味を発揮してチャンスを生み出す。
その後も浦和の怖さを封じながら東京らしさを見せたが、最後までスコアを動かすことができず。試合の行方はPK戦へと委ねられた。
一人が外した東京に対して、先攻の浦和は二人がミス。だが、3-3で迎えた五人目で室屋選手のキックがクロスバーを越えて、決着をつけることができない。そこから3選手ずつが決め合った九人目、キム スンギュ選手がファインセーブを見せながら東京はショルツ選手のキックが止められ、ここでも試合を決められない。キッカーが一巡して迎えた十三人目、浦和は渡邊選手が外すと、東京は橋本健人選手が相手ゴールキーパーの動きをしっかりと見極めて蹴り込んで勝利。両チーム合わせて26回蹴るという大激戦のPK戦を制し、アウェイで勝点2を持ち帰ることになった。
今節のプレビュー
東京が勝点2差に詰め寄った浦和戦の翌日、鹿島アントラーズがジェフユナイテッド市原・千葉に勝利したことで、明治安田J1百年構想リーグの地域リーグラウンドを1位で突破する可能性が消滅した。最終節に待ち構える鹿島との直接対決に逆転優勝の可能性をつなごうという目標を掲げてきたが、惜しくもそこには届かなかった形だ。
だが、ここまで積み上げてきたものがあるからこそ感じることができる悔しさでもある。キャプテンの室屋成選手は「思い描いていた形ではないですが」と前置きしながら、「シーズンを通じて良い戦いができていたと思う。それを1位の鹿島相手にどれだけできるかに自分たちの力が試される。まずはプレーオフに向けて継続してやり続けなければいけないし、鹿島に嫌な印象を持たせるためにも、しっかり勝って良い形で次に向かいたい」とコメント。翌週から始まるプレーオフラウンド、そして8月に開幕を迎える新シーズンに向けた二つの“リスタート”になると話す。
試合前日の22日に39歳の誕生日を迎えた森重真人選手が強調したことは、青赤のプライドについてだ。「みんなはいつもどおりに振る舞っているけれど、優勝の可能性がなくなったことで、かなり悔しい気持ちを持っているはず。自分たちが鹿島より劣っているとは思っていない。でも、結果的には鹿島が上にいる。最後はもう意地の張り合いというか、プライドの問題。順位表では負けているけど、オレたちのほうが上なんだというところを最後に証明したい」と、ここまで積み上げてきた自信を糧に、直接対決を制することで東京の強さを示したいと誓う。
今シーズンの特別大会は鹿島戦が最終節。ここで地域リーグラウンドの順位が確定し、EASTグループとWESTグループの同じ順位に入ったクラブが、翌週から行われるホーム&アウェイ形式のプレーオフラウンドで対決する。
これまで以上の覚悟と熱量で、プレーオフラウンド、そして未来に向かって力強く踏み出す意地の勝利を手にしなければならない。まさに青赤の力を証明する試合となる。
松橋力蔵監督インタビュー

Q、前節終了時点で、鹿島アントラーズがEASTグループの首位を決めたという状況になりますが、チームとしてここまで積み上げてきたものを証明する試合になると思います。この試合に向けてどのようなことを考えていますか。
A、勝ちにいくだけだと思います。証明するためではなく、証明をし続けてきたからこそだと思っています。数字や順位ということではなく、我々が思い描いたものをしっかり表現するなかで、勝つということは簡単なことではないので、必ず勝つとはなかなか言い切れない部分もありますが、最初からよく言っていた“ふさわしさ”というものが何だろうという点は、サッカーにおいても積み上げなので明日の試合でも“らしさ”を全開に出していきたいです。鹿島でのアウェイゲームということで強烈な雰囲気もあると思いますが、前節の浦和レッズ戦で慣れている部分もあるので、しっかりと相手を上回り、勝点3を獲得することが次のプレーオフラウンドに必ずつながると思っています。
Q、目標としてきたものにわずかに届きませんでしたが、そこからもう一度前に踏み出していくというパワーも求められる試合になると思います。選手たちにどのようなことを伝えましたか。
A、特別伝えていることはありません。もちろん残念な結果になりましたが、他チームの試合結果は我々でコントロールすることはできないので、あらためて何かを伝えるということではなく、今のこの流れのなかでどのようにやっていけるのかというところをしっかり最後まで貫き通すことが大事だと思います。
Q、このシーズンを終えたあとにあらためて振り返ると、勝点1や得点1、失点1というものを考えて次のシーズンに踏み出していくことになります。わずかに目標に届かなかったことに対してどのように受け止めていますか。
