4/13 東京V戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW<br />
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INTERVIEW2024.4.12

4/13 東京V戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW
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<前節・浦和レッズ戦のレビュー>

至極のフットボール劇場。その第2幕も見どころ十分、大興奮の好ゲームとなった。

鹿島アントラーズを国立競技場で迎え撃った一戦。前半をスコアレスで折り返すと、後半は青赤軍団が圧倒。“俺たちの国立”で攻守に連動した鮮やかなサッカーを展開する。

試合が動いたのは後半10分。この試合を区切りにU-23日本代表に合流する松木玖生選手が、左サイドから空気を切り裂くような鋭いクロスを供給。鹿島ディフェンスの高い山を越え、正確なボールが前線へ送られる。

そこに飛び出したのは、この試合で1トップに起用されていた仲川輝人選手。ボールの軌道にしっかりとタイミングを合わせてジャンプ一番。ゴールまで距離のある位置からしっかりと頭でミートして流し込み、スタジアムを熱狂に導いた。仲川選手にとっては実に337日ぶりとなるリーグ戦でのゴールとなった。

「結果を出せていなかった不甲斐なさや責任感はあった」という39番は、そのまま看板を飛び越えて一目散にゴール裏に向かうと、両手で地面を指差し、エンブレムをつかみ、さらに両手を耳に当てて歓声を聴くパフォーマンス。そこから膝をついてじっくりと天を指差し、久々の歓喜を存分に味わった。

「自分は『ここにいるぞ』という意味だったり、名前を叫んでほしかった。(なかなかゴールを決められず)批判も届いていたので、しっかり結果で応えることがサッカー選手のあるべき姿だと思っていた。これで自分もようやくスタートラインに立てたのかな」

試合終了間際には途中出場の原川力選手が左足で豪快にミドルシュートを突き刺して追加点をマークし、試合はこのまま東京が2-0で勝利。守っては今シーズン初完封、そしてチームは“新”国立競技場での2連戦でシーズン初の連勝を飾った。



<試合プレビュー>

今シーズンの命運を左右しかねない重要なタイミングで“決戦”が巡ってきた。

東京ヴェルディとJ1リーグで対戦するのは、2008年8月23日以来、16シーズンぶりのこと。リーグ戦通算成績は6勝4分6敗と全くの五分だが、昨年7月12日に行われた天皇杯3回戦では、1-1のままPK戦にもつれこんだ末に東京が勝利している。

国立競技場での2連戦では浦和レッズ、鹿島アントラーズを撃破し、シーズン初の連勝をマークした東京にとっては3連勝を懸けた大一番。是が非でも勝点3を手にして、今後に弾みをつけたいゲームとなる。

この試合からAFC U23アジアカップ カタール2024で松木玖生、荒木遼太郎、野澤大志ブランドンの3選手がチームを離脱。だが、前節では途中出場した原川力選手がダメ押しゴールを決めるなど、選手層の厚さを見せた点は心強い。

途中出場で結果を残した40番は、現在のチーム状況をこう見ている。

「強いチームは2チーム分くらいの戦力が必要だと思うし、今はベンチ外の選手も含めて誰が出ても良い状況になっている。出番が来た時にうまく示せるように全員がやっていくだけ」

チームは昨シーズン、リーグ戦3連勝を懸けた4度のチャレンジにすべて失敗した苦い経験がある。だが、原川選手は「昨シーズンと違って中身のある連勝になっているし、(鹿島戦で)無失点に抑えたことは大きい。守備が安定すれば上積みが出てくる。チーム全体で勝ち続けることにフォーカスして、しっかりと積み上げていきたい」と手応えを語る。

