5/26 ガンバ大阪戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.5.25

5/26 ガンバ大阪戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・横浜F・マリノス戦のレビュー>

14年前の“あの日”を思い出させるような鮮やかな一撃だった。

1点のビハインドで迎えた第15節横浜F・マリノス戦の後半10分、俵積田晃太選手からの左クロスのこぼれ球を松木玖生選手が拾って優しく横パスを供給。そこに走り込んだ長友佑都選手が右足ダイレクトで豪快に叩き込んだ。

「ダイレクトで、良いインパクトで、と思って打ちました。無心に近かった感じですね。僕は変なことを考えると力んじゃうんで。無心で打てたことが良かったかな」。

これが今シーズンの2ゴール目。第14節名古屋グランパス戦でも途中出場して力強いアンダーラップからの右足クロスで反撃弾をアシストするなど、持ち前の粘り強い守備はもちろん、攻撃面でも結果を出し続けている。

そしてこの同点弾は、背番号5にとっては味スタでの5,118日ぶりのゴール。「恥ずかしい」と苦笑いしながら、自分自身の想いを語る。

「2010年、僕がイタリアへ旅立つ試合でスーパーボレーを決めた以来だということで、ファン・サポーターのみなさんも僕が得点をとることを忘れているんじゃないかと思っている部分もあった。アシストもできているし、攻撃に絡めている。成長している感覚もあるし、また自分自身の新しい成長を見せていけるんじゃないかと思います」。

横浜FM戦を控えた週、長友選手にとって、想いを新たにする出来事が続いた。ともに日本代表として戦ってきた岡崎慎司選手に続き、長谷部誠選手も現役引退を発表。この横浜FM戦では同年代の森重真人選手がベンチを外れていた。さらにチーム内におけるポジション争いは激化の一途をたどっている。そんな状況を受け、彼の心にはいつも以上に炎が宿っていた。

「(二人の引退報道は)やっぱり寂しさはありますよね。自分も結果で示し続けないと、いつかスパイクを脱ぐ時が来るという危機感があって、今日はいつも以上に気持ちが入っていました、今のチームには結果を示せなかったら、本当にベンチ外になるんじゃないかというくらいの競争がある。同じ活躍ならチームとしては若手を使うだろうし、自分自身は常に最後の試合だという気持ちで戦っている。この試合でダメだったら外されるんだろうなと思いながらも、強い気持ちでゴールが決められたのは良かった。僕はこのピッチの上でしぶとく躍動したい、生き続けたいという覚悟もありました」。

久々に味の素スタジアムで決めた入魂の同点弾。サングラスをかけて「ボンジョールノ」とあいさつし、愛情のこもったブーイングを浴びた日から約14年。距離こそ違えど、同じような弾道でスーパーゴールを撃ち抜いた。そして得点後には逆転の雰囲気を作るために全身でスタジアムを煽り、何度も雄叫びを上げた。まさに14年前と同じような光景が味の素スタジアムで繰り広げられていた。

「でも、結局チームは勝ってないんで、そこはやっぱり悔しい。吠えたのは吠えたんだけど。結局勝ってないから」。

自身はゴールを決めたが、試合は惜しくも1-1のドロー。もちろん結果には納得できていない。自らが輝きを放つのは、勝利に貢献するため。覚悟のゲームで手にしたものは、まだまだやれるという手応えと、試合に勝てなかった悔しさ。その想いを胸に、37歳のサイドバックがさらなる成長と勝利へのフルコミットを誓った。


<マッチプレビュー>

水曜日に行われたサガン鳥栖とのルヴァンカップ3回戦は延長戦でも決着がつかず、ペナルティキック戦を制してプレーオフラウンドに進出した。

試合は後半11分、原川力選手のコーナーキックに森重真人選手が合わせて先制。しかし後半アディショナルタイムに同点ゴールを許して延長戦に突入すると、その後は互いに譲らず、ペナルティキック戦にもつれ込んだ。東京は5人全員が成功させ、鳥栖の5人目をゴールキーパー 野澤大志ブランドン選手が止めて激闘に終止符を打った。

殊勲の守護神は最後のペナルティキックストップについて「相手を見ながら駆け引きで、自分の間合いに持ってこられた。みんなで勝ちとった、みんながヒーローだと思います」と胸を張った。チーム一丸で掴んだ勝利によって、3試合未勝利が続くリーグ戦にも弾みがついたはずだ。

 今節はホームにガンバ大阪を迎える。G大阪はルヴァンカップ2回戦で敗退していたため、水曜日に試合をこなした東京よりも日程的には有利な状態で味の素スタジアムに乗り込んでくる。東京にとっては厳しい連戦を乗り切れるかどうか、チームの真価が問われる一戦となるだろう。鳥栖戦を出場回避したディエゴ オリヴェイラ選手、日本代表に選出された長友佑都選手らフレッシュな選手を中心に、東京は総力戦で勝利をめざす。


今節のマッチデープログラムはこちら



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、サガン鳥栖戦はペナルティキック戦までもつれるタフな試合でした。
A、非常にタフな試合でしたが、120分間で全てを出し切り、戦い抜いてくれた選手たちを誇りに思います。ただ、90分で試合を仕留めることができれば一番良かったと思います。1-0の状況で追加点を奪い、相手を突き放すチャンスもありました。カップ戦でしたので、最後までハードワークが求められる試合展開になることは予想していましたし、選手たちも勝者にふさわしいメンタリティを発揮してくれました。