A、楽観視をしているわけではありませんが、サッカーは本当に不条理で、分からないところもあります。このシュートが入っていれば、というシーンもありましたし、このシュートが入っていなければ、というシーンもありました。相手を警戒していないということはありませんが、我々の分析のなかでは圧倒していたとしても、このシュートが入ってしまうのかという部分もサッカーにおいては多く含まれています。そういった部分をどれだけ我々に手繰り寄せられるかを考えると、まだまだ足りないところがあります。それを手繰り寄せられるように、我々がやりたいようにプレーしながら、相手がやりたいようにプレーさせないようにしていくところまで持っていくことができれば、自ずと勝点が積み上がる可能性や確率は確実に上がると思います。そこまで求めていかないといけないと思っています。
言葉にするのは簡単ですが、シーズン中はこの勝点1をどのように獲得していくかというところをめざしていましたし、失ったものは取り返すことはできません。その原因に何があるのかといえば、不運であったり、そういうもので片付けるのではなく、やはり自分たちで積み上げられるところはありました。そのためには、今言ったように、さらにもっと我々がやりたいようにプレーしていくなかで、相手がやりたいことができないような状態に持っていくことが必要です。そこまで持っていくことができれば、勝点はもしかすると、もう1や2は積み上がっている場合もあったのではないかと思います。そのように理解して、また次につなげていきたいと思っています。
Q、鹿島アントラーズの印象を教えてください。どのようなところを警戒して、上回っていきたいですか。
A、本当に素晴らしいチームで、隙のないチームだと思います。そこをどう作らせるかというよりも、攻撃的に戦っていくなかで、先ほどの繰り返しになりますが、相手がやりたいようにではなく、我々がやりたいようにプレーしていくことが大事だと思っています。
Q、東京も鹿島もお互いに相手の出方を見て対応することのできるチーム同士の対戦になります。
A、鹿島の試合をいろいろと見ていますが、慌てている感じがしません。もちろんチームのなかではそのようなところもあるとは思いますが、早く的確に良い方向に持っていって、修正だったり、やり方を変えたりという柔軟性と幅を持っています。試合を見ていると、この試合はあまり鹿島の試合ではないのかなと思っていても、終わってみると勝っていることがあります。相手の出方を見るところも当然ありますが、それだけで勝点を本当に積み上げられるかという部分もあります。また繰り返しになりますが、確率をさらに上げるのは、自分たちが本当にやりたいようにプレーしたなかで、相手のやりたいようにプレーさせない。そこをどのように積み上げられるかというところかと思っています。
Q、鹿島戦に向けてメンタルをどのようにフォーカスしていくかという考えはいかがですか。
A、特別にフォーカスする必要はないと思っています。大事な一戦ですし、最終節がアウェイの鹿島戦ということは最初から決まっていたことです。違う意味になってしまいましたが、舞台は整っていると僕は思っていますし、選手たちもそのように思って戦ってくれると思います。
選手インタビュー
アレクサンダー ショルツ選手

Q、レギュラーシーズンの最終戦となります。まず、ここまでのシーズン全体を振り返っていかがですか。
A、非常に前向きなシーズンだったと思います。もちろんリーグ優勝するチャンスを逃したことは残念ですが、鹿島アントラーズは非常に強かったし、EASTグループの1位にふさわしいチームでした。ですから、今は彼らに対して良い試合をして、これがリーグ全体で見ても1位と2位の対戦だということを示さなければなりません。チームは順調に成長していますし、この調子で続けていくだけです。
Q、今シーズンにもっとも成長した点はどこでしょうか。
A、たくさんあると思いますが、全体的なマインドセットがより攻撃的になり、守備ではハイラインで守り、ミスも減ったと感じています。。それに個人としてもレベルが上がってきて、対戦相手にとって手強いチームになっていると思います。
Q、攻撃面でも、得点数は鹿島と並んでEASTグループトップタイの28得点を挙げています。
A、サッカーはエンターテインメントであるべきだと思うので、これは非常にポジティブだと思います。サッカーの価値とは、ファン・サポーターにとって見る価値がある試合にすることだと思います。そして、それは東京が数年前、『+1Goal(ワンモアゴール)」という戦略を打ち出した際、すでに作り出そうとしていたイメージそのものでもあると思います。もちろん、もし『+2(プラスツー)』が可能なら、それをめざします。しかし、重要なことはゴールを決めることだと思います。ですから、これまで通り、さらに多くのゴールを決められるように努力し続けるべきだと思います。
