3/30 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.3.30

3/30 川崎戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

初勝利を挙げた前節のアビスパ福岡戦から2週間、次は今シーズン初の連勝を狙う東京が迎えるのは川崎フロンターレとの多摩川クラシコ。スターティングイレブンは福岡戦から変更なし。日本代表帰りの長友佑都選手が右サイドバック、U-23日本代表のバングーナガンデ佳史扶選手が左サイドバックに入り、荒木遼太郎選手と松木玖生選手が前線でコンビを組んだ。

福岡戦でつかんだ手ごたえは間違いなくあり、チームの雰囲気は良好。6シーズンぶりに等々力で勝利し、この後に控える浦和レッズと鹿島アントラーズとの国立競技場での2連戦に弾みをつけたいところ。

1stHALF—ボールは保持するも敵陣を崩し切れず

非常に引き締まった雰囲気でゲームは進んでいった。立ち上がりは川崎フロンターレにボールを握られる展開になったが慌てずに対応していき、時間の経過とともに東京もボールを動かす時間を増やしていった。川崎が前からプレスに来るわけでもなかったため、自陣での組み立てと前進には困らず、高宇洋選手や小泉慶選手、松木選手がボールを触る場面も目立った。

ただ、敵陣に入ってからの組み立てと仕掛けには単調さが目立ち、両ウィングに良い形でボールが入るシーンは少なく、決定機は作れず。何度か両サイドからクロスは上がっても撥ね返された。

そうなると、次第に川崎がペースを握り返していく。プレスにいってもビルドアップではがされる場面が増え、流動的に動く脇坂選手や家長選手に自陣で前を向かれてしまうようになると、前半34分には先制点を許す。

左サイドバックの三浦選手のクロスをエリア内で対応した木本恭生選手がスライディングでクリアを試みると、そのボールはポストに当たり、脇坂選手の前にこぼれる。波多野豪選手も飛び出しており、無人となっていたゴールに流し込まれた

さらに前半44分には自陣からのビルドアップでボールを失い、瀬古選手に決定的なシュートを打たれるもこれは枠を外れ、反対に前半45+1分にコーナーキックから松木選手が左足で狙ったボレーシュートもゴールネットを揺らせず、1点のビハインドで試合を折り返した。

2ndHALF—退場者が出た後に2失点

1点を追い掛ける後半もゲームの構図は大きく変わらず、東京もボールをつなぎながら攻撃の糸口を探った。ただ、前半同様に敵陣に侵入するまでは苦労なくボールを運ぶも、肝心のアタッキングサードの質とアイディアが足りず、シュートまで持ち込めないシーンが続いた。

反対に高いラインの裏をとられ、カウンターからピンチを招く場面も散見。後半14分にはエリソン選手に最終ラインを破られてゴールネットを揺らされるも、ここはオフサイドの判定に助けられた。

その後、流れを変えるべく後半19分には3枚の交代カードを切る。ディエゴ オリヴェイラ選手、ジャジャ シルバ選手、小柏剛選手と強烈な個を持つタレントを送り込み、打開を図った。それでも彼らに良い形でボールが入らず、後半27分にはエリア内を飛び出してクリアを試みた波多野選手がエリソン選手を倒してしまい退場。ビハインドのなか、数的不利を強いられるよもやの展開を強いられた。

何とか反撃に出たい東京は4-4-1の布陣を敷き、ディエゴ選手を頂点にゴールをめざすが、後半38分にはまたしても最終ラインの裏を突かれ2失点目を許すと、前がかりになったアディショナルタイムには3失点目。今シーズン初の連勝を逃す結末となった。

ただ、ここから中3日ですぐに国立競技場での2連戦を迎える。下を向いている暇はなく、ピータートーキョーのリバウンドメンタリティーが試される1週間となる。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK波多野豪
DF長友佑都/森重真人/木本恭生(後半39分:中村帆高)/バングーナガンデ佳史扶
MF松木玖生(後半19分:小柏剛)/高宇洋/小泉慶
FW遠藤渓太(後半19分:ジャジャ シルバ)/仲川輝人(後半30分:仲川輝人)/荒木遼太郎(後半19分:ディエゴ オリヴェイラ)

SUBS
DF土肥幹太
FW俵積田晃太

GOAL

<川崎フロンターレ>
STARTING Ⅺ
GKチョン ソンリョン
DF瀬川祐輔(後半19分:佐々木旭)/ジェジエウ/高井幸大/三浦颯太
MF橘田健人/瀬古樹/脇坂泰斗(後半45分+5分:山本悠樹)
FW家長昭博(後半45分+5分:小林悠)/遠野大弥(後半37分:山内日向汰)/エリソン(後半37分:山田新)

SUBS
GK上福元直人
DF大南拓磨

GOAL
前半34分:脇坂泰斗/後半38分:山田新/後半45分+2分:橘田健人


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、本日の試合を振り返ってください。
A、結果が出なかったことで全員が痛みを感じています。パフォーマンスを見てみると、最初から60、70分までは何かが多く起こったわけではなかったと考えています。接戦のなかで相手が一つの場面で決め切りました。自分たちのフットボールを続けていけば、また流れが来て、報いが返ってくると思い、戦いを続けていました。そのなかで一人少ない状況となり、試合は難しくなってしまいました。選手たちは必死に同点に追い付こうとアグレッシブに戦ってくれましたが、失点を重ねてゲームを決め切られました。全員が痛みを感じていますので、もっと強くなりたいです。