状態は確実に上向いている。だが、そこはヴェルディとの一戦。シチュエーションに関係なく、お互いの意地がぶつかり合う激しい一戦となるのは間違いない。

ピーター クラモフスキー監督は言う。「今節は特別な試合。何が起こってもおかしくない。感情が昂り、プレー強度が上がり、スタジアム中の雰囲気も高まる」と。

各選手、強烈な意識でピッチに立つであろうなか、この一戦に並々ならぬ覚悟で臨む選手がいる。

「僕はジュニアユース、ユースの時からヴェルディと戦ってきて、小さい頃から思い入れがある。鹿島戦のあと、ファン・サポーターのみなさんが『ヴェルディだけには負けられない』と歌っているのが聴こえていましたし、みなさんの気合や想いの強さをあらためて感じました。昨シーズンの天皇杯は怪我で出られなかったので、もし出場すればプロになって初めての対戦になります。それが3連勝の懸かった大事な試合なのはとても楽しみだし、良いシチュエーションだと思います。U-23日本代表で3人が抜けてしまいましたが、彼らがいなくなっても戦えるメンバーがそろっています。3人には心配しないで行ってもらって、僕は置かれた場所でしっかりと結果を出すだけ。全力で勝ちにいきます」

静かに、そして力強く語ってくれたのは、バングーナガンデ佳史扶選手。同年代の3人とは戦う場所こそ違えど、輝く未来を見据える立場は変わらない。決戦を前にアカデミー育ち、青赤の血がたぎる。

まさに一戦必勝の総力戦。もちろん相手も必死に臨んでくる。全員一丸にならなければ勝利は手にできない。

未来への扉を開くために必要なのは、目の前のプレー、相手、試合に一つずつ勝っていくこと。選手たちは相手よりも勝ちたいと思う気持ちをピッチで表現できるか、そしてファン・サポーターはスタジアムに“勝つ雰囲気”を作り出せるか。こういった大一番を乗り越えた先に、チームとしての真の成長があるはずだ。

3連勝をめざす指揮官は語る。

「誰にとっても特別な状況になる。それを楽しんで、我々のパフォーマンスを見せたい。クラブにとっても、ファン・サポーターのみなさんにとっても、非常に重要なゲームになる。勝点3を手にするために全力を尽くし、一緒に戦い、試合が終わったあとにみんなで喜びたい」

自分を信じていけば、勝利はついてくる。
俺たちの力、見せてやろうぜ。

東京は、青赤だーー。




[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、東京ヴェルディとの一戦です。
A、我々にとって特別な試合です。この一戦を迎えるにあたって、色々な感情があります。そして、その感情は我々に良い影響を与えてくれると思います。ファン・サポーターのみなさんをはじめ、クラブに関わるすべての方々にとって特別な試合になることは間違いありません。大切なことは、そのエネルギーを試合で出し切ることです。攻守において、自分たちの決まり事をやり切ることで結果として返ってくると思います。

Q、松木玖生選手、野澤大志ブランドン選手、荒木遼太郎選手がU-23日本代表の活動でクラブを離れている状況です。
A、ピッチに立つ11人の選手たちが我々のフットボールを表現するためにタフに戦ってくれるはずです。誰が出場したとしても、ピッチ上でそれぞれの仕事や役割を果たしくれると思います。

Q、国立競技場での試合を連勝したチームはまさに“エネルギー”に満ち溢れているように思います
A、良いパフォーマンスを良い結果に繋げることが重要です。先ほどもお話ししたように、東京に関わるすべての人にとって特別なゲームになると思います。その想いを、3連勝という結果で示すだけです。

Q、昨シーズンは天皇杯3回戦で対戦しました。
A、昨シーズンの対戦も特別な試合でした。この対戦カードでは、何が起こってもおかしくありません。しっかりと対応できるような準備をしていきたいと思います。感情が高ぶり、プレー強度が向上し、雰囲気や会場内の高揚感も増すスペシャルな一日になると思います。何が起きるか分からない、その日にしか味わえない緊張感を楽しみたいと思います。我々のパフォーマンス、魅せたいフットボールを、高ぶる感情とリンクさせていければ良いと思います。選手たちは勝点3をファン・サポーターのみなさんに届けることだけを考えています。



