4/27 新潟戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.4.27

4/27 新潟戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

2週間に渡って続いた東京ヴェルディ、FC町田ゼルビアと東京を拠点とするチームとの連戦では勝利ができず、開幕から9試合を終えて3勝3分3敗で10位につけて第10節を迎えた。相手は同勝点で並ぶアルビレックス新潟だけに、現状を踏まえれば、今節の勝敗が大きな意味を持つ。勝って上位に食らい付くために、是が非でも勝点3が欲しい一戦に臨んだ。

スターティングメンバーは前節から2選手を変更。出場停止が明けた安斎颯馬選手が右ウイングに復帰し、トップ下には今シーズンリーグ戦初スタメンとなる寺山翼選手が起用された。そしてディエゴ オリヴェイラ選手が負傷離脱から復帰してサブメンバー入りし、野澤零温選手もリーグ戦では初の試合メンバー入りを果たした。古巣との対戦となる高宇洋選手と小泉慶選手の二人を軸であるボランチに据え、総力戦でこの一戦のキックオフを迎えた。

1stHALF—電光石火のカウンターからテルゴール

立ち上がりからしばらくは守備に追われる時間が続いた。リーグでも屈指のポゼッション率を誇る新潟のビルドアップを前にして、プレスを掛けにいくが奪いどころが定まらない。たとえボールを奪っても選手同士の距離感が遠く、マイボールの時間を増やせないでいた。

さらに前半19分にはアクシデントが発生。接触プレーで負傷した寺山選手が一度はピッチに戻るもプレー続行不可能となり、早い時間帯で交代を余儀なくされてしまった。

代わりに入ったディエゴ選手が最前線に、仲川輝人選手が一列下がったポジションに入る布陣でリスタートを切ると、東京が試合中盤以降になって少しずつボールを落ち着かせられるようになる。ダブルボランチが前を向いてボールを保持する場面が増え、敵陣に入る回数を増やしていった。

そして前半39分には鮮やかなショートカウンターから先制点を奪う。

エンリケ トレヴィザン選手のカットを拾った安斎選手が縦パスを入れると、ディエゴ選手が相手を引き付けるポストプレーからワンタッチで白井康介選手に預ける。白井選手は急加速してスプリントで一気に右サイドのスペースを縦へと抜け出していく。

相手の攻撃を食い止めた場面から一気に局面をひっくり返すと、白井選手がアーリークロスを相手のゴールキーパーとディフェンダーの間に通すと、仲川選手が迷いなく飛び込んでワンタッチでゴールに流し込んだ。

序盤の劣勢からアクシデントもありながら、球際での強度をベースに盛り返し、先制点まで奪うこれ以上ない展開で試合を折り返した。

2ndHALF—ダイナモ白井弾と復活のディエゴールで快勝

最高の形で折り返した前半の流れのまま、後半もゲームを支配して進めていく。新潟のビルドアップに対してうまくブロックを敷きながら縦に入ってきたボールに対しては強く寄せて、ひとたびボールを奪って回収すると、サイドを使ってスムーズに攻撃へとつなげていく。

後半4分には貴重な追加点を奪うことに成功した。

相手陣内の左サイドで押し込むと、俵積田晃太選手の横パスを高選手がスルー。ペナルティエリア内にいた仲川選手の元へボールが届き、シュートモーションで相手を引き付ける。シュートフェイントを止めた仲川選手がマイナス方向へ落とすと、走り込んでいた白井選手が右足のアウトサイドにかけたダイレクトシュートをゴール右隅へと流し込んだ。

このゴールで完全に主導権を握った東京は、攻め手を緩めずに後半17分には3点目を挙げる。敵陣でセカンドボールを回収すると、安斎選手のパスを高選手がワンタッチで右サイドのポケット(ペナルティエリア内両サイドのスペース)へ。3人目の動きで連動した小泉選手がポケットへと抜け出すと、冷静に味方の位置を確認しループ気味のクロスボールをゴール前に入れ、ディエゴ選手が競り勝ってヘディングでゴールに叩き込んだ。

リードを3点に広げてからは、交代枠を使いながらゲームを締めにかかる。後半23分には前節でJ1リーグ戦デビューを飾った佐藤龍之介選手とチーム最年長の長友佑都選手を投入。さらに後半36分には原川力選手と今シーズンリーグ戦初出場となる野澤零温選手を送り出し、ゲームをコントロールしながら時計の針を進めていった。

