このままでは終われない

INTERVIEW2025.11.29

このままでは終われない

『力不足』

少し早いですが、今シーズンを振り返ると、この一言に尽きると思います。キャプテンとしても、一人の選手としても「もっとできたはず」と痛感しています。細かい反省点は数え切れませんし、本来ならその都度気付き、対応していかなければならなかった。それができなかったこと自体が、まさに力不足だったと思っています。

今シーズンはキャプテンを任せてもらい、昨シーズンも三名体制の一人としてその役割を担ってきました。キャプテンとしてチームと向き合った経験は自分にとって大きな財産です。ただ、これまでのキャリアを振り返ると、キャプテンとは本来、チームの主軸として多くの試合に出場する選手が務めるべきだと考えていました。だからこそ、その理想を体現できなかった自分に対して悔しさがあります。「キャプテンこそピッチ内で結果を出すべき」という想いと葛藤が常にありました。


ここまでのプロキャリアでも、今シーズンほど苦しい時間が長く続いたシーズンはありませんでした。“何をしてもうまくいかない”と感じ、考え過ぎてしまい逆効果になるような時期もありました。試合に出られない悔しさよりも、チームが残留争いに沈んだ現状を前に“どう振る舞うべきか”と考え込み過ぎたがゆえに、練習でも納得できるパフォーマンスが出せませんでした。

そんななかで支えになったのは家族の存在でした。もっとも近くで寄り添ってくれましたし、チームメイトの声も大きな力になりました。副キャプテンの高宇洋選手、東慶悟選手には特に助けられました。自分が出られない試合で腕章を巻き、チームを引っ張ってくれたことには感謝しかありません。

森重真人選手から、プレーが全く良くなかったとある試合後の夜に突然電話をもらったことも印象に残っています。自ら電話をかけてくれることなどこれまで一度もなかったので驚きましたし、素直に嬉しかったことを覚えています。


そして室屋成選手の加入は、チーム全体に大きな変化をもたらしてくれたと思います。技術うんぬんではなく、気持ちやメンタルがどれほどチームに影響を与えるのかを示してくれた存在です。もし彼が6月に加入していなければ、順位はもっと低かったと言っても大袈裟ではありません。その闘志とエネルギーは、間違いなくチームを前に動かす力になりました。

直近の試合の話をすると、FC町田ゼルビアとの連戦がありました。天皇杯準決勝に向けて、チームにはいつにも増して締まった空気が流れていたと思います。リーグ戦に勝った直後も「次に勝たなければ意味がない」と全員が話していましたし、練習の雰囲気も良い緊張感がありました。準決勝の敗戦は本当に悔しい結果でしたが、僕が東京に加入してからの3シーズンで、初めてシーズン終盤までタイトルを狙える位置に立てたことは事実です。とはいえ、優勝できず、ファン・サポーターのみなさんの想いに応えられなかったことは申し訳なく感じています。

ここからリーグ戦は2試合あります。やるべきことは一つひとつの試合に全力を尽くすことだけです。今の順位は自分たちが招いた結果であり、その現実と向き合いながら最善の準備をするしかありません。まずはアウェイのヴィッセル神戸戦に勝ち、最終節のホームゲームにつなげること。岡山戦、町田戦と連勝している流れを継続していきたいです。


リーグ前半戦は『このままでは本当に降格する』という危機感が強くありましたし、ファン・サポーターのみなさんにも辛い想いをさせました。それでも一度も背を向けることなく、どんな状況でも応援し続けてくれたことは、選手全員にとって大きな力でした。特にアウェイでの京都サンガF.C.戦では、0-3で敗れたにもかかわらず、ブーイングではなく声援を送ってくれました。あの光景は忘れられません。

だからこそラスト2試合は、支えてくれたみなさんへの感謝をプレーで示す試合にしたいと思っています。僕も含め、ピッチに立つ全員が持てる力をすべて出し切り、最後まで戦い抜きたいと思います。