Q、先ほど挙げていただいた攻撃と守備の成長した点は、どちらも互いに良い影響を与えあった結果でしょうか。
A、それは良い指摘だと思います。なぜなら、我々の得点の多くはハイプレスから生まれているからです。これも興味深い点ですね。ハイプレスはかなり向上し、その強度も非常に高いです。また、高い位置でプレスをかけると、相手のゴールまではそれほど距離がないので、体力を温存できるというメリットがあります。一方で低い位置に下がってしまうと、2025シーズンに何度もそうなったように、相手ゴールまでかなり距離が出てしまいます。攻撃と守備が良い影響を与え合っているというのは確かです。
Q、鹿島戦は1位を争う試合ではなくなってしまいました。モチベーションを維持するのは難しくはないですか。
A、いや、難しいことではありません。なぜなら、サッカー選手なら、自然とプレーしたいと思うものだからです。先ほども言いましたが、試合がなくてプレーできないことは非常に残念です。1位を争うためにプレーできれば最高のシチュエーションでしたが、それでも僕たちには成長を続けたいというモチベーションがあります。プレーオフに向けても良い準備をしたい。だから、僕はいつも言っていますが、どの試合も同じだと本当に思っています。順位が決まったからといって、明日休みたいなんてまったく思いません。プレーし続けたいし、チームのみんなも同じ気持ちだと思います。
Q、この試合で何を示したいと思っていますか。
A、この鹿島戦では、たくさんのファン・サポーターにもそうですが、自分たち自身のためにも、チームが次のステップに進んだことをしっかりと見せつけなければいけません。そして、トップレベルに留まりたいという意志も示さなければなりません。今はEASTグループの2位ですから、まずはトップ争いに加わること。一方でトップの鹿島に勝てる力も持っていなければなりません。以前、ホームで彼らと対戦した時は、数的優位に立っていたのに引き分けに終わりました。あの試合から今まで、鹿島は一貫して強さを維持しています。だからこそ、我々がどれだけ成長したかを示し、その成長度合いを比較できる機会になると感じています。
Q、ご自身のパフォーマンスについてはどうですか。この試合でファン・サポーターに何を示したいですか。
A、鹿島と対戦することはいつも楽しいです。大きなクラブですし、素晴らしいファン・サポーター、素晴らしい選手もいます。特に前線には、リーグ屈指の強力な個の能力を持った選手が揃っています。ですから、明日は良い挑戦になるでしょう。誰が得点ランキングのトップかは分かりませんが、レオ セアラ選手か鈴木選手でしょう。二人とも素晴らしい選手ですし、彼らと対戦するのはいつも楽しみです。どちらが勝つのか、楽しみにしています。
佐藤龍之介選手

Q、浦和レッズ戦では最後まで、ゴールを奪うことができませんでした。
A、ゴールに迫るシーンは多く作れましたが、最後のクオリティの部分が足りなかったです。試合開始から自分たちがもっと支配しないといけない試合だったと感じています。
Q、今は佐藤龍之介選手がボールに関わるシーンが多くなっている印象があります。
A、しっかりとゴールを生み出せるポジションをとり続けるということを意識しています。ボールを受けて展開するだけではなく、ゴール前でマルセロ ヒアン選手や、サイドの選手とより関わりを増やしていき、もっと得点に繋がる動きをしていきたいです。ヒアン選手とも、試合を重ねるごとに非常に連携が良くなっていて、お互いのポジションを常に確認してプレーしています。裏への抜け出しがヒアン選手の武器だと思うので、それを引き出そうと意識しています。まだまだお互いの良さが引き出せると思っているので、これからもさらに相手の脅威になっていきたいです。
Q、90分間で勝利するために、最小失点を記録している鹿島アントラーズの強固な守備を崩さなければいけません。
A、思い切りの良いプレーが重要になってくると思います。自分たちの今まで積み上げてきた良さを、自信を持ってプレーして出すことが一番大事だと思います。試合数もラスト3試合になったので、ファン・サポーターの力がこれまで以上に湧き出てくるようなプレーをしたいと思います。
Q、地域リーグラウンドの最後の試合になります。
A、鹿島に勝つことは、EASTグループの1位を倒すということになります。今シーズン自分たちは、良いシーズンを過ごせたからこそ、優勝できなかった悔しさがあります。この試合でその気持ちをプレーで表現したいです。絶対に勝利して終えたいです。
Q、常に熱い応援をしてくれているファン・サポーターにメッセージをお願いします。
A、地域リーグラウンド最終戦、鹿島の地でみなさんと必ず一緒に喜びたいと思います。一緒に戦いましょう!応援よろしくお願いします!