終盤、後半45分に左サイドから上げられたクロスを早川選手に頭で合わされて1点を返されたことは課題だが、4分のアディショナルタイムをしっかりと守り切り、リーグ戦では今シーズン2度目となる3ゴールで勝利。3試合ぶりに勝点3を積み上げて連敗を阻止した。

次節はホーム味の素スタジアムに戻って、京都サンガF.C.と戦う。勝ち切った勢いと試合の流れを自分たちで手繰り寄せた粘り強さを携え、味の素スタジアムでの今シーズン初勝利を掴みにいく。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK波多野豪
DF白井康介/土肥幹太/エンリケ トレヴィザン/バングーナガンデ佳史扶(後半36分:野澤零温)
MF高宇洋(後半36分:原川力)/寺山翼(前半19分:ディエゴ オリヴェイラ)/小泉慶
FW俵積田晃太(後半23分:長友佑都)/安斎颯馬/仲川輝人(後半23分:佐藤龍之介)

SUBS
GK児玉剛
DF森重真人

GOAL
前半39分:仲川輝人 / 後半4分:白井康介 / 後半17分:ディエゴ オリヴェイラ

<アルビレックス新潟>
STARTING Ⅺ
GK小島亨介
DF 藤原奏哉/舞行龍ジェームズ/千葉和彦(後半19分:太田修介)/早川史哉
MF松田詠太郎(後半28分:長谷川元希)/秋山裕紀/宮本英治/小見洋太(後半19分:稲村隼翔)
FW谷口海斗(後半19分:小野裕二)/高木善朗(後半28分:長谷川巧)

SUBS
GK阿部航斗
MF島田譲

GOAL
後半45分:早川史哉



[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、全体的に自分たちの取り組みとパフォーマンスを嬉しく思っています。すごく良いパフォーマンスを出せましたし、勝利に値する戦いができました。前半の戦い方としては、攻撃でうまくボールを動かせていました。守備もしっかりとできていました。後半も自分たちのフットボールを続けて、前半と同じようなパフォーマンスを出せていたと思います。うまくボールを動かしながら、使いたいスペースを使えていました。そのなかで、良い得点を奪えました。やるべきことをやり切ってくれた選手たちを誇りに思います。

チームとして準備してきたなかで、前半で寺山翼選手が怪我をして交代しないといけなくなりましたが、緊急で出場したディエゴ オリヴェイラ選手も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。全選手がすべてを出し切って戦ってくれたことを誇りに思います。ただ、最後の失点は不要でしたし、3-0で締めなければいけませんでした。

大事なことは、自分たちのパフォーマンスをしっかりと分析して、ここから回復して良い準備をしていくことです。新潟まで応援に駆け付けてくれたファン・サポーターに感謝したいと思います。選手たちの背中を押してくれましたし、彼らは日本でも最高のファン・サポーターです。

Q、複数のゴールに絡んだ白井康介選手の評価をお願いします。
A、最高のパフォーマンスを出してくれました。白井康介選手は今日、三つのポジションでプレーしました。それは、今このチームが持っているメンタリティを表しています。どのポジションでプレーしようと何をしないといけないのかを理解し、チームとしてのパフォーマンスを出すことができていました。試合に出場している11選手が自分たちのフットボールをすること。それを継続して成長させていければいいと思っています。白井選手のゴールは本当に素晴らしかった。自分たちにとって、後半立ち上がりの大事な時間でのゴールでした。チームパフォーマンスにも貢献してくれましたし、個人としても最高のパフォーマンスを出してくれました。


[選手インタビュー]
<白井康介選手>


Q、今日の試合を振り返ってください。
A、1ゴール1アシストという結果を残せたことを嬉しく思います。アウェイゲームという難しい試合でしたが、勝利に貢献できたことが何より嬉しいです。

Q、前節のFC町田ゼルビア戦の結果を受けて、今日の試合を臨むにあたってどのような点を整理しましたか。
A、チームとしても個人としても昨シーズンから積み上げてきているものが良くなってきている感覚があります。町田戦で良さを出せなかった悔しさはありますが、僕自身の特長をチームメイトも理解してくれています。連携面や互いのプレー理解度が結果として実っているように感じています。良い方向に進んでいると思います。

