REPORT 2026.4.11

4/11 横浜FM戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

マッチレビュー

明治安田J1百年構想リーグは後半戦に突入。ここまで暫定2位につける東京としては勝点3差で追う首位の鹿島アントラーズよりも消化試合数が1試合多いだけに、優勝争いに食らいついていくために、そして鹿島にプレッシャーを掛けていくために、勝点3を積み上げて勝ち続けていかなければならない状況にある。 

今節、日産スタジアムで迎える横浜F・マリノスとのアウェイゲームは、前節から先発メンバーを二人変更して臨むことになった。ゴールキーパーはキム スンギュ選手、最終ラインは右から室屋成、アレクサンダー ショルツ、稲村隼翔、橋本健人の4選手が並び、ボランチは常盤亨太選手と前節の出場停止から戻ってきた橋本拳人選手を起用。アタッカーは右に佐藤恵允、左に遠藤渓太の両選手を置き、マルセロ ヒアン選手と佐藤龍之介選手が縦関係の2トップになる前節と同様の形でコンビを組んだ。4月にもかかわらず気温24.5度で強い日差しを浴びるなかでの試合は、15:03にキックオフを迎えた。

 1st―前半終了間際に鋭いカウンターからケイン弾

立ち上がりから相手がシンプルなロングボール主体の攻撃を仕掛けてきたこともあり、なかなかボールが落ち着かない時間帯が続く。そのなかで佐藤龍選手が低い位置まで降りて攻撃の起点になり、稲村選手の正確なロングフィードから遠藤選手が抜け出しを狙うなど、徐々にチャンスにつながりそうなプレーを増やしていく。前半21分には佐藤龍選手のパスから左サイドバックの橋本健選手がオーバーラップ、さらに遠藤選手へとつないでシュートを放つ形を作り出した。 

カウンターとロングボール中心で攻めてくる横浜FM。前半22分には天野選手にドリブル突破からクロスバー直撃の左足シュートを打たれたが、東京はチーム全体で集中した守備を見せてゴールを守り抜き、少しずつ東京がボールを握って押し込む時間が長くなっていく。  

なかなかシュートチャンスを生み出せなかった東京は前半43分、佐藤龍選手の右コーナーキックがこぼれたところを橋本拳選手がフリーでダイレクトボレー。これは惜しくもクロスバーの上に外れてしまったが、初めての決定機を迎えることになった。 

そして前半45分、自陣で佐藤龍選手がボールをカットすると、そのままシンプルに前方のヒアン選手につなぎ、チーム全体が一気に相手陣内に襲い掛かる。ここでヒアン選手が長い距離をドリブルで持ち運んで柔らかいラストパスを送ると、中央に抜け出した佐藤恵選手がワンタッチから巧みに左足で流し込んでフィニッシュ。迫力ある高精度のカウンターで東京がネットを揺らし、アウェイで先手をとることに成功した。前半はこのまま終了。良い時間帯に先制点を奪い、東京が1-0でリードしてハーフタイムを迎えた。 

2nd―ヒアン弾に1点を追加し90分間で勝利

立ち上がりからアグレッシブに追加点を狙いにいく東京。佐藤龍選手の縦突破、ヒアン選手の強烈なインフロントシュートなどで横浜FMゴールを攻め立てる。後半9分にはカウンターから遠藤選手が中央を力強く持ち上がって左へパス。ここで佐藤龍選手が左足で折り返したが、ファーサイドに走り込んだヒアン選手には惜しくも合わず、2点目を決め切ることができない。 

続く後半14分には自陣深くからボールをつなぎ、右サイドで佐藤恵選手が前方へ長いスルーパス。これに室屋選手が抜けてフリーで持ち上がり、逆サイドへ折り返したところで走り込んだ遠藤選手が右足で狙ったが、これはクロスバーの上に外れてしまい絶好のチャンスを逃してしまう。 

何度も惜しいシーンを生み出してきた東京に歓喜の瞬間が訪れたのは後半19分のことだった。ピッチ中央をドリブルで運んだ室屋選手が左前方へスルーパスを供給すると、これを受けたヒアン選手が前方へ持ち出して左足で豪快に射抜くファインゴール! 青赤がふたたび鋭いカウンターから待望の追加点を奪い、リードを2点に広げることに成功した。 