Q、ディフェンスラインをいつもより高い位置に設定していたように見えました。
A、自分たちの戦い方を成長させるための一つであり、アグレッシブに戦うための選択でした。相手に合わせるのではなく、継続して成長を促していきたいと思います。アグレッシブな守備でボールを奪った後、スペースがどこあるのかを素早く察知して、得点を奪いにいく。攻撃と守備は常に繋がっています。この部分の成長が重要です。

Q、今節対戦のガンバ大阪は後ろから繋ぐ意識が非常に高いチームです。
A、良いチームとの対戦であり、今節もタフな試合になると思います。予期していない現象がピッチで起こってしまう可能性もあるかもしれません。自分たちの戦い方、パフォーマンスを相手に出し切るだけです。それこそが、我々が望むフットボールです。試合の中で、自分たちのサッカーが表現できない時間帯ももちろんありますが、ピッチ内で合わせていくことが重要です。



[選手インタビュー]
<松木玖生選手>


Q、ルヴァンカップのサガン鳥栖戦に勝利し、次のステージに駒を進めました。この勝利をどのように繋げていきたいですか。
A、鳥栖とのアウェイゲームはチームとしても勝てていない状況でしたので、どのような形であれ勝てたことは良かったと思います。内容に関して、修正しなければいけない部分をチームとして詰めることはもちろんですが、この勝利をきっかけに“勝ち癖”をつけていきたいです。

Q、ガンバ大阪の印象を教えてください。
A、まずは、自分たちのサッカーを表現するだけだと思います。しっかりとボールを保持して、得点に繋がる場面を多く生み出したいです。失点を減らすために守りから入ることを最優先に考えるのではなく、攻撃面でリズムをしっかりと作り、試合全体の主導権を握りたいです。攻守においてどのようなプレーが求められるかを整理して、試合に臨みたいと思います。

Q、守備的に戦うのではなく、2点、3点と追加点を奪うことをチームとして狙っているように見えます。
A、攻撃的なプレーが僕たちの特長だと思いますし、守備に関してもディフェンスラインを高く設定しています。攻撃的にいくことで、失点のリスクは高まりますが、まずは得点を奪うことに重きを置いています。守備に関しても課題を修正できれば、攻守においてさらに良くなると思います。ルヴァンカップの鳥栖戦では、ラインを高くし、ハイプレス気味に守備の対応をしました。失点こそしましたが、高い位置でボールを奪いにいく意識はあらためて僕らの特長の一つだと感じることができました。最終ラインの選手たちは個々の能力も高いですし、後ろの選手たちを信じて、僕ら前線の選手は前から潰しにいくことを強く意識していきたいです。



<野澤大志ブランドン選手>


Q、野澤大志ブランドン選手の活躍もあり、サガン鳥栖とのペナルティキック戦を制しました。
A、5人目のキックをストップしたことで僕が目立つような形にはなりましたが、全員が5本しっかりと決め切ってくれたこと、チームメイトの120分のハードワークがあったお陰です。選手それぞれが勝ちを引き寄せる活躍をピッチ上で示していたと思います。ペナルティキック戦では、相手を見ながら、相手の間合いに引き込まれないようにすることを意識しました。自分の間合いに持ち込んだことで、最後の場面のシュートストップに繋がりました。チームとして、誰が出場しても貪欲に戦えていると思います。連戦が続くなかでトーナメント方式のルヴァンカップで一丸となって勝利できたことは今後に繋がると思います。

Q、試合に出場する時間が増えてきているなかで、コンディションも高まっているように見えます。
A、試合に出場する時間を重ねることで得られるタイミングや連携など、試合のなかでしか感じ取れない部分が多くあります。出場することで自分のリズムが生まれ、サイクルができていますし、直近の公式戦で3試合続けて出場できていることにも感謝しています。ここからもっと質の高いプレーを示していかなければいけないですし、緊張感を持ってチームの勝利に貢献したいです。

Q、ガンバ大阪戦の勝利のポイントを教えてください。
A、ガンバ大阪は攻撃力もありますし、対戦するうえで“嫌なチーム”という印象を持っていますが、大切なことは自分たちのリズムとスピード感を持ってプレーすることだと思います。相手は細かく繋いでくると思いますが、攻守において強度を高く保つこと、積極的に仕掛ける姿勢が重要になると思います。



<遠藤渓太選手>


Q、ルヴァンカップ サガン鳥栖戦では久しぶりの公式戦出場でした。
A、久しぶりの公式戦ということもあり、20分くらいの出場の予定でしたが、延長戦に入ったこともあり、トータル60分くらいの出場時間がありました。4月中旬から離脱していたなかで、まずは試合に戻ってこられたことに大きな意味を感じています。怪我やコンディション不良などのリバウンドも全くありませんし、リハビリチームのみなさんのサポートに感謝しています。個人としては試合勘や走力の部分で100パーセントに近付けていきたいです。

Q、しばらく試合から離れ、ピッチに戻ってきて感じた部分はどのような点ですか。
A、大きな手応えはありませんが、まずは公式戦のピッチに戻ってこられたことが一番です。先日の試合がカップ戦でしたので、内容よりも勝利という結果が最優先に求められていました。僕自身のプレーもまだこれからですし、鳥栖戦に関して振り返るのであれば、勝って次に進むことが全てだと思います。

Q、ここからリーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と連戦が控えています。どのようにチームに貢献していきたいですか。
A、チームから離れていた期間が、連戦が続くタイミングと重なり、迷惑をかけてしまいました。その分、チームにプラスの要素をもたらすことができるように、出遅れてしまった分を取り返しにいきます。ガンバ大阪は新加入の外国籍選手含め、攻撃陣が強力なイメージです。宇佐美選手や調子の良い選手たちの活躍もあって攻守ともにハイレベルなチームだと思いますが、まずは自分たちのサッカーをして、勝ちにいくだけだと思います。