5/31 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2025.5.30

5/31 京都戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<前節・サンフレッチェ広島戦のレビュー>

2025JリーグYBCルヴァンカップの敗退から中3日で臨んだゲーム。国立競技場で行われた試合は『New Balance Day』と銘打たれ、選手たちはサプライズでグレーのSpecial kitを着用してピッチに立った。

探り合うような序盤から前半8分に先制を許したかと思われたが、これはVARのサポートでオフサイドとなって難を逃れる。前半25分には佐藤恵允選手がカウンターで抜け出し、ペナルティエリアに入ったところで右足を振り抜いたが、完璧な突破から抜群のタイミングで放たれたシュートはわずかにポストの外へ。


お互いに高い集中力を見せた前半は試合が動かず。だが、後半開始早々の4分にセットプレーの流れから先制されると、同14分には最終ラインの判断ミスから追加点を奪われてしまう。

2点を追いかける展開を受けて積極的な選手交代で状況打開を図るが、途中出場したばかりのマルセロ ヒアン選手が負傷してしまうアクシデント。ゲームプランが乱れてスクランブル体制で反撃を期すことになった。

後半41分には相手がペナルティキックを外すミスに助けられたが、直後の同43分に自陣深くまで侵入を許して折り返しを蹴り込まれて痛恨の3失点目。6分間の後半アディショナルタイムにもネットを揺らすことはできず、0-3のスコアで完敗。改修後の国立競技場で続けてきたホーム無敗記録も10でストップし、公式戦3連敗という悔しい結果となった。


<今節のプレビュー>

2025明治安田J1リーグは今週末で第19節を消化して前半戦を折り返す。東京はAFCチャンピオンズリーグエリート開催の影響で第15節の横浜F・マリノス戦が日程変更となっているが、今節の京都サンガF.C.戦を終えてインターナショナルマッチウィークに入ることだけに、今節が一つの区切りになると考えて良いだろう。

前節、国立競技場で悔しい敗戦を喫した青赤。公式戦3連敗という結果とサンフレッチェ広島戦の苦しい内容もあり、試合後の選手たちからは厳しい反省の弁が相次いだ。この試合を受けて松橋力蔵監督は「相手の分析はしつつ、相手に合わせるのではなく、合わせさせるくらいに自分たちのやりたいサッカーにベクトルを向けてきた。ゴール前の創造性、決定機がありながら点が奪えない試合が続いているなかで、選手の関係性や攻撃のバリエーションを意識しながら、相手のウィークポイントを突くだけでなく、一瞬のスキを逃さないようにしたい」と原点に立ち返る姿勢を前面に打ち出した。


どれだけゴールへの迫力、怖さを取り戻せるか。それが京都戦のポイントになる。松橋監督は「どんどんシュートを打っていくしかない。足を振ることができる一瞬を逃さないようにすればゴールの可能性は高くなる」と得点への積極性を改めて選手たちに求めた。そして選手たちの持ち味を組み合わせ、伸び伸びとプレーさせることも意識したという。

怖さという部分では攻撃の厚みをどう加えていくかも重要だ。前節終了後に指揮官がフォーメーションの変更を示唆したこともあり、どのようなメンバー、布陣で臨んでくるのかも注目される。ボールを保持しながら空いたスペースを狙っていく“力蔵トーキョー”が掲げてきたスタイルの原点、立ち返るベースとも言える部分をいかに打ち出していくかだ。

対戦相手の京都はここまで9勝4分6敗の4位。曺貴裁監督の下で培われたハードワークをベースに強烈なアタッカー陣の活躍で上位につける。ただし、今節はマルコ トゥーリオ選手と平戸選手が出場停止。さらにエースのラファエル エリアス選手が前節で途中出場しながら負傷交代を余儀なくされ、原選手も負傷離脱中という難しい状況にある。とはいえ、海外帰りの奥川選手やパリ五輪組の川﨑選手など注意すべき選手は多い。決して油断できないメンバーが揃っており、何より球際の強さはリーグ屈指のレベルを誇る。


東京としては相手を上回るハードワークと球際のバトルを見せることが勝利への絶対条件となる。キャプテンの小泉慶選手も「相手はしっかりとした戦術のなかで、一人ひとりがファイトしてくる。まずはそこのバトルで負けないことが一番大事。目の前の試合にどれだけすべてを懸けて戦えるか」と勝負の分かれ目について言及する。そのうえで選手個々の持ち味を組み合わせて、目線を合わせ、ゴールから逆算した厚みのある攻撃をしっかりと見せていきたい。

リーグ前半戦のラストマッチ。良い形で中断期間を迎えるためにも勝利とゴールへの強烈な意識をピッチで表現し、ここまで積み上げてきたものをしっかりと結果に結びつけることが求められる。


[松橋力蔵監督 インタビュー]


Q、前節のサンフレッチェ広島戦後の会見では「次にどうしていこうかというところに頭が向いている状態」とお話にありました。あらためて今週はどのような点にフォーカスしてきましたか。
A、これまでも準備の段階でいろいろなことにトライをしたり、修正を加えたりするなかで、相手に重きを置きすぎているように感じる部分もありました。自分の頭の中もそうでしたし、今一度、自分たちにベクトルを向けて自分たちのやりたいことを表現することで、相手が我々に合わせなければいけないような状況を作りたいです。そのような意図をあらためて選手たちには伝えましたし、我々が何をしたいのか、という部分にフォーカスをしました。

