10/1 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2023.10.01

10/1 G大阪戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

クラブが設立された10月1日、25周年という節目を迎える当日にホームゲームを戦う縁に恵まれた。前節のサガン鳥栖戦からのホームゲーム3試合を25周年記念試合とする東京。スタートの鳥栖戦は2点を先行されながら後半に3点を取り返して逆転という形で、25周年のお祝いで幸先の良いスタートとなった。

設立記念日当日となる今節は、ガンバ大阪を迎え、鳥栖戦と同じスターティングメンバーで試合に臨んだ。

1stHALF—原川加入初ゴール&ディエゴールで2点をリード

立ち上がりからお互いに強度高く球際でぶつかり合う展開で試合がスタートする。徐々にボールを保持する時間を作り始めたのは東京。

ショートパスをつなぎながら相手陣内のバイタルエリアまでボールを運び、ゴールにつながる筋道を探る。最初のチャンスは前半15分、ディエゴ オリヴェイラ選手がスルーパスを入れると、ペナルティエリア内に仲川輝人選手が抜け出す。ゴール目前でシュートを打つチャンスを迎えるが、フィニッシュは相手ゴールキーパーに阻まれる。こぼれ球に渡邊凌磨選手、アダイウトン選手が続けて反応するが、シュートはいずれも相手ゴールキーパーにブロックされた。

前半20分にはゴール前に迫られるピンチを迎える。倉田選手が通したスルーパスに宇佐美選手が抜け出すが、ゴール右斜め前で打たれたシュートはわずかにゴール左へと逸れて事なきを得た。

ややオープンな展開になってきた前半の終盤には東京がチャンスを作る。前半34分、左サイドからのコーナーキックのチャンス。原川力選手がニアに速いボールを送り込むと、マークを振り切ってニアサイドに走った渡邊選手が後方にすらすようなヘディングシュートを放つ。ゴール左隅を捉えたボールだったが、これも相手ゴールキーパーの鋭い反応の前にネットを揺らすことができない。

好機を作りながらなかなかゴールが遠い展開だったが、前半37分に試合が動く。

右サイドで長友佑都選手がボールを持つと、中央へ横パス。ボールを受けようと近付いてきたディエゴ選手がスルーすると、背後にいた仲川選手がボールを受ける。タイミングを合わせて原川選手がアンダーラップのような形でペナルティエリア内へ飛び込んでくると、仲川選手は原川選手の足元にボールを落とす。寄せてきたディフェンダーを細かいタッチでかわすと、相手ゴールキーパーの足下を抜いてようやくゴール決めた。


流れは東京が握ったまま。前半43分には左サイドに開いていたアダイウトン選手が相手の最終ラインの裏へループ気味のパスを通す。ディエゴ選手が抜け出すと、ペナルティエリア内で相手ゴールキーパーを冷静にかわしてゴールへと流し込む。一度つかんだ主導権を手放さず、東京が一気にリードを広げた。

2ndHALF—2試合連続タワラ弾で25周年記念の日に完勝

後半に入っても東京の勢いは落ちない。

後半6分、相手のパスミスを拾ったアダイウトン選手がペナルティエリアの左のエリアに侵入。マイナス気味のクロスボールを送ると、渡邊選手がダイレクトで合わせるが、左ポストに弾き返された。

その後も主導権は東京が握ったまま試合が進んでいく。相手ゴールに迫る回数も、ボールを保持する時間もガンバ大阪を上回り、ボールを失った後も素早い攻守の切り替えと帰陣で守備も抜け穴を作らない。

試合を決めるゴールがなかなか生まれなかったが、後半22分に投入された男が2試合続けて結果を出す。

後半33分、相手のロングボールを撥ね返したボールを俵積田晃太選手がハーフライン付近で拾うとドリブルを開始。一度は左サイドのゴールライン際まで持ち出して相手陣内深くまで持ち込む。相手ディフェンダーふたりを背負った状態だったが、強引に反転しながらマークを振り切ると、そのままペナルティエリア内へと侵入。ゴール前まで迫ると、角度がなくシュートコースが限定されたなかで、右足でカーブをかけてゴール右上へと流し込んだ。