Q、後半に交代カードを一気に3枚切りました。予定どおりの交代だったのでしょうか。
A、フレッシュな選手を出すことを考えて交代を使いました。攻撃にエネルギーを注ごうという考えがあり、荒木遼太郎選手、松木玖生選手、遠藤渓太選手は非常によくやってくれていましたが、ディエゴ オリヴェイラ選手、小柏剛選手、ジャジャ シルバ選手を出すことで攻撃のエネルギーを付け加えようとしました。そこまでは試合に決定的な場面はなかったと思いますが、その後、すぐに10人になってしまったので登る山が高くなってしまいました。選手たちは10人でも同点に追い付こうと必死に戦い、すべてを出し切ってくれたと思いますが、ここで勝点をつかめませんでした。ファン・サポーターに笑顔をもたらすことができなくて、残念に思っております。


[選手インタビュー]
<荒木遼太郎選手>


Q、試合の振り返りをお願いします。
A、失点するまでは良い流れでやれていたんですけど、失点してから立て直すことができなかったかなと思います。試合前から先制点をとったほうが試合を握ることができると思っていたので、自分たちがチャンスを決めていたら展開は違っていたと思います。ただ、個人的にはあまり自分のパフォーマンスを出せなかったので、もっと起点になるべきでしたし、相手も対策してきたところでどうすべきかがハッキリできていなかった。ゲーム中に変化するのは難しいですけど、もっとコミュニケーションをとって、相手に対して自分たちが変化させられたらと思っています。

Q、荒木選手へのマークが厳しかった印象があります。自分ではどんなことを意識しながらプレーしていましたか。
A、今までどおりにさばいてゴールまで入っていくのが仕事だと思っていました。そんなにマンマークが厳しかったというイメージはありませんでしたが、今日は自分の足下でボールが落ち着かなかったというか、ボールタッチのコンディションがちょっと良くなかったです。どの試合も勝ちたいという気持ちは変わりませんが、川崎戦は気持ちも入っていましたし、今日は不甲斐ないプレーが多かったのは反省点です。ただ、毎試合良い試合ができるわけではないし、こういう試合もあると思うので、これも一つの材料にして切り替えて次に向かいたいと思います。

Q、ここからチームとしてどう立て直していきたいと思っていますか。
A、やっぱり得点力を上げたいですね。失点しても2点、3点ととれるチームでありたいですし、切り替えて自分たちのサッカーをすれば結果を出せると思います。連戦なので、みんなで早く回復して次の試合に臨みます。


<高宇洋選手>


Q、なかなか良さを出してもらえない展開が続きました。試合を振り返っていかがですか。
A、非常に悔しい結果になってしまいました。相手はチャンスをしっかりと仕留め切りました。自分たちはシュートも少なかったですし、チャンスの量をもっと増やさなければいけない。ゴール前に入っていく回数と質はもっともっと高めなければいけないと思います。もちろん自分たちがチャンスをものにする力も必要ですし、やっぱり失点していたら勝てないので、しっかりとゼロに抑えるところは突き詰めていきたいです。

Q、相手のプレスに苦しめられるシーンも目立ちました。
A、ただ、自分としてはあれくらいプレスに来てくれたほうが剥がせると思っていて、ハーフタイムにも「もう少し自分を見てほしい」という話は伝えました。後半は点をとりに行かなければいけなかったので、縦方向のプレーが多くなりましたが、そういった部分の質も高めていきたいですし、プレスに来る相手に対するポジショニングや判断の速さは、チーム全体としてもっと求めていく必要があると思います。

Q、荒木遼太郎選手との連携についてはいかがですか。
A、自分としては良い縦パスを入れてあげたかったですけど、試合後に話した感じだと、もう少し前に専念したいところがあったみたいなので、僕らボランチがもう少し高い位置をとるのか、彼らに落としていくのかは合わせていかないといけないですね。

Q、もう少しできたことがあったとしたら、どのような部分ですか。
A、そうですね。後ろにではなくて前へのプレーを、質を伴いながらやるべきでした。チームとしては失点と退場が痛かったですが、ゴール前に入っていく回数はもっと増やさないといけないですし、より攻撃的にプレーするなかでもゲームコントロールは必要だと感じるので、そこを上げていかなければいけないと思います。まだ甘くないとは思っているので、もっと良くなるためにチーム全体ですり合わせていけたらと思います。


<小柏剛選手>


Q、試合を振り返っていかがですか。
A、0-1で僕とディエゴ オリヴェイラ選手、ジャジャ シルバ選手が入ったあとに、あまり良い方向に試合を変えられなかったのが反省点だと思います。僕が抜け出した場面など点をとれるチャンスはありましたし、監督は同点に追い付きたいという意図でピッチに送り出してくれたと思うので、あのチャンスを逃すと、こういう結果になってしまうと思っています。

Q、どんなプレーをしたいと思っていましたか。
A、今日は荒木遼太郎選手と松木玖生選手が前線に入っていましたが、二人はもともと前線の選手ではないので、僕ら前線の選手が入った時に怖さや相手ゴールを脅かすところを求められていたと思います。それはゴールという形でしか示せないものだと思いますが、結果として示せなかったのは悔しいです。

Q、試合展開を受けて、今後の改善点をどう考えていますか。
A、早い段階で10人になってしまったので、相手がボールを持つ時間帯が長くなりましたし、ボランチの高宇洋選手がフリーでボールを持てるシーンは少なかったと思います。ただ、そのなかでも隙はあったので、自分たちにそこを突けるだけの技術が足りなかったと思っています。前半から見ていてボールを持つところはできていましたが、シュートに持ち込むところが足りなかった。やっぱり点をとらないと勝てないので、もっと怖さを出していくことを追求していけたらと思います。