Q、今週の練習で特に落とし込みたかった部分を教えてください。
A、攻撃面であれば、創造性やゴール前の意識です。決定機がありながらも点に繋がらない状況が続いていました。その点はトライし続けなければいけない部分だと思っています。相手のウィークポイントを突くことばかりに目を向けるのではなく、味方との関係性やバリエーションなど、一瞬一瞬の隙を逃さない意識やゴールを生み出すためのベストなプレー選択が大切ですし、シュートを打っていくしかないと思っています。そのために攻守において状況を素早く察知すること、“認知”が大事なポイントだと考えて、今週のトレーニングを行いました。

Q、おおむねシーズン折り返しの試合が今節の京都サンガF.C.戦になります。
A、序盤の試合は勝ちに等しい内容でしたが結果がついてこない試合が多くありました。ただ、そのような試合で勝利が転がってこなかったことには間違いなく原因がありますし、負けに不思議な負けはないとも思っています。そのような試合を経て、原因を一つひとつ潰してきていましたが、ここからさらに“自分たち”に目を向けていきたいです。今の立ち位置こそが我々の現状であることを真摯に受け止めて、全員ですり合わせをしながら、今の位置から上をめざしていくだけだと思っています。しっかり危機感を持って戦っていきます。

Q、京都の印象を教えてください。
A、良い流れに乗っているチームですし、曺監督とは同い年で切磋琢磨してきた仲です。チームとしては隙がなく、やり抜く力を持っているチームだと思います。特に今シーズンは守り抜く力が強化されているような印象を受けています。このような相手に対してしっかりと勝点3を積み重ねられるチームこそが上位に進出できるチームだと思っています。しっかりと勝利を掴みとりたいと思います。


[選手インタビュー]

<小泉慶選手>


Q、リーグ戦も折り返しとなります。
A、常に目の前の試合で勝つこと。それにこだわってやっています。その先の試合を気にしている場合でもないですし、目の前の試合にどれだけすべてを懸けて戦えるかが重要です。“死に物狂い”という言葉がありますが、本当にそのくらいの覚悟でやっていかなければいけない状況です。個人としてもチームとしてもこのままでは終われないという気持ちはあるので、しっかりやっていきたいです。明日の試合ではとにかく勝つことにこだわりたいです。

Q、サンフレッチェ広島戦後に監督から「自分たちに矢印を向けてやっていく」というお話がありました。
A、個人として、チームを勝たせることができなかったということはありますし、現実を受け止めなければいけないです。東京にとっても僕自身にとっても勝つことが一番大事だと思います。ピッチに立つ以上はピッチの中で何ができるかを表現しなくてはいけないですし、結果を示すという部分では“勝利”しかないので、勝つことから逆算したプレーをやっていきたいです。

Q、京都サンガF.C.の印象はいかがでしょうか。
A、全員がしっかりと、頑張ってプレーしてくる印象があります。しっかりとした戦術のなかで、一人ひとりがしっかりと戦ってくるところがあると思うので、まずはそのバトルに負けないことが一番重要です。

Q、その相手に勝つためには目の前の勝負に勝たなければいけないと思います。
A、いかにどれだけ相手との戦いに勝てるかが勝敗を分けると思うので、しっかりやりたいです。


<白井康介選手>


Q、白井選手から見て、サンフレッチェ広島戦において、うまく試合を運ぶことができなかった一番の要因はどのような点でしょうか。
A、繋ぎのクオリティだと感じています。やってきたことを表現する意識は当然ありましたし、良いシーンもありましたが、ミスもありました。もちろん、良いチャレンジに繋がり、成功したプレーもありましたが、そこの成功率やクオリティを高めていかなければいけません。あとは失点の形が同じような崩され方になってしまいました。試合後のロッカールームでもその二つが特に話し合った内容です。

Q、広島戦でいえば、相手と同じシステムでした。ミラーゲームの難しさもあったということでしょうか。
A、相手と同じシステムであれば、1対1の局面も増えてきます。そのような時に、当然局面での勝負で勝っていかなければいけません。うまく剥がすことで、ミラーゲームになっている分、チャンスや崩しのパターンも広がります。ピッチ上で相手選手と対峙するケースが多かったなかで、ズレを作ることができなかったことが要因だったと思います。

Q、リーグ戦折り返しの試合は古巣の京都サンガF.C.との一戦になります。
A、東京に移籍してから京都で試合をしたことがなかったので、個人的にはピッチに立ちたい想いは強いです。サイドバックのポジションに挑戦をさせてくれた想い入れのあるクラブですし、しっかりと活躍をして成長した姿を見てもらいたいと思っています。

Q、曺監督体制で5シーズン目を迎える京都の警戒ポイントを教えてください。
A、素早い攻撃と切り替え、球際の強さが武器のチームだと思います。縦への速さだけではなく、後方からのビルドアップにも強みがあると思うので、攻守においてしっかりと警戒して試合に臨みたいと思います。