[選手インタビュー]
<土肥幹太選手>


Q、連勝を飾った国立競技場での2試合を振り返るといかがですか。
A、浦和レッズ戦は、僕個人のミスで何度か相手にチャンスを与えてしまうシーンが前半にありました。守備面については、ハーフタイムで修正し勝利に貢献できましたが、ディフェンスラインからの攻撃の組み立てに課題が残りました。鹿島アントラーズ戦は、試合の入りから良い感触でプレーできましたし、無失点に抑えることができました。2試合ともにサイドチェンジやロングパスなど、攻撃への関わりで僕自身の特長を活かし切れなかったので、次の試合に向けて修正していきたいです。

Q、国立2連戦の重要な試合で抜擢され勝利に貢献。久しぶりの出場で感じた手応えや成長はありますか。
A、ゴール前の守備強度は試合や練習を重ねるごとに成長の手応えを感じています。危ないシーンでも最後のところで相手のシュートをブロックできている実感があります。

Q、直近の試合でコンビを組むエンリケ トレヴィザン選手との連携面はいかがですか。
A、試合中に一番コミュニケーションをとるのがエンリケ選手です。マークの受け渡しやカバーリングの指示など、お互いが細かい部分も含めて連携がとれています。ここからさらに良くなっていくと思いますし、試合を重ねながらクオリティを高めていきたいと思います。

Q、3連勝をかけた今節は東京ヴェルディとの対戦です。
A、アカデミーの頃から負けられない相手という教えもありますし、絶対に勝ちたいです。守備の選手として、しっかりと無失点で試合を終えること、セットプレーのチャンスも窺いながら得点も狙っていきたいです。ヴェルディはサイド攻撃が得意という印象ですし、空いたスペースを積極的に狙ってくると思います。クロスボールの対応や処理を集中して冷静にプレーしたいと思います。


<バングーナガンデ佳史扶選手>


Q、浦和レッズ、鹿島アントラーズを相手に連勝できた要因を教えてください。
A、セカンドボールの回収や球際の局面で負けなかったことが、試合を優位に進められた要因だと思います。チームとして攻撃的なプレーの回数も多かったですし、両サイドバックが試合を重ねるごとに攻撃への関わり方が整理されている感触があります。継続していきたいと思います。

Q、今節は東京ヴェルディとの一戦です。
A、アカデミーの時から対戦は何度かありました。“ヴェルディだけには負けられない”と言われてきましたし、僕だけではなく、東京のアカデミー出身選手たちはこの一戦を前にすると勝ちたい想いがより一層強くなると思います。

Q、昨シーズンとは違い、J1リーグの舞台での対戦となります。
A、シンプルに対戦できることを嬉しく思います。僕個人としては、昨シーズンの天皇杯3回戦は怪我で出場できなかったので、J1の舞台で対戦できることを楽しみにしています。ファン・サポーターのみなさんも昨日の公開練習では横断幕を掲出してくれて、僕たちを鼓舞してくれました。この一戦にかける熱量の高さや当日のスタジアムの雰囲気を含めて、とてもワクワクしています。得点やアシストで貢献したいです。


<波多野豪選手>


Q、今節は東京ヴェルディとの一戦です。
A、昨シーズンのJ1昇格プレーオフで、ヴェルディが清水エスパルスに勝利した時から意識はしていました。2024シーズンは盛り上がるな、と。僕自身も東京に復帰することが決まって、この対戦を楽しみにしていましたし、絶対に負けられないです。

Q、今回の対戦は、モチベーションがもう一段高まるような感覚ですか。
A、目の前の試合に集中することについては、他の試合と変わりはありません。ただ、このクラブでずっと育ててもらった選手としては、意識はしますし、気持ちの高ぶりはあります。試合に入ったらいつもどおりのプレーに集中するだけです。

Q、どのような試合展開になりそうですか。
A、堅い試合になると思いますし、過去の試合も引き分けが多かった印象です。明日の試合は90分でしっかりと決着がつく試合にしたいです。お互いのプライドもありますし、ファン・サポーターの気持ちも背負って勝ちにいきます。