予想外の暑さのなかでハイプレスを控えて、効果的なカウンターで仕留めることに成功している東京。しっかりと構えて相手の攻撃を封じ、カウンターとポゼッションを織り交ぜながら主導権を握り時間を進めていく。しかし、相手の攻撃を跳ね返したところで一瞬の隙が生まれ、こぼれ球を拾った加藤選手にミドルシュートを決められて4試合ぶりの失点を喫してしまった。 

ここで東京は初の選手交代。室屋選手、佐藤龍選手に代えて小泉慶選手を右サイドバックに、仲川輝人選手を2トップの一角に送り込んだ。 

ふたたびリードを広げたい東京。後半33分に右サイドで直接フリーキックのチャンスを得ると、ここで橋本健選手の左足キックが相手のオウンゴールを誘って追加点。オフサイドの可能性があったとしてVARのサポートが入ったが、そのまま得点が認められてスコアを3-1とした。 

後半40分には二度目の選手交代。遠藤選手、ヒアン選手から野澤零温選手、尾谷ディヴァインチネドゥ選手にスイッチ。野澤選手を左アタッカーに、尾谷選手をフォワードに投入。同45分には最後の選手交代で佐藤恵選手を山田楓喜選手に交代。試合のクローズを託した。 

6分間の後半アディショナルタイム、相手がパワープレー気味に攻め込んでくる状況でもしっかりと封じ込んでタイムアップ。アウェイに詰めかけた青赤ファミリーが“眠らない街”の凱歌が響き渡らせるなか、見事に90分間で勝利を収め、2試合多い状況ながら日曜に試合を控える首位の鹿島と勝点で並ぶことに成功した。 

松橋力蔵監督インタビュー

Q、本日の試合を総括してください。
A、90分トータルで考えると、非常に難しいゲームになってしまったなということはあります。ただ、最終的に勝点3を奪えたことは、次にしっかりつなげられると思っています。少し時間は空きますが、また良い準備をして次の試合に挑みたいと思います。

Q、前節は攻め切れない印象もありましたが、今節はカウンターで先制点を奪いました。チームの変化はありますか。
A、特にこういう形での得点をトレーニングしてきたわけではないですし、相手の出方によって背後へのシンプルな攻撃だったり、ラインを間延びさせることは少し準備してきました。ただ、前半はビルドアップをなかなか使えずにロングボールが多くなって、セカンドボールも拾えない状況が続いていました。そのなかでも、あの形は自分たちの強みの一つでもあるので、しっかり仕留められたことで、相手の心を少し揺さぶることはできたのかなと思います。

Q、連動や連携について、選手の距離感や動きはどう見ていますか。
A、今言われたイメージは、自分のなかではまだそこまで出ていないかな、と。逆に言うと、そこはまだまだ課題だと思っています。前への意識はすごく高いですし、サプライズを起こそうという意識もある。ただ、ダミーなのか本当に受ける動きなのかが中途半端になって、選択されなかった時に後ろの選手がいなくなってしまう場面もありました。本当の連動性というものは、立ち位置や幅、相手の守備の寄せ方まで見えてはじめて出てくるものだと思うので、そこは少し出せなかったかなと思います。ただ選手がそう感じているなら、続けていってほしいと思います。

Q、得点はカウンターからでしたが、意図的な戦い方だったのでしょうか。
A、元々そういう形を得意とする選手が多いですし、前節のようにしっかりブロックを作られると打開が難しい状況もあります。チャレンジしながらも、両方を使い分けられことが大事で、そのなかで今回はしっかり状況を見逃さなかった。それは彼らのポテンシャルだと思います。

Q、失点シーンについてはどのように見ていますか。
A、すべてを見切れているわけではないですが、ブロックに入った選手が少し避けてしまったようにも見えました。最後に打たれる瞬間にどれだけ寄せられるかという、本当に細かいところだと思います。守備も構築できてきている部分はありますが、さらに良くするためには個人のところで抑え切ることが必要です。まだまだ積み上げていかないといけないと思っています。

Q、ビルドアップがうまくいかなかった点について、どのように修正しましたか。
A、試合中にもゴールキーパーと話をしながら、最終的な判断は任せつつも、前半は長いボールが多過ぎたというところはありました。それによって自分たちで解放できるポイントがあっても使えず、単調になってしまった。後半は少しずつ修正できたと思います。長いパスと短いパスをうまく使い分けて、相手の目線を変えていく。そういう柔軟さは必要だと思います。

