SAMURAI BLUE(日本代表)への初選出など、多くの刺激と学びを得た2025シーズン。Jリーグとは異なる基準やスピードを体感するなかで、自身の現在地と向き合い、さらなる成長への意欲を強くした。
一方で、リーグ戦では手応えと同時に、結果への課題も突きつけられた一年でもあった。俵積田は、そのすべてを糧に、より高いレベルで戦う覚悟を胸に刻む。
手応えと課題、そしてその先へ――。
Q、2025シーズンを振り返っていかがでしたか。
A、成長するきっかけや機会が多く得られたシーズンになったと思います。そのなかでも、自分自身にとって大きな出来事としては、6月に日本代表に選んでもらえたことが何より貴重な経験でした。
Q、日本代表の活動では具体的にどのような経験を得られましたか。
A、普段のJリーグでは経験できない、プレーのクオリティを感じました。同じく日本代表メンバーに選ばれた選手たちの質の高さもそうですし、対戦した相手のレベルも含めて、強く感じました。プレーのスピードや判断、すべてにおいて今までとの違いを体感したことで、ここからもっと成長していきたいという想いがより一層強くなるきっかけになりました。特に久保建英選手や鎌田大地選手のプレーのクオリティは、代表メンバーのなかでも一つ飛び抜けているように感じましたし、ボールタッチや供給してくれるパスの質も自分とのレベルの違いを感じました。
練習以外の場面でも、何人かの選手とサッカーの話を中心にコミュニケーションをとるなかで、『海外での挑戦』という話もありました。ですが、僕自身東京でまだ大きな結果を残せていません。東京の選手としてしっかりと結果で示すこと、チームに貢献したいという想いも、その時により強くなりました。

Q、第12節のガンバ大阪戦のゴールなど印象に残るプレーもありましたが、俵積田選手にとって満足のいくシーズンではなかったと思います。
A、自分の目標から結果を振り返ると、50パーセントくらいの達成度でした。トップチームに昇格した一年目から、J1リーグの選手を相手にドリブル突破や仕掛けの手応えは少しずつ増えてきていますし、今シーズンに関しては守備の立ち位置や強度も改善していくために取り組んできました。ある程度はできた部分もありますが、“5ゴール5アシスト”という目標を立てていたので、前線の選手として結果や数字を残すことができなかったことに対しては全く満足はいっていません。
Q、今シーズン出場した試合で印象に残っている試合はありますか。
A、もちろん、国立競技場で開催されたG大阪戦はドリブル突破から得点も奪うことができてインパクトを残せたと思っていますが、個人としては第18節のサンフレッチェ広島戦と、第27節の京都サンガF.C.戦の2試合です。チームとして大差で負けてしまったこと、個人としても得点に繋がるプレーでまったく貢献できなかった悔しさが非常に強く印象に残っています。京都戦に関しては、縦への突破や仕掛けの部分でピッチ上での手応えはあっただけに、最後の部分で貢献できなかったことが何より悔しかったです。

Q、チームとしても個人としても前半戦は苦しい時間を過ごしたと思います。チームメイトとの繋がりという面ではいかがでしょうか。
A、基本的には課題を解決するためにどう取り組むべきか、自分のなかで考える性格なので、他の選手に何度も相談には行ったりしないのですが、高宇洋選手とはサッカーについていろいろな話をしましたね。自分が要求するタイミングでボールを受けるためにはどうしたら良いかという話から、裏へ抜け出すタイミングやボールを受ける前の動きについてもアドバイスをもらいました。
Q、先ほど、達成度が50パーセントとおっしゃっていましたが、その数値を70、80と高めていくためには何が足りていないと考えていますか。
A、まずはクロスボールの精度です。ここにもっとこだわってやっていきたいです。自分でサイドを打開したその先で、そこからのクロスボールが得点につながれば必然的にアシストの数値も伸びていきます。この課題をクリアすることで、自分のなかの達成度も上がってくると考えています。
あとは常に高いパフォーマンス、良いプレーをどの試合でも継続することです。この目標が一番難しいと思います。世界的に見てもそれができる選手はごく少数だと思っていますし、個人的にはリオネル メッシ選手くらいじゃないかと思っているほどです。出場した試合すべてにおいて、ピッチ上で“良いプレーを一秒でも長く継続すること”を自分自身に求めていきたいです。

Q、得点を演出する側で貢献したいという想いが強いように感じます。
A、もちろん得点を奪うことも必要ですが、今の自分のポジションの役割を考えても、ゴリゴリに得点を奪いにいくよりもアシストでチームに貢献するプレーが求められていると思っています。
Q、2026シーズンのさらなる飛躍を期待しています。
A、今は怪我からの復帰に向けてリハビリの期間ですが、来シーズンに向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。納得のいくプレーをピッチ上で表現するために、がんばります。