3点のリードを持ってからは危なげない試合運び。6試合ぶりのクリーンシートをともない、25周年記念の日を完勝で祝った。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF長友佑都/森重真人(後半44分:木本恭生)/エンリケ トレヴィザン/バングーナガンデ佳史扶(後半32分:白井康介)
MF松木玖生(後半32分:小泉慶)/原川力/渡邊凌磨
FW仲川輝人(後半32分:ジャジャ シルバ)/ディエゴ オリヴェイラ/アダイウトン(後半22分:俵積田晃太)

SUBS
GK野澤大志ブランドン
MF寺山翼

GOAL
前半37分:原川力/前半43分:ディエゴ オリヴェイラ/後半33分:俵積田晃太

<ガンバ大阪>
STARTING Ⅺ
GK東口順昭
DF髙尾瑠/佐藤瑶大(後半20分:福岡将太)/クォン ギョンウォン/黒川圭介
MF食野亮太郎(後半27分:福田湧矢)/倉田秋(後半10分:イッサム ジェバリ)/ネタ ラヴィ/ダワン(後半20分:石毛秀樹)/山本悠樹
FW宇佐美貴史

SUBS
GK石川慧
DF三浦弦太
FW山見大登

GOAL



[ピーター クラモフスキー監督記者会見コメント]


Q、試合を振り返ってください。
A、力強いパフォーマンスで自分たちの良い部分を出すことができました。選手たちは、一試合を通して自分たちのプレーを表現できたと思います。そのなかで選手たちはハードワークをしてくれましたし、献身的に戦い良いパフォーマンスを発揮してくれました。もう何点かとれそうな場面もあり、我々のフットボールをしながらチャンスを作ることができていました。守備に関しても、無失点に抑えることができました。今日はクラブにとって特別な日ということもあり、勝利を収めることができたこととクラブに関わるすべての人々を誇りに思います。

Q、先制点をとるまでは厳しい時間が続いていたかと思います。何を考えていましたか。
A、ガンバ大阪は非常に良いチームです。自分たちのパフォーマンスをコントロールして出すこと、冷静さを持って戦うこと、献身性を持って戦うことが大事だと思っていました。良いフットボールができていましたし、継続して成長していくことも重要です。今日はタフなゲームでした。良いスタートを切り、前半のなかで流れを掴んでプレーができました。練習のなかでデザインしていたもので、自分たちがチャンスを作れたことは素晴らしいと思っています。後半にもっと点をとることできれば、選手たちももっと笑顔で帰れました。

Q、サガン鳥栖戦に続いて、松木玖生選手と原川力選手がスタメンで出場しました。彼らについての評価を教えてください。
A、非常に良いコンビネーションが作れています。両方の試合で良いパフォーマンスを見せているのがその証拠です。彼らだけでなく、チームとしても改善していくことが重要です。すべての要素においてハードワークして、練習していくことが大切ですし、個の部分をレベルアップさせるとともにチームとして成長させていきたいです。日々成長していければ、自分たちが夢見たチームに近づけると思っています。


[選手インタビュー]
<ディエゴ オリヴェイラ選手>


Q、非常に強度の高い試合でした。試合を振り返ってください。
A、強度の高い、非常に手強いチームでした。難しい試合になりましたが、ホームの応援を背に、立ち上がりから良いサッカーをみせることができました。この良い流れを継続していきたいと思います。

Q、終始、チームとして高い位置でプレーできていた印象です。
A、前節のサガン鳥栖戦の前半は、ディフェンス面でミスマッチが起こり、守備のズレが生じていました。今日の試合では、守備がうまくハマり、前線から積極的にプレッシャーをかけることができました。良い守備から良い攻撃ができていたこともあり、3得点が生まれ、非常に良い試合ができたと思います。