Q、良いボール奪取から追加点を狙える場面もありましたが、今後の課題は何ですか。
A、シーズンの最初にも話しましたが、この形でどれだけ点をとれるかが勝点3を増やすポイントになると思っています。最終的なアイディアは個人に依る部分も大きいですが、相手が慌てている時に自分たちは冷静にプレーすること、常に相手の逆を狙うこと。それが確率を上げるためには大事だと思います。

選手インタビュー

佐藤恵允選手

Q、素晴らしいゴールでした。
A、厳しい展開で、チームとしてやりたいことがなかなかできないなかで、押し込まれていてもカウンターの部分は練習から狙っていたので、チャンスがきたので振り絞ってスプリントしました。

Q、スタートは右サイドミッドフィルダーでの起用でしたが、得点シーンはフォワードのようなポジショニングでした。
A、マルセロ ヒアン選手が1対1になって、僕が目の前の選手に走り勝ったら絶対にチャンスになるなと思いました。がむしゃらに走ってゴール前まで入っていきました。

Q、フォワード起用でゴールはありましたが、ミッドフィルダー起用でのゴールは初めてだと思います。フォワードとして決めたゴールの良い感覚が活きましたか。
A、得点感覚は(アウェイのFC町田ゼルビア戦)あの2点からついてきたとは思います。どこに入っていけばゴールがとれるか、という感覚です。久々にゴールができて良かったです。

Q、クロスオーバーする形ではなく、内側をアンダーラップするコースで走り込んだことが良かったのではないですか。
A、ヒアン選手のドリブルのコースがサイドで、大外から遠藤渓太選手も走っていました。その遠藤選手につられている相手選手がいたので中のコースががら空きになり、それが見えていたので、たとえ使われなかったとしても「ヒアンが自分を選択したらいいな」と思いながら走り込みました。その瞬間に目が合ったので、「これはパスがくる」と感じました。トップスピードのなかでトラップが流れてしまい最初は右足で打とうとしたのですが、左足にうまく切り替えて流し込めました。

Q、前半終了間際のゴールが試合の流れを変えたように見えました。
A、あのゴールはだいぶ大きかったと思います。それまで相手に押し込まれてかなりきつかったので。自分たちもなかなかボールを持てないし、気候も暑いし……。あの厳しいなかでも点をとれたということは、成長できた部分だと思います。

Q、横浜F・マリノスのハイラインの裏をうまくパスで突くことができていたと思います。
A、前半は本当にきつくて、点が入った記憶がないくらいなので(笑)。前半は本当にうまくいかなかったです。それでも焦れずに身体を張って守ったことがつながりましたし、みんなで守った結果のゴールだと思います。

Q、ハーフタイムにうまく修正できたから、相手の背後を突けるようになったのではないですか。
A、その修正の結果です。それも前半のゴールがあったから、みんなもメンタル的にだいぶ楽になったのではないかと思います。

Q、後半はチーム全体がすごくいきいきプレーできていた印象です。
A、前半と違って、ポジショニングをとることも切り替えも早くて、丸っきり違う展開になりました。ただ、前半からそうプレーしたかったです。今シーズンはじめての暑さのなかでの試合で、慣れていないことはしょうがないと言えばしょうがない部分もあります。こうした難しい試合で勝ち切れたのは成長した部分です。

Q、首位の鹿島アントラーズに勝点で並びました。
A、プレッシャーをかけられていると思います。 

マルセロ ヒアン選手

Q、今日の勝利を振り返ってください。
A、前半はボールを奪うところやプレスの部分、ビルドアップもうまくいかないところがありました。良い流れではなかったのですが、そのなかでも得点をとることができました。ハーフタイムに監督から的確な指示をもらえて、後半は立て直すことができたと思います。私たちのリズムが出て、追加点もとることができて、良い形で勝利することができました。

Q、1ゴール1アシストというパフォーマンスでした。ゴールの場面を振り返ってください。
A、1点目は佐藤龍之介選手がプレスをかけてボールを奪ってくれて、それが自分のところにきたので、自分で運んで最後は佐藤恵允選手が決めてくれました。すごく良い形で奪ったゴールだったと思います。私のゴールシーンは、室屋成選手から素晴らしいパスがきて、うまく左に流れてコントロールができたので、フィニッシュも良いタイミングで良い感覚で打つことができました。自分のゴールもとてもうれしいですが、何よりも勝ったということが一番だと思います。

Q、今日はカウンターがうまくはまった試合でした。ヒアン選手の武器も活きる展開だったのではないでしょうか。
A、自分たちのチームスタイルとして、ボールを奪ってから早く攻めるという部分もあります。今日はそこでしっかりと仕留めることができて良かったと思います。チャンスは何度かありましたので、そこでも決めることができればより良かったと思います。また次に向けてやっていきたいと思います。

