PLAYERS FILE 2024<br />
KODAMA TSUYOSHI

COLUMN2024.2.14

PLAYERS FILE 2024
KODAMA TSUYOSHI

ピッチ内外でチームを支える
頼りの“ダマさん”
GK 1 児玉 剛



2024シーズンに挑む全青赤戦士を紹介していくスペシャルコンテンツ。果たして開幕を控えた選手たちは何を考え、どんな覚悟で一年に臨もうとしているのだろうか。クラブ愛、タイトルへの渇望、活躍への想い、そして果たすべき役割を胸に秘めた選手たちのストーリーとは─。昨年末に36歳を迎えたゴールキーパー児玉剛。コミュニケーションを大事にする彼の取り組みを紹介する。




京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)のアカデミー卒。関西大学を経て京都のトップチームでプロキャリアをスタートさせてから、2024シーズンで15シーズン目を数える。FC東京加入から6シーズン目、昨年12月28日に36歳の誕生日を迎えたが、その機敏さや瞬発力、ゴールキーパーとしての技術にもボール扱いの技術にも衰えは見られない。まさに鉄人。それが児玉剛という男だ。

アカデミー時代はやんちゃな性格だったという。しかし「短いようで長かった」と本人が振り返る14年間のプロ生活を経て、児玉は“ダマさん”として親しまれ、青赤軍団を支えるベテランの一人に成長している。キャンプ中に行われたチームビルディングでは率先してコミュニケーションを取り、さまざまな年齢の選手たちをつなげる役目を果たした。

「今まで培ってきた経験で、人間関係においてもチームの力にならなければいけないと思っていますし、積極的に発言していくべき立場であることも分かっている。どういった役割が必要か理解しているつもり。やれることはやっていきます」

年長者としての強い自覚に象徴されるように、クラブ愛も年々深まっている。契約更新を決めた背景には「大前提として、やっぱり東京で優勝したいという強い気持ちがあった」。クラブと個人の成功を重ね合わせ、ここで結果を出したいという気持ちがそれを決断させた。東京にいられるのか、あるいは現役を続けられるのか。どちらの意味でも、ここ数シーズンは「今シーズンが最後」という想いで臨んできた。今シーズンもその意気込みのまま「自分の気持ちとしては東京の力になりたいという気持ちがとても強かった。プレーできる機会を与えてくれたチームに感謝したい」と初タイトル獲得に懸けている。

その上で2024シーズンの戦い方やビジョンについてもクラブと話し合った。ゴールキーパーからビルドアップをスタートさせ、中央を崩していく攻撃スタイルは、機敏で足下の技術もある児玉に適したもの。ボールを使ったプレー面でも、ピッチ外でのグループワークでも、児玉は児玉らしく、最後方からこのチームを鼓舞していく。


Text by 後藤 勝(フリーランスライター)