Q、1点目のアシストを振り返ってください。
A、安斎颯馬選手がボールをサイドではなく中に運び、高宇洋選手とディエゴ オリヴェイラ選手が中央のエリアで組み立ててくれたおかげで、相手ディフェンスを食い付かせてくれました。右サイドの縦のレーンが完全に自分のゾーンに入ったので、スプリントをかけて縦への突破を意識しました。相手ゴールキーパーとディフェンスラインの間のエリアに狙い通りにクロスを送ることができましたし、仲川輝人選手も同じ意識で飛び込んできてくれたので、良い形の得点でした。チームとしての共通理解、ここまで積み重ねてきたものが反映された一連の流れだったと思います。

Q、5月1日には30歳の誕生日、誕生日直後の試合が古巣の京都サンガF.C.との一戦です。最高の条件が揃いました。
A、京都には自分を育ててもらいましたが、僕は東京の選手ですし、東京のために得点やアシストで貢献したいです。京都戦に向けて、という視点で考えても今日の勝利と得点は本当に特別なものになりました。しっかりと活躍している姿を多くの方々に届けられるように頑張っていきたいと思います。


<ディエゴ オリヴェイラ選手>


Q、復帰戦となりました。試合を振り返ってください。
A、久しぶりの試合ということでしたが、予想はしていなかったのですが、寺山翼選手が怪我をしてしまってトラブルのような形で試合に入りました。普段の練習でも積み上げができていたので、うまく試合に入ることができました。多くのファン・サポーターの大きな声援が後押ししてくれましたし、メディカルチームが回復するために色々なことをしてくれたので、彼らに感謝したいです。ゴールも決められましたし、それも多くの方のサポートのお陰です。

Q、ゴールシーン、そしてゴールを挙げられた要因を教えてください。
A、私たちフォワードにとって、ゴールというのはとても大切なものです。右サイドから小泉慶選手が良いクロスボールを上げてくれて、私は決めるだけでした。ゴールを決められたことも嬉しいですが、チームが勝つことができたということが何より嬉しいです。

Q、久々の試合ということで、勝利への飢えや熱量のようなものを感じました。
A、しばらく試合に出ていなかったので、外から応援することしかできませんでした。これまで出場していた選手たちはみんなが頑張ってくれていました。久々に試合に出場しましたが、何よりも長友佑都選手と森重真人選手という経験豊富で偉大な選手たちが、スターティングメンバーではないにも関わらず、普段から今日の試合も含めてチームに大きな貢献をしてきました。彼らを見習って、チームのみんながそれを拠り所に力を合わせて戦っていますし、二人には本当に感謝しています。

Q、ここから連戦が続き、総力戦で乗り切る必要があると思います。
A、これから非常にタイトなスケジュールになりますし、みんなが戦える準備をすること、試合に入った選手がチームのために走るということが重要です。結果として勝利を得るために、チーム全員の力を合わせて戦いたいと思います。


<仲川輝人選手>


Q、今日の得点を振り返ってください。
A、狙っていた形なので、チームとしてやってきたことが繋がった得点でした。ディエゴ オリヴェイラ選手と白井康介選手の2得点も狙い通りでした。

Q、連敗をせず勝点3を積み上げられました。
A、良い準備をしてきたので、アウェイでの勝利という結果を得られてよかったです。5月は試合数も多く連戦になりますが、チームの総力をつぎ込んで戦っていきたいです。

Q、ここからまた複数得点を重ね、順位を上げていきたいですね。
A、チームとして複数得点できていることは良い傾向です。ただ、最後に失点をしてしまっているので、チームとしてそういう隙を与えないことが順位を上げていくために大切になると思います。

Q、寺山翼選手が交代してから、守備面にも力を注いでいたように見えました。
A、ディエゴ選手も頑張ってくれましたし、ボールを持たれるシーンはありましたが、チーム全体で守備ができたことが勝利に繋がったと思います。

Q、今シーズンは昨シーズンと異なり、アウェイで勝てて、味の素スタジアムで勝てていない状況です。
A、それは自分自身も思っていますし、味の素スタジアムでもしっかり勝つということをもっと意識高くやっていきます。この良い流れを続けつつ、無失点に抑えることで勝てるチームになっていけると思うので、隙を与えないようにしたいです。