Q、チームとして追加点が欲しいタイミングで2点目が生まれました。得点シーンを振り返ってください。
A、前半の終わり際にチームに落ち着きと勢いをもたらす追加点でした。アダイウトン選手から相手ディフェンダーが処理しづらい良いボールが送られてきたので、あとは決めるだけという状況でした。今日は、スタメン出場した選手、途中から出場した選手を含めて、全員のパワーが一つになって勝利できたと思います。

Q、25周年を記念する試合で、チームのシンボルでもあるディエゴ選手のゴールで勝利しました。
A、今日の試合は、東京に関わるみなさんにとって特別な1日でした。大切な試合で、自分がゴールを決め、勝利に貢献できたことは率直にうれしいです。今日も多くのファン・サポーターのみなさんがスタジアムに駆けつけてくれました。みなさんにも喜んでもらえる試合ができたと思っています。クラブに関わる全員でつかみ取った勝点3でした。


<原川力選手>


Q、前半は入りから非常にコンパクトに戦えていた印象でした。
A、悪い時間帯の時も前節のサガン鳥栖戦のように、全体がバラバラにならず集中して戦えたことが良かったと思いますし、勝利に繋がったと思います。

Q、高い位置でプレーしたことが先制点に繋がったと思います。
A、前への飛び出しにガンバ大阪の中盤の選手が付いてくるプレーが少なかったので、得点の前にも数回、攻撃参加の飛び出すプレーはできていました。相手のディフェンスラインも間が空いていましたし、そこをうまく使い侵入することができました。高い位置でのプレーが続いたことで攻め残ってしまう場面もありましたが、サイドから組み立てて人数をかけた崩しがうまく表現できた得点シーンでした。個人としてはミスが目立つプレーが多くありましたので、改善していきたいと思います。

Q、あらためて、得点シーンの振り返りをお願いします。
A、長友佑都選手が右の高い位置から中央にパスを送り、ディエゴ オリヴェイラ選手がスルーし、仲川輝人選手がパスを送ってくれました。あのように多くの選手がボールに関わってスペースを見つけながら崩す形は今週の練習で特に取り組んでいた部分で、練習の成果が現れたゴールでした。仲川選手から受けたボールをトラップミスしましたが、ツータッチ目でシュートを打ちやすい位置にボールを置くことができました。うまく流し込むだけでした。

Q、ここから中断期間に入りますが、この期間をどのようにチームとして過ごしていきますか。
A、前節の鳥栖戦のようにアグレッシブに戦おうと共通意識をもって今日の試合に臨むことができました。そのなかで、今日のような試合内容で勝利を手にすることができました。チームとしてより磨きをかける、継続することが重要だと思います。次節の横浜FC戦まで数週間中断するので、この期間をうまく活用していきたいと思います。


<俵積田晃太選手>


Q、後半に入り、得点を奪えていない状況で、試合を決定づける得点となりました。
A、前節は逆の立場でしたが、2-0という一番危ないスコアで試合が進んでいるなかで、自分が追加点をとり、試合を決定づける気持ちで試合に出場しました。そのなかで、結果を残すことができて良かったです。

Q、得点シーンのドリブルを振り返ってください。
A、スペースがあることは分かっていたので、ボールを運びました。サイドに追い込まれてしまいましたが、狙った通りに股抜きで突破することができて、シュートも狙ったところに打つことができたので、良かったです。

Q、途中出場となりましたが、どのような意識で試合に出場しましたか。
A、良い意味で、“無の状態”で試合に入ることができましたし、自分のやるべきことに意識を向けたプレーができました。試合が始まる前からチーム全体で、プレスをかけていこうと話していたので、しっかりとやるべきことが表現できました。

Q、次節に向けて意気込みをお願いします。
A、2連勝という良い流れなので、これをアウェイの地で途切れさせないようにチームも個人も結果を求めていきたいと思います。横浜FCにも勝って3連勝の状態で25周年記念試合の最終戦を迎えられるように準備していきたいです。