Q、佐藤龍之介選手とのコンビネーションはいかがでしょうか。
A、前回よりもコンビネーションは良くなってきていると思いますし、非常にポジティブに感じています。プレースタイルが違いますので、お互いに補い合いながらプレーしています。もっと練習を積んでいけば、さらに良い関係ができると思います。

Q、首位の鹿島アントラーズを追いかけるうえで、今後大事になってくることは何でしょうか。
A、相手がどうこうというより、私たちが一戦一戦勝って、そこに辿り着くだけだと思います。少し時間は空きますが、まずはしっかりと休んで、次の大事な試合に向けてまた勝つことを第一に考えていきたいです。

Q、アウェイながら多くのファン・サポーターが詰めかけました。メッセージをお願いします。
A、今日もアウェイにもかかわらずたくさんのファン・サポーターが後押しをしてくれました。私たちの力になりますし、一緒に戦ってくれてありがとうございます。この先の試合も変わらずに一緒に戦ってください。

橋本健人選手

Q、チームの3点目、オウンゴールを誘発したシーンは、どういう狙いでフリーキックを蹴りましたか。
A、事前に相手のディフェンスラインが高いというリサーチは入っていたので、ゴールキーパーの前に落とすことができれば何か起こるんじゃないかと思って蹴りました。 

Q、では、狙い通りでしたね。
A、結果的にはそうですね。本当は誰か味方に合わせられれば良かったのですが。それでも、得点につながって良かったと思っています。 

Q、ゴールが決まった瞬間はいかがでしたか。
A、前半は苦しい展開でしたし、昨シーズンまでの東京はセットプレーで得点がとれないと言われていたなかで、自分がセットプレーを蹴って得点が生まれたことへの喜びは大きかったです。 

Q、チームとして大事な試合で勝点3を獲れたということについてはどう感じていますか
A、90分で勝つことができたのは大きいと思います。今日は内容が良いとは言えない試合展開のなかで、勝ち切ることができたことは大きかったと思います。 

Q、難しい試合展開の前半だったという話もありましたが、具体的にはどのようなところが難しかったですか。
A、攻撃でリズムを作ることができていなかったと思います。相手が人についてきて、ラインも高くしてフォワードの選手がプレスをかけてくるなどの対策をとってきました。自分たちにボールを持たせないようにする守備に対して、自分たちがビルドアップから良い前進ができなかったせいで、相手にボールを持たれる時間が長くなってしまった印象です。 

Q、徐々にこちらに流れがきたと思いますが、自分たちでやり方を変えた部分はありましたか。
A、ハーフタイムに、もっと試合をコントロールする局面は必要だという話があったので、そこでもう一度意識したり全体の立ち位置を工夫したりしたところはありました。あとはシンプルに、相手がこの暑さのなかで90分間このハイプレスを続けることができず、強度が落ちたという部分もあったと思います。 

Q、東京はハイプレスにいけなかったのか、それともいきたかったけれどいかなかったのか、どちらでしょうか。
A、状況にもよりますが、いきたいとは思っています。ただ、そうではないこともサッカーです。結果的にミドルプレスからカウンターで2点をとれたことはこのチームの強みですし、ボールを持つことに固執しないで、すべての局面で上回れる選手たちもいるし、仕留め切れるクオリティもある。そういった一面を見せられたことはすごく良かったと思います。 

Q、良い時間帯に得点がとれて、相手を突き放すこともできたということも考えると良い試合だったと言えるでしょうか。
A、いや、今日は課題の方が多かったと思います。松橋監督もボールを奪ってからの早い展開で何点とれるかというところが、シーズンで大事になってくるという話をしていましたが、実際に今日はそういう展開から2点をとることができたことは大きかったと思います。ただ、もう少し自分たちでボールを保持して、意図的に前進をして相手陣地で押し込むという展開が理想ではあるので。そう考えると、今日は内容が良いとまでは言えないと感じています。 

Q、現時点では2試合多い状況ですが、首位の鹿島アントラーズと勝点で並ぶところまできました。
A、試合数が違うので、とくに何も言えることはありません。自分たちは優勝をめざしているし、目の前の試合に90分で勝ち続けるということだけを考えています。ですので、先を見るよりも、次の試合にまた90分で勝つというところにフォーカスしてやりたいと思います。